Holidays In The 散歩 靖國神社 遊就館

20210627 01
【靖國神社の第一鳥居を撮影。巨大過ぎてびっくり!】

SNAKEPIPE WROTE:

最近少し太ってしまったSNAKEPIPE。
健康診断などでは「痩せすぎ」の判定が多かったので、油断していたせいもある。
一番の原因は、認めたくはないけれど加齢のために、代謝が悪くなっているからではないかと推測する。
運動不足も、間違いなく体重増加に拍車をかけているだろう。
少しでも抵抗するためにウォーキングを始めることにした。
仕事帰りに数キロの距離を歩くだけなので、大したカロリー消費にはならないかもしれないけれど?(笑) 
やらないよりは良いだろうということで、始めてみる。

何度となくブログに書いているけれど、SNAKEPIPEは強度の方向音痴!
自宅と会社の往復しかしていなかったので、会社周りの知識はゼロなんだよね。
スマホの地図アプリを頼りに、2駅や3駅分を歩くことに成功する。
疲労よりは達成感が大きく、初めて見る景色も新鮮で楽しかった。
かつては一眼レフカメラを首から下げ、知らない土地を歩き回っていたSNAKEPIPE。
あの頃は、シャッターを切る度にストレス解消していたっけ。(笑)

仕事帰りのウォーキングは続き、毎回同じ経路では面白くないと思い、 無謀にも違う道を選択してみる。
初めての道を歩いていると、長い塀に遭遇する。
この建物は一体なんだろうと思いながら歩いていると、大きな鳥居が目に入る。
もしかして、ここが靖國神社
参拝のご案内などの看板を発見し、間違いなく靖國神社だと分かる。
名前だけは知っている有名な神社だけど、行ったことがない場所!
そして「遊就館」という展示室があることも、看板を見て初めて知ったSNAKEPIPE。

ROCKHURRAHに話をすると、SNAKEPIPEと同じく靖國神社に行ったことがないと言う。
ちょっと足を伸ばせば行かれるのに、知らない場所が多いROCKHURRAH RECORDS。
散歩がてら行ってみようか、と思いついたのが新企画「Holidays In The 散歩」なんだよね!
命名者はROCKHURRAHで、もうお気付きだと思うけど、Sex Pistolsのシングル曲「Holidays In The Sun」のパロディだよ。(笑)
第一回目は靖國神社にLet’s Go!

ROCKHURRAHと出かけた日は、どんよりした空模様。
この時期は大雨も困るし、ピカピカの晴天も暑くて、うだる。
曇りが丁度良い散歩日和かもしれないね?
初めて訪れる靖國神社、先日横の道を歩き、巨大さに驚いた鳥居が正面に見える。
トップに画像を載せたように、これが靖國神社なんだね!
第一鳥居をくぐると、桜をモチーフにしたオブジェがランダムに配置されている。
どうやらこれは陶板で、日本各地から寄贈されているみたい。
とても美しくて、撮影しながら歩く。

大村益次郎像を見て、第二鳥居を過ぎると神門がお目見えする。
菊の紋章と厚みのある木材、そして鉄(?)の装飾。
全てがバランス良く、重厚な雰囲気なんだよね!
神社を訪れた記憶がほとんどないし、ましてや門に注目したのは初めてのこと。
1934年に建てられているらしいので、およそ87年前のことなんだね。
菊の直径は1.5mもあったんだって。
門にかなりグッときたよ!(笑)

こちらが拝殿。
2021年の正月は、毎年恒例だった初詣に行かなかったROCKHURRAH RECORDS。
今年最初の参拝になるので、これが初詣ということになるんだね。
一年の半分近くが経過してからの参拝は、初めてかも。(笑)
さっきから「初めて」という言葉を連発してるなあ!

続いて向かったのは遊就館。
「靖國神社と刀剣」という特別展が開催されているんだよね。
SNAKEPIPEがウォーキング中に見かけた看板で、気になった企画だよ。
遊就館は全体を鑑賞するのに約2時間かかるような、2階建ての広い施設だった。
展示は靖國神社所蔵の刀や甲冑だったり、明治から大東亜戦争までの近代史を解説していたりして、かなりボリュームがあるよ。

遊就館内での撮影は、限られた場所でのみ可能だった。
画像は入り口に展示されている零戦ね。
展示室の中央にも撮影可能な場所があって、「九七式中戦車」、「回天一型改一」や「彗星一一型」などを観ることができる。
戦闘機や人間魚雷の搭乗員を想うと胸が痛む。
特攻隊員の遺書や写真は、とても直視できなかったよ。

展示の中でSNAKEPIPEが興味を持ったのは、ファッションだった。
前述したように撮影ができなかったので、参考資料として載せたのが右の画像ね。
明治時代の軍服はディテールが細かくて、見入ってしまった。
袖口から肩にかけての刺繍が素晴らしい!
位が高くなると、刺繍も豪華になっていくんだよね。
このモチーフのルーツはヨーロッパなのかな。
帽子に付いているポンポンも気になるアイテム。
もっとフサフサのポンポンもあったので、やっぱり位を表していたんだろうね。

目が釘付けになったのは勲章。 
金鵄勲章という日本軍向けの武人勲章とのこと。
1890年、「武功抜群ナル者」に明治天皇が勲章を授与したという。
精巧な細工と色使いの美しさにうっとりしてしまった。
旭光の上に金色の霊鵄、下に大神宮の盾、矛、剣というデザインを考えたのは誰なんだろう。 
アメリカのサイトには、模造品が販売されていたよ。
現在品切れ中のようだけど、$160(約17,000円)なら欲しいマニアは多いだろうね。

遊就館のチケットで「靖國神社と刀剣」展の鑑賞もできるというので、早速入場してみる。
この展示は撮影可能とのこと。
まばゆい光を放ち、目が眩みそうになる刀がたくさん展示されている。
画像は水戸藩が明治2年に奉納した太刀。
日本刀が人気と聞いたことがあるのが分かる美しさだよ。
凶器ではあるけれど、芸術的だからね! 

これは勝海舟が所用していた指揮刀拵とのこと。
ケースのみで、刀はないみたい。
柄頭に「獅子」、鍔には「鷹」があしらわれていると説明されているけど、ケースの中ではわかり辛いかも。
隣には伊藤博文の指揮刀拵もあったよ。
 歴史上の人物が持っていた実物が展示されているのは、靖國神社ならではなんだろうね。

様々な日本刀の鞘に使用するパーツの展示もあった。
驚く程多彩な種類があり、当時はオリジナリティを競い合っていたのかも。
ものすごく細かい部分にまで装飾が施されていて、工芸品としての価値も高かっただろうね。
日本刀に詳しくないので、どこの部分に使うのかをパーツだけで見分けるのは難しかったけれど、職人技に感心したよ!
刀本体はもちろんだけど、鞘にも匠の技があって、日本の技術はすごいよね。

全ての鑑賞を終え、最後にミュージアム・ショップへ。
ROCKHURRAHはすぐにピンバッチを選び始め、戦闘機紫電改をチョイス。
2人で散々迷った挙げ句、購入を諦めたのが日本刀の形をした和菓子ナイフなんだよね。
和菓子ナイフが必要なのは羊羹食べる時くらいなので、今回はパス。
代わりに選んだのは零戦と軍艦大和がデザインされたグラスだよ!
まさか靖國神社で、こんなグッズが販売されているとは思わなかったね。
良い記念になったよ。

日本の首相が靖國神社を参拝すると各国から非難されるニュースを耳にすることがある。
例えばROCKHURRAH RECORDSが靖國神社を訪れても、そんな非難はないだろう。
靖國神社参拝が軍国主義や戦争礼賛とイコールではないからだ。 
戦争で亡くなった方々を悼んだり、歴史を知ることができた有意義な訪問だったと感じているよ!

近いうちにまたどこか散歩に行こうね、ROCKHURRAH! (笑)

 

映画の殿 第45号 ビューティー・インサイド

20210620 top
【ビューティ・インサイドに出演した面々】

SNAKEPIPE WROTE:

Netflixでお家時間を楽しんでいる話は、今まで何度も書いてきたよね。
そしてドラマに夢中になっていることも「映画の殿 第41号 Netflixドラマ編」や「映画の殿 第44号 Netflixドラマ編 part2」で記事にしてきたSNAKEPIPE。
最近は韓国ドラマを観ることが多いんだよね。
映画でも韓国物を選ぶ傾向が強くなっている今日このごろ。
今回は「ビューティ・インサイド(原題:뷰티 인사이드 2015年)」という韓国映画についてまとめていこう。
まずは予告映像ね!

あらすじはこちら。

家具デザイナーのウジンは18歳のときから目覚めると姿、性別、国籍等の全てが変わるようになってしまった。
男、女、老人、子ども、外国人・・・。
人に会う仕事ができないため、才能とインターネットを活かして活躍している。
そんな彼の「病気」のことを知っているのは母と親友だけ。
ある日、アンティーク家具専門店で働く美しいイスに出会い、一目で恋に落ちてしまう。
彼女に会いたい一心で、毎日初めてきた客のようにお店に通う。
彼女に告白する「見た目」になる日を待って、ついにデートに誘い、ふたりはロマンティックな3日間を過ごす。
しかし、同じ姿でいるため3日間徹夜をしたウジンは、うっかり電車で寝てしまい起きると全く別の顔に・・・。

トレイラーとあらすじで、どんなストーリーなのか分かるよね。(笑)
毎日違う自分と対面することになる主人公なんて、聞いたことないよ!
そんな病気はないと思うけど、この発想力で映画を作ってしまう韓国ってすごいね。
※ネタバレしているかもしれないので、未鑑賞の方はご注意ください

主人公ウジンが一目惚れしてしまう女性イスを演じたのは、ハン・ヒョジュ。 
ROCKHURRAH RECORDSでは韓国物を観始めて日が浅いため、他の作品で観たことがない女優なんだよね。
「嫁として連れてきてほしい女優」の第一位で、清純派女優なんだって。
イスはアンティーク家具店で働いているんだよね。
家具デザイナーのウジンは客として店を訪れるんだけど、通っても毎回違う顔だからお得意様として認識されることはない。
届け先の住所は同じはずだけど、その点はどうしたんだろう?(笑)

ウジンとして出演している俳優は、全員で123人だったとか?
このキャスティングだけでも大変だっただろうね。
そんなウジンを演じた俳優で気になったのは、「ミセン」でキム代理を演じていたキム・デミョン
ウジンは毎朝自分の顔を鏡で確認するんだけど、喜ぶ時とがっかりする時があるんだよね。
残念ながらキム・デミョンの時はハズレだったのかな?

イスに告白するために、カッコいいルックスになる日を待っていたウジンが、「勝負顔」として選んだのがこの顔。
梨泰院クラス」以来、すっかりパク・セロイとして認識しているROCKHURRAH RECORDSだけど、名前はパク・ソジュンね。
この顔を維持するためにウジンは徹夜する。
眠ってしまうと別の顔になっちゃうからね。(笑)
それでも限界は3日で、イスとの約束前に眠ってしまうウジン。

起きたらこの顔になっていたんだよね! (笑)
イスとデートの約束をしていたのに、これでは行かれない、とガッカリするウジン。
映画として中身はウジン1人と考えれば、気持ちは分かるけど、この役を演じている役者さんの立場で考えると気の毒に思ってしまう。
一度変わった顔に再び出会うことはないのかな?

トッケビ」で死神役を演じていたイ・ドンウクもウジンとして出演していたよ。
まだ「Netflixドラマ編part3」を書いていないけれど、次は「トッケビ」も書くつもりなんだよね。(笑)
きっとこれから先、イ・ドンウクを観たら、「あ!死神!」と叫ぶこと間違いなし。
ウジン役はコロコロ変わるから、毎日別の顔に会うイスは苦労するよね。

新しい一日の始まりには新しい顔になるウジンなので、観ている側も混乱してくるよ。
観たことがある役者だった場合、どのドラマや映画だったか思い出そうとする。
画像は「ミセン」で、いやな課長役を演じていたキム・ヒウォン。
もしこの顔で「ROCKHURRAHだよ」と挨拶されたらどうしよう。(笑)
自分や相手がウジンのような病気だったら、と想像するだけで怖くなるよね。

パーティで恋人を紹介する場面で登場したのが、画像左のイ・ジヌク
イスの同僚である女性陣が「素敵!」と目を輝かせていたので、ウジン大成功だったね。(笑)
SNAKEPIPEも意図していたわけじゃないんだけど、どうやら「当たり」と「ハズレ」の画像を交互に使用していたみたいだよ。
こんな毎日じゃウジンも疲れるだろうなあ。

男性になるとも限らないから驚くよね。 
画像は日本人女優の上野樹里
日本映画もドラマもほとんど知らないので、演じている上野樹里も初めて観たと思う。
性別や国籍なども関係なく、もちろん外見も無視して、ウジンという人間に対峙することができるのか?

 LGBTや国際結婚、年の差など様々な愛の形態があるからね。
外見を重要視する人もいるはずだし。
そうした全てを乗り越えて「ウジン」を好きでいられるのか試されるイス。
最初は奇をてらった映画だと思って観ていたけれど、だんだん深いテーマに気付く。
ウジンやイスを自分に置き換えて想像してみるとよく分かるね。

映画に出てきた家具も素敵で、アイディアを形にできるウジンも素晴らしかった!
ビザール・グッズ選手権!」で 何度も椅子を特集しているSNAKEPIPEなので、家具にも注目だったね。
実際に受注販売している家具デザイナーがどれくらい存在するのかわからないけど、そんな技術があって生活できるのは羨ましいと思ったよ!(笑)

単純なアイディア勝負で映画にしたのかと思いきや、深いテーマに考えさせられた「ビューティ・インサイド」。
もしかしたらお目当ての俳優がどこかに出演しているかも?(笑)
とても印象に残った映画だったよ!
 

SNAKEPIPE SHOWROOM 物件18 泊まってみたいホテル編

20210613 06
【泊まる気満々だった「変なホテル」】

SNAKEPIPE WROTE:

先日ROCKHURRAHの故郷である北九州に帰省したことを「大人社会科見学—TOTOミュージアム—」で書いたよね。
小倉や博多に滞在していた時には、ホテルを転々としたROCKHURRAH RECORDS。
最近は旅行をしていなかったので、久しぶりの外泊になったんだよね。
明日はどのホテルにしようか、とネット検索する。
コロナの影響なのか、どのホテルもプライスダウンしていたみたい。
博多でのホテル選びの時、ROCKHURRAHが「ここはどう?」と提案してきたのが、ロボットが従業員になっている「変なホテル」だった。 
何かしらの情報番組で、そんなホテルがあることは知っていたSNAKEPIPE。
すっかり乗り気になったけれど、活動拠点である天神から少し遠いため、断念する。
フロントが非接触というだけで、室内には特別な仕掛けがあるわけではないんだよね。(笑)

今回のSNAKEPIPE SHOWROOMは、世界中の素敵なホテルの中から、SNAKEPIPEが泊まってみたいところを紹介しよう。
SNAKEPIPEの好みなので、リッチでゴージャスではなく、ビザール要素が含まれてるのは間違いない。(笑)
 
最初に紹介するのは、1958年のブリュッセル万国博覧会のために建設されたモニュメントであるアトミウムだよ!
鉄の結晶構造(体心立方格子構造)を1650億倍に拡大したという建築は、今観ても斬新でカッコ良いよね。
アンドレ・ワーテルケインという建築家の手によるものとのことだけど、例えばブラジルのオスカー・ニーマイヤーも1950年代に素晴らしい作品をたくさん設計してるんだよね。
1950年代の建築物を探す企画もしようかな。(笑)

そしてこのアトミウム、美術館やレストランといった施設があるそうだけど、なんと子供用の宿泊施設にもなっているそうで。
小学生だけ、というのは教育の一環のためらしいけど、大人だって泊まりたいよね!
お値段は€25(日本円で約3,300円)から、とのこと。
子供だと言い張って予約してみようか?(笑)

続いても球体が出てくるよ。
パナマのソベラニア国立公園にあるキャノピータワーは、元々麻薬戦争のためにパナマ運河を管理する目的でアメリカが建設したレーダータワーだったという。
現在はバードウォッチングや熱帯雨林を体験できる場所になっているんだって。
バードウォッチングと聞くと一番最初に思い浮かぶのは、鳥飼否宇先生の著作に出てくるトビさんだよね!
きっとトビさんも定期的にキャノピータワーに通っているに違いないよ。(笑)
一泊$116(日本円で約12,700円)だって。
この上ないポイントらしいので、ウォッチャーにとってはお手頃かもね?

以前から気付いていたんだけど、SNAKEPIPEは丸い形をした建造物に興味があるみたいなんだよね。
何故か円形の建物を選んでしまう傾向があって。
しかもシルバー色でピカピカ光っているとなれば、垂涎モノ!(笑)
ニュージーランド、クライスト・チャーチにあるサイロ・ステイは、SNAKEPIPEの好みそのものだよね。
穀物貯蔵用サイロを改造してホテルにしているだけではなく、環境問題にも取り組んだエコな設計なんだって。
キッチンまで完備されているので、食材を調達すれば自分でも調理可能とは嬉しいね!
お値段は$132(約14,500円)とは、あまりエコじゃないかも?(笑)

次は精神世界を見つめ直す旅にしてみようか。 
60年代のヒッピー文化は、ベトナム戦争と関わりがあって、閉塞感からの開放が根底にあったようだよね。
そうした状況を知らなくても、サイケデリック・アートだったり映画、音楽や文学などで60年代に興味を持つ人も多いはず。
SNAKEPIPEも好きなんだよね!
そんな60年代愛好家(?)が楽しめるのが、フランスのラオンレタップにあるミュージアモーテルだよ!
1960年代に「未来のユートピア」をコンセプトに構築されたというコンクリートのコテージは、「ポップ・アート・ルーム」や「ヴィンテージ・ルーム」など部屋ごとに別の装飾がされているという。
お値段は$77(約8,400円)とのこと。
どの部屋に泊まるのか迷いそうだよね!
それにしてもこのホテルがアメリカじゃなくてフランスにある、というのがビックリだよ。

最後はこちら。
チェコ共和国リベレツのホテル・イェシュチェトは、標高1,012mにあるという。
まるでSF映画のセットのような建物は、建築家カレル・フバチェクにより1966年から1973年の間に建設されたという。
このホテルには、頂上行きのケーブルカーに乗る必要があるので、悪天候の時にはたどり着けない可能性もあるとか。
運良く宿泊できたなら、室内やレストランから絶景が楽しめるという。
一泊$46(約5,000円)とは思えない高級感があるホテルだよ!
チェコに行った時には是非泊まりたいよね。

今回はSNAKEPIPEが泊まってみたいホテルを選んでみたよ!
他にも、たくさんの気になるホテルがあるので、第2回も書いてみたいと思う。
次回をお楽しみに!(笑) 

ライゾマティクス_マルティプレックス 鑑賞

20210606 01
【相変わらずの構図でスミマセン】

SNAKEPIPE WROTE:

2021年4月に東京都現代美術館で鑑賞した「マーク・マンダースの不在」の感想を書いたSNAKEPIPE。
「素晴らしい展覧会なので、ROCKHURRAHと一緒にもう一度鑑賞しよう!」という文章で締めくくったのだけれど、その直後に美術館は緊急事態宣言により閉館となってしまう。
例えば松濤美術館のフランシス・ベーコン展などは「臨時休館の再延長とフランシス・ベーコン展閉幕」となってしまった中、東京都現代美術館は6月1日から完全予約制で開館されることになった。
これは急いで行かなければ!
早速ROCKHURRAHが近い日付の予約をしてくれる。
せっかくなのでマンダース展と同時開催している「ライゾマティクス展」も行くことにする。
実は「ライゾマティクス」について全然知らないんだけどね。(笑)

どうやら「ライゾマティクス」は4月にNHKの「日曜美術館」で取り上げられたせいもあってか、人気の展覧会のため時間指定をする必要があるらしい。
早い時間を指定し、美術館に向かう。
前日は暴風雨が吹き荒れ、少し歩いただけでずぶ濡れになる悪天候だったけれど、日頃の行いが良いため展覧会鑑賞の日は良い天気に恵まれたROCKHURRAH RECORDS。
雨男のROCKHURRAHのパワー不足のせいかもね?(笑)
マンダース展の時間指定はないので、最初に「ライゾマティクス展」を鑑賞することにしよう。

まずは東京都現代美術館のサイト内にあった動画を載せておこうか。
「ライゾマティクス」とは一体何者?というのがわかるかも。
というより、この動画で展覧会の概要が分かるかもよ?(笑)

では会場に入ってみよう。
最初にお目見えしたのが、巨大なスクリーンに映し出される「ライゾマティクス」のオリジナルロゴと地下茎の映像だよ。
「ライゾマティクス」が、複数人でメディア・アートを構築する集団だと知る。
1976年東京生まれの真鍋大度が代表となり、2006年に「株式会社ライゾマティクス」を設立し、今年が15周年だという。
プログラマーや研究者などを含む団体の総称が「ライゾマティクス」と聞くと、今まで知っていたアートの形態と大きくかけ離れていることが分かる。
チームで作るプロジェクトなんだね。

今回の展覧会名にもなっている「マルティプレックス」という作品が素晴らしかった。
会場についた時には、画像左上のようなカウントダウン映像だけが流れていて、これから一体何が始まるのか全く不明。
カウントがゼロになるまで待っていると、イベントが始まった。
プロジェクション・マッピングのような 映像の投影と音響が入る。
そのうち5つの立方体が動き始める。
プログラミングされて動いていることは分かるのに、立方体自身が意思を持っているような錯覚に陥る。
鑑賞後ROCKHURRAHと話したのは、例えば「2001年宇宙の旅」のHALや「攻殻機動隊」のタチコマのように話すことができる機械とは違い、「マルティプレックス」の立方体は、純粋な無機物なのに感情移入しそうになるところが新しいということ。
今回の展示で一番面白かったよ!
本来はこうした作品の場合、動画でお伝えしたいところだけど、動画撮影禁止だったため、静止画で紹介することになったのが残念。
上に載せた会場の動画では、全く別のバージョンに見える「マルティプレックス」が紹介されているので、様々なパターンがあるのかもしれないね?

もう一つ「particles」という大掛かりな作品があった。
こちらも「マルティプレックス」同様、カウントダウンから始まるみたい。
またもやゼロになるまで待つことにする。
この会場には椅子が用意されていたので、ROCKHURRAHと座って待つ。
イベントが開始されるまでの時間が長く感じられ、せっかちなSNAKEPIPEは少しジリジリしてしまった。(笑)

ようやくイベントが開始される。
レールを動き回るボールに光が当たり、小宇宙のような空間になる。
ボールはまるで線香花火の火球(先の火種部分)のように見えて、儚い雰囲気だった。
「particles」のオリジナルは2011年で、今回は2021年版として発表された作品とのことだけど、10年前との違いはどこだったんだろう。
まばゆい光が美しかったよ!

最後に今回の展覧会で使用されているシステムやデータの展示があった。
会場内での人の動きをスキャンしたり、数値化している様子が分かる。
「ライゾマティクス」が行っているメディア・アートは、最近よく鑑賞する形態なんだよね。
例えば2019年12月の「未来と芸術展」で観たアウチの「データモノリス」や2021年3月の「2021年宇宙の旅 モノリス_ウイルスとしての記憶、そしてニュー・ダーク・エイジの彼方へ」展など、似た印象の展覧会だったと思う。
人間の動きや脳の活動を符号化し解読するプロジェクトなど、アートと研究が、それぞれの境界を超えて開発されているのは興味深いよね。
アニメやSF小説の世界が現実味を帯びているみたいだから。
今回は「ライゾマティクス」の初大規模個展とのことだけど、SNAKEPIPEには少し物足りなかったかも。
それでも日本でのメディア・アートの世界を知ることができたので、行って良かった展覧会だよ!