【ROCKHURRAH RECOREDSが一番最初に触れたイグレシア監督作品がこれ! 】
SNAKEPIPE WROTE:
今年最初の記事なのに、通常と変わらないブログを続けるところがROCKHURRAH RECOREDS流!
時事ネタを書くのは前回のようなPOSTCARDを載せる時くらいだもんね。
ということでアレックス・デ・ラ・イグレシア監督の第3弾をまとめることにしよう。
最初はこちらの作品から。
日本では未公開の作品「オックスフォード連続殺人事件(原題:The Oxford Murders 2008年)」である。
まずはあらすじを書いてみよう。
世界的数学者のセルダム教授に憧れ、イギリスのオックスフォード大学に留学したアメリカ人青年マーティン。
セルダムの古い友人宅を下宿先にしたマーティンは、その家の夫人のもとを訪ねてきたセルダムと出会う。
一緒に夫人の部屋へ向かった2人は、そこで夫人の他殺体を発見してしまう。
セルダムのもとには連続殺人事件を思わせる謎めいたメモが届いていた…。
あらすじにあるアメリカ人マーティンを演じたのが「ロード・オブ・ザ・リング」でお馴染みのイライジャ・ウッド。
いつも怯えたような困り顔をしているせいか、実年齢よりも若く見えるのが特徴か。
じゃあSNAKEPIPEも怯えた困り顔をしていれば、若く見えるかも?
えっ、違う?(笑)
実際には「オックスフォード連続殺人事件」の時に26歳くらいだったと思われるので、大学生役に無理はなかったと思う。
ただし、濃厚ラブ・シーンの時にはイライジャ・ウッドがまるっきり子供に見えてしまったね。
お相手はアルモドバル監督作品「トーク・トゥ・ハー」などに出演していたスペイン人女優レオノール・ワトリング。
レオノール・ワトリングのほうが体格が良いせいもあるかもしれないけどね?
「オックスフォード連続殺人事件」での最大の見せ場と思われるのがワトリングの「裸にエプロン」なんだよね!
殿方の願望が世界共通というのがよく分かる映像。(笑)
映画の内容はともかく、このシーンのためだけに映画をレンタルしたり、購入する人がいるかもしれない。
レオノール・ワトリング、頑張りました!(笑)
世界的な数学者セルダムを演じたのが、敬愛するデヴィッド・リンチ監督作品「エレファント・マン」で主役だったジョン・ハート。
と書いてはみたものの、「エレファント・マン」の時は特殊メイクだったから俳優の素顔は分からないよね。(笑)
今回は数学者というとても知的な役どころなんだけど、本当に教授に見えてしまうくらいぴったりと似合っていた。
SNAKEPIPEだけかもしれないけれど、「ロード・オブ・ザ・リング」のイアン・マッケラン(写真左)や鳥越俊太郎(写真右)、もしくは故・筑紫哲也と区別がつかなくなっちゃうんだよね。(笑)
初老の男性でやや長髪、という類似点が余計に似て蝶なんだろうけど!
ROCKHURRAHと「ヒカシューの巻上公一(写真右)に似てるよね!」と意見が一致したのがマーティンより先にオックスフォード大学に所属していたユーリ役のバーン・ゴーマン(写真左)。
こうして並べてみるとそんなに似てないし、むしろ顔としては漫才コンビ爆笑問題の太田光のほうが近いかも?(笑)
動きやセリフ回しの変態っぽさが巻上公一に近かったのかもしれないな。
あ、SNAKEPIPEはヒカシューの大ファンだからね!(笑)
もう1人特出すべき人物は「シド・アンド・ナンシー」や「ストレート・トゥ・ヘル」で有名な映画監督アレックス・コックスが俳優として出演していたことかな。
数学に没頭するあまり、廃人になってしまう役を好演していたね!
最近は映画を撮っていないのかな?
「オックスフォード連続殺人事件」は事件の謎解きに難解な数学的・論理学的要素を盛り込んだギジェルモ・マルティネスの原作が元になっているけれど、映画は全く難解ではない。
そのため何回も観なくて大丈夫!(ぷぷぷ!)
数学を知っていればもっと楽しめるのに、ということも全然ないと思われる。
もしかしたら原作はある程度の知識がないと難しいのかもしれないね?
「オックスフォード連続殺人事件」は今まで鑑賞してきたイグレシア監督の作品とは一味違う感じかな。
あまりハチャメチャじゃないし、タイトルバックも「らしくない」し。
所々で非常にスタイリッシュだな、と思うシーンはあるけどね!
続いてはイグレシア監督の一番初めに鑑賞した作品である「気狂いピエロの決闘(原題:Balada triste de trompeta 2010年)」ね!
ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)と金オゼッラ賞(脚本賞)を受賞し、ゴヤ賞では特殊効果賞やメイクアップ賞やヘアスタイル賞を受賞しているイグレシア監督の記念すべき作品なのである。
上に貼った「気狂いピエロの決闘」のリンクがWikipediaなんだけど、そこに書いてある「あらすじ」が素晴らしい!
とあるサーカス団のピエロと道化師が、美女を巡って血みどろの争いを繰り広げる
いくらなんでも短過ぎかな?(笑)
非常に簡潔でSNAKEPIPEは気に入ったよ!
一言付け加えるとすると、道化師とピエロの違いについてね。
道化師というのがクラウンを意味し、ピエロとは涙を描いているクラウンのことをいうらしい。
日本ではあまり区別しないで、全てをピエロと呼んでいるよね。
「気狂いピエロの決闘」ではクラウンとピエロの戦いが描かれているので、道化師とピエロという書き方に統一するので混乱されないように!
短いあらすじの中に出てきたピエロを演じたのが、我らがカルロス・アレセス!
「アイム・ソー・エキサイテッド!鑑賞」や「映画の殿 第6号」他、数多くの記事で散々取り上げているから「またか!」と思われる方も多いかもね?(笑)
いじめられっ子が狂気を孕んでいく姿が本当にぴったり!
一番初めはそんなカルロス・アレセスの魅力に気付かず、更に他のキャストにも目を留めず鑑賞してしまったので、随分経ってから鑑賞し直したんだよね。
カルロス・アレセスの全裸シーンは本当にすごい!(笑)
こちらも何度も記事にしている「アイム・ソー・エキサイテッド!」や「カニバル」などで有名なアントニオ・デ・ラ・トーレ!
あらすじに書いてあった道化師役を演じているよ。
アントニオ・デ・ラ・トーレがカメレオン俳優であることも、今まで書いてきているんだけど、この時のアントニオ・デ・ラ・トーレは凶暴な悪い野郎を見事に演じていたよ。
あとになって調べて、初めてアントニオ・デ・ラ・トーレと判明し驚いた記憶がある。
スペインのデ・ニーロだよ、ほんと!(笑)
このピエロと道化師が血みどろの戦いを繰り広げる原因となる美女というのが曲芸師で道化師の恋人である。
演じたのはカロリーナ・バング、イグレシア監督作品の常連にして、ついに監督のワイフになってしまった女優ね!
この時のカロリーナ・バングは本当に宙吊りの曲芸を見せてるんだけど、練習したのかなあ。
とても上手だったよ。
彼女がちょっかいを出したせいで、ピエロは本気になり争いへと発展したことを考えると、一番悪いのはカロリーナ・バングかな?(笑)
前述したように、最初に観た時には出演者に気を配っていなかったので、スペインはもちろん世界各国での人気映画「トレンテ」シリーズのサンティアゴ・セグーラが重要な役で出ているところを失念してたんだよね。
ピエロのお父さんという役で、やっぱり職業はピエロ。
祖父もピエロだったというから代々受け継いでたんだね。
お父さんの時代がスペイン内戦真っ只中の1937年ということになっていて、ピエロの服装のまま戦場へと駆り出されるシーンがすごい。
かつて敬愛する映画監督デヴィッド・リンチが「Happy Violence」と提唱した、笑いと暴力の融合とでもいうのだろうか。
ROCKHURRAHが好きだったホラー映画の中にも笑いの要素があったというから、その系譜なのかもしれないけれど、恐怖と笑いがごたまぜになっている不思議なシーンがイグレシア監督のスタイルなのかな、と思う。
そしてそのシーンがとても好きだ!(笑)
人を笑わせるはずのピエロや道化師が恐怖の存在に変身する、というのも同じ原理だよね。
かわいい人形が光の当て方で怖く見えたりするような。
知っていた顔とは違う意味を持つのが怖いんだろうね。
ホラーと笑いの共存については、一度深く掘り下げて考察したいテーマかな!(笑)
「気狂いピエロの決闘」のタイトルバックも素敵なんだよね。
先に書いた1937年からピエロの時代になるまでの世界の歴史を写真で綴っていく、言ってみればフォトアルバム形式なの。
使われている写真が秀逸なので、とてもお洒落に見えるんだよね。
1枚1枚を見せる秒数はかなり短くて、少しでも気を抜くと次のシーンに移ってしまう。
右は歴史的に(スペインで?)有名な人物なのかSNAKEPIPEは知らないんだけど、その次の写真として「フラッシュ・ゴードン」のミン皇帝が映り込んでいるのが面白い。
一瞬だから気付いていなかったけれど、今回ゆっくり再生していて分かった左の画像。
下着姿のグラマーに隠れていたのは、体を槍で突かれている人物。
これもまた2つの要素の融合なんだね。
イグレシア監督も気に入ってるシーンだろうね。
今回の2作品で現在鑑賞できるイグレシア監督の映画は全て観ていることになるのかな。
本当は「どつかれてアンダルシア (仮)(原題:Muertos de risa 1999年)」のような初期の作品が観たいんだけど、残念ながらDVD化されてないんだよね。
初期の作品のDVD化を是非お願いしたいものだ!