大人社会科見学—夢の島熱帯植物館—

20191117 top
【ススキが秋を感じさせる一枚】

SNAKEPIPE WROTE:

夏が終わり、すっかり秋めいてきた今日この頃。
俄然活動的になっているROCKHURRAHとSNAKEPIPE!
2015年以来、ご無沙汰となっていたブログのカテゴリー「大人社会科見学」を、これほど頻繁に更新することになるとは。
インドア派からアウトドア派に変わりつつあるみたいだね。
夏以外は、だけど。(笑)

以前よりROCKHURRAHから誘われていたのが「夢の島熱帯植物館」だった。
熱帯、と名付けられているだけあって、館内は暑いくらいの気温設定がされているらしい。
そのため「行くなら寒くなってから」と話し合っていたのである。
そして機が熟した。(おおげさ!)
11月のキレイな秋晴れの日、「夢の島熱帯植物館」に向かったのである。

夢の島、と聞いて「あのゴミの?」と連想してしまったSNAKEPIPE。
同じように思ってしまった方は、それなりに歳を重ねてるはず。(笑)
1978年(昭和53年)に東京都立夢の島公園として開園しているんだよね。
その当時の映像があったので、載せさせて頂こう。 

ほんとに昭和54年には大人気スポットになっていたんだね!
そんなに昔から公園になっていたのに、どうして「ゴミ」のイメージのままだったのか。
ROCKHURRAHは昔観た映画か漫画に、ゴミ処分場としての夢の島が出てきた、薄い記憶があるそうだ。
SNAKEPIPEは、恐らくドキュメンタリー番組か何かで観たのかもしれないな。
同じようにゴミのイメージを払拭していない人、どれくらいいるんだろうね?
夢の島公園には「熱帯植物館」以外に「アーチェリー場」や「陸上競技場」があるんだって。
面積43ヘクタールというから、相当広いよね。(笑)
東京ドーム約9個分だもん。

夢の島公園に到着。
午前の早い時間だったせいか、人の姿はほとんど見えない。
道幅は広くて、とてもゆっくり歩くことができる。
ここは自転車で公園内を巡るのも気持ち良さそう!
熱帯植物館を目指して歩いていると、来年に迫った東京オリンピックに向けた工事について書かれた看板をみつける。

どうやらアーチェリー場がオリンピック会場として使用されるみたいだね?
NHKの大河ドラマ「いだてん」では、1964年に開催された東京オリンピックの裏話が披露されている。
オリンピックにかける熱意や情熱が語られているけれど、来年のオリンピックって盛り上がってる?
どこでどんな競技が行われるのかも知らないのは、ROCKHURRAH RECORDSだけかしらん。
そんな話をしていると、いつの間にか周りには木々がいっぱい!
ここって都内だよね、と聞いてしまいたくなるほど自然豊かに感じてしまう。
1978年から今年で40年以上経過して、今ではこんなに植物が根付いているんだね。
ゴミのイメージを持ってしまってごめんなさい!

植物館近くに植えられていた植物に目を奪われる。
なんて鮮やかな色なんだろう!
これ、花じゃなくて葉なんだよね。
植物館に入る前なのに、すでに興奮状態。
ROCKHURRAHと一緒に、競うように写真を撮る。
植物について詳しくないので、名前は表示されてないと分からないのが残念だよね。

これが熱帯植物館だ!(笑)
チケットは大人250円。
さすが東京都の施設だよね、この値段は嬉しい!
青空をバックに正面入口を撮影。
初めて見た熱帯植物館は、とても大きくて3つのドームが印象的。
館内は暑いだろうから、ここでジャケットを脱ぐことにする。

植物館は植生地域によって3つに分かれていた。
最初に入ったのがAドームで、ここでは主に熱帯の水辺に生える植物を鑑賞することができる。 
モワッとした熱気に加えて、ガラス越しの日光の影響もあり、少し汗ばむほど。
滝が流れる音が聞こえ、まるでジャングルに迷い込んでしまったように錯覚する。
水やりのあとだからなのか、それとも湿った空気のせいなのか、葉が濡れている。
それが余計にジャングルっぽいんだよね。

かつてジャワ島のジャングルを歩いたことがあるSNAKEPIPE。
植物が思い思いに根を張り、枝を伸ばし、葉を茂らせている様子を見た。
夜降ったスコールのせいで、濡れた葉が光を受けてキラキラ輝いていた。
大量の水から栄養を摂った木々は、益々元気いっぱいで、もっと大きくなろうとしているようだった。
高い木の枝から垂れるランの長い根。
ランというのは、本来こういうものなんだ、と知ったことを思い出した。 
あの時のジャングルと違うとすれば、昆虫や爬虫類がいないことかな。(笑)

写真を撮りながら30分程歩いたところで、休憩できる小屋を発見。
いかにも南方にありそうな造りで、雰囲気にぴったり!
ベンチがあったので、少しだけ休憩しようと座る。
途端にROCKHURRAHが「うわっ」と叫ぶ。
なんと蚊に刺されたという。
昆虫はいない、と先に書いたけれど、蚊はいたんだね。
そう聞くと急にSNAKEPIPEも、手の甲がかゆい気がしてくる。
次回熱帯植物館行く時には、虫除けスプレーして、ムヒを持参しないとね!(笑)

赤や黄色、ピンクの花が咲き誇っていた。
真上から見ると、とってもパンクな花を発見!
トゲトゲしててウニみたいなスパイキーヘア!(笑)
帰宅後調べてみるとエクメア・ファスキアタというブラジル原産の植物とのこと。
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEは、観て「カッコ良い!」と感じると写真を撮っていた。
花が美しいのはもちろんなんだけど、2人共「葉」のほうに興味を持つことが多かった。
不思議な色や形、まるで現代アートのような造形美に圧倒されたんだよね。

同じ葉なのに、どうして下だけ色が違うんだろう?
そして葉脈がピンク色って、あまり見かけない気がするんだけどね。
植物館では植物の名前をプレートにして展示しているんだけど、プレートが見える場合とそうではないことがあった。
見えないほうが圧倒的に多くて、植物に詳しくないSNAKEPIPEには調べる手立てがないよ。
知ったからどう、ということもないんだけどさ。(笑)
熱帯植物は観ていて飽きなかった。
時間が許すなら、虫除けスプレーしてもっと眺めていたかった風景だよ!

植物館の3つのドームを約1時間かけて歩いたROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
鑑賞中、出会った他のお客さんは約5名程度。
すれ違ったのはほんの一瞬のことなので、ほとんどの時間をROCKHURRAH RECORDS専用の植物館として過ごしたことになる。
このストレスの無さ!良いね!(笑)

ドームを抜けてオーストラリア庭園へ。
ここで咲いていたのはエパクリス・ロンギフロラ。
赤と白からイメージして、クリスマス用に吊るした靴下みたい、と連想したSNAKEPIPE。
とても不思議な形だったよ!
ROCKHURRAHは「新生姜みたい」と言う。
なんでそんな連想になるかね?(笑)

食虫植物温室には粘着式、落とし穴式、はさみわな式など、様々なタイプの植物が展示されていた。
画像は落とし穴式のウツボカズラ。
実際に捕食シーンを見ることはできなかったけれど、その特異な形状には驚いた。
これら食虫植物をドーム内に設置すれば、蚊の被害は減るのかも?(笑)
枯れかかっているように見えるのもあり、全体的に食虫植物に元気がなかったのが残念だったよ。

この日は丁度「エチオピア展~人類の起源の地~」でのイベント「エチオピアのコーヒーセレモニーの実演」が開催されていた。
エチオピア連邦共和国大使館の方が来館されて、エチオピア・コーヒーを振る舞ってくれるという。
ドームに入る前に、案内係の方から参加を促されたけれど、所要時間が30分から1時間と聞いて遠慮する。
本当は「大人社会科見学」としては、絶好のイベントだったのかもしれなかったね?
ドームを出ると、庭には巨大カボチャがゴロゴロ転がっていた。
これは「ハロウィン・パーティ」の企画で、かぼちゃを転がして遊ぶためのものだったらしい。
子供用のイベントでお客さんを呼ぼうとしてるのかな?
企画には参加しなくても、植物鑑賞だけでも充分満足だったよ!

植物館を出て、夢の島公園内にある「都立第五福竜丸展示館」に向かう。
第五福竜丸とは、1954年にマーシャル諸島ビキニ環礁でアメリカがおこなった水爆実験により被爆した、静岡県焼津港所属の遠洋マグロ延縄漁船のこと。
ROCKHURRAHは以前から、第五福竜丸の存在を知っていたらしいので、夢の島公園に展示されていることに驚いたらしい。
どうして知っていたのか聞いてみるときっかけはゴジラからだという。
ゴジラは水爆実験により放射能を浴び、突然変異した恐竜という設定だったんだね。
1954年に初めて登場したゴジラのポスターには「水爆大怪獣映画」って書いてあったよ。
映画で直接というよりは、少年雑誌の特集で現実の水爆実験を知ったようだけどね。
第五福竜丸の被爆とゴジラ映画の公開年が同じとは!
そんな話をしながら道なりに進んでいくと、展示館が見えてきたよ。

展示館に入ると、いきなり第五福竜丸が眼前に迫る。
パネルの展示もされていて、アメリカがマーシャル諸島で1946年から1958年まで67回も核実験をしていたこと、被爆した人々の様子などを知る。
第五福竜丸は1967年に廃船となって、夢の島の埋立地に放置されていたところを保存されたという。
アメリカが約60年前まで核実験が公然と行っていたことを改めて知ることになった。
被爆した第五福竜丸に、独特の匂いをかいだSNAKEPIPE。
負の歴史を体験した船からは、強い悲壮感が立ち上っているようだった。
見えない壁が張り巡らされた中に、重たい何かが漂っているようで、息苦しさを感じてしまう。
強い印象を残す、この展示館も鑑賞できて良かったよ。

東京都立の施設なので、料金はリーズナブルな250円!
新木場駅からの徒歩、もしくは都バスで楽々到着できる。
たまたまだったのかもしれないけど、お客さんが少なめでゆったり鑑賞できるのも良かった。
そして植物の生命力から、エネルギーをもらったように感じられて、リフレッシュできたことが一番の収穫かな!
お気に入りの場所が増えて嬉しいね。
また寒い時に、是非訪れてみたいよ!
虫除けスプレーとムヒを忘れずに。(笑)

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