【作者本人とコスプレ彫刻作品】
SNAKEPIPE WROTE:
今回ご紹介するのはSNAKEPIPE MUSEUM初のオランダ人アーティスト!
ROCKHURRAHがオランダのバンドについて語っていたり、SNAKEPIPEもオランダのデザインで取り上げたことはあるけれど、アーティスト個人としては初めてみたい。
オランダといえば、鎖国していた江戸時代から日本とは関わりが深く、オランダからもたらされた学問など多大な影響を受けている国だよね。
画家では、ゴッホ、 レンブラント、フェルメール、モンドリアン、エッシャーなどなど上野の西洋美術館で個展が開催されるような世界的な有名どころが勢揃い!
SNAKEPIPEだったら上に挙げた画家の中では、鑑賞したいのはモンドリアンかなあ。(笑)
オランダという国についてあまり詳しくないと思っていたけれど、意外と断片的に見聞きしているみたいだね?
この方がHans van Bentem、ハンス・ファン・ベンテムと読んでいいのかな。
日本語の記事が見つからなかったので、それで堪忍してね。(笑)
間違って変換すると弁天、になってしまうので注意が必要だね!
ハンス・ファン・ベンテムはオランダ・ハーグ出身の1965年生まれ。
現在、54歳くらいかな?
1988年、ハーグの王立美術学院を卒業。
ほう、オランダでは国立じゃなくて王立なんだね?
日本のサイトにも「デザイン留学」として紹介されている記事を読んでみたよ。
いくつかの学科があり、それぞれ課題を提出することや面接で留学の可否が決まるようで。
インテリアアーキテクチャの課題は模型の提出とテーマに沿ったドローイングの提出だって。
やっぱりデザイナーはある程度絵が描けないとダメなんだね。
製図ができれば良いのかと思っていたので、ちょっと意外だったよ。
話 を弁天さんに戻そう。
あ、ベンテムね!(笑)
ベンテム、どうやらパンクの影響を受けているようで、反骨精神を持った作品も多く見られるというので共感しちゃうよね。
1990年から大型の彫刻を制作していて、公共の場所に置かれている作品もあるという。
「Fruitface」と題された2010年の作品は、庭園の池に配置されているみたいね。
果物の顔、というと「だまし絵」のアルチンボルドを思い出すけれど、こちらは立体作品だし、頭から噴水出てるもんね。
よく観ると果物以外の、ネギとかかぼちゃも確認できるけど、まあいいか。(笑)
ちょっと不気味だけどユーモラスな作品を公共の場所に置くオランダという国は、アートに寛容なんだろうなと想像する。
子供の頃からこんな作品を目にしていたら、きっと価値観が違ってくるんじゃないかな。
もしかしたらそこらへんがデザインに秀でた人物や画家を多く排出している要因なのかもしれないね。
ベンテムの代表作はシャンデリアになるのかな。
様々なモチーフを作品にしているんだよね。
載せた画像は共産主義のシンボルとして、またはソビエト連邦の国旗にも描かれていることで有名な「鎌とハンマー」のシャンデリア。
これは皮肉なんだろうね。(笑)
こちらも同じニュアンスのカラシニコフ型のシャンデリア!
先日の「ROCKHURRAH紋章学 ブック・デザイン編 3」でもロシア一色の記事を書いているけれど、またしてもロシア系(ソビエト連邦)モチーフを取り上げてしまったよ。
よほど好きなのかもしれないね。
ロシアといえば、先日プーチン大統領がアメリカの映画監督であるオリバー・ストーンからインタビューを受けている映像を少しだけ観たんだよね。
録画しておけば良かったと後悔するほど興味深い内容で、 プーチン大統領の頭脳のキレや会話のセンスなどを知り、人気の理由がわかったように感じたよ。
ロシア関連はもっと調べていきたいテーマだね!
話をベンテムに戻しましょう。
つい脱線しちゃうんだよね。(笑)
ベンテムのファンとして記事を見つけたのが、なんとマドンナ!
記事に載っている画像によれば上のカラシニコフ型ではなくて、コルト型のシャンデリアを購入したみたいだね。
2017年に「収集狂時代 第7巻 Chanel編」 で、ヒールの部分がピストルになっているパンプスをマドンナが履いている情報を書いたことがあるけれど、この記事にも足元の画像が載っているよね。
ベルトのバックルにもピストルがあしらわれているのが見える。
マドンナも相当物騒アイテム好きなんだろうね。
それにしてもこんなシャンデリアを飾っておける広い家に住めて羨ましいよ。
SNAKEPIPEはカラシニコフ型を買おうかな。(笑)
違うバージョンのライトもあるね。
はっきりわからないんだけど、顔のように見えるんだよね。
上の物騒アイテムとは違って、ユーモラスな作品。
左の奥に金ピカの骸骨がぶら下がっているのが見えるかな。
この作品も天井の梁から吊られているので、首をくくっているように見えてしまうのが怖いところ。
屋根裏みたいな場所なので特にそう感じてしまうのかも。
鑑賞している時に、急に目の前の現れたらドキドキちゃう作品だよね。
骸骨アイテムをもうひとつ。
これは置物なのかランプなのか不明だけど、頭の上にとんがりがついている骸骨ね。
こちらは銀ピカで非常にSNAKEPIPEの好み!
イメージとしては、未開の地に建てられたトーテムポールかな。
敵方の首を取り、戦利品としてオブジェにしたような雰囲気なんだよね。
素材についても不明だし、テーマもよくわからないので勝手な想像だけど。(笑)
パンク系のレコード・ジャケットにも使用されることが多いドクロなので、ここらへんにパンクに傾倒した嗜好が表れているのかもしれない。
オランダでパンクというと、どこらへんを聴いていたんだろうね?
ヨーロッパなので、例えばイギリスのパンクも、ほとんどリアルタイムで入っていただろうし。
ベンテムのアートを表現するのに使われる言葉が「Art for boys」(男の子のための芸術)や「Hard pop」(ハード・ポップ)だという。
ハードとポップという相反する言葉を組み合わせた表現は、デヴィッド・リンチが提唱した「Happy Violence」(幸せな暴力)に似ているよね。
どうしてもリンチに結びつけてしまうなあ。(笑)
敬愛するデヴィッド・リンチも「出たがり屋さん」の映画監督だけど、ベンテムも負けてないみたい。
一番上に載せたご本人のポートレイトをもう一度確認してね。
なんとベンテム、自分をモチーフにセルフ・ポートレイトならぬセルフ・スカルプチャー(彫刻)制作しちゃってるの。(笑)
実を言うとSNAKEPIPEが今回取り上げることにしたのは、有名なシャンデリアが目的じゃなくて、このスカルプチャーなんだよね。
これは19世紀の軍人をイメージしたコスチュームなのかな。
豪華な肩章やバッジが付いているところを見ると、かなり位が上の立場なんだろうね。
ベンテム将軍、といったところか?
5体並んでいる画像では中央に位置しているベンテム将軍。
キリッとしているし、実際にこんな軍人がいてもちっとも不思議じゃないよね。
コスプレ趣味の人も「やってみたい!」と思うタイプじゃないかな?
SNAKEPIPEもミリタリー大好きだから、やってみたいかも。
次のコスプレは、なんとゲイ!
裸に拘束具のようなベルトを巻き付け、かぶっているのは警察官の帽子?
このスタイルから思い出すのは「そうさ、YMCA!」でお馴染みのヴィレッジ・ピープル!
えっ、古い?(笑)
あのメンバーの中に似た服装の人がいたはず、と画像検索してみると、ほらいる!
一番左にいるレザージャケット着てる男性に注目。
ホースシューやバイカー・ムスタッシュと呼ばれるヒゲまでそっくりなんだよね。
1953年に公開されたマーロン・ブランドの「乱暴者 (原題:The Wild One)」に由来した、男らしさを強調するファッションということなのかな。
それにしてもベンテム、コスプレ大成功じゃない?(笑)
ベンテムの七変化は他にもあるんだけど、SNAKEPIPEがおったまげたのはコレ!
誰、このおばはん?(笑)
いやあ、ベンテムよくやるわ!
女装するにしても、このスタイルを選んだところが秀逸。
本当にどこかにいそうな感じだもん。
この画像だけ観ても意味不明だけど、本人の画像と並べると面白さ倍増だよね!
他にブッダとかピエロとか、元の素材は同じなのに衣装や化粧でまるで別人に見せるテクニックには脱帽だね!
この作品を実際に観たいよ。
日本ではオランダにあるエッシャー美術館のシャンデリアを制作したアーティスト、として紹介されているハンス・ファン・ベンテム。
他にもユニークな作品がたくさんあるのに、知名度は低めなのかな。
森美術館あたりで大規模な個展、開催して欲しいなあ!
上のベンテムおばはんと2ショット撮りたいんだよね。(笑)