「リアリティのダンス」鑑賞

【「リアリティのダンス」のトレイラー】

SNAKEPIPE WROTE:

2014年4月の記事「ホドロフスキー監督来日!先行上映と講演会」にあるように、既にアレハンドロ・ホドロフスキー監督の新作である「リアリティのダンス」(原題:La danza de la realidad)を鑑賞し、講演会でホドロフスキー監督を実際に見て、声を聞き、写真に収めた興奮について書いているよね。
ああ、あの夢の様な出来事っ!(笑)
ファン冥利に尽きる時間を過ごしたあの時からすでに3ヶ月が経過し、ついに「リアリティのダンス」が劇場公開されている。
SNAKEPIPEと友人Mは鑑賞済だけれど、ROCKHURRAHは未鑑賞。
そしてあの試写会と劇場公開版では、バージョンが違う可能性があるので確認のためにももう一度鑑賞したかったSNAKEPIPE。
さて、どの劇場に行こうか?

ホドロフスキー監督23年ぶりの新作!などとかなり大きく取り上げられているにも関わらず、「リアリティのダンス」を鑑賞することができる劇場の少なさを知り驚いてしまう。
渋谷のアップリンク、新宿のシネマカリテ、もしくはヒューマントラストシネマ有楽町のレイトショー、という選択肢しかないんだもん。
アップリンクは行ったことがない映画館なので、場所と座席について調べてみると、場所は東急本店の近くというから駅から遠く、座席は60席しかないようで、椅子はパイプ椅子のような一脚ずつ並べてあるタイプ!
web予約はできるけれど、狭い劇場はちょっと…。
シネマカリテも行ったことがないけれど、姉妹劇場(?)の武蔵野館には数回行ったことがある。
ここはweb予約ができず、受付開始時間前に並んで待つ昔ながらの方式を採用してるんだよね!
駅からは近いし、新宿なら他にも立ち寄りたい場所はいくつかあるけれど…できればwebで座席指定して安心したいのが本音。
最後がヒューマントラストシネマ有楽町のレイトショー。
本来であれば最初から候補にすら入らなかった選択肢である。
ところが今回は海の日のため3連休!
たまには夜のお出かけも良いか、と珍しくレイトショーに行くことにしたのである。
ゲリラ豪雨の隙間を抜けて、うまい具合に有楽町に到着したROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
びしょ濡れにならないでラッキーだね!
無事に20時50分からの回に間に合ったのである。
web予約で座席指定をした時には、63席ある座席のうち6席程度しか埋まっていなかったのに、実際には8割程度が埋まるほどのお客さんでいっぱいになっている。
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEが予約したのは一番後ろの列の端、スクリーンから一番遠い座席である。
新作映画紹介が流れている間も、前席に人が来なかったので安心していると、かなり遅れて人がやってきてしまった!
うーん、残念。
ゆったり鑑賞できると思っていたのに。
そしてこの遅れてやってきた2人組が大迷惑なヤツらだった。
この2人組、かなり年配の男女で、男はキャップを脱ぐと白髪頭。
大きな荷物をいくつも抱え、それを横の棚に置いたかと思うと、中からガサガサとビニール袋を取り出し、個包装されたパンを並べ始めたのだ。
映画館のマナーについては散々アナウンスされているのにも関わらず、その老人は全く無視!
長い間ガサガサ音を立てながらパンを食べ、隣の連れにパンを手渡したり、会話をしている。
「最近の若者は」などと文句を言うのは老人だったはずなのに、今はSNAKEPIPEが言いたいね。
「最近の老人は!」って。
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEだけじゃなくて、その老人たちの周りの人全員が大迷惑だったはず。
迷惑行為に対してはどのように対応したら良いんだろう?
ご存知の方、教えてください!

映画「リアリティのダンス」はホドロフスキー監督の自伝的小説である同名の「リアリティのダンス」を原作として製作されている。
原作を読んでいると解り易いけれど、読んでいなくても楽しめる作品である。
「エル・トポ」や「ホーリー・マウンテン」の雰囲気とは違うので、先入観を持って鑑賞すると肩透かしを食らうかもしれない。
ホドロフスキー監督が少年時代を過ごしたチリのトコピージャを舞台に、いくつかのエピソードが語られている本作は、ホドロフスキー一家の「ホームドラマ」といえる作品だからである。
もちろんホドロフスキー監督らしい幻想的な映像は至る所に散りばめられているけどね!(笑)

自慢できる話ではないけれど、日本の政治経済についてもほとんど詳しくないSNAKEPIPEなので、世界情勢の知識などはもってのほかである。
例えば最近では、ペドロ・アルモドバル監督への興味から、多少はスペインの政権について知ったり、調べてみたりすることもあるけどね。
ホドロフスキー監督の生まれ故郷であるチリについては、ほとんど知らないんじゃないかな。
南アメリカ大陸の太平洋側に位置する細長い国で、よく見かけるのはチリ・ワインという程度。
そのためホドロフスキー監督の自伝的小説「リアリティのダンス」を読んだ時に驚いた。
チリでは詩が大流行していて、ホドロフスキー監督も詩を創作していたという。
そして詩とパフォーマンスを融合させた活動を行っていたとも書いてあるんだけど、ホドロフスキーがまだ16歳くらいの話なんだよね。(笑)
とても早熟な少年だったんだろうなあ。

映画「リアリティのダンス」は詩人になるより前、1930年代の子供時代を描いている作品である。
当時のチリは共産主義者が弾圧され、炭鉱の町であるトコピージャにはダイナマイトで手足を吹き飛ばされた炭鉱労働者がたくさんいた、などというエピソードは映画を観て初めて知る事実。
ある程度チリについて知っていたら、もう少し理解し易いかもしれない。

子供時代のホドロフスキー監督を演じるアルゼンチン出身のイェレミアス・ハースコヴィッツは、本作が映画初出演らしい。
金髪の巻き毛の時には、まるで女の子に見えてしまうほどの可愛らしさ。
たまにイザベラ・ロッセリーニに似てると感じたのはSNAKEPIPEだけだろうか?
イザベラ・ロッセリーニが「ブルー・ベルベット」の中で、黒髪のクリクリパーマのヅラをかぶっていたせいかな。(笑)
ホドロフスキー監督が映画の中で、この少年の後ろに立ち、少年だった自分の気持ちを代弁している。
ホドロフスキー監督、年取ってからのほうが良い顔になってるよね!
良い人生を送ってるからこそ、だよね。

パンフレットの中でホドロフスキー監督は、「子供時代の主観的な記憶を客観視し、再構築した」と語っている。
子供の時には広いと思っていた道が、今では狭いと感じたりするようなギャップを解消した、ということらしい。
決して良好とは言えなかった両親との関係性についても、同じように再構築し、ずっと抱えていた「わだかまり」を消したという。
これもひとつのサイコ・マジックなんだろうね?
ホドロフスキー監督が自身をセラピーした結果が、映画製作になったと言えるんじゃないかな。

これは人々の魂を癒す映画であり、
映画の中で家族を再生することで、
私の魂を癒す映画でもあった

という言葉からも解るよね!

父親役を長男であるブロンティス・ホドロフスキー、行者役をクリストバル・ホドロフスキー、アナキスト役をアダン・ホドロフスキーが演じていて、ホドロフスキー一家総出で出演しているのも注目ポイント。
今回は衣装デザインをホドロフスキー監督の妻であるパスカル・ホドロフスキーがやっているというから、本当に家内工業的作品!
「エル・トポ」の時から息子を出演させてきたから、その点は変わっていないんだよね。(笑)

最後にホドロフスキー監督は骸骨と一緒に船に乗り、モヤがかかった海を行ってしまう。
これはあの世へ、異界へと通じている航海なのか?
どんどん小さくなっていくホドロフスキー監督を見ていると、悲しくて涙が出そうになった。
23年ぶりに帰ってきたかと思ったら、これでサヨナラみたいな…。
いやだよう、まだ死なないでーーーっ!(絶叫)

と思ったら!
パンフレットに「次回作」という文字を発見!
「フアン・ソロ」(原題:Juan Solo)というホドロフスキー監督が原作で、1995年からシリーズとして刊行されたバンド・デシネを原作としたアクション映画を計画しているという。
底辺の中にいる一人の人間が犯罪に巻き込まれながら、自分が人間であることを発見していく物語とのこと。
日本でも「フアン・ソロ」は今秋出版予定とのことなので、それも楽しみ!(笑)
すでにフランス・メキシコ・日本の合作として国際共同製作の準備中であり、メキシコ撮影が決定しているという。
あと3〜5本は映画を撮りたいとも語っているようなので、期待して待っていよう!

好き好きアーツ!#26 DAVID LYNCH -「鬼才デヴィッド・リンチの新作版画/写真展」と「イメージメーカー展」

【ヒカリエで開催された版画展のポスターを撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

2012年7月にも渋谷ヒカリエ内にある「8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery」にてデヴィッド・リンチの「Hand of Dreams」展を鑑賞した話は「好き好きアーツ!#16 DAVID LYNCH—Hand of Dreams」に書いているね。
あれから丁度2年が経過し、またもや同じギャラリーでデヴィッド・リンチ展が開催される情報をもたらしてくれたのは、前回と同じROCKHURRAHだった!
この話を長年来の友人Mにも伝えたところ、前回は行かれなかったので是非とも今回は参加したいとの返信があった。
展覧会終了間際の土曜日、怪しい3人組は渋谷で合流したのである。

いくら方向音痴のSNAKEPIPEであっても、一度行ったことがある場所であれば多少は学習しているもの。
今回はすんなりヒカリエに着くことができた。
あとから友人Mも到着し、 早速ギャラリーへ。
さすがに土曜日の昼ごろだけあって、数人のお客さんが入場していた。

「8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery」に行くのは今回が2回目なので、毎回同じスタイルを採っているのか不明だけれど、リンチ展の時にはいわゆる展示販売なんだよね。
だからこそ(?)の入場無料なんだと思うけど、ファンにとってはリンチの作品を鑑賞できる嬉しいチャンス!
ゆっくりと一枚一枚観ることにした。

展示作品は前回と同様、ほとんどがリトグラフ版画で、もうすでにお馴染みになっている独特の世界が繰り広げられている。
太くて強い黒い線、ROCKHURRAH RECORDSで勝手にリンチ・フォントと名付けた文字が踊り、稚拙そうに見えるけれど残酷な雰囲気。
これぞまさにリンチ・ワールド!(笑)
リトグラフ版画、一枚25万円くらいだったかな。
お金持ちになったら是非とも購入して、壁一面リンチの世界にしてみたいもんだね!

前回は展示されていなかった写真群が素晴らしかった。
工房の版画の機械と裸婦をモチーフに撮影した写真シリーズ「NUDE – ATELIER IDEM 2012」 はSNAKEPIPEが大好きなインダストリアルな背景に、まるで体外離脱したかのように見える女性が写っている作品だ。
硬質な機械と、まるで魂のような不確かな淡さを融合させた、非常に魅力的な写真だった。
お値段もリトグラフ版画よりも高めだったけど、納得しちゃうね!

リトグラフ版画を堪能した後は、昼食!
久しぶりに3人揃ったので、たまには寿司を食べようと入ったのが、ヒカリエ6階にある「恵み 渋谷ヒカリエ店」という回転寿司である。
滅多に回転寿司屋さんには行かないので、最近のハイテク寿司屋は初めての経験!(笑)
友人Mも初めてとのこと、3人でワクワクしながらタッチパネルを操作して楽しんだのである。

ここで友人Mから提案があった。
渋谷から六本木に向かい、開催されたばかりの「イメージメーカー展」に行こうと言う。
実はその展覧会にもリンチの作品が展示されていることは、ROCKHURRAHからの情報により事前に知っていたSNAKEPIPE。
せっかくだから今日はリンチ・デイにしてしまおう!
怪しい3人組、今度は六本木に参上である。

東京ミッドタウン・ガーデン内にある21_21 DESIGN SIGHT に来たのは初めてである。
ミッドタウンには何度も足を運んでいるのに、こんなに素晴らしい庭があることは知らなかった。
友人Mは六本木がテリトリーなので、庭の中にあるレストランの存在も、当然のように21_21 DESIGN SIGHTのことも知っていたとのこと。
ただし中に入るのは3人共初体験である。

21_21 DESIGN SIGHTは建築家安藤忠雄が設計したと知って、大いに納得してしまった。
外観だけでもインパクトのある建物なんだけど、中に入るともっと驚いてしまうのだ。
地下が広い!
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEは、地下室に憧れがあるので、余計に興奮してしまったのかもしれない。
見かけと中身のギャップは、新鮮な驚きを感じさせてくれるね!
更に驚いたのは、展示作品の撮影が許可されていること。
撮影不可の作品もあるそうだけど、それ以外は撮って良いなんてとっても素敵!(ぷっ)
リンチの作品は撮影オッケーなのかな?

「イメージメーカー展」はジャン=ポール・グード、三宅 純、ロバート・ウィルソン、 デヴィッド・ リンチ、舘鼻則孝、フォトグラファーハルらの作品が展示されていた。
お目当てのリンチは順路に従って進んですぐに見つかった。
つい今しがた渋谷で観てきたばかりのリトグラフ版画が、豪華に並んでいる。
撮影不可とは記載されていない!
やったー!
壁に張り付くように一枚一枚を撮影したけれど、背丈より高い位置に展示してあるから思うようには上手く撮れないなあ。
それでも自分でリンチの作品を撮影できるなんて感激だよね!

順路を進んで行くと、黒い壁にカラーが浮き上がっている空間に出る。
イメージをファッションや広告として扱っているアーティスト達のコーナーだった。
なんとも80年代を感じさせてくれる空間で、懐かしさと安堵感を持ってしまったよ。(笑)
中でも目を引いたのが、真ん中でくるくる回るマネキンと、その周囲を回るマネキン。
「イメージメーカー展」のHPにはもっとピントが合った写真が掲載されているけれど、回っている臨場感はSNAKEPIPE撮影の上の画像のほうが分かり易いかもしれないね?
SNAKEPIPEは写真として収めたけれど、なんとROCKHURRAHは得意の動画で撮影を敢行していたという。
ところがその様子を係員に咎められてしまった!
「あの、動画撮影はご遠慮頂きたいのですが…」
という係員の声が入って撮影終了!
禁止されているとは知らなかったので、ご勘弁を。(笑)

美術館のハシゴという珍しい体験をしてしまったけれど、一日リンチ・デイになったのは嬉しかった。
リンチの作品が同時期に2箇所で展示されるってこと自体が、そうそうないからね!
音楽や絵画、写真と個人作業に没頭しているリンチ、ホドロフスキーみたいに映画製作は23年後なんてことにならないと良いけど?(笑)

大人社会科見学—日光—

【青い空、白い雲、緑の山、群青色の湖!ここは本当に日本だろうか?(笑)】

SNAKEPIPE WROTE:

「今年の誕生日プレゼントは何が良い?」
毎年ROCKHURRAHの誕生日前には聞く質問である。
大抵は迷い、少し時間を置いてから返事が返ってきたのに、今年は即答されたので驚いた。
「旅行に行きたい!」
日時はやっぱりROCKHURRAHの誕生日に合わせた日に決定。
残るは場所だけだ。
結婚前に行った思い出の場所も候補に入っていたけれど、今回は今まで行ったことがないところにしようということになった。
長い休みは取れないので、1泊2日。
飛行機を使えば北海道や沖縄も行かれるだろうけど、1泊ではもったいないよね。(笑)
それでは近隣の温泉地にしようということで、かなり具体的な土地の名前を挙げて検索を開始。
ただ温泉に浸かるだけではROCKHURRAH RECORDS流ではないので、散策できるプラスアルファがある温泉地を探すことにする。

そこで日光に決定した。
日光には温泉宿があり、滝や湖、建造物など訪ねてみたい場所がいくつもあるからね!
ちょっと変わった、ニューウェーブな温泉宿を発見したので、すぐに予約。(笑)
2011年に富士山が見える客室露天風呂付き温泉に泊まって以来、できるだけ同じような条件の宿を検索するようになっている。
今回も客室露天風呂付きを予約することができて良かった!
平日に休みを一日取って、浅草へ向かったのである。

浅草から出発するスペーシアは東武鉄道が運行している特急電車で、約2時間で東武日光駅に到着する。
東武鉄道のHPから特急券の予約ができるんだけど、非常に分かり辛いシステムになっていて、浅草駅で駅員に説明を聞きに行ってしまった。
予約できるのは特急券だけで、それは指定席券としても有効だけれど、乗車券は当日ICカード(suicaなど)で支払うんだよね。
予約した特急券は、特急に乗る前にスマートフォンなどで予約完了した画面を見せればOK。
あまり旅慣れていないROCKHURRAHとSNAKEPIPEには難しかったけど、最近の旅慣れたアクティブシニアには簡単だったのかも?(笑)
まごまごしながらも、ちゃんと指定した座席に乗り込み一安心。
下今市駅で途中下車して、各駅停車に乗って2つ目が東武日光駅だ。
途中で乗り換えなきゃいけないのでイマイチ!(ぷっ)

あっという間に2時間が経過し、お昼前には東武日光駅に到着。
着いてみてびっくりしたのは、外国人観光客の多さだった。
様々な国からのツーリストが日光を訪れているとは!
ROCKHURRAHやSNAKEPIPEは日本人のくせに、ほとんど馴染みのない場所なのにね。(笑)

まずは腹ごしらえ、と適当な店を探すことにする。
ステーキが有名な店に入ろうとした途端、車で来ていた団体客10人程が先にドアを開けて入っていくじゃないの!
人気店だから入ろうと思う人もいるだろうし、 騒がしそうだからやめておこうと考える人もいるよね。
当然のように(?)ROCKHURRAHとSNAKEPIPEは後者で、もっとこじんまりした店を改めて探すことにした。
見つけたのは蕎麦屋さん。
米に新米があるように、蕎麦にも新蕎麦粉というのがあるのは知らなかった。
一日限定20食、新蕎麦粉で打った蕎麦が食べられるという。
店内は一人の客もいない貸し切り状態。(笑)
新蕎麦はうっすら緑がかった色合いで、香りも良くて美味しかった。
確かに蕎麦では外国人観光客も入ってこないのかもしれないよね?

少しお腹に入れたところで、日光東照宮を目指して歩くことにする。
駅から東照宮行きのバスもあったけれど、旅になると意外と歩いてしまうROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
小雨降る中、上り坂をえっちらおっちら頑張ったのである。
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEのように車を使わず、ガイドブックも持たなかった観光客には、日光東照宮への道のりは不親切だったかな。
恐らくこのタイプは少数派だろうね。
マイカー族か、ツアーのような団体で来るか、駅からのバスを使うのが一般的みたい。
ほとんどの場合マイナー路線を好む傾向にある我らROCKHURRAH RECORDS、不屈の精神で歩き抜いたのである。(大げさ)

緩やかな上り坂を登って行くと、左手に真っ赤な橋が見えてくる。 橋の下には透明度の高い川が流れていた。
とても美しい風景にうっとり!
写真撮影をして楽しんでいると、横を大型トラックが走り抜けようとしていた。
地震か、と思うほど揺れる橋。
ROCKHURRAHは大丈夫か?と言いながら腰が引けている。
SNAKEPIPEよりも怖がっているのはROCKHURRAHのほうだったよ!

日光東照宮へは、そこから更に坂を上り、人に道を聞きながら歩き続けると、やっと正門に向かう砂利道になった。
最初に遭遇したのは遠足で来ている小学生が記念撮影している場面。
ここでやっと、SNAKEPIPEも小学生の時に来たかもしれないと思い出す。
そういえば、あの有名な「見ざる、聞かざる、言わざる」の小さな木彫りをお土産にしたような?
あまりに遠い記憶なので、はっきりとは覚えていない。
今回が2回目かもしれない日光東照宮は、子供が鑑賞して面白い場所ではないと解る。
贅という贅を凝らし、寸分の隙もないほどの装飾は、観れば観るほど新しい発見ができるような細かい細工が施されている。
豪華絢爛の一言に尽きるね!(笑)
意匠を凝らした、こんなに素晴らしい建造物が観られるなんて本当に来て良かった!

思った以上に長い時間を日光東照宮で過ごしてしまったため、宿のチェックインの時間が迫ってきていた。
このままでは予定時間より、少しだけ遅くなりそう。
日光駅より徒歩15分という案内を知っていたので、一度宿に連絡を入れる。
すると宿の人は、徒歩では歩きにくい箇所があるので、今から車で迎えに行きます、と言う。
実は日光東照宮への往復で、足がパンパンになっていたSNAKEPIPE。
有難く申し出を受けることにしたのである。
宿までは車ではあっという間の時間だったけれど、徒歩では15分で着かなかっただろう。
送迎してもらって良かったなー!(笑)

その後は美味しい夕食を頂戴し、宿でゆっくり過ごしたのである。
宿のHPに、PS3が完備されているので、ゲームソフトやDVDをお持ち下さい、と書いてあった。
確かに温泉宿に泊まる時って、仕方なく地元のテレビを見て、どうでも良い時間を過ごす経験を何度もしてるからね。
映画鑑賞大好きな我らROCKHURRAH RECORDSには、もってこいのサービス!
せっかくの誕生日だから、ROCKHURRAHのリクエストにお応えしよう!
そして持参したのが、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」!(笑)
ゾンビ映画の金字塔的傑作である。
SNAKEPIPEは以前にも1度(ROCKHURRAHは数え切れない程)鑑賞しているけれど、今回改めて誕生日記念企画として大上映会を開催することにした。
宿のテレビはかなりの大型サイズだからね!
ところが、昔の映画にはよくある、画面サイズ比の変更ができないタイプのテレビだったようで、通常サイズよりも、やや横長の画面で鑑賞しなくてはいけなかったのが残念。

翌日は、華厳の滝行きを計画していた。
華厳の滝へは、東武日光駅前よりバスが出ていることは確認済みである。
時刻表も調べておいたので、準備万端!
きちんと早起きして、バスの時間に間に合うように送迎してもらい、無事にバスに乗車した。
このバスに約50分乗り、華厳の滝入り口まで行くのである。
バスに乗ってから気付いたのが、いろは坂を上っていくという事実。
SNAKEPIPEが説明するまでもないけれど、いろは坂とは、48の急カーブがクネクネと続く有名な坂道だよね!
ここでまた小学生だった時の記憶が蘇る。
体が左右に振り回される程の急カーブに、キャーキャー言っていたような?
実は乗り物酔いし易いSNAKEPIPEだけれど、あまりの揺れに興奮したのか、あの時は酔わなかったような?
さて、今回は大丈夫だろうか?

この日は止む予報だった雨が降り続き、山頂に向かうまでにも濃霧で、先が見えない悪天候だった。
濃い霧の中で急カーブを上るという、度胸試しのような状態になっていた。
上るにつれ、益々濃くなっていく霧。
うっすらと下方の風景がフェイドアウトしているように見える。
随分高いところに来たなあ!
カーブに激突とか、カーブを突き抜け転落、の心配をしていたおかげで乗り物酔いはしなかったよ。(笑)

華厳の滝には、バスを降りてから徒歩5分とのこと。
そんなに近くまで交通手段が発達してるとは、至れり尽くせり!(笑)
マイカー族じゃない観光客にも親切だよね!
ゴーッと音が聞こえる方向に歩いてみたけれど、濃い霧に包まれて何も見えない!
えーっ、せっかく来たのに!
ROCKHURRAHはそれでも動画撮影をしている。
音しか拾えない、霧しか映っていない動画のためか
「全く見えませんが、どうやらこの辺りに滝があるようです」
などとコメントまで吹き込んでいるではないか。
いくら何も見えないからって、ROCKHURRAHやり過ぎ!(笑)

華厳の滝には滝が良く観られるように、エレベーターが設営されている。
エレベーター前にあるモニター画面で確認すると、ちゃんと滝が映っているじゃないの!
係りの人に聞いてみると、エレベーターを使い、滝の真正面からだと滝が観られるとのこと。
そこで早速エレベーターで100m降りて、滝の正面へと向かう。
この滝へと続くトンネルの中が非常に寒い!
なんと12℃だというから、半袖の人は震えるだろうね。
防備していた我らROCKHURRAH RECORDSですら、ひんやりしたくらいだからね。

やっと滝の正面へ。
おおっ!なんという迫力!
圧倒的な存在を目の当たりにすると、表現する言葉が見つからない。
ただただ呆けたように傍観するだけである。

ROCKHURRAHが再び動画撮影を始めた。
あの壮大な水の落下、辺り一面に鳴り響く轟音、細かい水飛沫を表現するには動画が向いてるよね。
霧で見えない様子(左)と、少し見えた様子(右)をROCKHURRAHが2画面にしてくれた。
例えば華厳の滝と検索した場合、青空と白い滝の対比をくっきり見せる写真や動画がほとんどだと思う。
こんなに濃い霧の滝は、観光写真としては失敗作になるだろうね。
ところがSNAKEPIPEは、そんな失敗作が観られたことが嬉しかったんだよね。(笑)
悪天候に感謝だね!

せっかくだから、と今度は中禅寺湖へと向かう。
小雨が降っているけれど、遊覧船に乗り中禅寺湖を一周することにしたのである。
約1時間程度の湖の散歩、楽しそうだよね!
濃い霧による幻想的な風景を眺めたり、晴れ間が見えてくっきりとしたコントラストの、まるで外国の山のような色合いを見ることができたのは非常に貴重な体験だった。
その時撮影したのが一番上の画像である。
船の上もかなり寒くて、とても7月とは思えない気温だったよ!

日光付近の気温が7月なのに、低めで過ごし易かったのも気に入った。
問題提起をさせて頂くならば
・コンビニが少ない
・小学生向け、もしくはシニア向けのお土産しか見当たらない
・「ゆば」の看板を掲げた食事処ばかりが目についた
という点かな。
日光を歩いて気付いたのは、学校単位で来ている小学生か30代以降の大人のカップルが多いなということ。
そしてもちろん60代以上のシニアの方もたくさんみかけた。
30、40、50代の観光客は何をお昼に食べて、お土産を買うんだろう?
この年代向けのサービスがもう少し充実していると良いのにな。

1泊2日でも、普段とは違う場所に身を置くことでリフレッシュできた良い旅だったと思う。
またどこか、知らない場所に出かけてみたい。
滝のある場所に行ってマイナスイオンを浴びたいな!(笑)

SNAKEPIPE SHOWROOM 物件7 アラスカ編

【アラスカと聞くと真っ先に思い浮かぶのはエスキモーだよね!】

SNAKEPIPE WROTE:

毎年気温と湿度が上昇するこの時期になると、日本を離れて寒い国に移住したいね、と言い合うROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
2人共夏が大の苦手!
気温が高いだけなら良いけれど、日本の夏は湿度が高いから余計に不快なんだよね。
1年を通して寒い国だったらどんなに快適だろう、と想像するのである。

「SNAKEPIPE SHOWROOM」は、SNAKEPIPEの好みの物件をご紹介するコーナーである。
売られているか、レンタルできる物件であればOK!
物件の情報を見るだけでもワクワクしたいのだろう、物件探しはやはり去年の同じ時期に行っていたんだね。(笑)
今回は「寒い場所」をキーワードにして、パッと思いついたアラスカにある物件を紹介してみたいと思う。

ここで簡単にアラスカについての説明ね。

アラスカ州は、アリューシャン列島を含むアメリカ合衆国最北端にある州である。
北アメリカ大陸北西の端にあり、合衆国本土とはカナダを挟んで飛地になっている。
2010年国勢調査による人口は710,231人であり、その約半分はアンカレッジ都市圏に住んでいる。
アメリカ合衆国の州の中では人口密度最小の州でもある。
州都はジュノー市で、最大都市はアンカレッジ市である。

アメリカの中での一番広い州なのに、人口密度は最小!
北緯51°20′ – 71°50’という情報を聞いても、あまりに北方過ぎて全くピンとこないよね。(笑)
寒くて人が少ない、という条件だけを頼りにアラスカの物件を探してみようか!

 最初にご紹介するのは、地下1階地上2階建ての物件ね!
素朴なロッジ風で赤レンガを思わせる色合いは雪の白に映えるよね!
少し右隣りの家が近い感じがするのは気のせいかな?(写真①)

どうやら今すぐに入居可能なようで、室内はガランとしているね。
この部屋は第1ベッドルームとのことだけど、ここまで広さがあるとベッドを置く場所も迷いそうだよね?(写真②)

キッチンも充実。(写真③)
広くて使い勝手が良さそう!
憧れのオーブンも完備されてるし!(外国では当たり前かな?)
いいなあ、こんなキッチンだったらキッチンと料理できそう!(ぷっ)

これも憧れの地下室!
冬の寒い時期には家の中で運動したり、作業したりできるようにという配慮から作られてるのかな?
それにしても色が赤というのが非常に気になる!(写真④)
地下室にも数部屋あるみたいだから、用途で分けられるよね。

4つのベッドルーム、2つのバスルームがある0.14 エーカー、日本式に言うと171.691 坪のこちらのお宅!
$210,000、日本円にして約2,130万円!
えーーーっ!びっくりするほどお買い得じゃない?
食料品が買えるお店が近くにあれば、言うことないよね!(笑)


次はこちらの物件。
海が近くに見える、これまたとても広いお屋敷だよね!
7つのベッドルーム、バスルームは5つもあるんだって。
母屋の他にも倉庫みたいな建物もあるみたい。(写真①)
広いウッドデッキは日当り良好!
テーブルと椅子を置いても十分な面積だよね。(写真②)
恐らくここからは左のような、山と海の両方が一望できる風景を堪能できるんだろうね。
写真には白鷲も写ってるよ!
キッチンも明るくてゆったりしてるよね。(写真③)
なんとこの家にはビリヤード室まで完備されてるから驚いちゃうね。
寒い冬に室内でできること、と考えたんだろうか。
ビリヤードできるなら卓球も良いかも?(写真④)
 上空写真で見ると、隣家が見当たらないんだよね。
ポツンと建っている物件!
ご近所付き合いとは無縁な様子が好ましい!
自力でなんでもできる自信があったら、孤立したまま生活するのは憧れるなあ!(笑)
1.17 エーカーもある敷地って 1434.8455 坪になるらしい。
とても想像できないけど、ものすごく広いに違いない。(笑)
$795,000、日本円で約8,055万円!
1000坪を超える敷地面積を手に入れると考えたら、お買い得なのかも。
あの雄大な風景を毎日鑑賞できると思ったら、この値段も納得ね!
最後はこちらの物件。
どうやら工場に住居がプラスされているようで、主体は工場のほうなんだよね。
初めに グッと来たのが左の写真を観たからなんだけど、窓が少ない倉庫みたいで、SNAKEPIPEが最も憧れる建物様式なんだよね。
壁に描かれているイーグルなのかホークなのか判らない絵もグッド!だよね。(笑)
生活するという当たり前の目的から考えると、きっと不都合を感じる事が多いだろうという予想はできるけれど、それでもあえて住居として候補に入れたいな!
2階部分が住居になっていて、白い階段を登って行く。(写真①)
室内の様子は、居心地が良さそうなリビング、バスルームやベッドルームがあるようで、少なくても3部屋は使えるみたい。(写真②)
あまり写真がなくて分からなかったんだよね。
この物件の主体は1階部分の工場で、コンクリートがむき出しの、ガランとした殺風景な空間だからね。(写真③)
特に何をやりたいということもないけれど、そんな広い空間を所有してみたいんだよね。(笑)
ガレージ付きの家って言葉にしただけでもワクワクしちゃうよ!
敷地内にはトランクルームみたいな建物もあって、きっと工場として機能させている時には、材料をしまっておくストックルームなのかな。
SNAKEPIPEはどんな用途で使おうか思案中。(写真④)

この物件の面積は1.58 エーカーというから換算するとおよそ1938坪!
約2000坪ってどんな広さなんだろうね?
想像もつかない広さにびっくり!
気になるお値段は、$134,000、日本円で約1,370万円也!
これだけの広さと何にでも使えそうなガレージが付いてこの金額!
なんて魅力的なんでしょ!(笑)

アメリカの永住権や食料品店は近いのか、など具体的なことは全く気にせずに物件だけで選んでいるのであしからず!
寒い、広い、人が少ないの条件にピッタリのアラスカ、良いね。
しばらくはSNAKEPIPEの脳内で擬似アラスカ体験しようかな。(笑)
世界の素晴らしい物件紹介はまだまだ続くよ!