奇想のモード 鑑賞

20220206 top

【庭園美術館の入り口を撮影。ド派手なピンクが目を引くね!】

SNAKEPIPE WROTE:

2022年になって初めて、長年来の友人Mと会う約束をした。
せっかくなので、展覧会や映画など何か鑑賞したいよね!
「ここはどうだろう?」と、お互いにアイディアを持ち寄って検討する。
SNAKEPIPEは東京オペラシティギャラリーで開催している「ミケル・バルセロ展」を提案する。 
友人Mは東京都庭園美術館の「奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」が面白そうだと言う。
シュルレアリスムに目がないSNAKEPIPEなのに、その展覧会はノーチェックだった!
教えてくれてありがとう、友人M!(笑)
今回は庭園美術館に行くことにしたのである。 

曇っていて風が強い、とても寒い日に目黒に向かう。
服装失敗したかも、と思いながら待ち合わせ場所である庭園美術館まで歩く。
前回来たのは2019年3月の「岡上淑子 沈黙の奇蹟」以来なので、およそ3年ぶりになるんだね。
先に来ていた友人Mと合流し、早速会場に向かう。
何度来ても、旧朝香宮邸に「うっとり」しちゃう!
それなのに重要文化財なので、館内の撮影ができないんだよね。
アール・デコの雰囲気とアートとの融合が素晴らしいんだけど、撮影不可なら仕方ない。
新館の撮影はできたので、たくさん撮ってきたよ!
そのため今回のブログは、購入した図録の画像も併せて載せているよ。

入り口入ってすぐに展示されていたのが、ヤン・ファーブルの甲冑。
これは玉虫の羽根を使って制作されているんだよね。
さすが曽祖父が、あの「昆虫記」を書いたファーブル!
キッチリひ孫にも、その精神が伝承されてるよね。
一体何匹の玉虫を使用したんだろう?
死後にも輝きを失わないという玉虫に驚いたよ。

19世紀半ばにつくられたという髪の毛を使用したジュエリー。
画像はブローチで、喪に服す意味以外にも愛情表現として身につけることも多かったという。
こうした細工ができる職人がいたってことだよね。
他にも透かし模様にしたピアスやブレスレットなどが展示されていたよ。
小谷元彦の髪の毛を編み込んで制作されたドレスも圧巻だった。
黒い髪の毛には情念がこもってるように感じられて、おどろおどろしかったよ。
金髪とは違う印象を持ってしまうのは何故だろう?

有名ブランドであるシャネルのデザイナー、ココ・シャネルと同時代にライバル的な存在だったというエルザ・スキャパレッリ
 「ショッキング」という名前がついた香水瓶がキュートだよね!
SNAKEPIPEはスキャパレッリの名前を聞いたのは初めてだったけれど、この香水瓶を完成に導いたのが女流画家のレオノール・フィニという説明を読んで嬉しくなった。
2015年に「SNAKEPIPE MUSEUM #33 Leonor Fini」で紹介したことがあるからね! 
レオノール・フィニに感じたエネルギッシュな女性像は、おそらくスキャパレッリにも通じるのだろうと想像する。
他にもドレスやアクセサリーなど、たくさんの作品が展示されていたよ。
スキャパレッリについては、もう少し調べてみたいと思った。

1939年にサルバドール・ダリが描いたという、雑誌「ヴォーグ」の表紙。
ダリが雑誌の表紙になってるなんて、豪華だよね!
そして調べて驚いたことに、なんと「ヴォーグ」の創刊は1892年とのこと。
そんなに歴史がある雑誌だったとはね。
更に時代が古い、1862年創刊の「ハーパース・バザー」の表紙を多く手がけたのが、ROCKHURRAHと一緒に2017年3月に「グラフィズムの革命展」を鑑賞したカッサンドル! 
知ってる名前が出てくると嬉しいね。(笑)
ダリと同時代のカッサンドルの作品も多く展示されていたよ。 

第6章「裏と表」で、まさかヴィヴィアン・ウエストウッド(セディショナリーズ)のデザインが展示されているとは思わなかったよ。
パンクのイメージでしか捉えてなかったガーゼ・シャツだけど、確かにシュールだね!(笑)
他に、マルタン・マルジェラやドルチェ&ガッバーナの作品などが展示されていたよ。
マルジェラは、他のチャプターでも作品が展示されていたので、シュルレアリスムを現代に取り込んでいるデザイナーと言えるのかもしれないね。

撮影禁止である旧朝香宮邸での展示が終わり、新館へと向かう。
ここからは撮影可能!(笑)
第8章は「ハイブリッドとモード」。
画像は舘鼻則孝の「太郎へのオマージュ」作品群ね。
岡本太郎を意識して制作され靴やヘアピンなどが、迫力満点で展示されている。
シルバーで光ってて、とても好き!(笑)
他に花魁の高下駄からインスピレーションを得たという、ヒールがない靴も多数展示されていて見事だった。

友人Mが一番楽しみにしていたのが串野真也の作品!
人間が履くことで「キメラ」を想起させることを主題にしているという。
足を通さなくても、すでに「キメラ」な作品が多くて、夢中で写真を撮ってしまった。
ガラスに光が反射してしまうので、SNAKEPIPEの画像はイマイチだけどね。(笑)
どの部分にどんな革や素材を使用しているのか、とても興味があるよ。
実際に履こうとは思わないけれど、ずっと観ていたくなる作品だった。
1980年代生まれの面白い日本人デザイナー2人の作品を観られて、とても良かったよ!

「奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」展は、館内の雰囲気とマッチしていて、素晴らしい展覧会だった。
コロナじゃなかったら、もっと感嘆の声を上げたり、友人Mと語らいながら鑑賞できたのになあ。
次回はどんな企画を立ててくれるのか、楽しみだね! 

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