【実際に販売されているピカソをモチーフにした椅子!日本円で6万円也】
SNAKEPIPE WROTE:
前回までの「収集狂時代」は現代アートの高額取引についての紹介記事だったけれど、アートに限定してしまうと一年に一度の更新しかできない企画になってしまうことに今更ながら気付いたSNAKEPIPE。
もう少し幅を拡げてみよう、と調べたのが椅子!
何故だか「ビザール・グッズ選手権」でも一番多く紹介しているのが椅子なんだよね。
何故そこまで椅子にこだわるのか全く自覚がないんだけど、心理分析すると何か出てくるのかな?(笑)
「収集狂時代」というカテゴリーでの特集なので、世界で最も高額の椅子ベスト5を紹介してみよう。
もちろんこの金額は将来的には変動するはずなので、2015年4月時点でのランキングということで4649!
では5位からいってみようか。
デンマークの有名な家具デザイナーフィン・ユールがデザインした「Chieftains Chair」である。
1949年にコペンハーゲンで開催されたデザイン・フェアでお披露目された際、当時のデンマーク国王であったフレゼリク9世が腰掛けたことにより「King’s Chair」とメディアが命名したけれど、後にフィン・ユール自身が「Chieftains Chair」に改名したとのこと。
翻訳すると「指導者椅子」といったところか?
素材はチーク材とクルミを使用し、革張りのシートになっている。
一見すると「ちょっと地味目の椅子」という感想を持ってしまうけれど、恐らく座り心地は最高なんだろうね?
正面からの写真1枚では判り辛いけれど、背中のカーブや肘掛け部分の曲線が美しいよね!
さて、気になるお値段は$15,970、日本円に換算すると約190万円!
これは2015年5月のレートね。
「 収集狂時代」は今まで現代アートを特集してたせいで、金額の桁数が少なく感じてしまったよ。(笑)
世界の名品の椅子1脚190万円。
手が届きそうな金額に思えてしまう。
換算、間違ってないよね?(笑)
続いては4位!
建築家のフェルナンドと法律家のウンベルトは、カンパーナ兄弟として有名なブラジルのデザイナーデュオである。
木片、パイプ、ゴムホース、ティッシュペーパー、綱線、紐、梱包材、ぬいぐるみなどの日常にありふれた材料を使った椅子やランプなどの家具デザインは、奇想天外な作品ばかり!
上のパンダちゃんがいっぱいの椅子も、一目見て「カンパーナ兄弟の作品」として認識されるほど、ぬいぐるみ椅子はインパクトが強い彼らのトレードマーク的な作品のようだね。
この椅子は限定品なので、ナンバリングがされ「Pandas Chair, Limited Edition, Campana Brothers」と刺繍が施されているとのこと。
気になるお値段は$85,000、日本円で約1,018万円也!
おお、第5位と第4位にかなりの金額差があるようで、4位で1000万円を超えてきたね!(笑)
こんなにかわいいパンダちゃんの上には座れないよねえ?
1000万円で購入しても座れないなんてね!
それでは第3位!
オーストラリアのプロダクトデザイナー、マーク・ニューソンがデザインした「Lockheed Lounge」ね。
プロダクトデザイナーって聞き慣れない言葉。
調べてみると「プロダクトデザインを手がけるデザイナーのこと」と当たり前の回答がWikipediaに載っていた。(笑)
プロダクトデザイナーには、いわゆる工業製品のインダストリアルデザイナー(工業デザイナー)だけでなく、食器パッケージなどのデザイナーも含まれるらしい。
マーク・ニューソンがデザインした商品の中には「味の素」のパッケージやauの携帯電話talbyのデザインもしていたようなので、知らぬ間に秀逸なデザインを目にしていたみたいだね!(笑)
今回の目的である椅子に話を戻そうか。
「Lockheed Lounge」はマドンナの「rain」のPVにも登場していることで有名だと言う。
少し横になるように椅子の上でくつろぐマドンナを見ることができるね。
こうしてみると、椅子の大きさがよく分かるよ。
関係ないけど、PVには坂本龍一が登場していたり、日本人をスタッフに仕立てていたりして日本を強く意識していたみたいだね?
この曲は1993年にアルバム「エロティカ」からシングルカット。
「Lockheed Lounge」は2006年のサザビーズで$968,000の値段が付いたことでランキング3位になってるんだよね。
マドンナが座ってから13年後、ということになるのかな?(笑)
日本円に換算すると約1億1600万円!
おー、ついに出ました億超え!(笑)
素材はファイバーグラス補強されたプラスチックとのこと。
なんともいえない曲線が印象的で、金属的な輝きがとっても素敵!SNAKEPIPEもちょっと欲しくなったよ。(笑)
えっ、金額が「ちょっと」じゃないって?
第2位はなんとオフィス用の椅子!
ピニンファリーナはイタリア最大のカロッツェリアである、という説明に「カロッツェリアって何?」と思ったSNAKEPIPE。
カロッツェリアはイタリア語で乗用車のボディをデザイン・製造する業者、もしくはボディ修理業者とのこと。
最近は車だけではなく、鉄道や飛行機、家電や家具、装飾品までデザインの幅を拡げているという。
そのピニンファリーナ製である「Aresline Xten」 はオリンピック選手のためにデザインされた布地を使用し、座る人の体の形に合わせて変化するクッションが特徴だという。
原動力同期傾きシステムにより、傾けられる角度も個々に調整できる。
うーむ?読んでいるだけだとその良さは分からないなあ。
お値段は、というと$1,500,000、日本円で約1億8000万円!
ひー!ほとんど2億円だよね。(だんだん金銭感覚がおかしくなっている)
上の写真で4脚あるから1.8☓4で7.2、7億2000万円だね。(笑)
見る限りでは、2億円近い金額の椅子には思えないんだけど?
もちろんスタイリッシュでシンプルで、素敵だなと思うけどね。
座ってみないと分からないよね。
いや、もし座った時に何かこぼしたりして布地にシミなんか作っちゃったらと思うと怖くて座れないよね。(笑)
こんな椅子をオフィスにおける会社なんてあるのかなあ。
もしかしたらピニンファリーナの社員は全員この椅子だったりして!?
堂々の第1位にランクインしたのはこちら!
アイルランドの女流インテリア・プロダクト・デザイナーであるアイリーン・グレイの1971年の作品「Dragons Chair」である。
1920年代に活躍していた女流デザイナーがいたことを全く知らなかったSNAKEPIPE。
アイリーン・グレイの作品はどれもモダンでシンプル、現代のデザインの先駆けだったことが良く解るね。
代表作のサイドテーブルはニューヨーク近代美術館の永久コレクションにもなっているというから、彼女の偉大さが伝わるよね!
そのアイリーン・グレイの作品が、クリスティーズのオークションでファッション・デザイナーであるイブ・サンローランによって競り落とされたというのだ。
そしてその金額が$27,800,000、日本円にしてなんと、33億1500万円!
おおっ、ついにここまでの高額が出てきたね。
それにしてもイブ・サンローラン、金持ちなんだね。(笑)
「Dragons Chair」と名前が付いているけれど、どこにドラゴンがいるんだろう?
上の画像では判り辛かったので、違う画像を検索してみたよ。
左の画像が肘掛け部分のクローズアップなんだけど、肘掛けの先にドラゴンの頭があるんだね。
西洋人が憧れを持って東洋文化をミックスさせたような雰囲気が、この椅子の魅力を更にアップさせているよね!
シノワズリとかオリエンタリズムということなのかな?
椅子本体はレザー張りで、重厚感があるね。
イブ・サンローランはこの椅子に座って、新たなデザインを考察するんだろうか?(笑)
今回の「収集狂時代」は、椅子の高額ランキングだったけれど、また別のモチーフも検索してみようかな!
今まで知らなかったデザイナーの世界、とても楽しみだ。