金沢初上陸!金沢21世紀美術館 鑑賞

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【加賀温泉駅に設置されていた販売機。Lady Kagaに大笑い!】

SNAKEPIPE WROTE: 

3月に誕生日を迎えたSNAKEPIPEに、プレゼントとして旅行を提案してくれたROCKHURRAH。
どこにしようかワクワクしながら考えていたけれど、当時はまだコロナのため、遠出できる状況じゃなかったんだよね。
もう少ししてからと言い続けているうちに、桜が咲き、つつじの鮮やかな色に目を奪われ、あじさいの季節になっていた。
月日が経つのは速いよね。(笑)
来月にはもうROCKHURRAHの誕生日が控えているので、2人の誕生祝を同時に執り行うことに決定!
せっかくなので、今まで行ったことがない場所を旅してみようということになった。

SNAKEPIPEには以前から密かに実現したいことがあった。
それは金沢にある金沢21世紀美術館に行くこと!
現代アートの展覧会情報などでもよく目にするので、一度行ってみたい美術館なんだよね。
ROCKHURRAHに提案すると快く承諾してくれる。
せっかくなので温泉旅館に宿泊し、日頃の疲れも癒やす計画を立てる。
そうと決まれば新幹線や宿、美術館のチケットなどの予約を素早く完了させるだけ!
あっという間に出発の日を迎えたのである。

朝早くに家を出て、東京駅から新幹線「かがやき」に乗車。
約2時間半で金沢に到着する予定である。
ROCKHURRAHも金沢に行くのは初めてとのこと。
東京駅で朝ごはんを買い、新幹線で食べると旅行気分が高まるよね!(笑)
少し眠ったり、景色を眺めているうちに金沢に到着。
テレビの旅番組などで目にするシンボル的存在の「鼓門」は、圧倒的な迫力。
「もてなしドーム」と呼ばれる幾何学模様のガラスの屋根もカッコ良くて、ここだけで何枚も写真を撮ってしまったほどだよ。(笑)
そしてバス乗り場の配置が非常にわかりやすくて、初めて訪れた人でも迷わない構造なんだよね。
到着した瞬間から「金沢、素晴らしい!」とROCKHURRAHとうなずきあったよ。(笑)

どのバスに乗っても、たいていは金沢21世紀美術館近くまでは行くことができるようなので、最初に来たバスに乗ってみる。
乗車の時にICカードをタッチしようとすると「SuicaなどのICカードは使用できません」と書かれているじゃないの!
えー?使えないの?
仕方なく整理券を取り、小銭を用意する。
調べてみると、どうやら北陸鉄道バスでは独自のICカードのみ対応とのこと。
JRバスの場合は問題ないようだけど、走ってるバスはほとんど北陸鉄道バスなんだよね。
金沢行く時は、100円玉を大量に用意しないと駄目かも!
そうこうしているうちに見覚えがある建物が見えてきた。
金沢21世紀美術館だ!(笑)

オラファー・エリアソンの「カラー・アクティヴィティ・ハウス」が見えてくる。
2020年9月に東京都現代美術館で「ときに川は橋となる」を鑑賞したアーティストだよね。
「あなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること」という黄色、緑色、青色3色のハロゲンランプを使用した作品は、自分の影が壁に投影されることで表情が変化する作品だったっけ。
「カラー・アクティヴィティ・ハウス」も同様にシアン、マゼンタ、イエローの色ガラスの壁が渦巻のように立っていて、その中を歩くと色が重なり、自分や外の風景が変化していく「参加型」の作品だった。
画像で観ているだけでは分からない面白さがあったよ!

金沢21世紀美術館ではいくつかの企画展が同時に開催されていて、今回は「ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ:どこにもない場所のこと」を鑑賞することにした。
SNAKEPIPEは全く知らないアーティストなんだけど、韓国を代表する2人組とのこと。
また韓国になってしまったか。(笑)
ユニットを結成した当初の2009年より「現代世界における芸術の社会的機能と役割は何か」と問い直すプロジェクト「News from Nowhere」(ウィリアム・モリスの小説からインスピレーションを得て名付けられた)を展開しているという。
なんだかちょっと難しそうじゃない?

ほとんどの作品がいわゆるビデオ作品で、最初に鑑賞したのが2012年の作品「世界の終わり」。
2つの画面で進行している「現在(左)」と「未来(右)」。
未来のほうに出てくる小道具が面白かったよ。
物語そのものは、そこまで突飛ではないので、まるで映画を鑑賞しているようだった。
これからは、電飾見る度に、この作品を思い出すはず。(笑)

「どこにもない場所のこと:エクリプス」は2022年の作品だって。
小さな船の中で、漂流する孤独な男を描いているんだよね。
時々表示される升目のせいで、男の船はプールに浮いているだけに見える。
SNAKEPIPEは、漂流や孤独が男の心の内側を描いているだけで、実際に大海原を漂っているわけではないように感じたよ。
韓国人ユニットの作品を一通り鑑賞したあと、いよいよ金沢21世紀美術館一の有名作品に移動する。

レアンドロ・エルリッヒの「スイミング・プール」は、今まで何度テレビで観たことか。
2018年3月に森美術館で鑑賞した「見ることのリアル」も、最初のエリアソンと同じように参加型のアート作品が多かったよね。
感想を書いた記事にも「エルリッヒの最も有名な作品は、金沢21世紀美術館にある『スイミング・プール』」だって。それはテレビで観たことある!(笑)」と書いているよ。
ついに今回、初めて鑑賞することができた!
「スイミング・プール」は、展覧会チケット購入とは別に、プール用の予約をする必要があるんだよね。
5人くらいまでをワンセットにして、5分のみ入場が許されている。
タイミング良く、ROCKHURRAHとSNAKEPIPEの2人だけの時間があったので、夢中になって撮影する。
日差しが出てきたので、プールの底に光の美しい模様と影が写ってキレイ!(笑)
プールの上に人がいなかったのが残念だけど、楽しい時間を過ごすことができたよ。

無料展示コーナーにジェフ・クーンズのバルーン・シリーズが並んでいた。
バルーン・シリーズは、風船でできているように見せかけたステンレスの作品だけど、今回展示されていたのは、フランスの磁器ブランド、ベルナルドとのコラボなので、素材が磁器だったとは!
SNAKEPIPEは説明見るまでてっきり従来のステンレス素材だと思っていたよ。(笑)
ジェフ・クーンズの作品は高額取引されることで有名だけど、自分の作品を高く売り、自分の価値を高めようとするジェフ・クーンズの姿勢や行動がアート行為なのかなと勘ぐったりもする。
パッと観ただけで「ジェフ・クーンズだ」と分かるところは、すごいしね。

無料スペースにAKI INOMATAの展示もあったよ。
Acting Shells」というタイトルで、真珠貝をモチーフにした作品が並んでいた。
AKI INOMATAといえば、2022年6月にジャイルギャラリーで鑑賞した「世界の終わりと環境世界」で作品を鑑賞したアーティストだったね。
この前は南部馬で、今回は真珠ということは、動物系アートということか?(笑)
展示室が暗かったので、あまりよく見えなかったけれど、真珠に彫刻されてたみたいだね。
監視員の高齢女性が、全くアートとは無縁なタイプの方のようで、
「ロープありますから、そこから中へは入らないでくださいねっ」
と大声で注意する。
いやいや、あなたの大声と傲慢な態度のほうが、よほど迷惑に感じるんですけど?(笑)

2018年5月に「SNAKEPIPE SHOWROOM 物件13 建築家設計の物件編」で初めて名前を知ったジェームズ・タレル。
記事の中で「金沢21世紀美術館などには常設展示されている作品もあるみたい」と書いているよ。
ついに!
その展示を目にすることができたんだよね。(笑)
1,117cm四方の何もない部屋の天井部分にポッカリと広がる空間。
タレルの作品は、長く滞在して空や壁に映る色の変化を感じることだとは知っていたけれど、この日の金沢の気温は35℃!
少しの間だけど、「ブルー・プラネット・スカイ」を体験することができて感動したよ。
パシャパシャ撮影して、開口部を見上げて撮ったのがこの画像。
右上の画像と比べてみても全く別物。
まるでQRコードのように見えた空、面白いね!(笑)

大型の立体作品が多いせいか作品数自体は少なめだけれど、憧れの場所に行くことができて本当に嬉しかった!
こんなにワクワクしたのは久しぶりかもしれないよ。
この後、ROCKHURRAHと温泉旅館に向かい、夕食を苦しくなるほど食べて翌日に備える。
金沢観光、翌日の話は次週に続くよ!(笑)

Mariage −骨董から現代アート− 鑑賞

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【展覧会の看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

2022年4月に青山のスパイラルで鑑賞した「OKETA COLLECTION: THE SIRIUS」で、「Mariage」という展覧会が開催されるチラシを手にしていた。
会場は天王洲アイルにあるWHAT MUSEUM
SNAKEPIPEは一度も行ったことがないんだよね。
スパイラルの桶田コレクションが素晴らしかったので、天王洲も面白そう!
ROCKHURRAHと一緒に出かけることにしたのである。

以前、仕事の関係で何度かモノレールに乗った時、天王洲アイルを通過したことはあったけれど、天王洲アイル駅で降りるのは初めてのこと。
ROCKHURRAHも同様だという。
方向音痴のSNAKEPIPEは、siriに話しかけ「WHAT MUSEUMまでの道を教えて!」と、何度も話しかけるけれど、教えてもらえなかったよ。
発音が悪かったのか?(笑)
ROCKHURRAHが道順を調べてくれて、あっさり到着!
ありがとう、ROCKHURRAH!

最近はweb予約が普通になっていて、メールで送信されたQRコードを受付で読み取ることで入場可能になる。
受付に行った時に、ログインしていないとQRコードまでたどりつけず、更に今回は表示されたQRコードを相手の端末に読み取らせる必要があった。
美術館によっては、受付の方がスキャンしてくれるので、あっさり通過できるのに、WHATの場合は入場者が操作する必要があるため難易度高めに感じたよ。
もしかしたらSNAKEPIPEが下手なのかもしれないけど。(笑)
こうした変化に付いていかれなくなるのは怖いので、いろんな経験して訓練しておかないとな、と改めて思ったよ。

展覧会は1Fと2Fに分かれていて、1Fは「建築模型展」、2Fで桶田コレクションを展示していた。
まずは2Fからスタート!
すべての作品の撮影が可能とのことで、良かった。(笑)
作品は全部で40点ほど展示されているとのこと。
気になった作品を選んで感想をまとめていこう!

チャバララ・セルフの「Wash N’ Set 2」というネオンアート作品がかわいらしい!
どうやら桶田コレクションでは初出展とのこと。
3人の顔が順繰りに光り、最後に全員の顔にライトが点く仕掛けなんだよね。
なんといっても魅力的なのは、女性の顔じゃないかな。
チャバララ・セルフは1990年アメリカ生まれの女性アーティストだって。
他の作品も観てみたいね!

2018年6月なので、今から4年前に渋谷のNANZUKAギャラリーで鑑賞したダニエル・アーシャムの作品も展示されていた。
SNAKEPIPEとROCKHURRAHが鑑賞したのは白い石膏シリーズだったけれど、今回は黒いウサギ。
黄鉄鉱、セレナイト、ハイドロストーンを使用した作品だという、
ところどころに鉱石らしきものが見えていて、かわいいウサギと無機物のミクスチャーのような雰囲気なんだよね。
ジェフ・クーンズのパロディなのかなとも思ったけど、どうだろう?

次もまたウサギなんだけど、観た瞬間に「ひゃー!かわいい!」と叫んでしまったSNAKEPIPE。
「もういいや」みたいな不貞腐れる具合。
手足の伸び方に表情まで、すべて気に入ったよ!(笑)
陶磁器だというので驚いてしまうね。
アーティストはクララ・クリスタローヴァというチェコ生まれスウェーデン育ちの女性のよう。
今回の展覧会で一番の作品になったよ!
複製があったら購入したかったほど。(笑)
調べてみると、東京にある複数のギャラリーで作品を展示していたようだね。
チャンスがあったら他の作品を鑑賞したいよ!

佐倉にある川村記念美術館で鑑賞した「五木田智央 THE GREAT CIRCUS」を鑑賞したのが、今から8年前の2014年11月だったとは驚き!
月日が経つのは速いねえ。(しみじみ)
五木田智央の作品は、一瞬ですぐに分かるところがすごい。
個性的ってことだもんね。
今回のタイトルは「Lady DADA」で、2016年の作品とのこと。
レディ・ガガをおちょくってるようで、相変わらずだよね。(笑)

ラッシード・ジョンソンの「I’ve Known Rivers」はミラータイルを使用している作品なので、正面に立つと自分が写り込んでしまうんだよね。
素材に黒石鹸と書かれていてびっくり。
アーティストはいろんな材料を集めて作品作りに取り入れるみたいだけど、作品観た時には石鹸が使われているなんて思っていなかったよ。
シンプルだけど、黒い線が効果的でカッコ良かったね!

1982年生まれのアメリカ人アーティスト、セイヤー・ゴメスの作品も気になったんだよね。
「Smile」という文字が違っていたら、もっと面白かったかもしれないとも思うよ。
アートに文字は必要ないってことなんだろうね。(笑)
特に今回は鍵が付いたチェーンも装着されているから余計かも。
古い看板を模造するパターンは続けてないのかな。
違うバリエーションがあったら、観たいよ!

ジェニファー・ロックリンの作品も気になったよ。
「viva Las Vegas」というタイトルのセラミックなんだよね。
エルヴィス・プレスリーをモチーフに50’sっぽさ全開で、とってもキュート!
ターナー賞の歩み展」で観たグレイソン・ペリーほどの衝撃はなかったけれど、やっぱり立体作品に惹かれる傾向があるSNAKEPIPEなんだよね。

名和晃平の「PixCell-Deer#48」は、黒いバックの室内に一点だけ展示されていた。
圧倒的な存在感!
光を反射して神々しいほどだよ。
2021年1月にジャイルギャラリーで鑑賞した「名和晃平 Oracle」にも展示されていたシカちゃんだけど、あの時よりもサイズ大きめだったような?
シカちゃんまでコレクションに加わっているとは、桶田さんが羨ましい。(笑)
今まで知らなかったアーティストの作品がたくさんあって、予定されている第二弾も楽しみだね!

2Fの桶田コレクションを観終わったので、1Fに向かう。
先にも書いたように、ここでは「建築模型展」が開催されている。
WHAT MUSEUMは、アートと建築の展覧会が多いのかな。
過去の記事を見ると、2段構えみたいな企画をしているみたいなんだよね。
今回は「文化と思考の変遷」だって。
建築にも興味があるROCKHURRAH RECORDSなので、どんな展示があるのかワクワクしながら入場したよ。

「高床建物」の復元模型だったり、「東京都新都庁舎計画」の模型などが展示されていて、ROCKHURRAHとSNAKEPIPEが目をキラキラさせるタイプの建築とは違っていたみたい。
画像は「町田芹ヶ谷公園’芸術の杜’プロジェクト」とのこと。
2020年8月に「横尾忠則版画展」を鑑賞した町田市国際版画美術館は、芹ヶ谷公園の中にある美術館だったよね。
歩いたら気持ち良さそうな公園だったことを思い出す。
コロナの時期に珍しく「触ってよい作品」だったことも注目だね。

ROCKHURRAHがとても面白かった、と話していたのが瀧澤眞弓の「山の家」。
1921年にあんな設計をしていたとは!と驚嘆の声を上げていたけれど、SNAKEPIPEは見覚えがあったんだよね。
2019年3月に埼玉県立近代美術館で鑑賞した「インポッシブル・アーキテクチャー」に、「山の家」は展示されていたから。
あの時の展覧会は、どの展示も素晴らしかったので、ど忘れしちゃったのかも?(笑)
瀧澤眞弓も参加していた、1920年に発足した「分離派建築会」については、勉強したほうが良さそう。
素敵な建築に出会えるはずだからね!

初めて出かけたWHAT MUSEUM、そこまで遠くない場所なので、また行ってみたいと思う。
天気が良い日を選んで運河沿いの散歩もしたいね!

赤と黒/世界の終わりと環境世界 鑑賞

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【岡本太郎記念館入り口から看板と庭を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

表参道にあるジャイルギャラリーでは「世界の終わりと環境世界」という展覧会が開催されている。
デヴィッド・リンチのファンであることを公言している飯田高誉氏がキュレーターを務めているので、気になっていたんだよね。
ちょっと足を伸ばして岡本太郎記念館にも行ってみることにした。
ROCKHURRAHは初めて行くことになるよ。
開館時間を考えて、まずは岡本太郎記念館へ。

薄曇りの、少し蒸し暑い日に表参道に向かう。
梅雨の晴れ間というほどの日差しはないけれど、雨ではない日は貴重だからね!(笑)
駅から岡本太郎記念館までの道のりは、少し前にも歩いたはずだけど、解体工事が始まっているビルや通ったことがある店舗がクローズしていたりと、変化が見られたよ。

岡本太郎記念館はオープンしたばかりの時間だったけれど、ちらほらお客さんの姿があった。
今回は「赤と黒」というテーマの展覧会で、記念館2階は「赤の間」と「黒の間」に仕切られていた。
最初は赤の間から鑑賞する。
「この血の色こそ、生命の情感であり、私の色だ」
とは岡本太郎の言葉である。
確かに岡本太郎の絵には赤色が印象的に使われているよね。
会場には植物も一緒に展示されていて、生命の息吹を強調しているようだった。
赤色のバックに全く引けを取らない、作品の力強さも際立っているよね。
血湧き肉躍るような、岡本太郎からパワーを分けてもらっている気分!
画像の「遊ぶ時間」は、ユーモラスでとてもかわいかった。
自由を謳歌している雰囲気がよく出ているよね。

一方こちらは「黒の間」。
照明が落とされ、仄暗い部屋に足を踏み入れる。
闇の中からボワッと浮かび上がる物の怪か、はたまた妖怪か?
岡本太郎の作品は、照明によって印象が変化するんだね。
黒の間も非常に効果的で、SNAKEPIPEは恐ろしさを感じたよ。
黒に対する岡本太郎の言葉は「己を滅びに導く、というより死に直面させるような方向、黒い道を選ぶのだ」が採用されていた。
赤は生、黒は死という根源的な話だけではなく、恐怖と隣合わせに魅力も感じていたみたい。
なんとなくその気持ちは分かる気がするよ。
岡本太郎版土偶と呼びたくなる「喜び」という作品の存在感も抜群だった。
黒の部屋も堪能できたよ!
庭には「ゼルダの伝説」のコログの元ネタみたいな、かわいい作品がたくさんあって嬉しくなる。
どれもみんなかわいいんだよね!(笑)
ROCKHURRAHも気に入ったようで良かった。
また訪れたい記念館だよ。

続いてジャイルギャラリーへ。
ジャイルに向かう道の途中から、長い行列ができていて何事かと驚く。
キディランドの制服着た人が整列させていたので、何かグッズを買い求めるための順番待ちみたいだけど、皆さん並ぶの好きだよね。
ROCKHURRAH RECOREDSが目的のジャイルでの行列じゃなくてホッとしたよ。
SNAKEPIPEが前回ジャイルに来たのはいつだっただろう、と調べると2021年3月の「2021年宇宙の旅」だったみたい。
そしてこの時も、岡本太郎記念館とのはしごだったことが分かったよ。(笑)

ジャイルギャラリー入ってすぐ、まるで本屋の「おすすめコーナー」みたいな展示が続く。
理論家の飯田高誉氏の蔵書なのかもしれないね?
「人間中心主義」から離脱し我々がすべて異なる「環境世界」に生きていることへの認識に到達できるのかを問い掛けていく、というのが展覧会のテーマとのこと。
テーマにちなんだと思われるタイトルが並んでいるよ。
恐らく、どの本も何回読んでも難解そう!(笑)
飯田高誉氏のツイッター見ても、世界情勢とアートの話が多いので、興味の幅が広い印象だよ。

本の次に展示されていたのはフランス人アーティスト、リア・ジローの作品だった。
説明を受けないと理解できないタイプだね。
「アルゲグラフィック(algægraphique)」という光に反応する微生物(微細藻類)を使用しているんだとか。
微生物を国立自然史博物館チームとリア・ジローが共同で開発したというから、アートと科学の融合なんだね。
生物学的現象、テクノロジー、画像システムのミクスチャーで作品を発表しているというリア・ジローのようなアーティストは、これからもっと増えそうだね。

先月2022年5月に、六本木のSCAI PIRAMIDEで鑑賞したばかりのアニッシュ・カプーア。
ジャイルギャラリーにも展示されていたよ!
「1000の名前」という1979年から80年にかけて制作されたという作品で、顔料を使っているという。
アニッシュ・カプーア自身の解説は「潜在意識から突き出た氷山のように、表面の下に何かがあることを意味します」だって。
飯田高誉氏は「あたかも核爆弾の爆発によって降り注がれる『死の灰』を想起させる」と書かれている。
SNAKEPIPEは月の表面を連想したけど、それぞれに解釈があって楽しいね!(笑)

「ギャロップする南部馬」 はAKI INOMATAの作品。
絶滅した日本固有種である南部馬を骨格標本から彫刻・3D出力後凍らせ、透き通った馬にしたという。
こういう手間のかけ方とデジタル化の組み合わせが、今のスタイルなのかな。
童話のようなかわいらしさを感じていたけれど、喪失感や懐かしさなどをテーマにしていたとは、知ってびっくりだよ!
説明があったほうが良いのか、悩むね。

草間彌生の映像作品も展示されていた。
1967年の「草間の自己消滅」は、タイトルだけは知っていたけれど、観るのは初めて!
意味を理解することは難しいけれど、かなりショッキングな映像だったよ。
撮影禁止だったので画像は載せられず残念だけど、当時の人は驚いたんじゃないかな?
「花脅迫」という2000年の作品は、ひまわりの花に埋もれる草間彌生本人の映像だった。
これも自己消滅になるんだね。

今回の展示で一番気に入ったのは大小島真木のインスタレーション「ウェヌス」だった。
革を継ぎ接ぎしたトルソーに、銀河とプランクトンの映像のコラージュが円形に投影される作品、と説明されている。
その文章がなくても、目が釘付けになっちゃったよ!
ROCKHURRAHが映像を撮ってくれたので載せておこう。

今回は2つの展覧会をはしごしてみたよ!
近くにたくさんの会場があると、短時間で鑑賞できて良いね。
最近の飯田高誉氏企画の展覧会は観念的なので難しいけれど、付いていきたい気持ちもあるんだよね。
理解できなくても観ておきたいって感じ。
また近いうちにどこか行きましょ!

映画の殿 第51号 韓国ドラマ編 part7

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【誰がどのドラマに出演していたのか、分かるかな?】

SNAKEPIPE WROTE:

2022年3月に「映画の殿 第50号 Netflixドラマ編 part6」を書いてから、約3ヶ月が経過。
ほぼ毎日1話、ドラマ鑑賞を続けているROCKHURRAH RECORDSだよ!
今回も備忘録を兼ねて、感想をまとめていこうと思っている。
part6までは「Netflixドラマ編」と書いていたけれど、今回からはNetflixに限定していないため「韓国ドラマ編」に変更したよ!
別にどうでもいいってか?(笑)

part6の一番最後に紹介した「未成年裁判」の次に観たのが「シグナル(原題:시그널 2016年)」。
なんとここでも「未成年裁判」で主役を務めたキム・ヘスが出演していたよ。
連続して観ているけど、特別ファンってことではないんだけど。
最初に観たドラマの役名で覚えてしまっているので「キム判事」って呼んじゃうんだよね。(笑)
トレイラーを載せてみようか。

続いてあらすじね!

警察のプロファイラー・パク・ヘヨンはある日、15年前の未解決事件を追うイ・ジェハン刑事から、壊れた無線機を通じてその未解決事件の有力な手がかりを教えられる。
時効まであと数日のところでかつてのジェハンの後輩・チャ・スヒョン刑事と共に事件を解決することに成功する。
その後もヘヨンはジェハンと交信を続けていくうちに、彼が過去の人間であることに気付く。
一方でスヒョンは、15年前に失踪したジェハンの行方を捜し続けている。
(Wikipediaより)

無線機を通して過去と現在がつながるという設定は、韓国映画「ザ・コール(原題:콜 2020年)」みたい、と書きそうになったけれど、「シグナル」のほうが早かったんだね。
ROCKHURRAH RECOREDSが鑑賞した順番が逆だっただけで。
「シグナル」の主役であるプロファイラー・パク・ヘヨンは「ムーブ・トゥ・ヘブン: 私は遺品整理士です」に出演していたイ・ジェフンだね。
チャ・スヒョン刑事をキム判事じゃなくて(笑)パク・ヘス。
過去で活躍する刑事ジェハンをチョ・ジヌンが演じていた。

特徴的だったのは、過去になると映像の縦横比が変化し、縦長になっちゃうところ!
現在使用されている16:9から地上波で使用されていた4:3に切り替わるシーンが面白かった。
6年前のドラマだけど、全く色あせてないね。
数々の未解決事件に挑む、という硬派な内容も見応え十分で、引き込まれたよ。

いても硬派なドラマをチョイス!
BS12で放映されていた「誰も知らない(原題:아무도 모른다 2020年)」というミステリー・サスペンス。
主演に「SKY キャッスル~上流階級の妻たち~」で、キム先生を演じたキム・ソヒョン。
キム先生のイメージが強すぎてしまい、今回は刑事役なのに正義の人に見えなくなってしまったのはSNAKEPIPEだけ?(笑)
凛とした雰囲気のため、男前な服装も多く、天海祐希に見えてしまったよ。
一体どんな事件を題材にしていたのか、あらすじを書いてみよう。

ソウル地方警察庁のチャ・ヨンジンは実績のみで警部に上り詰めた有能な刑事だ。
彼女が捜査を担当している聖痕殺人事件は、19年前に8人目の被害者が発見されてからは新たな被害が発生していないために捜査は打ち切られようとしている。
そんな中、ヨンジンだけが事件に執着するのには理由があった。
実は彼女は8人目の被害者と高校時代の親友だったのだ。
事件の捜査に打ち込む孤独なヨンジンには、唯一友達と呼べるコ・ウノという少年がいる。
ヨンジンが突き止めた真犯人が投身自殺を図ったことで事件の真相が闇に入りかけた時、ウノがホテルの屋上から墜落する事故が起きる。
ホテルのオーナーであるペク・サンホの取り計らいでウノは助かるが、事故ではなく事件だと判断したヨンジンはウノの担任イ・ソヌの協力を得てウノの事件を探り始めることに。
そこには誰も知らない事実が隠されていた。
(BS12より)

続いてトレイラーね。

コ・ウノを演じたアン・ジホは「今、私たちの学校は…」に出ていたね。
ホテルのオーナー役のペク・サンホは「アルハンブラ宮殿」の感想で「いつまでもずっと追いかけて来る死んだはずの友人(宮迫博之似)」と書いたパク・フン。
顔立ちのせいなのか、やっぱり嫌な役どころなんだよね。(笑)

19年前に起きた「聖痕殺人」は宗教絡みの連続殺人事件で、第1話でグッと引き込まれてしまった。
ドラマの根底には、ずっと「聖痕殺人」が影を落としているため、全体的にダークモードでシリアスなんだよね。
笑いとかボケ要素は一切なく、緊張感が続くドラマだったよ。
BS12で観たため、途中でCMが入ってしまうところが残念だった。

シリアスなドラマを連続で鑑賞したため、少し明るいドラマにしよう!
選んだのは「ラケット少年団(原題:라켓소년단 2021年)」。
主役のユン・ヘガン(画像左から2番め)は、「ムーブ・トゥ・ヘブン: 私は遺品整理士です」で障害がある役を演じたタン・ジュンサン。
「愛の不時着」にも出演していたので、大活躍している役者だね!
そして画像右から2番めに写っているのは、「椿の花咲く頃」でピルグを演じたキム・ガンフン。
ピルグ、大きくなったけど、まだ小さいよね。(笑)
トレイラーを載せよう。

父親の仕事の都合で、都会から田舎の中学校に転校してきた少年。
寄せ集めのバドミントン部を廃部の危機から救うため、コーチである父親とともに大奮闘。
(Netflixより)

随分あっさりしたあらすじだけど、まあいいか。(笑)
バドミントン部のメンバー達の仲の良さが微笑ましい。
村の老人達も良い味出してたよ!
「刑務所のルールブック」の脚本家が手掛けたドラマとのことで、ゆかりのある人物がカメオ出演するのも見逃せなかったね。
最終話での展開に、思わずニヤリ!
「刑務所のルールブック」観てないと笑えないかも。
「ラケット少年団」は、終わってしまうのが惜しくなるほど気に入ったドラマだったよ!

続いては「二十五、二十一(原題:스물다섯 스물하나 2022年)」。
こちらも青春とスポーツを描いたドラマだよ。
「ラケット少年団」はバドミントン、今回はフェンシング!
競技としての知名度は低めだと思うんだけど、韓国では人気があるのかな?

1998年という時代を背景に、夢を奪われた若者たちのジレンマと成長を描く。
ナ・ヒドとペク・イジンの2人が初めて互いの名前を呼び合ったのは、22歳と18歳のとき。
25歳と21歳になった2人は、胸躍る初恋と、温かい友情のはざまで揺れ動く。
5人の友人グループ内の人間関係やその中で巻き起こる問題で、彼らは頭を悩ますことになる。
(シネマトゥデイより)

天真爛漫な高校生ナ・ヒドを演じたキム・テリの実年齢が32歳とは驚き!
童顔なせいだけではなく、演技力が高いため、高校生に見えたもんね。
フェンシングも決まってたし、フランス語も上手だったよ。
「ラケット少年団」同様、高校時代の男女の区別がない友情が羨ましいくらい。
中でも筋が通っていて、生き様がカッコ良かったのは秀才の学級委員長!
あの子には将来、政治家になって欲しいよ。(笑)
成績1位の学生がメンバーにいるというのも、「ラケット少年団」に似てる設定だね。

かつて母親が暮らした部屋で、母親の若い頃を知るというのは「あまちゃん(2013年)」を思い出すよ。
アイドルとスポーツ選手の違いはあるけどね。
「二十五、二十一」は、最終話に近づくほど苦しくなった。
何がとか、誰が悪かったとは言い切れない、小さなすれ違いやほころびから、少しずつ気持ちが変わってしまう。
どちらの心情も理解できてしまうから、難しいよね。
どうすれば良かったんだろう、と鑑賞後も考えてしまう内容だったよ。

感想を書いたつもりでいたドラマがあったんだよね。
元カレは天才詐欺師 〜38師機動隊〜(原題:38사기동대 2016年)」を観たのは、2021年のはずなので、本来はpart4あたりに書くはずだったのに、すっかり忘れていたよ。
ROCKHURRAHに指摘されて気付いたので、まとめておこう。
画像左は「新感染 ファイナル・エクスプレス」などでお馴染みのマ・ドンソク!
長年来の友人Mは、スマホの待ち受け画面にするほどの大ファン。
一度観たら忘れない風貌だよね。
右が詐欺師、ヤン・ジョンドを演じるソ・イングク。
「サンガプ屋台」に出演していたユク・ソンジェと混同してしまったSNAKEPIPEだよ。

ターゲットは税金逃れをたくらむ富裕層。
税金徴収局で働くまじめな公務員が天才イケメン詐欺師とタッグを組み、不届き者たちから巨額の滞納金を取り立てる。
(Netflixより)

公務員が詐欺師と手を組むなんて、通常ありえないけれど、成敗目的だから良いのだ!(笑)
真面目な公務員役にマ・ドンソクっていうのも、あり得ない設定だからね。
そして詐欺を働いている時のマ・ドンソクが、生き生きしていて面白かった。
それぞれの専門家がいるチーム編成もワクワクしちゃったし。
みんな良い味出してたんだよね。
「元カレは天才詐欺師」も、終わらないで欲しかったドラマだったよ!

今回も様々なジャンルのドラマを楽しんだよ!
Netflixだけにとどまらずアマゾンプライムにも手を出したので、幅が広がるね。
どんなドラマがあるのか、今から楽しみ!(笑)