草間彌生 わが永遠の魂 鑑賞

20170312 top【水玉衣装の木と看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

最近には珍しく2週連続で美術展を鑑賞してしまったSNAKEPIPE。
「行ぐぜ!Exhiibition」が続く時もあるんだよね。
「国立系か…」と二の足を踏んでいたのが新国立美術館 で開催されている「草間彌生 わが永遠の魂」展。
同美術館で開催されていたダリ展も行かなかったなあ。(笑)
「やっぱり今回は観に行こうよ」と長年来の友人Mからの誘いもあり、久しぶりに新国立美術館に向かう。

前回この美術館に来たのは2013年9月の「アメリカン・ポップ・アート展鑑賞」だったので、およそ3年半ぶり!
SNAKEPIPEが命名した「国立系(中高年の「にわか」アート好き集団)」に遭遇する率が非常に高いため、不快に感じることが多いことから敬遠してしまう美術館の一つなんだよね。
今回の草間彌生もきっと「国立系」多いだろうなあ。
覚悟を決めて行くしかないか!(大袈裟)

草間彌生についてブログに書くのは初めてだと思うけど、実は以前から展覧会には行ってるんだよね。
集大成のような素晴らしい展覧会だったのが2004年森美術館で開催された「クサマトリックス」 。
この展覧会に一緒に行ったのも友人Mだったな。
今回の展覧会との比較を話すことができて良かったよ!
そしてブログの記事にはしていなかったけれど、2013年森美術館で開催された「LOVE展」にも、草間彌生の作品が展示されていたんだよね。
その時撮影した写真がこれ!
発光した突起物に水玉模様、会場内には草間彌生本人の、抑揚のない朴訥とした朗読が聞こえるインスタレーション「愛が呼んでいる」。
誰もが一瞬で「草間彌生だ!」と分かる作品だよね。
2004年の「クサマトリックス」で鑑賞した「 水上の蛍」の時にも鏡が使用されていたけれど、この時も鏡張りの部屋でとてもキレイだったんだよね!
過去の展覧会について調べていて驚いたのが、森美術館は過去の展覧会情報をちゃんと残しておいてくれてる、ということ。
例えば映画などは配給会社が宣伝用にHPを作るんだけど、数年後に見ようとするとページ自体が削除されてるケースが多いんだよね。
過去についても知りたい場合もあるので、このような森美術館の姿勢は素晴らしいと思う。
やっぱり森美術館良いなあ!(笑)

いよいよ新国立美術館へ。
前売りチケットは購入していなかったので、まずはチケット買わないとね!
敷地内に入ってみてびっくり!
なんと美術館の敷地にある木が、すべて赤白の水玉でラッピングされてるじゃないの!
彌生カラーを全面に打ち出した演出、なかなかやるなあ。(笑)
チケット売り場は既に行列していて、彌生人気がよく分かるよね。
想像していた通り、高齢の女性が多い感じ。
今回は「国立系」と同じくらい、「本当にアート好き」な感じのオシャレな女性も目にしたので、少し安心する。

ここで今更?かもしれないけれど、草間彌生のプロフィールを簡単に紹介しておこうか。

1929年 3月22日、長野県松本市に種苗問屋の末娘として生まれる。10歳の頃より水玉と網目模様をモティーフに絵を描き始める。
1957年 渡米、シアトルでアメリカでの初個展開催。翌年ニューヨークに移る。
1959年 ニューヨークのブラタ画廊で初個展、5点のネット・ペインティングを発表。
1966年 個展「草間のピープ・ショー」で電飾と鏡を使ったインスタレーションを発表。
第33回ヴェネツィア・ビエンナーレで《ナルシスの庭》を展示。
1968年 自作自演の映画「草間の自己消滅」が第4回ベルギー国際短編映画祭に入賞、 そのほかの映画祭でも受賞。
1973年 帰国。活動拠点を東京に移す。
1983年 小説『クリストファー男娼窟』、第10回野性時代新人文学賞を受賞。
1993年 第45回ヴェネツィア・ビエンナーレで日本代表として日本館初の個展を開催。
2016年 『タイム』誌「世界で最も影響力のある100人」に選出。

「わが永遠の魂」HPから一部転用させて頂いたよ。
今回の展覧会では1968年の映画「草間の自己消滅」も観ることができたんだよね。
SNAKEPIPE個人的には、草間彌生が乗るのは馬より牛のほうが良かったように感じたけど?
そのほうが東洋っぽいんじゃないか、と思ったので。(笑)
1950年代にアメリカに渡って活動していた日本女性は、そんなに多くなかったよね。
個展を開いて評価もされて、未だに現役で活動しているとは驚きだよね!
そういえば新人文学賞を受賞した「クリストファー男娼窟」は昔読んだっけ。
あまり内容は覚えてないなあ。(笑)

HPに草間彌生からのメッセージがあったので、載せてみよう。

今ではそんなに驚かなくなったけど、髪の色がすごいよね。
現在87歳、それでも「まだまだ努力が足りない」って言ってる草間彌生。
随分昔に何かで読んだ発言では「創作意欲が湧いて湧いて困っているので、早く死にたい」 だったんだけどね。(笑)
根っからのアーティストなんだろうね。

今回の展覧会の最初の部屋が新作「わが永遠の魂」の展示だった。
2009年から描いているというシリーズ作品は、圧巻の一言!
そしてこの部屋は撮影がオッケーだったよ。
広い会場の3方の壁一面にスクエアの絵がみっしりと展示されているんだよね。
まるで南米の古代文明みたいな原始的な雰囲気もあるし、幻覚剤を使用したサイケデリック・アートのようにも見えるし。
もしくは邪心のない子供の落書きのようにも見えてしまう原色の世界に、思わず笑いがこぼれてしまう。
ファブリック・デザインにしても最高だよね、と友人Mと言いながら鑑賞。
こんな作品制作を続けている草間彌生のエネルギーとパワーに脱帽だね!

巨大な立体作品もあったね。
花と眼と水玉はインパクトあるね。
これも最初の部屋にあったので、撮影可能。
野外には巨大カボチャもあった。
ここも撮影オッケーだったんだけど、先日アメリカ、ワシントンの美術館で自撮りしようとした人がバランスを崩し、約9000万円のかぼちゃオブジェを破損した、というニュースがあったばかり。
撮影する際には気を付けないとね!(笑)

幼少時代からの作品の展示や、前述したように1960年代の映像作品も鑑賞することができた。
2017年の作品として、赤い水玉が描かれている(もしくは赤いシール?)数体のマネキンが展示されていた。
これって作品なの?と大笑いしてしまった。
水玉であればなんでも良いみたいだもんね。(笑)

物販コーナーはいつも楽しみにしているんだけど、毎度裏切られてしまう。
「わが永遠の魂」がせっかくスクエアのフォーマットなんだから、ハンカチにするとかスカーフとか。
そんな商品があったら嬉しかったのになあ。
ポストカードは販売されていたけど、クリアファイルや「ふせん」など、いつでも見かける商品ばかり。
あの手の企画する人、センスないよね。
美術館側とアーティスト側との意向もあるんだろうけど、全く購買意欲を促進しない商品作り。
困ったもんですなあ!

総合的にみると、2004年の「クサマトリックス」のほうが見応えがあったけど、「わが永遠の魂」では最新作が鑑賞できたのは良かったね。

90歳ともなると奥義を極め、100歳に至っては正に神妙の域に達するであろうか

画狂老人、葛飾北斎の言葉である。
「まだまだ努力が足りない」と話していた草間彌生にも重なる感じがするんだよね。
ここまでアートへの情熱にあふれて創作を続けているのなら、きっとこれからも新作を発表してくれるに違いないね!

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