映画の殿 第69号 韓国ドラマ編 part23

【今回は全員女性が主役だよ!】

SNAKEPIPE WROTE:

いよいよ今年も約10日ほどで終わりになるね。
師走と言われるだけあって、12月は時間が速く過ぎていくよ。
それでも毎日かかさないのがドラマ鑑賞!
新旧併せて紹介していこう。
毎回書いていることだけど、ROCKHURRAH RECORDSの鑑賞順で、制作年順ではないのでお間違いなく。

嫉妬の化身〜恋の嵐は接近中〜(原題:질투의 화신 2016年)」は、ラブコメの女王として名高いコン・ヒョジンが主役なので、観たかったドラマなんだよね。
「椿の花咲く頃」や「最高の愛〜恋はドゥグンドゥグン〜」などでファンになったよ。
今回はどんな役どころで笑わせてくれるのか楽しみ!(笑)
画像右に写っているのは「恋のスケッチ〜応答せよ1988〜」でソン・ソヌを演じたコ・ギョンピョ。
「恋のスケッチ」の時は高校生だったのに、今回は財閥の御曹司だって。
韓国の俳優は実年齢よりも若い役でも、全然問題なく演じるよね。
まずはあらすじを書いてみようか。

学歴もお金もない非定期職の気象キャスターピョ・ナリ。
放送局入社早々、イケメン記者イ・ファシンに一目ぼれしてずっと片思いをしていた。
しかし、ファシンとは何もなく、彼は”ある事”のせいでバンコクに飛ばされる。
そんなある日、ひょんなことでファシンと仕事をすることになったナリは、バンコクに向かう飛行機の中でイケメン御曹司コ・ジョンウォンと出会い胸をときめかす。
でも、実はジョンウォンとファシンは親友だった。
バンコクで集まった3人。三角関係のような…?ないような…?妙な関係が始まろうとしていた…
(KnTVより)

今回のコン・ヒョジンはお天気キャスター役だね。
トレイラーも載せておこう。

何年も片思いをしてきたイ・ファシンの体を触りまくるコン・ヒョジンに大笑い。(笑)
そのおかげで病気に気付くことができたので、感謝すべきなのかもしれないね?
お天気キャスターというのが、自分で気象情報をチェックしてテレビで伝えているとは知らなかった。
韓国だけの話なのかな?
コン・ヒョジンが抜群のプロポーションだと分かる、露出度高めの服装もあったよ。
自信があるから出せるんだろうね。(笑)
全24話あるドラマだけど、途中が中だるみで少し飽きてしまった。
単なる恋愛物になってしまうと興味が薄れてしまうSNAKEPIPEだよ。

悪魔なカノジョは裁判官(原題:지옥에서 온 판사 2024年)」は、ディズニープラスにて視聴。
「シーシュポス: The Myth」や「ドクタースランプ」などに出演していたパク・シネが主役なんだよね。
「ドクタースランプ」は今年5月の「映画の殿 第64号」で感想を書いている。
パク・シネは34歳なのに高校生役をやっていて違和感なかったんだよね。(笑)
今回はポスターからして妖艶な雰囲気。
1年の間に高校生から悪魔まで演じるとは、パク・シネすごい!
あらすじを書いてみようか。

超エリートで美人な裁判官カン・ビンナの正体は、許されざる者を殺して地獄に送るという任務を全うするため、地獄からやって来た“悪魔”だった?!
数多くの罪人を裁く中で、ビンナは誰よりも人間的な刑事ハン・ダオンに出会う。
はじめは彼を利用するつもりだったが、徐々にダオンの温かさと誠実さに触れ、想いを寄せるビンナ。
果たしてビンナは任務を成し遂げることができるのか、それともダオンのために全てを投げ出すのか。
(ディズニープラスより)

トレイラーはこちら。

パク・シネは、キツめの性格でコーラを飲んだ後にゲップをするような女性らしさを見せない役どころを演じていた。
イメージを変えたいのだとしたら、今回の残酷な悪魔役は大成功。
赤い髪色に紫の瞳も似合っていたよ。
温かい感情を持ち合わせていないはずの悪魔が、人間に寄り添っていくうちに愛情に目覚めるというストーリーはありがちかも。
最終話に近づくにつれ、パク・シネの悪魔的要素がなくなってしまったのが物足りなかったSNAKEPIPEだよ。

貞淑なお仕事(原題:정숙한 세일즈 2024年)」は、「椿の花咲く頃」や「愛の不時着」で名バイプレイヤーだったキム・ソニョン(画像左から2番め)を目的に観始める。
いつも良い味出してる女優なので、期待しちゃうんだよね。(笑)
他3人の女優については、もしかしたら他のドラマや映画で観ていたのかもしれないけれど、はっきり記憶していないよ。
タイトルにある「貞淑なお仕事」については、あらすじとトレイラーでお伝えしてみよう。

1992年、性がタブー視されていた、韓国の保守的な田舎町クムジェ。
ハン・ジョンスク、オ・グムヒ、ソ・ヨンボク、イ・ジュリら4人の女性たちは、自立した女性としてお金を稼ぐため、“訪問販売シスターズ”としてアダルトグッズの訪問販売を始める。
時に社会の偏見に立ち向かい、友情を深めながら成長していく彼女たちだが……。(シネマトゥデイより)

トレイラーでもう少し詳しく観ていこうか。

今から30年前の田舎町で、アダルトグッズ販売で一旗揚げようとする女性4人組という設定が面白い。
受け入れられないのは当然で、奮闘しながら売上を伸ばしていく過程が見どころ。
4人の女性がそれぞれの事情を抱えながらも、仲良く助け合う姿が微笑ましい。
途中からアダルトグッズ販売の話ではなくなってしまうんだよね。
「訪問販売シスターズ」に関係があるストーリーではあるけれど、取ってつけたような展開はイマイチだったかも。
「愛の不時着」や「ヴィンチェンツォ」で印象的だったイム・チョルスが、キム・ソニョンの旦那さん役で出演していた。
「ヴィンチェンツォ」で初めて観たので、今でも「アン君」と呼んでしまうよ。(笑)

最後はこちら。
ジョンニョン:スター誕生(原題:정년이 2024年)」は、パク・チャヌク監督の映画「お嬢さん」やドラマ「二十五、二十一」で有名なキム・テリが主演のドラマ。
調べてみるとキム・テリとパク・シネは、どちらも1990年生まれなんだね。
キム・テリも今回のドラマで19歳の役を演じていたけれど、全く無理なく10代に見えたのはすごい!
「二十五、二十一」の時はフェンシングに打ち込む女子高生だったっけ。
今回はどんな役を演じているのだろう。

1956年、韓国の港町で慎ましくも平凡な生活を送っていたジョンニョン。
天性の美声と表現力を持つジョンニョンは、ある日町を訪れた人気劇団のスター団員に見出され、初めて女性だけが役を演じる女性国劇を鑑賞し、その幻想的な世界とオーラに心を奪われる。
そして女性国劇のスターになることを夢見て上京し、劇団に研修生として入団するが、その道は辛く険しいものだった。
劇団で出会った仲間たちとともにジョンニョンは、スターへの道を懸命に駆け上がっていく。
(Filmarksより)

1948年に初めて女性だけの歌と踊りがある演劇は、「女性国劇」と呼ばれるらしい。
日本の宝塚歌劇団みたいだよね。

宝塚歌劇団についてあまり詳しくないけれど、水の江瀧子や 鳳蘭など男役に人気が集まるのは知っている。(古い!)
「女性国劇」も同様で、男役を目当てにファンが殺到していたらしいよ。
その世界をドラマにした「ジョンニョン」では、出演者が劇中劇を演じているんだよね。
記事によれば、キム・テリは2021年から「パンソリ」のボイス・トレーニングを受けていたという。
「女性国劇」で披露されるのが「パンソリ」という、独特の発声法と節回しで歌われる歌なんだよね。
ドラマの中では、キム・テリはじめ、出演者が本物の「女性国劇」の人に見えるほどの出来栄え。
男役を演じていたオッキョンも素晴らしかった。
韓国の俳優は、演技、歌、踊りなどなんでもこなすから、才能豊かだよね。
「ジョンニョン:スター誕生」は、俳優陣の凄まじい本気度が伝わってくるドラマだったので、かなりオススメ!(笑)

ドラマの途中やエンディングで流れるパンソリとラップを組み合わせた曲が気に入ったよ!
LEENALCHI(イナルチ)の「Bird」を載せておこう。

今回紹介した4つのドラマ、全部女性が主役だったね。
ディズニープラスに入ってから視聴の幅が広がって、楽しみが増えたよ。
ドラマ鑑賞はまだまだ続くよ!

映画の殿 第68号 韓国ドラマ編 part22

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【毎回出演者を集めてくれるROCKHURRAHに感謝だよ!】

SNAKEPIPE WROTE:

今週は「映画の殿 韓国ドラマ編」を特集しよう。
新旧交えた4本の感想を書いていくよ!
いつもお伝えしているように、ROCKHURRAH RECORDSが鑑賞した順番で書いていて、制作年順ではないのでよろしくね。

誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる(原題:아무도 없는 숲속에서 2024年)」は、主要人物を演じるキム・ユンソク(画像左)が17年ぶりにドラマ出演するということで話題になっていた。
ROCKHURRAH RECORDSでは「最高の愛〜恋はドゥグンドゥグン〜」や「誘拐の日」でおなじみのユン・ゲサン(画像右)が気になっていたよ。
ゲサンが出演しているドラマに外れがないと思ったからね!
タイトルが非常に長い、このドラマのあらすじを書いてみよう。

2000年の夏、地方でモーテルを経営していたク・サンジュン。
2021年の夏、深い山の中でペンションを1人で運営しているチョン・ヨンハ。
異なる時代を生きる2人の男性は、同じ季節に同じような出来事に遭遇する。
平穏だった日々を揺るがす出来事に直面した2人だったが、選んだ行動はまるで正反対だった。
彼らがそれぞれに迎えた結末とは……。
(シネマトゥデイより)

トレイラーはこちら。

最初の頃、キム・ユンソクとユン・ゲサンの関係が分からず、読み取ることに神経を使ってしまった。
あらすじにあるように、2人共、宿泊施設を経営しているんだよね。
モーテルやペンションには、毎回初めてのお客さんが来て、同じ建物で夜を過ごすことになる。
お客さんの中には、犯罪につながる行為をする人もいるから怖いよね。
宿泊施設経営者側の視線が主軸となっていて、興味深かったよ。
Sweet Home -俺と世界の絶望-」や「智異山」で知っているコ・ミンシが、イカレた女を演じていた。
今まで観たことがある役どころとは、全く違っていたよ。
ドラマは、本当に起こりそうな話で現実味があったけれど、後半になるにつれ緊張感が薄まっていたかもしれない。
タイトルが目玉みたいになるフォントが素晴らしかったよ。

秘密の扉(原題:비밀의 문: 의궤 살인 사건)」は、今から10年前の2014年制作のドラマ。
朝鮮王朝の時代を舞台にしたドラマは何本か鑑賞しているので、衣装に馴染みがあるよ。
きらびやかで美しいんだよね!
シグナル」や「ムーブ・トゥ・ヘブン: 私は遺品整理士です」のイ・ジェフンが主役を務める。
あらすじはこちら。

1754年、英祖の息子で摂政を務めるイ・ソンはある日、唯一の親友である画員のシン・フンボクを連れて身分を隠して町に出かける。
そこで貸本業が違法な商売として取り締まられている実態を知り、独断で貸本業を許可すると宣言するが、政治の主導権を握る老論派の重臣たちだけでなく英祖からも反発を買ってしまう。
数日後、フンボクが先代の王景宗が眠る王陵の井戸から死体となって発見される。
だが、彼の死は自殺として早々に処理され、フンボクとその家族は逆賊とされてしまう。
これに疑問を持ったソンは、町で知り合った美しく聡明な貸本屋の娘ソ・ジダムに秘かに協力を仰ぎ、親友の死の真相を探る。
そしてその過程で、ソンはある連判状の存在を知るが、それは父・英祖が隠し通してきたある「秘密の扉」を開くことになるものであった。(Wikipediaより)

続いてトレイラーね。

太陽を抱く月」などで有名な「国民の妹」「時代劇の妖精」と呼ばれているキム・ユジョンが、利発な貸本屋の娘ソ・ジダム役で出演していた。
女流探偵小説家のため、探偵としても活躍するところがとても面白かった。
時が流れ、ソ・ジダムを別の女優が演じることになった頃には、ストーリーもSNAKEPIPEの興味も失速気味。
全24話が非常に長く感じたよ。
父親である王には、結局勝つことができなかった息子であるイ・ソンの表情が、後半はずっと暗いままで見ていて辛くなるほど。
荘献世子(もしくは思悼世子)であるイ・ソンは、ドラマや映画で題材になっている人物なんだね。
歴史を知っていたら、もう少し違った視点で鑑賞できたのかも。
SNAKEPIPEは、王の付き人である内侍府首長の顔芸が気になっていたよ。
必ず顔がアップになるのに、ほとんどセリフがない役どころを見事に演じたソン・ビョンホ、最高。(笑)
ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」で主役だったパク・ウンビンがイ・ソンの妻役で出演していたところも見どころだよ!

ROCKHURRAH RECORDSでは、NetflixとAmazonプライムの動画配信サービスを利用してきた。
どうしても観たいドラマがディズニープラスでのみ配信されていても、鑑賞できないと諦めていた。
今年の9月、ディズニープラスが年額39%オフの新規加入キャンペーンを行っていることをROCKHURRAHから教えてもらい、即決で加入を決める。
これでやっと「ムービング(原題:무빙 2023年)」を観ることができるようになったよ!(笑)
大ファンの俳優リュ・スンリョンが出演している話題作だったので、視聴を熱望していたんだよね。
あらすじから書いてみよう。

1990年代、韓国の国家安全企画部は、超能力者たちによるブラック・オプスチームを設立。
極秘任務の遂行を命じられたこのエリート部隊のメンバーは、超能力を使って国を守り、不可能なことも可能にする日々を過ごしていた。
しかしある日突然、部隊は姿を消し、国中に散り散りになった。
数十年後、歩くよりも先に宙に浮くことができた少年キム・ボンソクと、再生能力により自動車事故で無傷で生き残った少女チャン・ヒスは同じ学校に通うことになる。
やがて彼らは、互いに自らの秘密を打ち明け、世の中には自分たちのような人間がいることを知り、親しくなる。
そんな彼らの日常をよそに、フランクという謎の配達員がソウル市内で能力者たちを殺害し始める。
子供たちが能力者と暴かれる前に、フランクを止めることはできるのだろうか…。
(海外ドラマNAVIより)

トレイラーも載せてみよう。

制作費が約650億ウォン(約70億円)投じられているというのが、予告だけでも分かるよね。
リュ・スンリョンは映画「サイコキネシス -念力-」でも超能力者を演じているけれど、「ムービング」では怖さと笑いがミックスされている魅力的な役を演じていた。
50歳を超えているはずだけど、あれだけのアクション・シーンもこなすとはさすが!
役のために体重を30kg増やしたというイ・ジョンハの根性もすごい。
他のキャラクターも良い味出していて、「ムービング」が数々の賞を獲得しているのは納得。
親と子、どちらのストーリーも面白くて、20話をあっという間に鑑賞し終えてしまった。
シーズン2の予定があるのか不明だけど、あのまま終わるには惜しい気がするよ。
ただ「イカゲーム」や「地獄が呼んでいる」のように、数年後にシーズン2になったら内容忘れてしまいそう。
高校も卒業してるだろうね。(笑)

最後もディズニープラスで配信されている「暴君(原題:폭군)2024年」だよ!
料理が上手なチャおばさんこと、チャ・スンウォンが出演しているところに注目したROCKHURRAH RECORDS。
前回の「映画の殿」では「シティホール」について書いているので、チャ・スンウォン出演のドラマはよく観ているんだよね。
「暴君」は全4回という非常に短い話数だったけれど、壮大なスケールの内容だったよ。
ディズニープラスは健全な笑顔になる作品を配信しているものだとばかり勘違いしていたSNAKEPIPEは、完全に裏切られたね。(笑)
どんなストーリーなのか、あらすじを書いてみよう。

自国が外国勢力によって抑圧されるのを何年も見てきた。
韓国政府で働く不正な科学者たちが、自国を世界の強国と同じ土俵に立たせるためウイルスの開発に乗り出した。
「暴君」プログラムと呼ばれるこのウイルスは、人間の能力を飛躍的に向上させる可能性を秘めているという。
しかしプロジェクトが秘密裏に進められたことに激怒したアメリカは、すべてのサンプルの引き渡しとプロジェクトの即時停止を要求する。
「暴君」プログラムを守るため、韓国政府はこの要求に対し非合法作戦で対抗する。
(ディズニープラスより)

トレイラーを観てみよう。

全体的に画面が暗いシーンが多い。
実際には26歳らしいけれど、あどけなさを残した女優が殺人マシーンのような的確さで大の男に立ち向かう。
映画「キル・ビル」のアニメ・シーンや「楽園の夜」を彷彿させるよ。
チャ・スンウォンの役どころは、笑顔で残酷なことを行う怖い人で、とても似合っていた。
アクション・シーンも良かったよ!
今までにないキャラクターを演じていたので、4回限りの話数ではもったいない感じがする。
開発されたウイルス「暴君」についても、はっきり語られていないので、シーズン2もあるのかな?

4本のドラマについて感想をまとめてみたよ。
これからはディズニープラスの配信も選択肢にあるので、鑑賞できる範囲が広がったよ。
楽しみが増えて嬉しい!(笑)

映画の殿 第67号 韓国ドラマ編 part21


【今回紹介するドラマ4本が表紙になっているよ!】

SNAKEPIPE WROTE:

気が付くと、いつの間にか9月になってるね。
まだまだ暑い日が続いているので、家に引きこもっているよ。
そのためなのかドラマの鑑賞時間が増えてるのかな。
前回「映画の殿 韓国ドラマ編」を書いてから、約1ヶ月半での更新だよ!
いつも書いていることだけど、紹介するのはROCKHURRAH RECORDSが鑑賞した順番で、制作年度順ではないのでご了承ください!

最初は「ヒーローではないけれど(原題:히어로는 아닙니다만 2024年)」から。
Netflixの新作として紹介されていたので、試しに観てみることにした。
予告で確認した時に、顔を観たことがある俳優は「椿の花咲く頃(原題;동백꽃 필 무렵 2019年)」や「私たちのブルース(原題:우리들의 블루스 2022年)」で良い味出してたコ・ドゥシムだけ。
今まで観ていたドラマでは、ほとんどすっぴんのような化粧っけのない役だったのに、今回はしっかりメイクして若返っているよ。(笑)

あらすじはこちら。

それぞれに異なる超能力をもって生まれたものの、現代社会の荒波にもまれるうちにその力を失ってしまった一家。
だが、そんな彼らの前に現れた不思議な女性が、すべてを変えるきっかけとなる。
(Filmarksより)

トレイラーも観てみよう。

まるでワンピースの「◯◯の実」を食べて能力を身に着けたかのように、一人ひとり別の超能力を持った家族を中心に話が展開するんだよね。
現実社会で役に立ちそうな能力もあり、かなり裕福な生活を送っている。
SNAKEPIPEが一番面白いと思ったのは、過食症で激太りした元モデルの姉。
ダイエットに成功して、元通りのスタイルに戻り、飛行能力を取り戻すんだよね。
ドラマの中でどんどん痩せていく様子に驚いたよ。(笑)
ヒロインのト・ダヘを演じたチョン・ウヒは初めてみる女優かと思っていたら、「母なる証明(原題:마더 2009年)や「サニー 永遠の仲間たち(原題:써니 2011年)」など、ROCKHURRAH RECORDSでも鑑賞したことがある映画に多数出演していたことが分かった。
全然覚えてないんだけどね。(笑)
「ヒーローではないけれど」は、一進一退を繰り返しながら、最終的には丸くおさまるドラマで、SNAKEPIPEには少し物足りない感じだったよ。

続いては「乾パン先生とこんぺいとう(原題:건빵선생과 별사탕 2005年)」を紹介しよう。
2005年のドラマなので、今から約20年前ということになるね。
主演が「椿の花咲く頃(原題:동백꽃 필 무렵 2019年)」他、「ラブコメの女王」として多くのドラマや映画に出演しているコン・ヒョジン
相手役には「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜(原題:쓸쓸하고 찬란하神 – 도깨비 2016年)」で有名なコン・ユ
今まで何本もコン・ヒョジンの作品を観ていて、大ファンなんだよね。
面白いドラマに違いないと期待して鑑賞を始めたのである。
あらすじはこちら。

新米の熱血女性教師が不良学生にガチんこ勝負!
かつて教師を殴り退学処分となった伝説の女ナ・ポリが、教員免許を取って母校の教師に就任。
そこで彼女を待ち受けていたのは、超が付くほどの問題児パク・テイン。
2人は打ち解け合うことができるのか?
(Amazonより)

トレイラーを探していたけれど、あまりに昔過ぎるせいか見つからなかったよ。
オープニングの動画を載せておこう。

いつの間にか「HEY! HEY!」と一緒に声を出しているSNAKEPIPE。
日本の70年代みたいな音楽が最高だよ。(笑)

元スケバンのコン・ヒョジンが退学になった学校に教師として戻ってくる、という設定がそもそもあり得ないんだけど、そこはドラマだから!
最初の頃はコン・ヒョジンが「伝説の不良」だった頃のエピソードが挿入され、バカバカしいほど大げさなアクション・シーンが繰り広げられ大笑いしたよ。(笑)
さすがラブコメの女王だよ!
そして問題児の高校生を演じたコン・ユ、2005年時点で26歳。
ドクタースランプ(原題:닥터슬럼프 2024年)」でパク・シネが34歳で高校生を演じていたことに比べたら、そこまでサバを読んでることにならないかな?(笑)
チョン・ギョウン演じるポジティブ・シンキングな男子高校生のキャラクターが最高!
ストーリーは後半になってくると、おバカな要素が少なくなってしまったのが残念だったかも。
それでもコン・ヒョジンの出演作品が観られたのは良かったよ。(笑)

続いては「Missナイト & Missデイ(原題:낮과 밤이 다른 그녀 2024年)」だよ!
パラサイト 半地下の家族(原題:기생충 2019年)」などでお馴染みの名バイ・プレイヤーであるイ・ジョンウンが主演のドラマと聞けば、絶対観ちゃうよね。(笑)
「私たちのブルース」では「ちょっとおせっかいだけど、根が優しい魚屋さん」を演じていたのが印象に残っているため、その時の役名のままウニと呼んでしまうのはSNAKEPIPEだけかな?
ウニが主演のドラマ、あらすじを書いてみよう。

公務員試験に挑戦し続ける20代の就活生イ・ミジン。
ある日、目が覚めると30歳も年を取ってしまっていた。
だが、日が暮れると元の姿に戻ることを知った彼女は、多くのバイトや資格試験に明け暮れたこれまでの就活期間で培ったスペックでシニアインターンとして就職に成功。
昼間は伝説のインターン、夜は青春を謳歌する二重生活を始めるが……。
(シネマトゥデイより)

トレイラーも観てみよう。

20代の女性が目覚めると50代に変身しているなんて、カフカじゃあるまいし。(笑)
日没で元の姿に戻るところが変わっているね。
家族からは信じてもらえなかったのに、親友であるト・ガヨン(左の画像)だけは協力的なんだよね。
ト・ガヨンが、裏表のない良い性格で好感を持ったよ!
こんな親友がいたら心強いだろうね。

Wikipediaに載っている説明によると「Missナイト & Missデイ」のジャンルは「ファンタジー、ロマンティック・コメディ、サスペンス」となっていて様々な要素が絡んだドラマだと分かるね。
「ロマンチック・コメディ」に該当するのは、50代に変身しているヒロインとアイドルの男性が仲良くなってるシーンかな。
アイドルが積極的に50代女性にアタックしているところが面白かったよ!
その様子を見て驚いている同僚のリアクションも大笑いしてしまった。(笑)

主役は「ルーガル(原題:루갈 2020年)」で顔を知っていたチェ・ジニョク。
2022年10月の「映画の殿 第52号 韓国ドラマ編 part8」で「若い頃の野口五郎に見えてしまう」と書いていたけど、今回も同じ感想を持ったよ。(笑)
ヒロインはアイドル・グループのヴォーカルで女優のチョン・ウンジ。
「応答せよ1997」で女優として有名になった、と書いてあるね。
こちらはまだ未視聴なので、いつか観てみたいよ。

「Missナイト & Missデイ」は、ストーリーが面白く、ウニの演技力もあり楽しく鑑賞できた。
最終話だけが「うまくいきすぎ」だったけど、丸く収まって良かったよ!

最後はこちら。
シティーホール(原題:시티홀 2009年)」は、チャおばさんことチャ・スンウォンが主演なので、観てみたかったドラマなんだよね!
今から15年前の作品なので、一番初めに書いた「乾パン先生とこんぺいとう」同様、昔っぽさを感じながらの鑑賞になることは間違いなし。
チャおばさんの真骨頂だと思う「最高の愛〜恋はドゥグンドゥグン〜(原題:
 최고의 사랑 2011年)」 の2年前の姿を見てみよう。
あらすじはこちら。

シン・ミレの勤める仁州市庁へ「将来の夢は大統領」の野心家チョ・グクが副市長として赴任してくる。
ミレはひょんなことから『イワシ娘大会』に参加することになった。
若さはなくともその愛くるしい表現力で審査員を魅了し、見事グランプリを獲得するのだが、その賞金の所在を巡って濡れ衣を着せられ、市役所を解雇されてしまう。
最初はミレと対立ばかりしていたグクも彼女のひたむきな姿や純粋さへと徐々に惹かれていき、ミレの市長選出馬をサポートしていく。
(Wikipediaより)

「シティホール」の予告も探せなかったので、オープニングの動画を載せておこう。

30代後半で下っ端の公務員が市長になる、というサクセス・ストーリーとラブ・ロマンス要素が入っている。
ひたむきで真っ直ぐな性格の主人公が努力をして実を結ぶという展開は、「乾パン先生〜」に近いかも。(笑)
ROCKHURRAH RECORDSが大ファンのウィル・フェレルの映画も、このパターンが多かったね。

シン・ミレを演じているキム・ソナのことは、以前「恋の潜伏捜査(原題:잠복근무 2005年)」で観ていた。
この映画では「泣く子も黙る元スケバンの女刑事が捜査のため女子高生に扮し高校へ潜入」する役どころ!
しかも高校生の中にコン・ユがいて、まるっきり「乾パン先生〜」と似た構図だよね。(笑)
「シティホール」でのキム・ソナも、市長選に出るまではコメディ・タッチで面白い!
後半は政治的な話になっていくので、少しシリアスになっちゃうんだよね。
SNAKEPIPEはコミカルな前半の方が好きだったかも。

SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜(原題:SKY 캐슬 2018年)」や「三食ごはん (山村編)2019年」などで有名なユン・セアが大企業の令嬢として出演していたよ。
やっぱりお金持ちの役なんだね。(笑)
もう一つ印象に残ったのは、引退した大物政治家が「Big Brother」と呼ばれ、通称BBとされていたこと。
「影響力の強いBBの動向に注目が集まる」のように新聞の見出しに使われていたりするのが面白かったよ。(笑)

今回は新旧合わせて4本のドラマを紹介してみたよ!
ROCKHURRAH RECORDSでは韓国ドラマの鑑賞を始めたのが2020年からなので、過去作をあまり知らないんだよね。
面白そうな作品を探して鑑賞を続けていこう!
次回をお楽しみに。(笑)

映画の殿 第66号 X・Pearl

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【「X」と「Pearl」の主演女優ミア・ゴス。化粧や髪型で雰囲気変わるよね】

SNAKEPIPE WROTE:

お盆休みが今日で終わりという方が多いんじゃないかな?
ROCKHURRAH RECORDSでは、お盆休みというほどの休みは取っていなくて山の日を絡めた4連休だけ。
特にどこかに出かけることもなく、家に引きこもっていたよ。
今年は「危険な暑さ」の夏だから尚更のこと、食材を買うために近所のスーパーに出るくらい。
家の中にいるのが一番安全だからね。(笑)
時間に余裕があるので、映画鑑賞していたよ。

今回は2022年に公開された「X エックス(原題:X)」とその続編である「Pearl パール(原題:Pearl)」を特集してみよう。
実は、ROCKHURRAH RECORDSでは、続編の「Pearl」から観てしまったんだけど、制作年順に「X_から書いていくことにする。
まずはあらすじから。
※ネタバレしている可能性がありますので未鑑賞の方はご注意ください

1979年、テキサス。
女優のマキシーンとそのマネージャーで敏腕プロデューサーのウェイン、ブロンド女優のボビー・リンとベトナム帰還兵で俳優のジャクソン、そして自主映画監督の学生RJと、その彼女で録音担当の学生ロレインの3組のカップルは、映画撮影のために借りた田舎の農場へ向かう。
彼らが撮影する映画のタイトルは「農場の娘たち」。
この映画でドル箱を狙う――。
6人の野心はむきだしだ。
そんな彼らを農場で待ち受けたのは、みすぼらしい老人のハワードだった。
彼らを宿泊場所として提供した納屋へ案内する。
一方、マキシーンは、母屋の窓ガラスからこちらを見つめるハワードの妻である老婆パールと目があってしまう……。
そう、3組のカップルが踏み入れたのは、史上最高齢の殺人夫婦が棲む家だった。
(公式サイトより)

あらすじだけでも十分怖いよね。
トレイラーも観てみよう。

6人が田舎に車で向かい、ポルノ映画を撮る計画をしているんだよね。
あらすじやトレイラーからも分かるように、「X」はホラー映画!
舞台が70年代というのも、「いかにも」な雰囲気がプンプンするよね。(笑)
どうやら「X」は1974年に公開されたトビー・フーパー監督の「悪魔のいけにえ(原題:The Texas Chain Saw Massacre)」へのオマージュ作品みたい。
「悪魔のいけにえ」といえば、自作でTシャツを作っていたほどROCKHURRAHが大好きな映画だよ。
せっかくなので、「悪魔のいけにえ」も鑑賞してみることに。

舞台は1973年のテキサス。
若い男女5人がバンに乗って里帰りする、という特段変わったことがないシーンからスタートする。
ド田舎に行くのに、ガス欠の心配がある点がポイント!
ガソリンを分けてもらおうと立ち寄った家で惨劇が起きる。
有名な「レザー・フェイス」の登場だね!
何の前触れもなく現れて凶行する、危ないタイプ。
それでもお爺さんを大事にしていたり、父親のお仕置きを恐れていたところに人間味があるよ。(笑)
50年前に公開された映画だけど、今観ても非常に怖くて、ホラー映画の金字塔であることが分かるね。
「こんな映画を撮ってみたい」と憧れる人が多かったことも想像できる。
「悪魔のいけにえ」のトレイラーも載せておこう!

「X」の監督も「悪魔のいけにえ」に羨望のまなざしを送っていたに違いない。
同様のシチュエーションを演出し、周りを見渡してもあるのは老夫婦が住んでいる家だけ、という田舎を設定している。
大きく違っているのは、レザーフェイスのような大男ではなく、やせ細った老婆を狂気の人物に据えた点だね。
「若いもんには負けん!」みたいな元気な老人が出てくる映画について、2017年5月に「映画の殿 第24号 ハッスル老人」として記事にしたことがあったっけ。
ハッスルという言葉が死語がどうかは抜きにして(笑)、どちらかというと応援したくなるタイプの老人が主人公だったよ。
今回の「X」に関しては、不気味で醜悪な老婆に共感する部分は見つからなかったSNAKEPIPE。

ここで思い出したのが「レクイエム・フォー・ドリーム(原題:Requiem for a Dream 2000年)」に登場した主人公の母親のこと。
若かった頃のように痩せて美しくなりたいという願望を持ち、ドラッグ中毒になってしまうんだよね。
藤原新也の著作「アメリカ」の中だったと思うけれど、歴史あるものを大事にするヨーローッパに対し、ブランニューなものを喜ぶアメリカのような文章を読んだ記憶がある。
若さと美しさを求める気持ちは誰もが持っていると思うけれど、強すぎるのは問題だよね。
張りのある肌を持つ若い女性への羨望と衰えない性欲を持った「X」の老婆パールは、殺人によって自らを慰めていたみたいだよ。
載せた画像は「裸にオーバーオール」のマキシーン。
この服装はデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズの「カモン・アイリーン」のMVと同じなんだよね。
この意味分かってくれると良いんだけど。(笑)

「悪魔のいけにえ」以外にも、斧で破られたドアの隙間から叫ぶシーンでは「シャイニング(原題:The Shining 1980年)」、ソバカスいっぱいの顔からは「キャリー(原題:Carrie 1976年)」の影響を受けているように感じた「X」。
続編は「X」で老婆だったパールの若い頃の話になる。

「Pearl」のあらすじを書いてみよう。

スクリーンの中で歌い踊る華やかなスターに憧れるパールは、厳格な母親と病気の父親と人里離れた農場で暮らしている。
若くして結婚した夫は戦争へ出征中で、父親の世話と家畜たちの餌やりの毎日に鬱屈とした気持ちを抱えていた。
ある日、父親の薬を買いにでかけた町で、母親に内緒で映画を見たパールは、ますます外の世界へのあこがれを強めていく。
そして、母親から「お前は一生農場から出られない」といさめられたことをきっかけに、抑圧されてきた狂気が暴発する。(映画.comより)

トレイラーはこちら。

1979年の「X」より約60年前の1918年を舞台にした「Pearl」でも、ミア・ゴスが主演なんだよね。
ドイツ移民で、何事にも厳しい母親の抑圧ぶりが凄まじい。
父親は自分で体が動かせない障害を持っていて、パールが面倒を見ている。
「X」でもヌードを披露していたパールだけど、「Pearl」でもお風呂のシーンがあり、すっぽんぽんに抵抗がない女優なんだね。
ホラーにエロチック要素が加わっているところも、ファンが多い理由かもしれない。

1910年代のアメリカでは、何歳から結婚できたんだろう。
パールはすでに結婚していて、夫が従軍しているんだよね。
家にいると農場の仕事や父親の世話に追われ、楽しい時間がないパールが唯一楽しみにしていたのが映画鑑賞。
映画技師と知り合い、人妻でありながら浮気してしまうパールは「どこかに連れて行ってくれる人」が欲しかったんだろうね。
裏切られたと知ったら悔しさのあまり、感情を爆発させてしまう。

パールに親切に接しているブロンドの女性は、夫の妹。
夫の実家は少し裕福なようで、身なりが整っている。
食料を分け与えてくれたのに「施しを受け、侮蔑されている」として、決して口にしないパールの母親は頑固過ぎかも。
ただ、夫の実家側も「与えている」として優位さをアピールしているように見えたので、お互い様の関係なのかもしれない。
ブロンドの妹が、凶行に遭うシーンはすごかった!
画面を2分割する「デ・パルマ・カット」で、残酷なシーンを映し出していたからね。
最初からパールの様子がおかしかったことに気付かなかった妹は、ホラー映画でお約束のように犠牲者になるタイプ。
鑑賞者の期待を裏切らず(?)まんまとパールにやられたね。(笑)

「X」の殺人老婆パールの来歴が明らかになる「Pearl」。
外的要因が引き金になったにしても、元来残酷な一面を持っていたことが分かる。
主演のミア・ゴスは「X」と「Pearl」でホラー映画界の女王として君臨したみたいだね。
次作は「X」の6年後、1985年を舞台にした「MaXXXine」で、アメリカではすでに公開されているようだね。
ROCKHURRAH RECORDSでは、またいつか観られる時を楽しみに待っていよう!