
【新聞広告用のデザインとカピツキご本人をコラージュ】
SNAKEPIPE WROTE:
2025年7月にギンザ・グラフィック・ギャラリーで鑑賞した「アイデンティティシステム」で、とても気になったグラフィック・デザイナーが2人いた。
「他の作品も観てみたい」とブログ内で書いていたように、そのうちの1人であるヘルベルト・W・カピツキ(Herbert W. Kapitzki)について特集してみたいと思う。
最初にカピツキの経歴を調べてみようか。
1925 ダンツィヒ(現・ポーランドのグダニスク)に生まれる 1941–1943 ダンツィヒでフリッツ・プフーレ教授のもとで学ぶ 1946–1948 ベルンシュタインの絵画芸術ワーキンググループに参加 1949–1952 シュトゥットガルト造形芸術アカデミーでヴィリー・バウマイスター教授に師事 1953〜 フリーランスのデザイナーとして活動 1956–1968 バーデン=ヴュルテンベルク州経済振興庁(LGA)デザインセンター・シュトゥットガルトで勤務 1964–1968 ウルム造形大学で講師を務める
1965年から視覚コミュニケーション学科長に就任1967 モントリオール国際博覧会・ドイツ館の設計に参加 1968 視覚コミュニケーションおよびデザイン研究所を設立
「ドイツのグラフィックデザイン」コンペで受賞1969 ドイツグラフィックデザイナー協会(BDG)副会長に就任 1970–1990 ベルリン国立美術アカデミーの視覚コミュニケーション学科教授に任命される
1974年には同校の副学長に就任
1990年に退職するまで数年間学科長を務める1984 ドイツグラフィックデザイナー協会の設立メンバーとなる 1992–1995 シュヴェービッシュ・グミュント造形大学で客員講義を担当する 1993 ドイツグラフィックデザイナー協会の設立メンバーとなる 1994 第1回ロゴデザイン・ビエンナーレに参加、講演・展覧会を開催する 2005 ベルリンにて逝去
カピツキはデザイナーとして作品を制作しただけではなく、教育にも力を入れていたことが分かる。
ドイツはデザインに対する意識が高いよね!
1953年からずっとデザインに関わり続けたカピツキ。
作品を観ていこう!
年表の1956–1968にあるバーデン=ヴュルテンベルク州経済振興庁(LGA)のポスターがこちら。
1962年「計測と検査 製造技術において」という展覧会が開催されたみたい。
一体どんな展示があったのか気になるよね。(笑)
カピツキのデザインは、1953年に開校したウルム造形大学の思想に影響を受けているらしい。
それは情報の視覚構造化やシステム設計的アプローチから読み取れるという説明を読んだけど、色合いや雰囲気からバウハウスを感じてしまうよね。(笑)
ウルム造形大学らしさについて、調べてみたいよ。
どちらの学校も機能デザインを学ぶことができるみたいだけど、違いがあるらしいからね。
1962年に制作された写真家・アーウィン・フィーガー(Erwin Fieger)の展覧会告知ポスターがこちら。
「カラー写真によるエッセイ」というタイトルを、縦と横の両方向斜めに配置している。
ちょっとブレたフォントがオシャレだよね!(笑)
少ない色でタイポグラフィのみを使用し、最小限の情報を伝えている。
シンプルなポスターで、とても好みだよ!
こちらも1962年にデザインされた本の表紙だよ。
「グラフィックの記録(Dokumentation der Grafik)」というタイトルにふさわしく、強いインパクトがあるよね。
このデザインが、古代エジプトのシンボルである「ホルスの目」に見えてくるのは気のせいかな。(笑)
ブレを使っているのは前述のタイポグラフィを使用したポスターと同じ。
このブレが過去から未来へ続く時間を表現しているのかもしれない。
1962年にフォーカスし「現在(いま)のグラフィック」を記録した本、を意味してるのかな?
1963年に南西ドイツを代表する日刊紙「シュトゥットガルター・ナハリヒテン(Stuttgarter Nachrichten)」の新聞広告をデザインしたカピツキ。
新聞が自社のために「イメージ」を確認または強調することを目的として広告を出しているんだって。
読売新聞とか朝日新聞が自分の新聞のために広告を掲載する、みたいなものだよね。
大きな正方形と右下の小さな正方形がデザインされ、テキストが記載されている。
「関係性(Bindungen)」と題された作品は鎖によって「つながり」が表現され、右下の赤い正方形はロープの結び目のように見えるね。
文章は「出会いは関係を生み、関係は結びつきへと変わる。結びつきは関係を支え、そして対立を保護する。」と書いてあるそうだよ。
なんだか80年代の日本の広告みたい、と感じたSNAKEPIPE。
一見関係なさそうな題材とコピーを使用した雰囲気が似ている気がしたんだよね。
続いては、こちら。
1967年に刊行された複数のデザイナーによる、「シルクスクリーン・カレンダー・ポートフォリオ」だという。
そのうちの1枚がカピツキのデザインなんだね。
大きさ30cm四方で、シルクスクリーンで印刷されている。
円と正方形を組み合わせた迷路っぽいデザインが、オシャレ!
この作品は販売されていて、€80,00、日本円で約13,700円。
お手頃価格なので、SNAKEPIPEでも買えるよ。(笑)
1980年に学生向けの教材として活用された「プログラムによる造形 ― 記号による視覚化の基礎」の表紙だよ。
2つの立方体が組み合わさり、規則的に積み上がっている。
線の強弱とグラデーションを使用したモチーフの繰り返しが、シンプルでカッコ良いね!
この教材でグラフィックデザインの基礎を学び、「意味のある視覚言語」を作成する手順を学ぶことができるんだって。
カピツキの元で勉強した学生たちは、今頃どんな活躍をしているんだろう。
SNAKEPIPEもそのクラスに入ってみたかったな!
まずはドイツ語の習得からだね。(笑)
今回はドイツのグラフィック・デザイナー、ヘルベルト・W・カピツキを特集してみたよ!
ROCKHURRAH RECORDSの琴線に触れる作品がたくさんあって嬉しい。(笑)
「アイデンティティシステム」で気になったもう一人のデザイナー、アントン・スタンコフスキーについても近いうちに調べてみる予定だよ。
どうぞ楽しみに!









