2011年8月に書いた「SNAKEPIPE MUSEUM #11 Tomer Hanuka」で取り上げたトマー・ハヌカの名前を目にして嬉しかった。 美しい色彩と構図に魅了され、10年以上前からファンになったアーティストだからね! アニメ映画「戦場でワルツを(原題:Waltz with Bashir 2008年)」の映像美も印象に残っているよ。 今回の展覧会では、トマー・ハヌカの作品2点を鑑賞することができた。 1つはヒッチコック監督の「サイコ(原題:Psycho 1960年)」。 ヒロインの、あの有名なシャワー・シーン後を描いていてナイスだよ!
もう1点はニコラス・ローグ監督の「地球に落ちてきた男(原題:The Man Who Fell to Earth 1976年)」。 デヴィッド・ボウイ主演の映画だということは知っているけれど、なんと未鑑賞! そのためポスターの意味が分からなくてごめんなさい。(笑) ROCKHURRAHは観たことがあるらしいけれど、昔のことなので内容を忘れてしまったとか。 トマー・ハヌカらしい中間色を使用していて、美しいポスターだよね!
「レポマン(原題:Repo Man 1984年)」はアレックス・コックスのデビュー作だったね。 主演だったエミリオ・エステベスの名前も懐かしいけれど、最も強く記憶に残っているのはオープニング・シーン。 この場面をパクっていたのが、大昔放映されていた深夜番組「FM-TV」だったことを思い出す。 あの番組大好きだったんだよね。(笑) 「レポマン」のオープニングを使用してモヒカンにしちゃったポスター、秀逸だよ! 描いたのはジェイ・ショーという「MONDO」の初期から携わっているアーティストだって。
「カリガリ博士(原題:Das Cabinet des Doktor Caligari 1920年)」を観たのは大昔のことなので、あまりよく覚えていないよ。 丸尾末広がカリガリ博士を題材にしていたのを観たことがあるけれど、ベッキー・クルーナン版のポスターも素晴らしい! 黒い線が特徴的で、構図の大胆さや色味の少なさが効果的なんだよね。 遠目からでも注目されるポスターだと思うよ。
「Maldito Sudaca」は1987年に出たシングル曲でアルバム「 La Cultura De La Basura(ゴミの文化的利用法)」にも収録されている勢いのある曲。 スダカというのは支配層のスペインが南米人のことを侮蔑した言い方で呼ぶような言い回しで、Maldito Sudacaとなるとここでは書かないが大変バカにしたような汚い言い方になると思うよ。 まあどこの国にもよその民族をバカにしたり自虐的だったり、そういう言葉はあるけどね。 ちなみにこれ以降も勝手に日本語訳した邦題やバンド名を書いてゆくが、全て公式ではないんで誰も参考にしないように。
そういう世界的な音楽情勢を踏まえてこのEmociones Clandestinasを聴くと、1987年に女絶叫ヴォーカルのシンプルな曲をやってる古臭さは否めないね。 スペインのAlaska Y Los Pegamoidesあたりの雰囲気はあるものの、向こうの方がずっとヴィジュアルもキャラクターも際立ってたから小粒にもほどがあるよ。 Carmen Gloria Narváezという女性ヴォーカルのようだが、たぶんこのバンドのメイン・ヴォーカルではなく、彼女のいない男4人組の方がむしろ知られてるようだ。 いきなり主演女優がいなくなって今後の展開は大丈夫なのかね「秘密の感情」?え、違う?
国が豊かだと音楽や芸術に関する需要も高まるのかは全くわからないが、意外なことに今回の南米その他の国の中では最も英米にひけを取らないバンドが見つかったよ。 Los Estomagos (胃)というケッタイなバンド名のこの4人組は1983年頃から活動してたというから、ウルグアイのニュー・ウェイブではパイオニア的な存在だったんだろうな。
「El Payaso(ピエロ)」は1989年発表の「Sin Sombra No Hay Luz(影なし光なし)」というアルバムに収録のもの。 曲の方はチョッパー・ベースが全編リズミカルに鳴り響くもので、達者に音楽慣れした実力のバンドだと感じる。 明らかにベネズエラ、あるいは南米諸国というよりはヨーロッパ進出を狙ったくらいの意気込みを感じるが、大成したという話も全く聞かないから、これまたメジャー路線政策に失敗したのかね。
「アルハンブラ宮殿の思い出(原題:알함브라 궁전의 추억 2018-2019年)」は、スペインのフランシスコ・タレガ作の名曲、「アルハンブラの思い出 (Recuerdos de la Alhambra)」から取られたタイトルだという。 ドラマの中で何度も挿入される印象的なメロディは、耳に残るよ。 舞台がスペインで、「トッケビ」のカナダに対抗してるみたいじゃない?(笑) トレイラーが英語版しか見つからなかったのが、残念!