【タイトルの元になったのがこの曲。単に語呂が似てるだけ】
ROCKHURRAH WROTE:
今まで大きな病気をした事がなくて病欠などもほとんどなかったROCKHURRAHだったが、先週末くらいから滅多に出ない高熱でヘロヘロになってしまった。ロキソニンを飲むと熱は下がってスッキリするんだけど、気がつくとまた高熱になってるという繰り返し。
しかも週明けの月曜日には東京で久々の大雪、帰る頃には吹雪と言えるような状態の中、無謀にも数十分も歩いて全身真っ白けになってしまった。これが悪かったのかな。
で、滅多に行かない医者に行って検査するとあっさり「インフルエンザB型」だと判明した。
小学生くらいで罹った記憶があるけど、大人になってからは実は初めてかも。
B型はそこまで高熱が出ない場合もあるし、単なる風邪と見分けがつかないとちょっと前のTVで知ったが、まさにそれ。
熱はあっても普通に起きていられたし薬ですぐに熱が下がる、自分でインフルエンザかも知れないとは全然思ってなかったんだよね。
しかしインフルエンザだとわかった途端に急激に体調不良となって寝込んでしまった。
となると感染している可能性が高いのがSNAKEPIPE。元気に見えたけどやっぱりビックリするような高熱を出したので、ROCKHURRAHの翌日に病院に行き、予想通り同じインフルエンザと診断された。
今も寝込んでる状態。
何年か前の正月に二人で風邪ひいた事はあったけど二人揃ってのインフルエンザ、完全休養は初めての経験だよ。
人によってはありふれたものだろうけどね。大人になってここまで寝込んだのも初めて。あまりにも長時間横になり過ぎて腰や背中が痛いよ。
ちなみに医者に行くとロキソニンは飲まないで下さいと言われた。ROCKHURRAHがそういう知識もないままに熱冷ましとして飲んだのが危険だったらしい。もう遅いよ。
ちょっと体調悪いだけですぐに気軽に医者に行けるような、ヒマのある人は限られてると思うのだが、医者は必ず「何かあったらまた来てください」と気軽に言う。病院の隣に住んでるわけでもないし病院が開いてる時間には行けない人も多数だと思うけどね。
というわけで今週のブログはようやくインフルエンザのピークが過ぎたと思われるROCKHURRAHが書いている。
あまり頭が回らず朦朧としてるのでヒネリのない軽いものにしないとな。テーマはうーん、闘病記・・・というのはウソで深く考えなくても済みそうなものにしてみようか。
病気だったら無理せず休めば?と言われそうだがブログ開設以来休み無しに続けてきたものだからね。その代わり本当に軽くしか書けないと思うよ。
さて、この「Funnyちゃんミュージック」というタイトルの記事を前に書いたのは何と2010年の事。
他の人やキャラクターの名前でFunnyちゃんというのがいるようだけど、それらとは一切関係ないので先に断っておくよ。
ファニーなんて言葉は今どきあまり使われないとは思うけど本来は「おかしくてこっけいな」というような意味だと思う。昔「ファニーゲーム」というシャレにならんくらい悲惨で後味の悪い映画もあったから逆説的に使われる事も多いんだろうね。
そんなカビの生えたようなテーマを再び持ち出して第二弾を書いてみようとしたのは、単に病気であまりネタを深く考える頭脳がなかったから。人が考えるファニーなものとは少し違うとは思うけど、構わず進めてゆこう。
L’Echo Raleur(読めん)を知ったのは「SANG NEUF EN 89」というフレンチ・ニュー・ウェイブのコンピレーション・アルバムを持っていたからだった。
タイトルにある通り1989年にリリースされたもので、もはや「ニュー・ウェイブ」って時代でもないけど、この当時は個人的にフランスの音楽に注目していて、特にレ・ネグレス・ヴェルトとマノ・ネグラのすごさは遠く離れた日本でも一部では大ブームとなったほど。ROCKHURRAHもこの二つのバンドには熱狂したものだ。
その両方のたぶん未発表曲に加えてさらに、注目していたワンパスまで収録されていたからこれは一粒で三度おいしい。このコンピレーションは普段あまり知ることのないフレンチ・ミュージックの未体験バンドが他にもいっぱい入ってるに違いないと思ってすぐに買ったのだった。
ちなみにこの当時は全く知らなかったが後に「ムード・インディゴ うたかたの日々」や「グッバイ、サマー」などなど、映画監督として著名になるミシェル・ゴンドリーが在籍していたバンド、Oui Ouiも入ってたな。
そんなコンピレーションの中で妙に気になる童謡のような曲があって、それがつまりこのL’Echo Raleurによる「La Carmagnole」だったというわけだ。
「ラ・カルマニョール」は有名なフランス革命の歌らしいが、そんな事を知ったのもずっと後になってから。この当時は聖歌隊の音楽か何かだと思ってたよ。フランスではみんな当たり前にこの歌を知ってて当然なのだろうか?
L’Echo Raleurが何者なのかは実は今でも知らないんだが、フランスのミュージカルやってる劇団なのかな?演劇もショービジネスの世界もフランス文化も疎いもので申し訳ない。
このビデオもフランス革命のような衣装でドキュメンタリー映像っぽいから、たぶんそういう公演があったんだろうかね?「ラ・カルマニョール」の方はだいぶ後半になってようやく歌い出すんだけど、とにかくハチャメチャでパンキッシュで楽しげな様子。え?歌に合ってない?いやいや、これぞフレンチ流革命パンクってヤツだよ(想像)。
ROCKHURRAHが言うところのFunnyちゃんミュージックにピッタリな曲。
お次のFunnyちゃんはこれ、ROCKHURRAH RECORDSの主旨である70〜80年代とは違ってるけどヴァセリンズ2014年作の名曲「High Tide Low Tide」より。
ニルヴァーナのカート・コバーンが大好きだったバンドで何曲かカヴァーしてた、というところで90年代に再評価されて知った人も多いだろう。あるいはその前、リアルタイムで聴いてたギター・ポップ、アノラックのコアなファンもいる事だろう。
その辺の音楽を志す人にとっては聖地であるスコットランドのグラスゴーやエディンバラの伝説的なバンドで、みんなが大好きだったのがヴァセリンズだったね。
ちなみにアノラックというのは特定の音楽を指すジャンルなわけではなく、グラスゴー周辺のギター・ポップの立役者、パステルズあたりから言われ始めたような記憶がある。
プルオーバー型のマウンテンパーカーみたいな防水アウターをみんな着ていて、そういうバンドたちがやってる音楽がヘナチョコだったからアノラック=それ系のバンド、というような捉え方ね。
ヴァセリンズは1986年から90年という短い期間に活動してたバンドで音楽のメインストリームで語られる事はなかったけど、ユージン・ケリーとフランシス・マッキーの男女ヴォーカルを中心とした、ゆるくてなごやかな音楽はまさに「エバーグリーン(今どきあまり使われない言葉だが)」なものだった。
「Molly’s Lips」における自転車のパフパフというおちょくったような効果音、「Son Of A Gun」における迫力あるイントロとは裏腹のヘナチョコなヴォーカル。ロック的なカッコ良さ、カッコ良く見せようという気構えとは無縁の世界を愛する人も多いはず。
その彼らは解散後にニルヴァーナによってまた注目される存在になったが、解散後20年してから奇跡のような復活をして往年のファンをビックリさせた。2010年と2014年にちゃんとしたアルバムを出してるので狂喜して、あるいは複雑な思いで聴いた人も多かろう。
「複雑な思い」というのはリアルタイムでファンだった人に多いけど、あの頃はまだ若くてアノラックやギター・ポップにハマってた。でも今の歳取ってしまった自分はもはやギター・ポップ少年少女じゃなくなってしまった・・・というヴァセリンズじゃなくて自分自身に対する複雑な思いね。
音楽好きだった自分をそのまんま、今でも保ち続けていられる幸福な人たちばかりじゃなくて趣味を何かのキッカケで手放してしまう人も多いからね。
そんな人がこのビデオを観たなら、彼らが時を越えて復活した姿に驚くかも知れない。ちゃんと「いい歳の取り方」をしてるからね。いや、逆か。
とにかくユージンとフランシスは2014年当時、50歳くらいだと思うが1986年の青春真っ只中じゃなくてもまだこんなにチープなFunnyちゃんでいられるのが素晴らしい。
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEもかくありたいものだ。
ROCKHURRAHが80年代に何の予備知識もないまま中古盤屋で購入、聴いた瞬間に衝撃を受けたのがこのAuntie Pusのシングルだった。深みのない緑色とピンク色でモミアゲの長い男の横顔が描かれたヘタなイラストのジャケット、「これは!」と思って買う要素が皆無のレコードだったが「何だかわからんが人が手をつけなさそうなもの」を好んで漁っていたので、きっとこのシングルもそういう趣向で選んだのだろう。
メンバー・クレジットもレーベルも知らない変なジャケットのレコード、演奏はこれよりチープなバンドはいくらでもいるけれど、何この酔っぱらいの調子っぱずれみたいに力の抜けた歌い方は?
ヴィック・ゴダード&サブウェイ・セクトもかなりヘロヘロな歌い方が特色のバンドだけど、それを上回るB級オーラ漂う変なバンドを見つけたので、この当時は嬉しくて友達みんなに勧めたけど、誰も認めてくれなかったよ。
日本語で書かれた情報が少ないんだが、アンティ・パス(パスおばちゃん?)なるモミアゲ男、テニスで有名なウィンブルドン出身のパンク吟遊詩人みたいな人物らしい。バンドのメンバーにはダムドのラット・スキャビーズが本名で参加してるようだし、プロデュースはプリティ・シングスのディック・テイラーという、どういう結びつきなのかよくわからん人脈を持っていたようだ。こう聞くと上記のサブウェイ・セクトの方がよほどB級という気がしてくるが、日本での無名度ではダントツでこちら。
途中のやる気なさそうな「フゥ~」という掛け声はFunnyちゃん度も満点だね。
前置き長かった割には本文の方はアッサリ、まだ病み上がりなのでこんなもんで許してね。
最後のFunnyちゃんはドイツより、ディー・ドラウス&ディー・マリナスの1981年の大ヒット曲「Fred Vom Jupiter(木星から来たフレート)」だ。
ROCKHURRAHがよく話題にするドイツ産のニュー・ウェイブ、ノイエ・ドイッチェ・ヴェレの一種だが、ドイツ国内で大ヒット・・・などと言われても遠く離れた日本では一般的にはほとんど無名だったりする。
1981年当時、まだ弱冠17歳だったアンドレアス・ドーラウがさらに若いローティーン少女数人を侍らせて歌わせて踊らせる、年齢差がそこまでじゃないからロリコンとまでは言われないかも知れないけどなあ。
全員を水着にしてニヤついてたり(そういう写真が残っている)マリナスの衣装が微妙に彼の好みが見え隠れするようなものだったり、結構禁断な感じのヘナチョコ・エレポップに仕上がってる。
この曲は学校の課題で作曲したもので、ドイツのヘナチョコ大御所であるデア・プランのアタタック・レーベルよりリリースしたところ、予想外の大ヒットだったというような話を聞いたが、みんなが想像するような苦労知らずの軽薄才子ではないみたいだよ。
が、映像はあくまで軽薄才子に徹していて、浮世離れした御曹司みたいなイメージを売り物にしていたんだろうか。創作ダンス&やる気なさそうな歌声の女の子たち、どういう縁でこの晴れ舞台に立ってるのかが不明なんだけど、何か光るものがあったのかそれとも単にアンドレアス・ドーラウの好みなだけなのか?
以上、あまり盛り上がった事も書けなかったがROCKHURRAHの意図するFunnyちゃんな音楽というものが少しは伝わっただろうか?
SNAKEPIPEは一旦熱が下がったものの、また高熱が出て治りが遅いのでかなり心配してるところ。インフルエンザ菌と戦うための高熱だとは思っていても、体力がイマイチないからなあ。
予定では今週に「デヴィッド・リンチ:アートライフ」を観に行くつもりだったが、今はそれどころじゃないよ。
早く良くなって一緒に出かけたり、二人で料理を作ったり、楽しく過ごしたいものだ。ウチのFunnyちゃんだもんね。え?それはハニーちゃんの間違いか・・・?
ではまたドヴィジダネ(ブルガリア語で「さようなら」)。