がっちりBUYましょう!vol.8 Massif & Nike ID編

【こだわったモノ作りを強調し過ぎて全然ミリタリーっぽくないMASSIFの宣伝ページ】

ROCKHURRAH WROTE:

タイトルが長くなり過ぎて2行になるのがイヤだったから省略したけど、今回もまたまたミリタリー&タクティカル系となってしまう。 最近はライブも行かないしパンクな格好もあまりしなくなってしまったなあ。革パンだけは毎年冬になると穿くけど、これはROCKHURRAHにとってはジーンズとかよりもずっと快適だから。穿いてみた事ある人には当然わかるだろうが、サラサラの裏地がついてるから、見た目よりは動きやすいんだよね。無理して格好つけてるわけじゃないのだ。  ミリタリー系が好きだからといっても本物の◯◯軍を忠実に再現しようなんて気は全くなくて、そういうマニアとも違うから、ぱっと見にはパンクかミリタリーか、どっちつかずの得体の知れないヤツという事になる。 ある意味では独特の路線?

さて、今回紹介する持ち物は特にテーマもないんだが、そういうタクティカル系の装備(?)で買って良かったと思えるものを挙げてみよう。

Massif Army Elements™ Jacket UCP

マッシフ・マウンテン・ギアという米国オレゴン州のメーカーなんだが、名前の割にはいわゆるアウトドア・ブランドとは違って、軍隊御用達に限りなく近い商品ばかり作っているようだ。街着っぽいものもカタログには載ってるけど、よく見たら潜入捜査とか要人警護とか、そういう特殊任務の人が着そうな機能を持った服作りを得意としている感じ。ウチのブログでもしつこいくらい書いてきた5.11タクティカルと似た雰囲気だな。ただしこちらの方がずっと高級で上質、さらに5.11よりは格段にスタイリッシュなシルエットのものが多いという印象がある。5.11+アークテリクスの線を狙ったのかも。値段もかなり高級で5.11のCMみたいに泥の中にダイブしてほふく前進なんて、とてもじゃないが出来なさそう。

このメーカーは難燃性素材として名高いノーメックスをふんだんに使ったジャケットを売りものにしていて、エレメント・ジャケットもその一種だ。日本語に訳すとえーっと、成分上着。何じゃそりゃ? ノーメックスは最新の技術ではなくてデュポン社が大昔に開発したもの。MA-1の後継に当たるフライト・ジャケット、CWU-45/Pで使われて知られるようになったとミリタリー好きならば思い出すだろう。採用されたのが1973年というからかなり歴史のある素材だね。 実際に燃やしてみた事は皆無だがROCKHURRAHもパイロット用の衣服でノーメックス素材を所有している。しかしこれ、何か肌触りが非常によろしくないんだよね。ザラザラしてて体にまとわりつくいやらしさ。夏は絶対に着たくないな。耐熱性が優れてるのと着心地は別問題というわけか。 着用写真は怪人蝿男みたいで気色悪いけど加工したものなので許して。

まあこういう特殊な素材を主原料として作られたマッシフのエレメント・ジャケットは簡単に言えばノーメックスを90%使ったソフトシェル・ジャケットという位置付けになる。毎回書くのもアレなんで「ソフトシェルってなーに?」の人は自分で調べて下さい。 このエレメント・ジャケットは本国の通販サイトで見ても何と579ドルもする高級品で、日本でも扱っている数少ない販売店では7〜8万もするもの。しかしなぜかかなりの格安で手に入れてしまった。もしかして噂のパチもんか?とも思うが(ミルスペックはちゃんと本物らしく付いてたしメイド・インUSAだったが)、炎に飛び込むつもりはないので細かい事は気にしないようにしよう。細部まで丁寧な作りになってたよ。

主要な用途はエア・クルーか戦車兵か、要するに燃えるのが危ない人々ということになる。ん?燃えるのが危ないのは万人共通か? したがって迷彩は空軍の場合はABU、陸軍の場合はACUと呼ばれるデジタル迷彩になるが、ROCKHURRAHはたぶん一番普及率が高いACUにした。単に特価品はACUしかなかったから選択の余地がなかっただけだが、本国でのメインはたぶんマルチカムになるはず。ACUはすでに廃止されつつある迷彩だからなあ。ACU全盛の頃には曖昧な色合いを嫌って着ずに、こんな時期になって今さらACUとは、その辺の時代感覚のズレがさすがROCKHURRAH流と言うべきか? それらの迷彩がそもそもわからん人は当ブログの「CAMOのマイハウス」「〜2012」を読んでみてね。商品名にあるUCPとはユニバーサル・カモフラージュ・パターンの事でデジタル迷彩の総称。ACUやABU、MARPATなどはどれもUCPのヴァリエーションというわけだ。

表側はやっぱりちょっとざらついた感触で、他のソフトシェルの柔らか素材に慣れた目には着心地悪そう。しかし内側はちゃんと首の裏までフリースになってるので見た目ほどではなかった。硬くて肘を曲げるのも苦労、という事は全然ないから、購入を躊躇してる人でも安心して大丈夫。 裏側は袖のあたりまで全部総フリースとなっている。最近のタクティカル系では多い通気性とかは一切考えられてなく、脇の下のベンチレーションとかはまるで付いてない。内ポケットもなくて腰の両サイドポケット、それと右胸に縦ジッパーのポケット、左手にポケット+ペン差しのようなものが付いている。 ペン差しは袖近くにも独立して付いていて、戦車兵やエア・クルーという仕事がそこまで日常的にペンを多用してるのかとちょっと驚いた。あれば便利なのはわかるが、頻繁にペンを抜き差しするには不便だろうな。 袖のところは手首アジャスターのようなのは全くなくて、裏側にN3-Bのようなリブ(簡単に言えばトレーナーの袖みたいな感じ)が縫い込まれている。 結構手首が華奢なROCKHURRAHでさえややきついから、がっしりした体格の人は袖通すのが大変かもね。 こういう風を通しにくい袖口、そして顎のあたりまで来る高いスタンドカラーによって、このジャケットはかなりの保温性を持っている。一番の特色である難燃性や耐熱性ばかりは試してみる事は出来ないし、そういうのを試さないといけないような事態には絶対巻き込まれたくないものだ。 通常のソフトシェルでは飽き足らない珍しもの好きな人には、シルエットも非常にスマートなのでオススメ出来るよ。 製品のどこにも付いてないけどロゴマークもカッチョいい。マッシフ最高。

Nike iD SPECIAL FIELD BOOTS 

お次はこれ、スニーカー界の超メジャー・ブランドであるナイキについて。実はROCKHURRAHではなくSNAKEPIPEの持ち物だ。個人的には名のあるスニーカー、特にアメリカ・ブランドをほとんど所有した事がないし、たぶん顔つきとナイキは最も似合わないと推測されるからなあ。ROCKHURRAHよりは運動に縁のなさそうなSNAKEPIPEはヒップホップに傾倒していた時期があり、ナイキやアディダスなどにも慣れ親しんでいたそうだ。確かにジャージも似合うしな。 そんなナイキがやっているNike iDなるシステムはスニーカーのパーツや素材、色を組み合わせてカスタマイズするセミ・オーダーの事だ。 ここで偶然に割と本格的なタクティカル・ブーツを出してるのを知ったのはROCKHURRAHの方だった。 何度か書いてきた事だが、こういうスポーツ・ブランドが軍用のブーツを作るのは珍しくはなくて、アディダスのGSG9(ドイツ連邦警察特殊部隊)をはじめ、オークリーやコンバースなどもアサルト(強襲用)・ブーツを出しているし、ニュー・バランスも米軍トレーニング用シューズを作っている。ナイキがそういうのと同様に軍用ブーツを開発していたかどうかは知らないが、形を見れば紛れもなくそれ系なのは確か。 うん、これはカッコ良さそう。 ちょうど軽くて履き心地が良いブーツを探していたSNAKEPIPEにお知らせしたところ、思ったよりもずっと大反応で一目惚れした模様。ずっと本格派のミリタリーブーツを履いてたんだが、これはオールレザーでカッコ良い&高そう、しかしながらかなりの重量で足が疲れるのは確かだった。そこで軽いタクティカル・ブーツをずっと前からオススメしていたんだが、現実問題として女性サイズの本物タクティカル・ブーツは日本ではほとんど需要がないのは事実。海外サイトだと女性FBI捜査官とかもいるし小さいサイズもあるようだが、日本ではほとんどが24.5以上しか扱ってない。ところがナイキiDのものはちゃんと小さいサイズもあるようで、それだけでもSNAKEPIPEにとっては嬉しいに違いない。良かったね。

このブーツはアッパー部分やソールの色、柄、素材などを好きな組み合わせでシミュレーションしてゆき、それをオーダーすると海外で生産、一ヶ月くらいで手元に届くというシステムらしいが、実際に原宿にショップがあって、もしかしたらそこで手に入るかもと思って出かけたのが10月初旬。 迷彩柄とかもあったんだけどSNAKEPIPEが欲しいのはただの真っ黒一色のもの。ナイキiDのサイトでもやってみたけど、選ぶのは全て黒のパーツばかり。まるで全部Aボタンだけ押して一番最初の候補だけで作り上げたオーソドックスなゲーム・キャラクターみたいなもので、これだけ基本的だったら何も特注しなくても店に行けばあるんじゃなかろうかと期待したのだ。それに同じ大きさでも履き心地や微妙な幅の違いとかは実店舗で確認した方がいいしね。 で、実際に店舗で試着してサイズも素材も決めた。 が、このオーソドックス過ぎる現物は店舗には在庫がないとの事。家に帰ってオーダーするしかなさそう。

一ヶ月というから11月初旬には届く寸法。届くのを心待ちにしていたよ。ネットで調べると案外早かったという人も待たされたという人もいる。どうやら工場側の事情で出来上がりの期日に違いが出てくるらしいな。確かに小さいサイズで真っ黒一色のミリタリー・ブーツをわざわざ特注で頼む女子は少ないのかも知れぬな。 いつしか頼んだ事も忘れたある日、家にヤマト運輸の不在票があり、差出人に見慣れぬ苗字が。 「外園さん?」「一体誰だろう?」と不審がる2人だったが、そんな苗字に近い知り合いもいない。ん、待てよ。「もしかして外園じゃなくて外国?」とSNAKEPIPEがあっさりと謎解きを披露した。そう、ヤマトの配達ドライバーが英語の差出人をよく読まずに面倒だから「外国」と書いたのが、読みにくい字だったという「妄想女刑事」もビックリのオチだったわけ(笑)。しかしいくら何でもナイキを外国って・・・。しばし2人で爆笑して再配達を頼んだ。 ナイキiDが海外生産だとあらかじめ知らなかったらわからないまんまだったろうな。

届いたブーツはこちらの予想を上回るほどカッコ良くて、驚くほど柔らかくて軽い。これは素晴らしい。

オーダーのパソコン画面ではわからなかったが、現物は変なツヤがなくて、思ったよりも品が良いなあ。この手のスポーツ・ブランドはド派手な色合いやブランド・ネーム、ロゴなどが押し付けがましいほど入った商品が多くて、それがイヤだったけど、このナイキのはかかと付近にごく小さなナイキ・マークが入っただけ。見る人が見ればウチの商品だとわかるだろ、という自信がうかがえる逸品だね。

ナイキiDは注文時に好きなIDとかネームを入れられるようになっている。アップルストアの刻印サービスと同じようなものだが、これもちゃんとSNAKEPIPEと刺繍されてて、よりオーダーメイド感を味わえる。  右が着用写真。タクティカル・ブーツは足首を保護するためにクッション入りのものが多く、履き心地は良くなるものの見た目はイマイチになりやすいが、このブーツは足首も細身でシルエットも好みだよ。履いた感想は「地面で跳ねるような感じ」だそうだ。何より軽いのがいいね。大昔に流行ったフランス軍パラディウムのブーツをレザーにした雰囲気と言えばわかってくれる人もいるだろうか?

最後のオチというか何というか、今回このブーツの事を書こうと思ってナイキiDのサイトを久しぶりに覗いてみたら、どこにも載ってない。検索しまくったら「この商品は現在取り扱いがありません(11/10現在)」だとの事。単なる品切れなのか何かあってなくなってしまったのか、その辺は全然不明。まるでこんな商品は存在してなかったような扱いに謎は膨れるばかり。色んな想像をしてしまうではないか。土佐弁で言うところの「ナイキはもうないきに」という表現でよろしいか(笑)? まさに廃版スレスレのギリギリ最後のオーダーで手に入れる事が出来て本当に良かったね、SNAKEPIPE。

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