【紋章学にちなんで昔の西独逸、地方自治体の構成図。今見てもカッコイイね】
ROCKHURRAH WROTE:
タイトルは大げさだが、やろうとしている事は単純明快。世の中に溢れているロゴマークとかについて語ってみようという誰でも考えつきそうな企画だ。
ただ、ROCKHURRAHがやるからにはやっぱりウチらしく、という切り口で出来たらいいなと思っている。
第一回はやはりROCKHURRAHにとって馴染みの深い、レコード・レーベルのロゴマークについてだ。何度かこのブログを読んで下さっている方には言うまでもない事だが、今回も70〜80年代のパンク、ニュー・ウェイブ限定で話を進めてゆこう。さらに今回もよりによって選んではみたものの、到底盛り上がる話も書けそうにない。最初から企画倒れになりそうな予感満載。まともに書いてたら書いてる本人が苦行となりそうだし、自動筆記の境地でやってみるか。
KOROVA RECORDS
見ればわかる通り、単なる牛だ。これは見る人が見れば一目瞭然、「時計じかけのオレンジ」に登場するコロヴァ・ミルク・バーから連想したレーベル名なのは間違いない。あらゆる意味で革新的だった映画だが、登場する暴力的な若者はナッドサットという独自のスラング(ロシア語由来とのこと)で会話をする。その影響をストレートに表現したのがコロヴァ・レコードのマークというわけだ。ご丁寧にも「時計じかけのオレンジ」と同じような字体にしているから、より一層わかりやすいね。
1980年にデビュー・アルバムをリリースしたリヴァプール発の大型新人、エコー&ザ・バニーメンのヒットにより一躍知られたレーベルなんだが、他にもぽっちゃり型ネオ・サイケの雄、ザ・サウンドやデビュー・シングルのみリリースしたテンポール・テューダー、ケバ顔&水玉で有名な二人女子、ストロベリー・スイッチブレイドなども在籍していたっけか?
レコード盤のレーベル部分もピンクと黄緑というピストルズ風カラフルな色合いでいかにも当時のニュー・ウェイブ真っ盛りの派手さ、そこが良かったな。
何と、デザインについてはほとんど語ってなかったな。というか、ただの牛です。
COCTEAU RECORDS
フランスの大型詩人(巨人という意味ではなくてマルチな活躍をしたアーティストという意味でROCKHURRAHがテキトウに命名)、ジャン・コクトーへの傾倒をストレートに表現したのがコクトー・レコード、何て当たり前の説明だろう。この人の描く漫画、落書きのような簡素なドローイング、そしてサインもそれだけでいっぱしのデザインになってるところがすごい。いかにもサラサラっと描いてる感じだし、それが本業でもないのに、さすが多才。
さて、このコクトー・レーベルを設立したのは70年代にビー・バップ・デラックスを率いていたビル・ネルソンだ。そこではギタリスト兼シンガーだったわけだが、後のバンド、レッド・ノイズやソロとなってからはギター、ベース、ドラムにシンセサイザーなどの主要楽器をほとんど自分一人で担当している場合もあった。その辺のマルチな才能もコクトーに相通ずるところなんだろう。とにかく自分の目標で憧れを直截的に表したのがこのレーベルというわけだ。
そこまでの心意気は立派だが、コクトー・レーベルにはビル・ネルソン本人以外にはこれといって目立つアーティストがいなく、彼の秘蔵っ子と言えるようなバンドもいない寂しい状態だったのは確か。唯一、80年代にちょびっとだけヒットしたシーガル・カット(髪の毛の両サイドがかもめの羽根のように開いてる)の変なヤツ、ア・フロック・オブ・シーガルズがこのレーベル出身という程度か。デビュー曲のみでヒットした「I Ran」は確かメジャー移籍後だったから「あれ(シーガルズ)に目をかけてやったのはワシじゃよ」などとは言えない状態。他にはスキッズ解散後のリチャード・ジョブソンが詩の朗読をしたものやビル・ネルソンの弟イアン・ネルソンがやっていたフィアット・ルクスなどなど、何だか家族・友人といった内輪の世界でやっていた私家レーベルという印象がある。
あっ、またしてもデザインについて何も語ってなかった。というかビル・ネルソン要素は全くなくてただのコクトーです。
KABUKI RECORDS
歌舞伎もカブキ・ロックスも特に興味はないが、外国人が日本の文化について目をつけて紹介したようなものを見るとつい見入ってしまう。その辺の感覚を深く掘り下げて語るほどのヒマはないから考察はしないが、単なる外国かぶれなのかね?
屏風で同じようなものがもしあったとしても特に何とも思わないけど、それがスカジャンの柄になったらカッコイイと思う、そういうのと一緒か。
まあそれは特に関係ないが日本の文化、歌舞伎をレーベル名にしたのがこれだ。単にKABUKIと下に書いてあるだけで何か洋風、カッコイイと思ってしまうROCKHURRAHは単純すぎる気もする。絵を見てもよくわからないがおそらく歌舞伎の一場面なんだろう。
このKABUKIレーベル、たまたま持っていたKissed Airというアイルランドのバンドのレーベルらしい。ちょっとファンクな要素があるけど全体としてはダークなトーンで地味なバンドという印象だ。ギャング・オブ・フォーとかグラクソ・ベイビーズとかその辺を小型化したような音楽に感じる。他にはマイクロディズニーとかオペレーティング・シアターなどもここの出身なんだが残念なことに名前程度しか知らない。だったら書くなよー、といういつものROCKHURRAHのパターンになってしまうが、好きじゃないものについてでもこんなに長文書けてしまうのも何かの才能、まあ良いではないか。
デザインは特にこのレーベル特有のものではなく、ただの歌舞伎です。
MERCIFUL RELEASE
最後にやっと紋章っぽくなってきたな。んがしかし、このマークについて何か書けって言われても「よくわからん」としか言いようがないよ。トホホだよ。
かつてプラモデル好きでよく作っていたROCKHURRAH(少年時代)だが、その当時は人体模型のようなプラモが確かあったように記憶する。しかし戦車や戦闘機、サンダーバードやマイティジャックの秘密基地とかそういうものにばかり興味あったので、人体模型のような世界には走らなかった。そっち方面を極めて今の自分が形成された、などと言えた方がROCKHURRAHっぽいような気がするが。本当は血を見るのも解剖も大嫌いだがイタリアにあるラ・スペコラ解剖博物館所蔵の人形などを見ると、無条件に見に行きたくなってしまう。
前置き長すぎて何を書こうとしてたか忘れてしまったが、このマーシフル・リリースのシンボルが人体模型をちょっと思わせる、という一文を書きたかっただけ。とりとめのない割には大した事書けなくて申し訳ない。
このマーシフル・リリースはポジティブ・パンク、ゴシックの帝王と呼ばれたバンド、シスターズ・オブ・マーシーがほぼ独占していた。このバンドのファン以外は「何これ?」の世界だろうと推測はつくが、大きくても小さくてもレーベル・マークなんてのは作った人(あるいは選んだ人)の好き勝手。外部の人にとっては意味不明でも本人にとって何か意味があればそれでいいんだろう。
紋章学と銘打っておきながら結局デザインについては何も語らなかったなあ。
というわけで駆け足、企画倒れの記事になってしまったようだが、世の中には至る所にロゴ・マークが転がってる。まだまだ色々な切り口で語る事が出来るはずなので、これからも新シリーズとしてやってゆきたいと思う。
では発売日に買った「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」の攻略の続きでもやりますかな。もう一応終わったけどギラヒム様、強すぎ。