【「三体」の主要人物達】
SNAKEPIPE WROTE:
2025年2月下旬から1ヶ月余り、入院生活を送っていたことは今まで何度か書いているよね。
入院生活を送っている時に、熱中して読んでいたのが「三体」だった。
たまたまKindleストアで目にして、「中国のSF?」と首をかしげたものの、次第に夢中になって読んでいた。
「三体」というのは、中国のSF作家・劉慈欣(リウ・ツーシン)が2006年に発表した小説。
三部作シリーズ累計発行部数が、世界で2900万部を記録しているベストセラーなんだよね!
2015年にSF界で最も権威のある文学賞のヒューゴー賞をアジア人初受賞しているという。
小説の冒頭が文化大革命から始まっていたところで、惹きつけられたSNAKEPIPE。
できれば隠しておきたい中国の歴史を、中国人がネタにしている点に驚いたんだよね!
以前はSFも読んでいたけれど、最近はご無沙汰。(笑)
「三体」は物理学やら数学、天文学などを研究している人たちがたくさん登場するので、それらの知識がないと理解が難しい場合がある。
知識に乏しいSNAKEPIPEのような読者でも読み進めることができるのは、ストーリーの面白さ!
自分なりに頭で映像化し、ワクワクしながら「三体」三部作を読了したのである。
作者の劉慈欣はアート好きなのか、アート作品について触れる記述が何度もあった。
SNAKEPIPEは「水滴」が杉本博司の「観念の形」のような作品に似ているのではないかと想像し、本気で鑑賞したいと思ったよ。(笑)
ROCKHURRAHも一緒に読み進め、「どこまで読んだ?」と毎日報告したものだった。
入院中で時間があるSNAKEPIPEに負けじと(?)ROCKHURRAHの読書スピードの速かったこと!
2人揃って「三体」の世界にどっぷりと浸かっていたのである。
2023年に中国のテンセント版、2024年にNetflix版と2つドラマ化されていることを知り、退院した暁にはドラマを鑑賞することを楽しみにしていた。
そして退院後、原作に近いテンセント版を鑑賞したのである。
ドラマ「三体」のあらすじを書いてみよう。
2007年、北京オリンピック開催間近の中国。
ナノ素材(マテリアル)の研究者・汪淼(ワン・ミャオ)は、突然訪ねてきた警官・史強(シー・チアン)によって正体不明の秘密会議に招集される。
そこで世界各地で相次ぐ科学者の自殺、そして知り合いの女性物理学者の死を知らされた汪淼。
一連の自殺の陰に潜む学術組織「科学境界(フロンティア)」への潜入を依頼された彼は、科学境界の「主」を 探るべく、史強とともに異星が舞台の VRゲーム「三体」の世界に入るが、そこにはある秘密が…。
(公式サイトより)
続いてトレイラーも載せてみよう。

さすがに文化大革命部分の映像化はなかったけれど、原作に忠実なので驚いてしまった!
汪淼(画像左)が、写真が趣味で、自宅に現像室があるところに共感してしまう。
ドラマの中で、汪淼はほとんど食事していないところが気になってしまった。
史強(画像右)が隣でガツガツ食べてる時にも、汪淼は食べてないんだよね。(笑)
研究者らしく、ちょっと神経質な様子が役にピッタリだったよ。
史強は小説での印象と少し違っていたけれど、粗野だけど良いヤツというのが、イメージ通りかな。
小説の中で一番気になっていたのがゲームのシーン。
「三体」というゲームは、上述したように物理学や天文学に詳しいプレイヤーじゃないと続けるのが困難なんだよね。
とても厳しい状況や条件の中で、どうやってゲームを進めていくのか。
それが「三体」のキモに当たる部分なので、ゲームのシーンが本当にゲームとして映像化されていたところに感動してしまった!
ゲームのシーンがこれ。
映像化されて嬉しかったのが「人間コンピューター」のシーン。
「0」と「1」を表現するために赤と白の手旗信号を使用するんだよね。
三千万人の兵士が導入されるなんて、大げさで笑ってしまうよ!(笑)
脱水シーンの映像化も素晴らしかった。
ゲームのシーンは想像以上の出来栄えで、鑑賞できて本当に嬉しい!
葉文潔(イエ・ウェンジエ)の若い頃。
「三体」での主人公の一人だね。
ドラマでは文化大革命の話が省略されているので、葉文潔の悲しみや動機が分かり辛いはず。
Netflix版は未視聴なので不明だけど、テンセント版は小説読んでから観ることをオススメするよ。
1960年代に天体物理学を専攻していたという葉文潔は、相当なインテリだろうな。
昔の(いつだ?)秋吉久美子似の女優(王子文)が着ているジャケットがとてもオシャレで、欲しくなってしまったSNAKEPIPEだよ!(笑)
葉文潔の老年期。
上の画像から40年後ということになっている。
凛とした女性で、言い淀むことがなく、知的な雰囲気がよく出ていたよ。
様々な出来事を経験したためなのか、感情が凍結されてしまったよう。
この人がいなかったら「三体」は始まらなかったので、キーパーソンであることは間違いないね。
葉文潔の娘、楊冬(ヤン・ドン)。
写真が趣味の汪淼によって撮影された一枚がこれ。
葉文潔同様に、物理学の道を行くけれど挫折し、自ら命を絶ってしまう。
ドラマでは原作と違い、楊冬が動いているシーンが出てきたよ。
葉文潔と同じで、あまり笑うことがなかったけれど、少しは人間らしい姿が見られて良かった。
楊冬の恋人、丁儀(ディン・イー)も物理学者なんだよね。
長髪、メガネ、ヒゲの人を見かけると「あっ!ディン・イー!」と叫びたくなってしまう今日このごろ。
道歩いてると、結構このタイプに遭遇するんだよね。(笑)
チャラけているように見えるけれど、実は地球を代表する才能の持ち主。
これから読む「三体0 球状閃電」にも登場するというから、どんな活躍が見られるのか楽しみ!
「三体」のドラマ化はシーズン2も計画されているようで、期待しちゃうよ。
小説を読み、ドラマを観たことで宇宙や物理学、SFにも興味が湧いてきたROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
ROCKHURRAHに勧められて「星を継ぐもの (ジェイムズ・P・ホーガン 1977年)」を読んでみた。
約50年前の小説だけれど、発想力がすごい。
「三体」に近い描写もあって面白かったよ!
人類が初めて月に行ったとされる1969年から、すでに56年が経過していても、状況はそんなに変わっていないみたい。
昔のSFだったら、とっくに空を飛ぶ自家用車があったり、気軽に宇宙旅行したり、他の星への移住ができているのにね?
2019年12月に森美術館で開催された「未来と芸術展」で、3Dプリンターを使って火星に住居を建設するビデオを鑑賞したっけ。
移住計画のアイディアとしての紹介で、とても興味深かったよ。
そんな未来が来るまで、300年くらい冬眠してみようかな。
これ、「三体」読んだ人なら分かってくれるはず。(笑)
ドラマ「三体」で印象的だったのが、最後にかかった曲なんだよね。
淡々としたメロディと、ちょっと怖い歌詞が耳に残る。
YouTubeを載せておいて、いつでも聴けるようにしておこう。(笑)

スピンオフ作品として史強を主役にした「大史」も計画されているんだとか。
まだまだ「三体」の世界から抜け出せないSNAKEPIPE。
楽しみが増えて嬉しいよ!(笑)