【岡本太郎記念館入り口から看板と庭を撮影】
SNAKEPIPE WROTE:
表参道にあるジャイルギャラリーでは「世界の終わりと環境世界」という展覧会が開催されている。
デヴィッド・リンチのファンであることを公言している飯田高誉氏がキュレーターを務めているので、気になっていたんだよね。
ちょっと足を伸ばして岡本太郎記念館にも行ってみることにした。
ROCKHURRAHは初めて行くことになるよ。
開館時間を考えて、まずは岡本太郎記念館へ。
薄曇りの、少し蒸し暑い日に表参道に向かう。
梅雨の晴れ間というほどの日差しはないけれど、雨ではない日は貴重だからね!(笑)
駅から岡本太郎記念館までの道のりは、少し前にも歩いたはずだけど、解体工事が始まっているビルや通ったことがある店舗がクローズしていたりと、変化が見られたよ。
岡本太郎記念館はオープンしたばかりの時間だったけれど、ちらほらお客さんの姿があった。
今回は「赤と黒」というテーマの展覧会で、記念館2階は「赤の間」と「黒の間」に仕切られていた。
最初は赤の間から鑑賞する。
「この血の色こそ、生命の情感であり、私の色だ」
とは岡本太郎の言葉である。
確かに岡本太郎の絵には赤色が印象的に使われているよね。
会場には植物も一緒に展示されていて、生命の息吹を強調しているようだった。
赤色のバックに全く引けを取らない、作品の力強さも際立っているよね。
血湧き肉躍るような、岡本太郎からパワーを分けてもらっている気分!
画像の「遊ぶ時間」は、ユーモラスでとてもかわいかった。
自由を謳歌している雰囲気がよく出ているよね。
一方こちらは「黒の間」。
照明が落とされ、仄暗い部屋に足を踏み入れる。
闇の中からボワッと浮かび上がる物の怪か、はたまた妖怪か?
岡本太郎の作品は、照明によって印象が変化するんだね。
黒の間も非常に効果的で、SNAKEPIPEは恐ろしさを感じたよ。
黒に対する岡本太郎の言葉は「己を滅びに導く、というより死に直面させるような方向、黒い道を選ぶのだ」が採用されていた。
赤は生、黒は死という根源的な話だけではなく、恐怖と隣合わせに魅力も感じていたみたい。
なんとなくその気持ちは分かる気がするよ。
岡本太郎版土偶と呼びたくなる「喜び」という作品の存在感も抜群だった。
黒の部屋も堪能できたよ!
庭には「ゼルダの伝説」のコログの元ネタみたいな、かわいい作品がたくさんあって嬉しくなる。
どれもみんなかわいいんだよね!(笑)
ROCKHURRAHも気に入ったようで良かった。
また訪れたい記念館だよ。
続いてジャイルギャラリーへ。
ジャイルに向かう道の途中から、長い行列ができていて何事かと驚く。
キディランドの制服着た人が整列させていたので、何かグッズを買い求めるための順番待ちみたいだけど、皆さん並ぶの好きだよね。
ROCKHURRAH RECOREDSが目的のジャイルでの行列じゃなくてホッとしたよ。
SNAKEPIPEが前回ジャイルに来たのはいつだっただろう、と調べると2021年3月の「2021年宇宙の旅」だったみたい。
そしてこの時も、岡本太郎記念館とのはしごだったことが分かったよ。(笑)
ジャイルギャラリー入ってすぐ、まるで本屋の「おすすめコーナー」みたいな展示が続く。
理論家の飯田高誉氏の蔵書なのかもしれないね?
「人間中心主義」から離脱し我々がすべて異なる「環境世界」に生きていることへの認識に到達できるのかを問い掛けていく、というのが展覧会のテーマとのこと。
テーマにちなんだと思われるタイトルが並んでいるよ。
恐らく、どの本も何回読んでも難解そう!(笑)
飯田高誉氏のツイッター見ても、世界情勢とアートの話が多いので、興味の幅が広い印象だよ。
本の次に展示されていたのはフランス人アーティスト、リア・ジローの作品だった。
説明を受けないと理解できないタイプだね。
「アルゲグラフィック(algægraphique)」という光に反応する微生物(微細藻類)を使用しているんだとか。
微生物を国立自然史博物館チームとリア・ジローが共同で開発したというから、アートと科学の融合なんだね。
生物学的現象、テクノロジー、画像システムのミクスチャーで作品を発表しているというリア・ジローのようなアーティストは、これからもっと増えそうだね。
先月2022年5月に、六本木のSCAI PIRAMIDEで鑑賞したばかりのアニッシュ・カプーア。
ジャイルギャラリーにも展示されていたよ!
「1000の名前」という1979年から80年にかけて制作されたという作品で、顔料を使っているという。
アニッシュ・カプーア自身の解説は「潜在意識から突き出た氷山のように、表面の下に何かがあることを意味します」だって。
飯田高誉氏は「あたかも核爆弾の爆発によって降り注がれる『死の灰』を想起させる」と書かれている。
SNAKEPIPEは月の表面を連想したけど、それぞれに解釈があって楽しいね!(笑)
「ギャロップする南部馬」 はAKI INOMATAの作品。
絶滅した日本固有種である南部馬を骨格標本から彫刻・3D出力後凍らせ、透き通った馬にしたという。
こういう手間のかけ方とデジタル化の組み合わせが、今のスタイルなのかな。
童話のようなかわいらしさを感じていたけれど、喪失感や懐かしさなどをテーマにしていたとは、知ってびっくりだよ!
説明があったほうが良いのか、悩むね。
草間彌生の映像作品も展示されていた。
1967年の「草間の自己消滅」は、タイトルだけは知っていたけれど、観るのは初めて!
意味を理解することは難しいけれど、かなりショッキングな映像だったよ。
撮影禁止だったので画像は載せられず残念だけど、当時の人は驚いたんじゃないかな?
「花脅迫」という2000年の作品は、ひまわりの花に埋もれる草間彌生本人の映像だった。
これも自己消滅になるんだね。
今回の展示で一番気に入ったのは大小島真木のインスタレーション「ウェヌス」だった。
革を継ぎ接ぎしたトルソーに、銀河とプランクトンの映像のコラージュが円形に投影される作品、と説明されている。
その文章がなくても、目が釘付けになっちゃったよ!
ROCKHURRAHが映像を撮ってくれたので載せておこう。
今回は2つの展覧会をはしごしてみたよ!
近くにたくさんの会場があると、短時間で鑑賞できて良いね。
最近の飯田高誉氏企画の展覧会は観念的なので難しいけれど、付いていきたい気持ちもあるんだよね。
理解できなくても観ておきたいって感じ。
また近いうちにどこか行きましょ!