映画の殿 第67号 韓国ドラマ編 part21


【今回紹介するドラマ4本が表紙になっているよ!】

SNAKEPIPE WROTE:

気が付くと、いつの間にか9月になってるね。
まだまだ暑い日が続いているので、家に引きこもっているよ。
そのためなのかドラマの鑑賞時間が増えてるのかな。
前回「映画の殿 韓国ドラマ編」を書いてから、約1ヶ月半での更新だよ!
いつも書いていることだけど、紹介するのはROCKHURRAH RECORDSが鑑賞した順番で、制作年度順ではないのでご了承ください!

最初は「ヒーローではないけれど(原題:히어로는 아닙니다만 2024年)」から。
Netflixの新作として紹介されていたので、試しに観てみることにした。
予告で確認した時に、顔を観たことがある俳優は「椿の花咲く頃(原題;동백꽃 필 무렵 2019年)」や「私たちのブルース(原題:우리들의 블루스 2022年)」で良い味出してたコ・ドゥシムだけ。
今まで観ていたドラマでは、ほとんどすっぴんのような化粧っけのない役だったのに、今回はしっかりメイクして若返っているよ。(笑)

あらすじはこちら。

それぞれに異なる超能力をもって生まれたものの、現代社会の荒波にもまれるうちにその力を失ってしまった一家。
だが、そんな彼らの前に現れた不思議な女性が、すべてを変えるきっかけとなる。
(Filmarksより)

トレイラーも観てみよう。

まるでワンピースの「◯◯の実」を食べて能力を身に着けたかのように、一人ひとり別の超能力を持った家族を中心に話が展開するんだよね。
現実社会で役に立ちそうな能力もあり、かなり裕福な生活を送っている。
SNAKEPIPEが一番面白いと思ったのは、過食症で激太りした元モデルの姉。
ダイエットに成功して、元通りのスタイルに戻り、飛行能力を取り戻すんだよね。
ドラマの中でどんどん痩せていく様子に驚いたよ。(笑)
ヒロインのト・ダヘを演じたチョン・ウヒは初めてみる女優かと思っていたら、「母なる証明(原題:마더 2009年)や「サニー 永遠の仲間たち(原題:써니 2011年)」など、ROCKHURRAH RECORDSでも鑑賞したことがある映画に多数出演していたことが分かった。
全然覚えてないんだけどね。(笑)
「ヒーローではないけれど」は、一進一退を繰り返しながら、最終的には丸くおさまるドラマで、SNAKEPIPEには少し物足りない感じだったよ。

続いては「乾パン先生とこんぺいとう(原題:건빵선생과 별사탕 2005年)」を紹介しよう。
2005年のドラマなので、今から約20年前ということになるね。
主演が「椿の花咲く頃(原題:동백꽃 필 무렵 2019年)」他、「ラブコメの女王」として多くのドラマや映画に出演しているコン・ヒョジン
相手役には「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜(原題:쓸쓸하고 찬란하神 – 도깨비 2016年)」で有名なコン・ユ
今まで何本もコン・ヒョジンの作品を観ていて、大ファンなんだよね。
面白いドラマに違いないと期待して鑑賞を始めたのである。
あらすじはこちら。

新米の熱血女性教師が不良学生にガチんこ勝負!
かつて教師を殴り退学処分となった伝説の女ナ・ポリが、教員免許を取って母校の教師に就任。
そこで彼女を待ち受けていたのは、超が付くほどの問題児パク・テイン。
2人は打ち解け合うことができるのか?
(Amazonより)

トレイラーを探していたけれど、あまりに昔過ぎるせいか見つからなかったよ。
オープニングの動画を載せておこう。

いつの間にか「HEY! HEY!」と一緒に声を出しているSNAKEPIPE。
日本の70年代みたいな音楽が最高だよ。(笑)

元スケバンのコン・ヒョジンが退学になった学校に教師として戻ってくる、という設定がそもそもあり得ないんだけど、そこはドラマだから!
最初の頃はコン・ヒョジンが「伝説の不良」だった頃のエピソードが挿入され、バカバカしいほど大げさなアクション・シーンが繰り広げられ大笑いしたよ。(笑)
さすがラブコメの女王だよ!
そして問題児の高校生を演じたコン・ユ、2005年時点で26歳。
ドクタースランプ(原題:닥터슬럼프 2024年)」でパク・シネが34歳で高校生を演じていたことに比べたら、そこまでサバを読んでることにならないかな?(笑)
チョン・ギョウン演じるポジティブ・シンキングな男子高校生のキャラクターが最高!
ストーリーは後半になってくると、おバカな要素が少なくなってしまったのが残念だったかも。
それでもコン・ヒョジンの出演作品が観られたのは良かったよ。(笑)

続いては「Missナイト & Missデイ(原題:낮과 밤이 다른 그녀 2024年)」だよ!
パラサイト 半地下の家族(原題:기생충 2019年)」などでお馴染みの名バイ・プレイヤーであるイ・ジョンウンが主演のドラマと聞けば、絶対観ちゃうよね。(笑)
「私たちのブルース」では「ちょっとおせっかいだけど、根が優しい魚屋さん」を演じていたのが印象に残っているため、その時の役名のままウニと呼んでしまうのはSNAKEPIPEだけかな?
ウニが主演のドラマ、あらすじを書いてみよう。

公務員試験に挑戦し続ける20代の就活生イ・ミジン。
ある日、目が覚めると30歳も年を取ってしまっていた。
だが、日が暮れると元の姿に戻ることを知った彼女は、多くのバイトや資格試験に明け暮れたこれまでの就活期間で培ったスペックでシニアインターンとして就職に成功。
昼間は伝説のインターン、夜は青春を謳歌する二重生活を始めるが……。
(シネマトゥデイより)

トレイラーも観てみよう。

20代の女性が目覚めると50代に変身しているなんて、カフカじゃあるまいし。(笑)
日没で元の姿に戻るところが変わっているね。
家族からは信じてもらえなかったのに、親友であるト・ガヨン(左の画像)だけは協力的なんだよね。
ト・ガヨンが、裏表のない良い性格で好感を持ったよ!
こんな親友がいたら心強いだろうね。

Wikipediaに載っている説明によると「Missナイト & Missデイ」のジャンルは「ファンタジー、ロマンティック・コメディ、サスペンス」となっていて様々な要素が絡んだドラマだと分かるね。
「ロマンチック・コメディ」に該当するのは、50代に変身しているヒロインとアイドルの男性が仲良くなってるシーンかな。
アイドルが積極的に50代女性にアタックしているところが面白かったよ!
その様子を見て驚いている同僚のリアクションも大笑いしてしまった。(笑)

主役は「ルーガル(原題:루갈 2020年)」で顔を知っていたチェ・ジニョク。
2022年10月の「映画の殿 第52号 韓国ドラマ編 part8」で「若い頃の野口五郎に見えてしまう」と書いていたけど、今回も同じ感想を持ったよ。(笑)
ヒロインはアイドル・グループのヴォーカルで女優のチョン・ウンジ。
「応答せよ1997」で女優として有名になった、と書いてあるね。
こちらはまだ未視聴なので、いつか観てみたいよ。

「Missナイト & Missデイ」は、ストーリーが面白く、ウニの演技力もあり楽しく鑑賞できた。
最終話だけが「うまくいきすぎ」だったけど、丸く収まって良かったよ!

最後はこちら。
シティーホール(原題:시티홀 2009年)」は、チャおばさんことチャ・スンウォンが主演なので、観てみたかったドラマなんだよね!
今から15年前の作品なので、一番初めに書いた「乾パン先生とこんぺいとう」同様、昔っぽさを感じながらの鑑賞になることは間違いなし。
チャおばさんの真骨頂だと思う「最高の愛〜恋はドゥグンドゥグン〜(原題:
 최고의 사랑 2011年)」 の2年前の姿を見てみよう。
あらすじはこちら。

シン・ミレの勤める仁州市庁へ「将来の夢は大統領」の野心家チョ・グクが副市長として赴任してくる。
ミレはひょんなことから『イワシ娘大会』に参加することになった。
若さはなくともその愛くるしい表現力で審査員を魅了し、見事グランプリを獲得するのだが、その賞金の所在を巡って濡れ衣を着せられ、市役所を解雇されてしまう。
最初はミレと対立ばかりしていたグクも彼女のひたむきな姿や純粋さへと徐々に惹かれていき、ミレの市長選出馬をサポートしていく。
(Wikipediaより)

「シティホール」の予告も探せなかったので、オープニングの動画を載せておこう。

30代後半で下っ端の公務員が市長になる、というサクセス・ストーリーとラブ・ロマンス要素が入っている。
ひたむきで真っ直ぐな性格の主人公が努力をして実を結ぶという展開は、「乾パン先生〜」に近いかも。(笑)
ROCKHURRAH RECORDSが大ファンのウィル・フェレルの映画も、このパターンが多かったね。

シン・ミレを演じているキム・ソナのことは、以前「恋の潜伏捜査(原題:잠복근무 2005年)」で観ていた。
この映画では「泣く子も黙る元スケバンの女刑事が捜査のため女子高生に扮し高校へ潜入」する役どころ!
しかも高校生の中にコン・ユがいて、まるっきり「乾パン先生〜」と似た構図だよね。(笑)
「シティホール」でのキム・ソナも、市長選に出るまではコメディ・タッチで面白い!
後半は政治的な話になっていくので、少しシリアスになっちゃうんだよね。
SNAKEPIPEはコミカルな前半の方が好きだったかも。

SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜(原題:SKY 캐슬 2018年)」や「三食ごはん (山村編)2019年」などで有名なユン・セアが大企業の令嬢として出演していたよ。
やっぱりお金持ちの役なんだね。(笑)
もう一つ印象に残ったのは、引退した大物政治家が「Big Brother」と呼ばれ、通称BBとされていたこと。
「影響力の強いBBの動向に注目が集まる」のように新聞の見出しに使われていたりするのが面白かったよ。(笑)

今回は新旧合わせて4本のドラマを紹介してみたよ!
ROCKHURRAH RECORDSでは韓国ドラマの鑑賞を始めたのが2020年からなので、過去作をあまり知らないんだよね。
面白そうな作品を探して鑑賞を続けていこう!
次回をお楽しみに。(笑)

映画の殿 第66号 X・Pearl

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【「X」と「Pearl」の主演女優ミア・ゴス。化粧や髪型で雰囲気変わるよね】

SNAKEPIPE WROTE:

お盆休みが今日で終わりという方が多いんじゃないかな?
ROCKHURRAH RECORDSでは、お盆休みというほどの休みは取っていなくて山の日を絡めた4連休だけ。
特にどこかに出かけることもなく、家に引きこもっていたよ。
今年は「危険な暑さ」の夏だから尚更のこと、食材を買うために近所のスーパーに出るくらい。
家の中にいるのが一番安全だからね。(笑)
時間に余裕があるので、映画鑑賞していたよ。

今回は2022年に公開された「X エックス(原題:X)」とその続編である「Pearl パール(原題:Pearl)」を特集してみよう。
実は、ROCKHURRAH RECORDSでは、続編の「Pearl」から観てしまったんだけど、制作年順に「X_から書いていくことにする。
まずはあらすじから。
※ネタバレしている可能性がありますので未鑑賞の方はご注意ください

1979年、テキサス。
女優のマキシーンとそのマネージャーで敏腕プロデューサーのウェイン、ブロンド女優のボビー・リンとベトナム帰還兵で俳優のジャクソン、そして自主映画監督の学生RJと、その彼女で録音担当の学生ロレインの3組のカップルは、映画撮影のために借りた田舎の農場へ向かう。
彼らが撮影する映画のタイトルは「農場の娘たち」。
この映画でドル箱を狙う――。
6人の野心はむきだしだ。
そんな彼らを農場で待ち受けたのは、みすぼらしい老人のハワードだった。
彼らを宿泊場所として提供した納屋へ案内する。
一方、マキシーンは、母屋の窓ガラスからこちらを見つめるハワードの妻である老婆パールと目があってしまう……。
そう、3組のカップルが踏み入れたのは、史上最高齢の殺人夫婦が棲む家だった。
(公式サイトより)

あらすじだけでも十分怖いよね。
トレイラーも観てみよう。

6人が田舎に車で向かい、ポルノ映画を撮る計画をしているんだよね。
あらすじやトレイラーからも分かるように、「X」はホラー映画!
舞台が70年代というのも、「いかにも」な雰囲気がプンプンするよね。(笑)
どうやら「X」は1974年に公開されたトビー・フーパー監督の「悪魔のいけにえ(原題:The Texas Chain Saw Massacre)」へのオマージュ作品みたい。
「悪魔のいけにえ」といえば、自作でTシャツを作っていたほどROCKHURRAHが大好きな映画だよ。
せっかくなので、「悪魔のいけにえ」も鑑賞してみることに。

舞台は1973年のテキサス。
若い男女5人がバンに乗って里帰りする、という特段変わったことがないシーンからスタートする。
ド田舎に行くのに、ガス欠の心配がある点がポイント!
ガソリンを分けてもらおうと立ち寄った家で惨劇が起きる。
有名な「レザー・フェイス」の登場だね!
何の前触れもなく現れて凶行する、危ないタイプ。
それでもお爺さんを大事にしていたり、父親のお仕置きを恐れていたところに人間味があるよ。(笑)
50年前に公開された映画だけど、今観ても非常に怖くて、ホラー映画の金字塔であることが分かるね。
「こんな映画を撮ってみたい」と憧れる人が多かったことも想像できる。
「悪魔のいけにえ」のトレイラーも載せておこう!

「X」の監督も「悪魔のいけにえ」に羨望のまなざしを送っていたに違いない。
同様のシチュエーションを演出し、周りを見渡してもあるのは老夫婦が住んでいる家だけ、という田舎を設定している。
大きく違っているのは、レザーフェイスのような大男ではなく、やせ細った老婆を狂気の人物に据えた点だね。
「若いもんには負けん!」みたいな元気な老人が出てくる映画について、2017年5月に「映画の殿 第24号 ハッスル老人」として記事にしたことがあったっけ。
ハッスルという言葉が死語がどうかは抜きにして(笑)、どちらかというと応援したくなるタイプの老人が主人公だったよ。
今回の「X」に関しては、不気味で醜悪な老婆に共感する部分は見つからなかったSNAKEPIPE。

ここで思い出したのが「レクイエム・フォー・ドリーム(原題:Requiem for a Dream 2000年)」に登場した主人公の母親のこと。
若かった頃のように痩せて美しくなりたいという願望を持ち、ドラッグ中毒になってしまうんだよね。
藤原新也の著作「アメリカ」の中だったと思うけれど、歴史あるものを大事にするヨーローッパに対し、ブランニューなものを喜ぶアメリカのような文章を読んだ記憶がある。
若さと美しさを求める気持ちは誰もが持っていると思うけれど、強すぎるのは問題だよね。
張りのある肌を持つ若い女性への羨望と衰えない性欲を持った「X」の老婆パールは、殺人によって自らを慰めていたみたいだよ。
載せた画像は「裸にオーバーオール」のマキシーン。
この服装はデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズの「カモン・アイリーン」のMVと同じなんだよね。
この意味分かってくれると良いんだけど。(笑)

「悪魔のいけにえ」以外にも、斧で破られたドアの隙間から叫ぶシーンでは「シャイニング(原題:The Shining 1980年)」、ソバカスいっぱいの顔からは「キャリー(原題:Carrie 1976年)」の影響を受けているように感じた「X」。
続編は「X」で老婆だったパールの若い頃の話になる。

「Pearl」のあらすじを書いてみよう。

スクリーンの中で歌い踊る華やかなスターに憧れるパールは、厳格な母親と病気の父親と人里離れた農場で暮らしている。
若くして結婚した夫は戦争へ出征中で、父親の世話と家畜たちの餌やりの毎日に鬱屈とした気持ちを抱えていた。
ある日、父親の薬を買いにでかけた町で、母親に内緒で映画を見たパールは、ますます外の世界へのあこがれを強めていく。
そして、母親から「お前は一生農場から出られない」といさめられたことをきっかけに、抑圧されてきた狂気が暴発する。(映画.comより)

トレイラーはこちら。

1979年の「X」より約60年前の1918年を舞台にした「Pearl」でも、ミア・ゴスが主演なんだよね。
ドイツ移民で、何事にも厳しい母親の抑圧ぶりが凄まじい。
父親は自分で体が動かせない障害を持っていて、パールが面倒を見ている。
「X」でもヌードを披露していたパールだけど、「Pearl」でもお風呂のシーンがあり、すっぽんぽんに抵抗がない女優なんだね。
ホラーにエロチック要素が加わっているところも、ファンが多い理由かもしれない。

1910年代のアメリカでは、何歳から結婚できたんだろう。
パールはすでに結婚していて、夫が従軍しているんだよね。
家にいると農場の仕事や父親の世話に追われ、楽しい時間がないパールが唯一楽しみにしていたのが映画鑑賞。
映画技師と知り合い、人妻でありながら浮気してしまうパールは「どこかに連れて行ってくれる人」が欲しかったんだろうね。
裏切られたと知ったら悔しさのあまり、感情を爆発させてしまう。

パールに親切に接しているブロンドの女性は、夫の妹。
夫の実家は少し裕福なようで、身なりが整っている。
食料を分け与えてくれたのに「施しを受け、侮蔑されている」として、決して口にしないパールの母親は頑固過ぎかも。
ただ、夫の実家側も「与えている」として優位さをアピールしているように見えたので、お互い様の関係なのかもしれない。
ブロンドの妹が、凶行に遭うシーンはすごかった!
画面を2分割する「デ・パルマ・カット」で、残酷なシーンを映し出していたからね。
最初からパールの様子がおかしかったことに気付かなかった妹は、ホラー映画でお約束のように犠牲者になるタイプ。
鑑賞者の期待を裏切らず(?)まんまとパールにやられたね。(笑)

「X」の殺人老婆パールの来歴が明らかになる「Pearl」。
外的要因が引き金になったにしても、元来残酷な一面を持っていたことが分かる。
主演のミア・ゴスは「X」と「Pearl」でホラー映画界の女王として君臨したみたいだね。
次作は「X」の6年後、1985年を舞台にした「MaXXXine」で、アメリカではすでに公開されているようだね。
ROCKHURRAH RECORDSでは、またいつか観られる時を楽しみに待っていよう!

映画の殿 第65号 韓国ドラマ編 part20

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【いつも表紙を作ってくれるROCKHURRAHに感謝!】

SNAKEPIPE WROTE:

2020年からスタートした「韓国ドラマ編」がついに20回目になったよ。
毎回4〜5本のドラマを紹介しているので、約100本近くのドラマを鑑賞していることになるね。
これはNetflixなどの配信サービスのおかげ。
毎回レンタルで借りていたら、ここまで続かなかったはず。
好きな時に自分の都合の良い時間まで鑑賞して、いつでも続きを観られるのは手軽だもんね。
そして新作がどんどん更新されていくので、次に鑑賞するドラマを迷うほどのラインナップも理由になるよ。
過去に鑑賞してもう一度観たい作品もあるのに、なかなか振り返る時間が取れなくなってしまう。(笑)
今回もまた鑑賞したドラマを紹介していこう。
いつも通り、ドラマの制作年ではなくROCKHURRAH RECORDSが観た順番で書いているのでよろしくね!

最初は「ワンダフルデイズ(原題:오늘도 사랑스럽개 2023年)」から。
原作は同名のウェブトゥーンとのこと。
韓国ドラマで漫画が原作って多いよね。
ヒロインは「セレブリティ(原題:셀러브리티 2023年)」や「ダリとカムジャタン~真逆なフタリ~(原題:달리와 감자탕 2021年)」などに出演していたパク・ギュヨン。
男性アイドルグループ「ASTRO」のチャ・ウヌ、映画「シークレット・ミッション(原題:은밀하게 위대하게 2013年)」や「ビューティー・インサイド(原題:뷰티 인사이드 2015年)」に出演していたイ・ヒョヌが相手役として出演している。
ドラマのあらすじを書いてみよう。

教師のハン・ヘナは、異性とキスすると犬になってしまう呪いのせいで、ちゃんとした恋愛をできずにいた。
そんなある日、同僚のチン・ソウォンにひょんなことからキスしてしまったヘナ。
ソウォンに呪いを解いてほしいヘナだが、犬が苦手なソウォンには難題で…!?
(海外ドラマNAVIより)

続いてトレイラーね。

呪いのせいでヒロインが犬になってしまうなんてあり得ない話だけど、漫画が原作だからね。(笑)
トレイラーにも登場してるけど、そのワンちゃんがかわいいの!
ワンちゃん好きのSNAKEPIPEは、ヒロインがずっと犬の姿のままドラマが進行しても良いと思ったくらいだよ。
同じワンちゃんは、ドラマ「マスクガール(原題:마스크걸 2023年)」にも出演していたというけど覚えていないなあ。
演技力もあって、とてもキュートだったよ!

ストーリーは途中から遠い過去の因縁話になり、謎の解明につながるというよりは、より複雑になった感じ。
同じ登場人物が現在と過去で役割が違っているので、関係性が分かりづらい気がしたよ。
好みの俳優が出演している、もしくはワンちゃん好きにはオススメのドラマだね。(笑)

続いては「クリーニングアップ(原題:클리닝 업 2019年)」ね!
これは同名のイギリスで公開されたドラマのリメイクとのこと。
主演はホラー映画「箪笥(原題:장화 2003年)」やドラマ「SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜(原題:SKY 캐슬 2018年)」などで有名なヨム・ジョンア
冷たい印象の役とは裏腹に、バラエティ番組「三食ごはん 山村編」では、大口を開けて食事をたいらげている素の表情を見せる。
そのギャップがとても魅力的で、すっかりファンになってしまった。(笑)
ジョンアさんが主役のドラマ、期待しちゃうよね!

2人の娘を育てるシングルマザーのヨンミはビルの清掃やコンビニで働き家庭を支えながら必死に生きていた。
しかし、賭博で抱えた借金を返済できず、取り立てに追われる日々…。
お金に困っていた彼女は偶然、清掃している勤務先の証券会社で株のインサイダー取引を耳にする。
ヨンミの同僚で友人のインギョンを誘い、取引の情報を集めるため盗聴器を仕掛けることにするが…。
(KNTVより)

トレイラーはこちら。

元ミス・コリアのジョンアさんが、ビルの清掃員になっている!
これはアルモドバル監督の映画「ボルベール〈帰郷〉(原題:Volver 2006年)」で、ペネロペ・クルスが清掃員やってる時と同じくらい違和感あったよ。(笑)
ジョンアさんもペネロペ・クルスもスタイル抜群なので、清掃員の制服もおしゃれに着こなしているのはさすがだけどね!
違法な手段とはいえ、完全な素人からスタートして株の勉強を始め、お金儲けしていくところが面白い。
「掃除のおばちゃんには意味が分かるはずないから、情報を聞かれても問題ないわ」
といった差別発言を逆利用するところは爽快だったよ。(笑)
後半にかけて、ストーリーが少し間延びしていた気がする。
16話より話数を少なくしていたら、緊迫した状態が続いて、もっと引き込まれたかもしれない。
そこだけが残念だよ。

次は「智異山(原題:지리산 2021年)」。
これは韓国の放送局tvNの15周年記念特別ドラマとして制作され、制作費が300億ウォン(日本円で33億円)を超えているという情報もあったよ。
ヒロインはROCKHURRAH RECORDSでは馴染みがない、チョン・ジヒョン
1話あたりの出演料が2億ウォンとも噂されている、人気がある女優なんだね。
もう一人の主役は映画「神と共に(原題:신과함께 2017年)」などに出演しているチュ・ジフンで、こちらもギャラが高額な俳優みたいだね。

「智異山」のあらすじを書いてみよう。

2018年、ソ・イガンは智異山国立公園でレンジャーとして働いていた。
そんなある日、新米レンジャーとしてカン・ヒョンジョが入所してくる。
智異山で奇妙な事件が続く中、イガンはヒョンジョからある告白をされる。
最初はその告白を信じようとしないイガンだったが…。
時は変わって2020年。
智異山国立公園にヒョンジョの姿はなく、車椅子に乗るイガンの姿だけがあった。
イガンはヒョンジョと追っていた連続殺人犯の正体を突き止めるべく、独自に調べを進めようとする。
そして、イガンは遭難者の居場所を示す印が山に残されていることに気づく。
誰が山から自分へシグナルを送っているのか、イガンは奇妙な事件を追いながら、真実へと向かっていく…。(テレビ大阪より)

トレイラーはこちら。

智異山は韓国で2番目に標高が高い山で、韓国最大の面積を持つ山岳型国立公園だという。
山岳信仰の聖地とされていたこともあり、ほとんど手つかずの自然が残っている山なんだとか。
ドラマの中に映る智異山の風光明媚な様子に目を奪われたり、怖くなるほどの闇を感じることができるよ。
SNAKEPIPEは、行ってみたいかと訊かれたら、首を横に振るだろうね。(笑)

ドラマは智異山で起こる連続殺人事件を主軸に展開していく。
途中で山火事の危険や動画配信を目的にした不法侵入の話など、注意喚起を目的にしているような話が挿入される。
迷惑行為がどんな結果を生むのか、レンジャーたちがどんなに大変な活動をしているのか理解することができるよ。
今まで観てきた韓国ドラマで見覚えがある俳優達が体当たりの演技をしているのも見どころだね。
みんな本物のレンジャーにみえたもん。

あらすじにもあったように、2018年と2020年が舞台になっているので、1話の中で2つの時を行ったり来たりするのが分かりづらかった。
全体的に見応えがあり、次の展開が気になるドラマだったけれど、最終話だけ都合良くまとめた感じかな。
そこだけがイマイチだった気がするよ。

財閥家の末息子〜Reborn Rich〜(原題:재벌집 막내아들 2022年)」で締めくくろうか。
主演は「ヴィンチェンツォ(原題:빈센조 2021年)」で抜群の存在感を見せていたソン・ジュンギ
そして「ミセン(原題:미생 2014年)」に出演していたイ・ソンミンが財閥の会長役なんだよね。
あの時の印象が強くて、今でもROCKHURRAH RECORDSでは、オ課長と呼んでしまうよ。(笑)
原作はウェブトゥーンだって。
日本語版があるようなので、読んでみたいな。
あらすじを書いてみよう。

スニャングループの不正を取り消す未来資産チーム長のユン・ヒョヌ。
ある日、ヒョヌにスニャンの資産を取り戻す任務が与えられるが、何者かに追われ銃殺される。
目を覚ますと、ヒョヌはかつて自らを殺害したスニャン一族の末孫チン・ドジュンとして生まれ変わっていた。
この機会を利用して、ドジュンは自らを殺害したスニャン一族への復讐を決意する。
(Wikipediaより)

トレイラーも観てみよう。

韓国ドラマでは定番の復讐モノになるんだね。
生まれ変わりというと、「もうすぐ死にます(原題:이재, 곧 죽습니다 2023年)」を思い出すけれど、「財閥家の末息子」は自分が転生するのではなく、自分の意識を持ちながら他人に生まれ変わるところが面白い。
そしてオ課長じゃなくて(笑)イ・ソンミンの迫力が凄まじくて、目が離せなかったよ!
百想芸術大賞2023で最優秀演技賞を受賞したのも納得。

ソン・ジュンギが生まれ変わり、少し成長した時を演じていたのが「椿の花咲く頃(原題:동백꽃 필 무렵 2019年)」で、主人公ドンベクの息子役ピルグだっキム・ガンフン。
ラケット少年団(原題:라켓소년단 2021年)」に出演している時にも、ついピルグと呼んでしまったよ。
2009年生まれとのことなので、今年15歳の中学生?
有名な作品に出演している名子役だよね。
「財閥家の末息子」でも、イ・ソンミン相手に堂々とした演技を見せていたよ。

未来から過去にタイムスリップできたらどんなに良いだろうと想像したことがある人は多いはず。
すでに情報を知っているので、例えば次に何が流行するかなど分かるもんね。
SNAKEPIPEはもう一度80年代に戻ってみたい願望に駆られるよ。(笑)

「財閥家の末息子」は音楽も印象的だったので、Youtubeを載せておこう。
ジョンホ(ATEEZ)の「GRAVITY」だって。

今回紹介した4本のドラマ、それぞれジャンルが違っていて面白かった。
SNAKEPIPEが1本を選ぶなら「財閥家の末息子」かなあ。
早く続きが観たくて夢中になったからね。(笑)

ドラマ鑑賞はまだまだ続いているよ。
次回もお楽しみに!

映画の殿 第64号 韓国ドラマ編 part19

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【毎回表紙を担当してくれるROCKHURRAHに感謝だね!】

SNAKEPIPE WROTE:

数ヶ月おきに更新しているカテゴリー「映画の殿」韓国ドラマ編をお送りしよう。
今回はたまたま話数が短いドラマを連続して観たんだよね。
毎回同じ文章を書いているように、紹介するのはROCKHURRAH RECORDSが鑑賞した順番で、制作年順でないので4649!(笑)

最初は「ドクタースランプ(原題:닥터슬럼프 2024年)」から。
このタイトルを聞いて、誰もが鳥山明の「Dr.スランプ」を思い浮かべてしまうはずだけど、当然ながら全く関連はないからね!
ボーイズ・グループ出身で「花郎(原題:화랑 2016年)」などで見覚えがあるパク・ヒョンシクと、「アルハンブラ宮殿の思い出(原題:알함브라 궁전의 추억 2018年)」や「シーシュポス: The Myth(原題:시지프스: the myth 2021年)」などでヒロインを演じたパク・シネが主役のドラマだよ。
あらすじとトレイラーはこちら。

思いがけない再会を果たした、高校時代のライバル同士。
医師として前途有望だったもののスランプに陥ってしまったふたりは、やがて互いの存在に癒やしを感じるようになり…。(Netflixより)

現在と高校時代が交錯してドラマが進んでいく。
パク・ヒョンシク32歳、パク・シネ34歳だけれど、制服を着て高校生役を演じているところがすごい!
あまり違和感がなかったからね。
ライバルとして憎み合っていたのに、互いに惹かれ合うストーリー展開はそんなに目新しくはなかったかも。
パク・シネのお母さん役が「愛の不時着(原題:사랑의 불시착 2019年)」や「パラサイト(原題:기생충 2019年)」に出演していたチャン・ヘジン、「他人は地獄だ(原題:타인은 지옥이다) 2019年)」や「ナルコの神(原題:수리남 2022年)」で知っていたヒョン・ボンシクが叔父の役で出演していて、脇が良い味出してたね。
基本的にラブ・ストーリーは得意ではないけれど、好きなバイプレーヤーが出演しているドラマは好きだよ!

殺人者のパラドックス(原題:살인자ㅇ난감 2024年)」はウェブトゥーンが原作のドラマ。
「パラサイト 半地下の家族」や「その年、私たちは(原題:그 해 우리는 2021年)」で有名なチェ・ウシクと「サバイバー: 60日間の大統領(原題:60일, 지정생존자 2019年)」や「私の解放日誌(原題:나의 해방일지 2022年)」でクセのある役を演じていたソン・ソックが主演と知っただけで、面白そうだよね!
監督は「他人は地獄だ」のイ・チャンヒというので、ますます期待しちゃうよ。
あらすじとトレイラーを載せておこう。

平凡な大学生イ・タンは、毎日を流されるまま暮らしていた。
コンビニでのバイトを終えたある夜の帰り道、彼は思いもよらず殺人を犯してしまう。
自分がしでかしたことの恐怖に怯えるタンだったが、その後予想外の事実が発覚する。
なんと自分が殺した男が、かつて凶悪な殺人事件を起こした指名手配犯だったのだ。
その後も偶発的な殺人に手を染めていくタンだったが、そのすべての被害者が罪深い犯罪者で、さらにタンの犯行の証拠も残らず、疑惑から免れ続けた。
一方、当初からタンに目をつけていた刑事チャン・ナンガムは、執拗に彼を追っていく。(Movie Walkerより)

チェ・ウシクのコンビニ店員役が非常に自然で、偶発的に殺人を犯してしまうところがリアルだった。
回を追うごとにチェ・ウシクの顔つきが変わってくるところは、さすがの演技力!
追いかける刑事役のソン・ソックの熱血ぶりも印象的だった。
妄想シーンが混入するところが面白かった。
過剰なほどに強烈な色彩は、ウォン・カーウァイ監督の「天使の涙(原題:堕落天使 1995年)」みたいでスタイリッシュだったよ。
犯罪者を断罪する行為が正義であると信じてしまいそうになる。
この錯覚を問題提起しているのかも。
8話という、少し短めのドラマだけど見応えあっておススメだよ!

サイコキネシス -念力-(原題:염력 2018年)」や「エクストリーム・ジョブ(原題:극한직업 2019年)」のリュ・スンリョンが主役のコメディ「タッカンジョン(原題닭강정 2024年)」は、左のポスターだけでも「おバカ」な雰囲気がプンプンするよね!(笑)
右にいるのは「恋のスケッチ〜応答せよ1988〜(原題:응답하라 1988 2015年)」に出演していアン・ジェホン。
真ん中に小さく写っているのは「太陽を抱く月(原題:해를 품은 달 2012年)」で「国民の妹」「時代劇の妖精」と呼ばれるキム・ユジョン。
こちらも原作はウェブトゥーンで、「エクストリーム・ジョブ」のイ・ビョンホンが監督している。
リュ・スンリョンとはお馴染みの仲ってことだね!

不思議な機械に足を踏み入れた女性が、なんとタッカンジョンに変身!?
娘を人間に戻したい父親は、彼女に想いを寄せる男とともに奇妙な大冒険に乗り出す。(Netflixより)

ちなみにタッカンジョンとは、鶏の唐揚げにコチュジャンと水飴などのタレを絡めた料理のこと。
おやつにもおかずにもなる一品だという。
レシピが載っているので作ってみようかな。(笑)
ドラマは漫画が原作なだけあって荒唐無稽なストーリーなんだよね。
かなりバカバカしいけれど、リュ・スンリョンの大ファンなので最後まで鑑賞したよ。
安室奈美恵ファンをアムラーといっていたように、イエローパンツのファンをイエミーと呼んでいたところに大笑いした。(笑)
ネタバレになるので詳しく言えないんだけどね!
出演している俳優や監督のファンの方にはおススメのドラマだよ。

最後は「涙の女王(原題:눈물의 여왕 2024年)」ね。
サイコだけど大丈夫(原題:사이코지만 괜찮아 2020年)」や「ある日〜真実のベール(原題:어느 날 2021年)」のキム・スヒョンと「私の解放日誌(原題나의 해방일지 2022年)」のキム・ジウォンが主演のドラマなんだよね。
Wikipediaによると、最終話の視聴率が「愛の不時着」を超えたとのこと。
パク・ジウンという女性脚本家が「涙の女王」も「愛の不時着」も手掛けているというから、ヒットメーカーなんだね。
ROCKHURRAH RECORDSでは、この脚本家の作品は「プロデューサー(原題:프로듀사 2015年)」を観てることが分かったよ。

「涙の女王」のあらすじとトレイラーはこちら!

結婚生活の危機を迎えていたデパート業界の女王と田舎出身の夫。
そんなふたりの間に、奇跡のように再び愛が芽生え始めて…。(Netflixより)

ツンとした冷たい態度を取るヒロインという設定が、最初に書いた「ドクタースランプ」に似ていると思ってしまった。
離婚直前の冷え切った関係が変化するというストーリーも、そこまで新鮮ではなかった。
以前も「SNAKEPIPEは田舎が舞台のドラマが好きなのかも」と書いていたように、「涙の女王」でも面白かったのは、夫の実家がある田舎の話!
財閥のお嬢様や家族が、田舎暮らしに慣れていくところが良かったよ。

今回は4本のドラマを紹介したよ!
4本とも2024年の新作だったね。
この中では、「殺人者のパラドックス」をオススメするよ。
ストーリーも映像も面白かったからね。
新作がどんどん発表されているので、ドラマ鑑賞は終わらないよ!(笑)