ふたりのイエスタデイ chapter28 / The Velvet Underground

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【ウォーホルのバナナが描かれた1stアルバム】

SNAKEPIPE WROTE:

先週、ROCKHURRAHが書いた「残暑見舞2025」にあったように、お盆時期から約10日程手術のために入院していたSNAKEPIPE。
日本一(世界一かも)と言われている名医に執刀してもらい、無事に退院したんだよね。
手術の翌日から立って歩けたのにはびっくり!
そして退院時も、迎えに来てくれたROCKHURRAHとともに、自分の足で帰宅できて良かったよ。
皆様、お騒がせしましたが、ここにSNAKEPIPEの復活を宣言いたします!(笑)
報告に続いて、通常のブログに戻ろうか。

当ブログのカテゴリー「ふたりのイエスタデイ」で、前回書いた「ふたりのイエスタデイ chapter27 / RUN DMC」について、ご指摘を受けてしまった。
RUN DMCについては2020年2月に「ふたりのイエスタデイ chapter17 /Sigue Sigue Sputnik&RUN DMC」として記事にしている、というもの。
6年前に書いたことを失念していたとは!
ダブった記事を載せてしまい、深くお詫び申し上げます。
恥ずかしいミスだね。(笑)

気を取り直して、「ふたりのイエスタデイ」を書いていこう。
今回はヴェルヴェット・アンダーグラウンドについてだよ!
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground)は、1964年にニューヨークで結成されたバンド。
ロック史上、最も革新的で影響力のあるバンドのひとつとして知られているんだとか。
画像中央のルー・リードが作詞したのは、ドラッグ、セクシュアリティや暴力など、それまでは扱われなかったテーマというのが特徴なんだって。
ポップ・アーティストのアンディ・ウォーホル(画像左から2番め)が、デビューアルバムのプロデュースとアルバム・ジャケットを手がけ、アートと音楽の融合という点も画期的だったという。
ウォーホルが連れてきたとされるモデルのニコ(画像左)が1stアルバムのみヴォーカルとして参加している。
ヒップでクール(死語)な人たちが集まって、バンドやったってことだね。
SNAKEPIPEはリアルタイムで聴いていたわけではないので、伝聞としてお伝えしているよ。(笑)

ここからが思い出につながる話ね。
SNAKEPIPEの父親は、数回、写真展を開催したことがある。
展覧会場ではBGMを流すことができたので、SNAKEPIPEと長年来の友人Mが音楽を担当した。
手持ちの音源をいくつかピックアップし、父親に聴いてもらう。
その中で「これ、いいね!」と父親が選んだのが、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「Sunday Morning」だった。

精神世界的な映像だね!(笑)
ゴッホの絵画作品みたいな「ぐるぐる」が出てきて、とてもアートな雰囲気。
2017年にアップされたようなので、当時は観ていない動画だよ。
デビュー・アルバム「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ」を聴きながら、父親にアンディ・ウォーホルが関係している話を伝えると、とても嬉しそうに「これに決めよう!」と瞬時にBGMが決定した。
SNAKEPIPEはCDを所持していなかったので、父が購入し、展覧会場で使用することになった。
その時のCDを今でも所持していて、愛聴しているよ!(笑)

父親の展覧会場で、SNAKEPIPEは受付に立っていた。
ふらっと立ち寄った外国人(欧米人)から英語で尋ねられる。
「この曲のタイトルは?」
展覧会のテーマにした「Sunday Morning」だったので、CDジャケットを見せて説明する。
「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、OK!サンキュー!」
暗記するように何度もバンド名をつぶやき、お礼を言って去っていった。
写真展についてのやり取りをしているのかと、父親が駆け寄ってきたけれど、質問が音楽だと分かり落胆していたっけ。(笑)

NHKで再放送されていた「ヴェルヴェットの奇跡 革命家とロックシンガー」を観る。
1989年にチェコスロバキアが革命により、共産党政権が崩壊し民主化が始まる。
チェコの反体制派から熱烈な指示を受けたのが、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの1stだったという。
後にチェコ大統領となるヴァーツラフ・ハヴェルが偶然手にしたレコードが革命の始まりだったとされ、「ヴェルヴェット革命」と呼ばれているという。
「音楽が歴史を変えた」ドキュメンタリーで、とても興味深かったよ!
大統領になったハヴェルが衝撃を受けたのが「I’m Waiting For The Man」だったという。

ピンボケで、ズームのスピードが速いため、かなり見づらい動画だよ。
SNAKEPIPEは洋楽を日本盤で買うことがほとんどないので、対訳が載っている解説を読んだことがない。
「I’m Waiting For The Man」はどんな内容なのか調べてみようかな。

マン(The Man)=麻薬の売人に会うために、26ドル握りしめレキシントン通りの125番地に向かう俺。
ここは白人の俺にとって居心地が悪い場所。
好奇の目で見られたり、何をしに来たのか探られてしまうからさ。
気にせず「マン」を待ち続けて、ようやく「マン」がやってくる。
待たされた挙げ句やっとドラッグにありつき、安心して帰路につけたよ。

少しSNAKEPIPEの脚色が入っているけど、歌詞を要約するとこんな感じみたい。
タイトルは「売人を待つ」というスラングで、当時の26ドルは、今だと200〜250ドルくらい。
これはヘロインの相場だったらしいね。
まるでスナップショットのように街の様子を切り取り、ドラッグをテーマにした曲は斬新だったんだね。
ヒッピーが提唱する「愛と平和」とは一線を画してるよ。
まさにバンド名通り「隠れた世界」や「社会の裏側」を表現していることが分かるね。

ROCKHURRAHがデビュー・アルバムの中で好きな曲は「Venus In Furs」だって。
タイトルはマゾッホの小説「毛皮を着たヴィーナス」から取られている曲なんだね。
ジョン・ケイルのエレクトリック・ヴィオラが印象的だよ!
ROCKHURRAHはジョン・ケイルが好きで、レコードを数枚所持しているという。

こちらもピンボケの粗い画像だけど、当時の雰囲気が感じられるよね。
ウォーホルが関わったことでアートと音楽が融合されたことは前述したけれど、文学的要素も加わっているよ。
80年代日本でバンド名に「マダム・エドワルダ」と名付けたり、「ジュネ」を名乗ったりするのも同じ傾向だよね。(笑)
文学と音楽とファッションとアートなど、複数の要素を「たしなんで」いたのは、80年代の共通項だったのかもしれない。
SNAKEPIPEもROCKHURRAHも然り、だからね!

2023年3月に「合田佐和子展」を鑑賞し、ルー・リードのアルバム・ジャケットを手がけていたことを知る。
合田佐和子はかねてよりルー・リードのファンで、1975年に来日した際、インタビューをしたという。
気難しいルー・リードと打ち解け、1977年に発売されたベスト盤(日本盤)アルバム・ジャケットの依頼を受けた話が紹介されていたっけ。
合田佐和子が出会った時には、すでにヴェルヴェット・アンダーグラウンドは解散していて、ソロ活動していたんだね。
ルー・リードについて調べていたら、2008年に前衛音楽家のローリー・アンダーソンと結婚していたことを知ったよ。
今頃驚くのは、遅過ぎだよね。(笑)

今回はヴェルヴェット・アンダーグラウンドにまつわる思い出話と曲の紹介をしてみたよ。
曲を聴いたりにおいをかいだりして、ふと昔の記憶が蘇ってくることがあるよね。
やっぱり歳だからかな?(笑)

ROCKHURRAH RECORDS残暑見舞い2025

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【全ては大丈夫、早く良くなってねSNAKEPIPE!】

ROCKHURRAH WROTE:

ROCKHURRAHとSNAKEPIPEはいつもより長いお盆休みを取ってるんだが、実はSNAKEPIPEはこの期間中に手術を行っていて、まだ入院中なのだ。
これまでに手術経験のない、比較的健康な生活を送ってきたSNAKEPIPEだったが、人生初の命に関わるような大手術を先週受けることになった。
ブログがアップされるのは日曜日だから「先週」とは書くものの、この記事を書いてるのはまだ手術翌日。
時系列で言えば先週後半の話だ。え?説明しなくてもわかる?

本当はブログなんて悠長に書いてる場合じゃないんだが、今回の記事はSNAKEPIPEからのリクエストによるもの。
手術のせいで毎週書いてたブログをお休みしたくない、という思いからなんだよ。
来週の体調が良くなってるかどうかがわからないので、実はその分のブログ記事も書き溜めてるという周到ぶり。
年に2回くらいしかブログを書かないROCKHURRAHには真似出来ない芸当だから頭が下がるよ。

この記事のみ読んでるような人には状況がさっぱりわからないだろうから、なるべく時系列に沿って語るとしようか。

年末年始に突然高熱を出したSNAKEPIPEだったが、色々な医者に診せても不明熱とかしかわからず、とにかく高熱のまま2ヶ月間も何の病気だかわからないまんまだった。
正月休みと重なってしまったので最初の対応が遅れたのもあったし、行った病院がヤブ医者→ちょっとは専門的な医者→全然関係ない分野の医者、となってしまったのが2ヶ月も治療が遅れた原因だ。
そして結局は別件で受診した大学病院、ここでやっと高熱の原因となった病気が判明した。
どうやらかなり危ない大病らしく、その日のうちに緊急入院となったくだりはこの記事この記事にも書いてるな。

そこで1ヶ月もの間入院して点滴治療を行なって、やっとSNAKEPIPEの厄介な病気はひとまず治った。
ROCKHURRAHは1日も欠かさず見舞いに行ってたけど、この間は2人とも本当に辛かったな。

そして今回の手術。
2月の病気とは密接に関係してるものの、どちらが原因なのかもハッキリとはわからないよ。
手術を受けた方がいいとは去年から大学病院で言われてて、ある程度の覚悟はしていたんだが、その病院では最も受けたくない手術方法でしか出来ないと言う。
主治医が正直と言うか、あまり自信がないような口ぶりで手術について語るので聞いてる方が怖くなってしまった。
このままでは絶対にいけないと2人のセルフKY(危険予知)が働いて、ここでの手術は辞退する決断をしたのだ。

その頃から病気については調べていて、TVドラマのモデルにもなった、この分野では日本一と言われてる有名な医師のいる東京の病院で手術を受けることになったのが5月の話。
さすがにこの手の手術に関しては場慣れしてる口ぶりで「得意です」とまで言われたら、この先生を信じる気になってしまったよ。
昔はSFでしかお目にかかれなかった最先端手術を受けることが出来て、しかも院長自ら執刀してくれるという。
大学病院から言われるままにしなくて良かったよ。

時はあっという間に過ぎて入院、そして手術となったのが昨日なのだ。

本当はこの間の紆余曲折や心の乱れ、2人の不安なども詳しく書こうと思えばかなりの長文になってしまうだろう。
しかしこのブログではSNAKEPIPEの病気についても漠然としか書いてないわけで、そんな描写は意味がないだろうな。

前は手術の様子を見学出来たようなのだが今はやってないとの事で、待合室で待つしかない。
TVドラマでよく見るように手術室の外のベンチで祈りながら待つ、というシーンはこの病院では出来ないので仕方ないな。

朝から始めた手術が昼前には終了、無事に成功したと伝えられたのでとりあえずはひと安心。
随分時間がかかったとROCKHURRAHは思ってたんだが、実際には麻酔をかけたり色々なものを装着したりで1時間くらいはかかるらしいので、手術自体は素早い手並みだったんだろうな。

夕方に麻酔から覚めた時には本人の連絡ももらったけど、文章は怪しいしその後プッツリと音信不通となってしまった。
手術自体は成功でも痛みや何やで苦しい思いをしてるんじゃないかという心配でいっぱいだったよ。

翌日、つまり今日の昼前にやっとSNAKEPIPEからちゃんとしたメッセージが来て、大丈夫なようなので、ようやく安堵した。
その後、少しずつ回復してるようなメッセージが増えてきたので良かった。
不安の中でこんな記事なんか冷静には書けないもんね。

敢えて具体的な闘病日記みたいなものは書けないけど、ごく簡単にSNAKEPIPEの現状を報告してみたよ。

今年も半分以上が過ぎたけど病気や手術以外でも、SNAKEPIPEのMacが突然ダメになって買い替えたことや、突然に玄関の壁が崩壊して靴棚がダメになったり、突然のDisorder(なぜか急に英語)が多かった年になるんだろうな。

SNAKEPIPEの回復祈願と今年後半にはだんだん良くなってくるとの願いを込めて、あまり凝ったものは作れなかったけどポストカードを作ってみたよ。
ROCKHURRAH POSTCARDというシリーズ名で毎年の年賀状と暑中見舞いを作ってるんだけど、80年代ニューウェイブに詳しい人が見たら元ネタはバレてしまうだろうな。
過去にもドイツのパレ・シャンブルグやホルガー・ヒラー、フェールファーベンにデイ・クルップスなどを題材に作ってきたが、今年は大御所DAFの曲名そのまんま。
Alles Ist Gutは「全ては大丈夫」みたいな意味だと思うけど、原曲はチューニングちょっと狂ったんでないの?と思わせる演奏に押し殺したヴォーカルで、全然大丈夫に聴こえない・・・が、まあいいか。

あともう少し待てばSNAKEPIPEも退院して帰れるようになるはず。
焦らず、ゆっくりでいいから徐々に元通りに元気になって欲しいよ。
一緒に帰って来よう、SNAKEPIPE。

それではまた、Bis bald!(ドイツ語で「また近々ね」)

ROCKHURRAH紋章学 Herbert W. Kapitzki 編

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【新聞広告用のデザインとカピツキご本人をコラージュ】

SNAKEPIPE WROTE:

2025年7月にギンザ・グラフィック・ギャラリーで鑑賞した「アイデンティティシステム」で、とても気になったグラフィック・デザイナーが2人いた。
「他の作品も観てみたい」とブログ内で書いていたように、そのうちの1人であるヘルベルト・W・カピツキ(Herbert W. Kapitzki)について特集してみたいと思う。
最初にカピツキの経歴を調べてみようか。

1925 ダンツィヒ(現・ポーランドのグダニスク)に生まれる
1941–1943 ダンツィヒでフリッツ・プフーレ教授のもとで学ぶ
1946–1948 ベルンシュタインの絵画芸術ワーキンググループに参加
1949–1952 シュトゥットガルト造形芸術アカデミーでヴィリー・バウマイスター教授に師事
1953〜 フリーランスのデザイナーとして活動
1956–1968 バーデン=ヴュルテンベルク州経済振興庁(LGA)デザインセンター・シュトゥットガルトで勤務
1964–1968 ウルム造形大学で講師を務める
1965年から視覚コミュニケーション学科長に就任
1967 モントリオール国際博覧会・ドイツ館の設計に参加
1968 視覚コミュニケーションおよびデザイン研究所を設立
「ドイツのグラフィックデザイン」コンペで受賞
1969 ドイツグラフィックデザイナー協会(BDG)副会長に就任
1970–1990 ベルリン国立美術アカデミーの視覚コミュニケーション学科教授に任命される
1974年には同校の副学長に就任
1990年に退職するまで数年間学科長を務める
1984 ドイツグラフィックデザイナー協会の設立メンバーとなる
1992–1995 シュヴェービッシュ・グミュント造形大学で客員講義を担当する
1993 ドイツグラフィックデザイナー協会の設立メンバーとなる
1994 第1回ロゴデザイン・ビエンナーレに参加、講演・展覧会を開催する
2005 ベルリンにて逝去

カピツキはデザイナーとして作品を制作しただけではなく、教育にも力を入れていたことが分かる。
ドイツはデザインに対する意識が高いよね!
1953年からずっとデザインに関わり続けたカピツキ。
作品を観ていこう!

年表の1956–1968にあるバーデン=ヴュルテンベルク州経済振興庁(LGA)のポスターがこちら。
1962年「計測と検査 製造技術において」という展覧会が開催されたみたい。
一体どんな展示があったのか気になるよね。(笑)
カピツキのデザインは、1953年に開校したウルム造形大学の思想に影響を受けているらしい。
それは情報の視覚構造化やシステム設計的アプローチから読み取れるという説明を読んだけど、色合いや雰囲気からバウハウスを感じてしまうよね。(笑)
ウルム造形大学らしさについて、調べてみたいよ。
どちらの学校も機能デザインを学ぶことができるみたいだけど、違いがあるらしいからね。

1962年に制作された写真家・アーウィン・フィーガー(Erwin Fieger)の展覧会告知ポスターがこちら。
「カラー写真によるエッセイ」というタイトルを、縦と横の両方向斜めに配置している。
ちょっとブレたフォントがオシャレだよね!(笑)
少ない色でタイポグラフィのみを使用し、最小限の情報を伝えている。
シンプルなポスターで、とても好みだよ!

こちらも1962年にデザインされた本の表紙だよ。
「グラフィックの記録(Dokumentation der Grafik)」というタイトルにふさわしく、強いインパクトがあるよね。
このデザインが、古代エジプトのシンボルである「ホルスの目」に見えてくるのは気のせいかな。(笑)
ブレを使っているのは前述のタイポグラフィを使用したポスターと同じ。
このブレが過去から未来へ続く時間を表現しているのかもしれない。
1962年にフォーカスし「現在(いま)のグラフィック」を記録した本、を意味してるのかな?

1963年に南西ドイツを代表する日刊紙「シュトゥットガルター・ナハリヒテン(Stuttgarter Nachrichten)」の新聞広告をデザインしたカピツキ。
新聞が自社のために「イメージ」を確認または強調することを目的として広告を出しているんだって。
読売新聞とか朝日新聞が自分の新聞のために広告を掲載する、みたいなものだよね。
大きな正方形と右下の小さな正方形がデザインされ、テキストが記載されている。
「関係性(Bindungen)」と題された作品は鎖によって「つながり」が表現され、右下の赤い正方形はロープの結び目のように見えるね。
文章は「出会いは関係を生み、関係は結びつきへと変わる。結びつきは関係を支え、そして対立を保護する。」と書いてあるそうだよ。
なんだか80年代の日本の広告みたい、と感じたSNAKEPIPE。
一見関係なさそうな題材とコピーを使用した雰囲気が似ている気がしたんだよね。

続いては、こちら。
1967年に刊行された複数のデザイナーによる、「シルクスクリーン・カレンダー・ポートフォリオ」だという。
そのうちの1枚がカピツキのデザインなんだね。
大きさ30cm四方で、シルクスクリーンで印刷されている。
円と正方形を組み合わせた迷路っぽいデザインが、オシャレ!
この作品は販売されていて、€80,00、日本円で約13,700円。
お手頃価格なので、SNAKEPIPEでも買えるよ。(笑)

1980年に学生向けの教材として活用された「プログラムによる造形 ― 記号による視覚化の基礎」の表紙だよ。
2つの立方体が組み合わさり、規則的に積み上がっている。
線の強弱とグラデーションを使用したモチーフの繰り返しが、シンプルでカッコ良いね!
この教材でグラフィックデザインの基礎を学び、「意味のある視覚言語」を作成する手順を学ぶことができるんだって。
カピツキの元で勉強した学生たちは、今頃どんな活躍をしているんだろう。
SNAKEPIPEもそのクラスに入ってみたかったな!
まずはドイツ語の習得からだね。(笑)

今回はドイツのグラフィック・デザイナー、ヘルベルト・W・カピツキを特集してみたよ!
ROCKHURRAH RECORDSの琴線に触れる作品がたくさんあって嬉しい。(笑)
「アイデンティティシステム」で気になったもう一人のデザイナー、アントン・スタンコフスキーについても近いうちに調べてみる予定だよ。
どうぞ楽しみに!

永劫回帰に横たわる虚無 鑑賞

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【ジャイルギャラリーの入口を撮影。いつも通り!】

SNAKEPIPE WROTE:

表参道のジャイルギャラリーで開催されている「永劫回帰に横たわる虚無 三島由紀夫生誕100年=昭和100年展」を鑑賞した。
展覧会のタイトルを見ただけで、キュレーションは飯田高誉氏だと分かってしまう。
とても観念的だからね!
1989年に終わった昭和から、すでに36年が経過していたことに驚く。
平成も終わって令和になってるもんね。(笑)
三島由紀夫が昭和元年生まれだったことも知らなかったよ。
生誕100年を記念する展覧会ってどんなだろう?

暑い中、ジャイルギャラリーに向かう。
表参道界隈が、いつもより空いている感じがするよ。
受付の方に撮影許可をもらい、展示作品りすとを受け取ろうとすると「日本語版は増刷中」と言われてしまう。
仕方なく英語版をもらったけれど、作品名が分からないかも。(笑)
入口入ってすぐに展示されていたのは森万里子の「UNITY」。
三島由紀夫の絶筆となった「豊饒の海」第一巻「春の雪」を題材にした作品だという。
鳥の子紙に顔料でプリントしているみたい。
クリスタルガラスがキレイだね。
今まで鑑賞したことがある森万里子の作品の中で、最も和風だったよ。
仏教美術と呼びたくなるね。

杉本博司の「相模湾 江之浦 2025」は、今年のお正月に撮影されたという。
2024年11月に訪れた「江之浦測候所」で見た、あの海だよね!
SNAKEPIPEが「海景」を真似た写真を撮り、ブログに載せたっけ。
そんな素人とは別格の、素晴らしい「海景」にうっとり。
まるでマーク・ロスコの絵画をモノクロームで鑑賞しているみたい。
ツヤなしの印画紙が重厚な印象を強くしているように感じたよ!

今回の展覧会で最もインパクトが強かったのが中西夏之のインスタレーション「着陸と着水」だった。
布の上にセラミック粉末が等間隔で盛られ、間にはパチンコ玉のような小さな球が転がっている。
中央付近に吊り下げられた朱色/シルバーの三角形が2つ、ゆっくりと捻転している。
2つの三角形が回る速度に違いがあり、左右の色の組み合わせが発生する。
まるで中国や台湾などで占いに使用されるポエのように見えるよ。
盛られている粉は御霊を表していて、占いによって転生が決定される装置かもしれない、と想像するSNAKEPIPE。
壁に配置された黒い2つの作品は同一なのかな。
このインスタレーションにおいては、阿吽像的な役割を果たしているのかも。
様々な解釈ができる作品だね!

友沢こたおは初めて知る名前だよ。
調べてみると、母親は漫画家の友沢ミミヨ、父親はフランス人アーティストだという。
5歳までフランスで育ち、それ以降は日本で生活している1999年生まれの美女だった!
「お」がついているので男性だと勘違いしてしまったよ。(笑)
恐らく画像右は友沢こたお本人の顔じゃないかな。
三島由紀夫の「仮面の告白」に戦慄した文章と共に作品を鑑賞すると、エロチシズムと死の関連を感じるよ。
大島渚の映画「愛のコリーダ」で、快感を高めるために相手の首を締めたような行為に近い雰囲気だね。
なんとなく伝わるかな?(笑)

インド出身のアニッシュ・カプーアの作品も展示されていた。
2023年12月にジャイルギャラリーで開催された「奪われた自由への眼差し」が記憶に新しいよ。
あの時は「血みどろ」の殺人現場みたいな展覧会だったっけ。
カプーアの絵画作品を鑑賞し、エネルギーを注入された気分を味わったよ。(笑)
今回の展示作品も、前回と同じように「ほとばしり系」(SNAKEPIPE命名)だった。
作品名はすべて「Untitled」。
モノクロームの作品は、まるで墨で描かれているみたいだね。
下から上に「ほとばしって」いて、爆発しているように見えてくる。

続いて、カプーアの赤い作品ね。
まるで火山が爆発したみたいじゃない?
2023年の展覧会では展示されていなかったようなので、初めて観る作品なんだね。
「メラメラ」や「ドクドク」といったオノマトペを思い浮かべる。
岡本太郎の作品に近い印象を受ける。
枠からはみ出さんばかりの力強さに元気をもらったよ!
サイトによれば、カプーアは三島由紀夫の大ファンなんだとか。
そして解説している飯田高誉氏によれば、三島由紀夫とカプーアには「共通する世界観」があるという。
とても高度な考察が載っているけれど、SNAKEPIPEの理解が追いつかないよ。(笑)

三島由紀夫生誕100年展を鑑賞できて良かった!
ブログ内では紹介しなかったけれど、三島由紀夫の音声をコラージュした池田謙や、「豊饒の海」のワンシーンを視覚化して写真作品にしたジェフ・ウォールなど、興味深い作品があったよ。
SNAKEPIPEは、三島由紀夫の作品は数冊のみ読んでいる。
横尾先生関連で知ったことが多いかもしれない。(笑)
今回テーマになっていた「豊饒の海」は未読なので、いつか読んでみたいなと思う。
電子書籍になっていないのが残念だね。