【「俺たちサボテンアミーゴ」の仲良し3人組!】
SNAKEPIPE WROTE:
昨年の夏よりずっと書き続けているスペイン映画への情熱は未だに冷めやらず、更に鑑賞できるだけの映画を探している状態である。
スペイン映画のみならず、スペイン語圏の映画を鑑賞することもある。
スペインをキーワードにすると、たまにそんなこともあるんだよね。
そして当然のように、完成度が高い映画ばかりではなく、「トホホ」と感じる映画に当たることもある。(笑)
今回はそんな「トホホ」映画を紹介してみたいと思う。
1本目はアメリカ映画でありながら、全編スペイン語で撮影された「俺たちサボテンアミーゴ」(原題:CASA DE MI PADRE 2012年)だ!
簡単にあらすじを書いてみようか。(webから引用)
メキシコの片田舎で父の牧場を手伝い、お気楽な人生を送っていたアルマンド。
しかし牧場の実態は火の車。
そんな一家の一大事に、ビジネスマンとして成功した弟ラウルが美しい婚約者ソニアを連れて帰ってきた。
しかし、ラウルは牧場の借金問題を解決するどころか麻薬ビジネスに手を出して窮地に追い込まれ、一方のアルマンドはあろうことかソニアと禁断の恋に落ちてしまう。
主人公アルマンドを演じるのが、ウィル・フェレル。
日本での知名度は低いけれど、アメリカでは大人気のコメディアンとのこと。
なんと「アンチェインド・メロディ」などで有名なライチャス・ブラザースのキーボードだったリー・フェレルの息子だという。
正直言って、どうしてこの人が主役なんだろう?と疑問に感じながら鑑賞していたんだけど、有名人だと知って納得。
どうりで歌もうまかったはずだよね!
「俺たちサボテンアミーゴ」はスペイン語圏映画ではお馴染みのガエル・ガルシア・ベルナルが麻薬王として出演していて、それも鑑賞するきっかけの1つだった。
だけど、この映画での役どころはあまりガエル・ガルシア・ベルナルには似合っていなかったように思った。
白いスーツに白いウエスタンブーツを履いてキメてるファッションも似合ってなかったし、そもそも残忍な大物って雰囲気じゃないもんね?
どうして「俺たちサボテンアミーゴ」を鑑賞して「トホホ」と感じてしまったのか。
1:映画最初の頃と途中での2回、主人公アルマンドと牧場で働いている2人と共に軽口を叩くシーンがある。
大して面白くない会話なのに、3人は笑い合い、やめたかと思うとまた誰かが笑い出し、つられて他もまた笑いだす。
このシーンがかなり長い時間使用されてるんだよね!
なんだろう、この無駄に感じる時間は。
どんな意味があったのか聞いてみたいね。(笑)
2:2012年の映画にもかかわらず、作り物であるのがバレバレなセットのオンパレード。
引いたカメラで撮影された街の風景は、カクカクに動くオモチャの車が走るジオラマのセットが使用されていた。
「母との思い出が残る神聖な場所」とされていた池なども完全なセット。
アルマンドを導く聖なる存在である白い豹は、ぬいぐるみ!(笑)
どうやら70年代メキシコでのソープオペラを意識して作られた映画のようなので、「わざと」だと思うけど、そのあまりのチャチさに笑ってしまう。
「わざと」やるほうが逆に難しいように思うけどね?
もし本当に狙ってやっていたなら、拍手だよ!(笑)
「俺たちサボテンアミーゴ」での救いは、ヒロインであるソニアを演じたジェネシス・ロドリゲスがキレイだったことかな。
母親はモデルで父親は俳優兼歌手だというから、美貌や才能を受け継いだんだね!
エキゾチックな美女がお好みの方にはお勧めだよ!(笑)
「俺たちサボテンアミーゴ」はコメディ映画だと思っていたのに、後半になってくるとハードなアクションが増えてくる。
それまでは「うすのろ」扱いをされていた主人公アルマンドが、好きな女のため、母の復讐のために目の覚めるような活躍をするのだ。
急に変貌するアルマンドには驚かされるし、意外性もあるので注目する点かな!(笑)
後で調べてみるとウィル・フェレルは「俺たち〜」というタイトルの映画にたくさん出演しているみたいで、他の作品も気になるところだ。
きっとまた「トホホ」に出会えるに違いない。(笑)
続いての作品は我らがカルロス・アレセス目当てで鑑賞した「人狼村 史上最悪の田舎」(原題:LOBOS DE ARGA 2011年)である。
こちらは「『パンズ・ラビリンス』のスタッフが集結!」なんて宣伝文句が踊るスペイン映画である。
文章にはB級ホラーとも書いてあったので、最初から「トホホ」だと知っていて鑑賞していたんだけどね。
それにしてもここまでとは…。(笑)
また簡単なあらすじを書いてみようね。(webから引用)
青年作家のトーマスは、新作小説を執筆するために長年戻らなかった故郷を訪れる。
旧友との再会に喜び、懐かしい思い出にひたるトーマスだが、幼いころの恐怖であった呪いが未だに村内のタブーとなっていることを知る。
それは、生け贄を献じることで村人全員が狼人間になることを逃れられるという、恐ろしい伝説 だった。
呪いを解くために生け贄にされたトーマスは、村人により穴に落とされてしまうのだった…。
恐怖、呪い、タブー、生贄、狼人間と「いかにも」な単語が並んでるよね!
そう、設定やら物語の進行は「いかにも」だから、度肝を抜かれるとか斬新ということはない。
珍しかったことといえば、ゴルカ・オチョア演じる主人公トーマスが生贄にされるくらいなら、と指を切断されるところ。
そしてその指をにんにくとパセリで炒める幼なじみであるカリスト役のカルロス・アレセス!
更にその指炒め(?)を飼い犬がくわえて走ってしまうシーンは、まるでデヴィッド・リンチ監督の「ワイルド・アット・ハート」のパクリみたいだよ。(笑)
主人公トーマスが指を提供したのにもかかわらず、呪いは解けなかった。
村人たちはウウウッと唸ったり叫んだりしながら、次々に狼人間に変身してしまう。
そして変身後の姿が左の写真!
どお、これ?
狼人間というよりは、 「スター・ウォーズ」のチューバッカか、もしくは東宝の特撮映画「サンダ対ガイラ」(古い!)みたいなんだよね。(笑)
実はSNAKEPIPE、チューバッカは大好きなので、似た雰囲気の狼人間が怖くなかったし、実際狼人間弱かったし!
噛まれることで感染して、狼人間になってしまうのはゾンビやら最近流行りのウイルス系パニック映画に共通している設定だよね。
この設定を最初に採用したジョージ・A・ロメロはやっぱりすごいな!
「ゾンビ」(原題:Dawn of the Dead 1978年)は36年前、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」(原題:Night of the Living Dead 1968年)に至っては46年前だからね!
そんなに昔からの伝統(?)が現在まで生き残っていて、それが恐怖とされていることを知ると、原型を作ったロメロの偉大さが良く解るよね。
「人狼村 史上最悪の田舎」鑑賞目的だったカルロス・アレセスは、今回主役ではなく、主人公の幼なじみという役どころ。
着ていたセーターも含めて田舎っぺ役はピッタリだったね。
カルロス・アレセスらしい特徴はあまり見受けられなかったし、自慢のヌードも披露されなかった。(笑)
それでも、もちろんファンだったら鑑賞しないとね!
「人狼村 史上最悪の田舎」で印象に残っているのは冒頭、村の呪いについて解説するシーン。
この劇画調の紙芝居形式が大人向けのエロチックなもので、なかなか面白かったな!
ラストシーンは思わせぶりだったけど、「人狼村2」はないよね?
もし製作されたら一応観てみようかな。(笑)
今回は「トホホ」な映画について書いたつもりが、結局「着ぐるみ」系映画紹介になってしまった!
こんな書き方をしているから誤解されてしまうかもしれないけど、「トホホ」な映画もSNAKEPIPEは大好きなんだよね!
また「トホホ」映画特集もしていきたいな!(笑)