収集狂時代 第23巻 楽器編

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【楽器が描かれた名画といえばアンリ・ルソーの「眠れるジプシー女」】

SNAKEPIPE WROTE:

2024年6月に鑑賞した「GOMA ひかりの世界」で、初めて知ったのがディジュリドゥという楽器だった。
「世界にはいろんな楽器があるんだね!」と感想を書いたSNAKEPIPE。
そこからヒントを得て、今回は珍しい楽器を特集してみよう。
ただし、SNAKEPIPEは楽器に関して全く知識がないので、詳しい方からすれば「こんなことも知らないのか」と呆れられてしまうかもしれないけどね?(笑)

「なんだこれは!」と思わず口に出してしまいたくなるよね。
ジャズ・ギタリストであるパット・メセニーが、1984年にリンダ・マンザーに特注したギターなんだとか。
「できるだけ多くの弦を持つギター」というリクエストに「4つのネック、2つのサウンドホール、42本の弦」を持つ「ピカソ・ギター」が誕生したという。
このネーミングも納得だよ。(笑)
オブジェじゃなくて、本当に演奏できるからすごいよね!

一人で複数のパートをこなしていてビックリ!
こんな演奏ができたら楽しいだろうなあ。

円盤が着陸した画像?
まさかと思うけど、これも楽器なのかな。
正解はハングというイディオフォン(体鳴楽器)に分類される楽器なんだって。
深絞りされた窒化鋼板の2つの半球をリムで接着して作られていて、内部は空洞で凸レンズの形状をしているとのこと。
上部(「ディング」)側には中央にハンマーで打ち込まれた「ノート」があり、その周りに7つまたは8つの「トーンフィールド」が配置されているという。
下部(「グー」)側は平らな面で、中央に巻き込まれた穴があり、リムを打つことで調律された音が生成される、と説明されているよ。
一体どんな音なんだろう?

形状から想像していたのとは違う音じゃない?
環境音楽とかヒーリング・ミュージックと呼ばれるジャンルになるのかな。
演奏しているのはHANG MASSIVEというデュオで、プロのミュージシャン!
インドのゴアで出会った、とプロフィールに書いてあるね。
オフィシャル・ビデオはチベットで撮影されたみたい。
壮大な風景と音楽がマッチしているよね。

こちらも不思議な形状だけど、本当に楽器なのかな。
調べてみると、1761年にベンジャミン・フランクリンによって発明されたグラス・ハーモニカと判明!
今から250年以上前から存在していた楽器とはびっくりだね。
「ワイングラスの縁を濡れた指で擦って音を出す現象について、ガリレオも『新科学対話』の中で考察していた(Wikipediaより)」なんて書いてあるよ。
時代が遡り過ぎて、いつの話をしているのか分からなくなるね。(笑)
グラス・ハーモニカはガラス製の大きさの異なる円盤を配列し,水で濡らして回転させ,それを指で押えて演奏する体鳴楽器、だって。
音を聴いてみよう。

グラスの縁を指でなぞって音を出すのは「新春かくし芸大会」で見たことあるけど(古い!)、横にして回転させると音が連続するんだね。
音を聴いて、ホラー映画を連想してしまった。(笑)
SNAKEPIPEは寂しい、悲しい、怖いと感じたけど、人それぞれ感想は違うよね!

最後はこちら!
画像だけでは、どんな楽器なのか想像もつかないよね。
細かい部品がみっちり詰まっていて、手巻きのリールのような物も見えるよ。
これはスウェーデンのWintergatan(ウィンターガタン)というフォークトロニカ・バンドが自作したMarble Machine(マーブル・マシーン)という楽器だという。
手動でリールを動かし、鋼鉄の玉の移動により、機械下部に設置された楽器を叩き、音を奏でる仕組みなんだって。
ビブラフォン、ベースギター、シンバルやドラムの音を出すことができるという。
実際に機械楽器を動かしている映像がこちら。

一人で忙しそうに機械を操っているね。
木材に手書きで文字が書いてあったり、ネジを手回しする部分はアナログなのに、プログラミングされて動くところは未来的。
レトロ・フューチャーとでもいったら良いのか、面白いよね!
ウィンターガタンは、この機械楽器を2年かけて制作し、そのプロセスを動画配信しているという。
すでにこの初号機は解体され、2号機も完成しているみたいだね。
ウィンターガタンのサイトには、マーブル・マシーンの設計図が「お代は自由にどうぞ」として、ダウンロード可能になっているよ。
「同じ楽器を作りたい」と思ったら、自作できるんだね!
工学と音楽を組み合わせた斬新なバンドを知ることができて良かったよ。

今回はSNAKEPIPEが、今まで見たことも聴いたこともない楽器を特集してみたよ!
目と耳が刺激されて、とても楽しかった。
世界にはまだ色々な楽器があるので、続きを検討してみよう。
次回もお楽しみに!

ふたりのイエスタデイ chapter24 /LAUGHIN’ NOSE

20240211 top
【ラフィンのシンボル、ニコちゃんマークは永遠ね!】

SNAKEPIPE WROTE:

今回はSNAKEPIPEの青春時代を振り返るカテゴリー、「ふたりのイエスタデイ」にしてみよう。
ご登場いただくのは、日本のパンクバンド、ラフィンノーズ
ヴォーカルのチャーミー、ベースのポンを中心に現在でも精力的にライブを開催している。
活動歴は40年以上とは驚きだよね。
これからもずっと続けてもらいたいよ!

一番最初にラフィンノーズのライブを観たのがいつなのか、はっきり覚えていないけれど、ギターがナオキでドラムがマルだった時代だったことは間違いない。
左に載せた画像は、当時無料配布されたソノシート・レコードで、かつて複数枚所持していたからね。
今では手に入らない物だったのに処分してしまったことが悔やまれるよ。
1985年の新宿アルタにも行ったことを思い出した。(笑)
一体何年前になるんだろう。

有頂天やウイラード、SODOM、リップクリームにキャ→という女性バンドなどのライブを観て興奮していた少女だったSNAKEPIPE。
客同士でぶつかり合うため、ライブの翌日には体のどこかに痣ができていた。
それをまるで勲章のように誇らしく感じていたことが懐かしいよ。

ラフィンノーズは、ポップで明るく、ノリが良いパンクなんだよね。
シンボルマークであるニコちゃんの効果もあると思うけど、親しみやすく一緒に歌って盛り上がることができるライブは格別だったよ。

「Paradise」も大好きな曲!
印象的なイントロが流れると会場は熱気に包まれる。
「Oh,You’re Paradise」は一緒に歌ってしまうね。(笑)
どんどんSNAKEPIPEがノッてきてしまった。
もう1曲歌ってしまおう。

「I Can’t trust A Woman」も盛り上がる曲。
チャーミーのハーモニカが良いのよ!(笑)
「アーイアーイアイ」と拳を突き上げながら歌おう。
当時観たかどうか覚えてないけれど、「Broken Generation」のプロモーションビデオがあることに気付いたよ。
メジャー・デビューした曲だからだね。
Youtubeってありがたいわあ。(笑)

先にも書いたようにSNAKEPIPEにとってのラフィンノーズは、チャーミー、ポン、ナオキとマルの4人なんだよね。
この時代の動画が観られて嬉しいよ!

ラフィンノーズの不幸な出来事を知ったのはニュースだった。
日比谷公会堂での事故が報道された頃には、当時のディスコ「ツバキハウス」のロンドンナイトに熱中していたSNAKEPIPEだったので、ライブから足が遠のいていた。
もしかしたら自分も同じ事故に遭遇したかもしれないと想像して怖くなったことを覚えている。

それからパンク好きの友人ができて、ライブに誘われるようになった。
ラフィンノーズが活動を続けていることを知ったのも、その友人のおかげ。
T君としておこう。
SNAKEPIPE同様、T君も千葉県民。(笑)
千葉駅からほど近い「千葉LOOK」というライブハウスで、ラフィンのライブを観る。
一体何年、いや何十年ぶりだろう?
目の前にいるチャーミーやポンは、少女だったSNAKEPIPEが熱狂した頃と変わらない姿を見せてくれた。
大感激したSNAKEPIPEは、それから再びラフィンノーズのライブに足を運ぶ。

2004年、不幸な事故から17年の時を経て、ラフィンノーズが日比谷公会堂でライブを行った。
T君はじめ、T君のお兄さんやら友人やらと連れ立って、一緒に参戦したSNAKEPIPE。
「ライブのために仕事を辞めてきた」
なんてお客さんもいたほどラフィンノーズが日比谷公会堂に帰ってきた、というのは大きな出来事だったんだよね。
感動的なライブだったよ!

日比谷公会堂の翌年からはROCKHURRAHもライブに参戦するようになる。
千葉の仲間達と一緒にライブ参戦して、そのあとの飲み会が楽しかったなあ。

ラフィンノーズのライブでは、必ず一番最後に演奏する曲がある。
名曲「Get The Groly」だ!
2006年10月の「テーマソング・ベスト3」にも書いているように、「ついつい拳を振り上げてしまう元気になれる曲」なんだよね。
ハードコア・バージョンはCD「LONDON NITE 02」に収録されているよ!
さあ、みなさんもご一緒に!
「ゲッ、ゲッ、ゲッザグローリー!」(笑)

ふたりのイエスタデイ chapter23 /Nina Hagen

20231008 03
【ニナ・ハーゲン・バンドの1stアルバム】

SNAKEPIPE  WROTE:

NHKで放送された「映像の世紀バタフライエフェクト」という番組を録画したまま、ずっと観ていなかったROCKHURRAH RECORDS。
数々のエピソードの連鎖が織り成す歴史的な瞬間を紹介するドキュメンタリー番組なんだよね。
「ベルリンの壁崩壊 宰相メルケルの誕生」を先日やっと鑑賞したよ。
メルケルとは、2005年から2021年までの16年間という長きに渡りドイツの首相だった女性のこと。
ドイツ史上初の女性首相であり、51歳での就任は最年少だったという。
そのメルケルにスポットを当てた番組だったんだよね。
番組の解説を引用させていただこう。

冷戦下の東ドイツ。
抑圧された社会で生きる3人の女性がいた。
見えない将来に絶望していた物理学者のアンゲラ・メルケル。
体制への批判を歌にこめた歌手ニナ・ハーゲン。
デモで自由を訴えた学生のカトリン・ハッテンハウワー。
1989年、政府報道官のひとつの失言から始まったベルリンの壁崩壊は、巨大な嵐を巻き起こし3人の女性の運命を変えていく。
宰相メルケル誕生に秘められた、絶望の中から希望をつかんだ女性たちの物語。

全く予期していなかったニナ・ハーゲンの登場にびっくり!
ニナ・ハーゲンといえば、2009年6月の「個性派女流アーティスト大集合!」や2010年7月の「実物観たよ!80年代ライブ特集」などで書いてきたように、ニナ・ハーゲンの1985年のライブに行っているSNAKEPIPE。
ひゃ〜、今から約40年も前のこととは!(笑)
これまでにも書いてるけど、記憶に残っているのはブラック・ライトに浮かび上がったニナの唇と、レオタードの股間についてたハート(?)みたいな飾りだけ。
それでも貴重なライブ体験をしたことになるんだろうね。
当時、愛聴していたレコードが、トップに載せたアルバムだよ!

YouTubeでアルバム1曲目の「TV-Glotzer (White Punks On Dope)」をかけていると、「それはTubesのカヴァーだね」とROCKHURRAHが言う。
ROCKHURRAHは、ニナ・ハーゲンはほとんど聴いたことがないらしい。
ニナ・ハーゲンの曲だと思っていたのに、元ネタがあったのね!
Tubesってどんなバンドなんだろう?

ジャンルでいうとグラム・ロックになるのかな?
かなり「きわどい」衣装を着け、ロンドンブーツよりも高いヒールを履いて、イメージは「ロッキー・ホラー・ショー」だよね。(笑)
どちらも1975年の作品だから、流行だったのかも?
ニナ・ハーゲン版は1978年に発売されていて、オリジナルを意識しながらもニナ流に歌い上げられていて好きな曲なんだよね!

NHKの番組に話を戻そう。
ニナ・ハーゲンは東ドイツ出身で、1974年に出した「カラーフィルムを忘れたのね(Du hast Den Farbfilm Vergessen)」という曲が大ヒットしたらしい。
19歳だったニナ・ハーゲンが歌うのは「一緒に旅行した彼氏がカラーフィルムを忘れ、記念写真が全て白黒になってしまったことに怒る女性」の気持ち。
ダブル・ミーニングとして「単調で灰色の社会主義東ドイツへの批判」があったという。
サンハウスの「レモンティ」みたいだよね!

女優を目指していたというニナ・ハーゲン、ちょっと演技も入れて可愛らしいね!
発売から約30年経った2003年の調査で、東ドイツの40%の人が歌うことができる曲と判明したとか。
メルケル首相が退任式典で選んだ曲としても有名になったらしい。
「この曲は青春時代のハイライトだった」とコメントしたんだとか。
ドギツイ化粧を施したニナ・ハーゲンのイメージとは違い、国民的な人気がある歌手だったとはね!
NHKの番組で知ることになったことにも驚いちゃうよ。

ニナ・ハーゲンは現在も活動中で、今年のクリスマスにも新曲を発表するらしい。
化粧やド派手なイメージもそのままで嬉しくなるよ。
元気に活動を続けて欲しいね!

ここでお知らせ!
2週間ほど、ROCKHURRAH RECORDS事務所移転に伴い、ブログの更新をお休みする予定だよ。
楽しみにしていてくれる皆様、しばしお待ちください。
移転後にまたお会いしましょう!

俺たちリノベーション組

【こんな風に壁を塗りたくってみたいよ】

ROCKHURRAH WROTE:

ROCKHURRAHとSNAKEPIPEが今現在、最も熱意を持って取り組んでいるのは、築40年を超える古い空き家に移り住むための準備、主に改装に関わることなのだった。

元々賃貸暮らしだったこともあり、改装だとか壁を塗り替えるとかが不可能なのが当たり前。
自分好みの内装の部屋に住むなんて考えたこともなかった2人だが、古い家の片付けが進むにつれて改装が現実的に必要となってきたというわけ。

今までやったこともなかったリフォーム業者の見積もりや工事の具体的な打ち合わせなど、金額がかさばりそうな相談がとても苦手な2人だけど、何とかその辺も乗り越えて工事待ちの日々だよ。
普通のご家庭ではそんなに苦労もしない部分だろうが、ウチの場合は特殊な事情があって、人の何倍もの労力が必要だった。
工事する部分は業者に任せるとして、部屋の壁や天井や床は出来るだけ自分たちでやってゆこうと2人で決意して(大げさ)、いわゆるDIY精神で拙い内装を全力でやっている現状なのだ。

ネックとなったのは今住んでる家じゃないわけだから、DIYに必要な荷物を注文して受け取る時には毎回現地に行かなければならないということ。
住んでるところから比較的遠いし、最近のネット注文は(特に大型商品だからか)到着日や時間の指定が細かくできない場合もあって、届きそうな日にそこで待ち構えていないと受け取れないのが困るよ。
配送業者としても重いものを2回も運ぶの大変だろうから、間違いなく在宅の時に運んで欲しいものなのにね。

そんな前置きでわかる通り、今回はウチが最も興味を持ってるリノベーション、またはリフォームに関係した曲を集めてみたよ。

などと言ってもROCKHURRAHの知ってる70〜80年代のパンクやニュー・ウェイブで、部屋を改装した内容の歌なんかとてもなさそうなので、改装するそれぞれの場所がタイトルに含まれた曲を探してきただけ。
相変わらずインスタントな内容の記事になること間違いなしだな。

ウチがやりたいのは改修工事でも改築でもなくて、単に部屋の模様替えみたいなもの。
大げさにリノベーションなどとタイトルにつけたのが恥ずかしくなるくらいのことしかできないDIY初心者だし、色んなことで思ったより出費が多くてね。
内装ごときにかけるお金がないそうだ、などとつまらんダジャレしか出てこないよ。

で、SNAKEPIPEと家族会議(2回目の大げさ)を行った結果、ウチの内装の方針はインダストリアルな雰囲気を基調としながらも、なぜかちょっとだけモロッカン・スタイルを取り入れようという滅多にない、しかもあまり相性の良くなさそうな組み合わせに決まったよ。
色とか柄とかあまり具体的には書かないが、インダストリアルな内装は元々からの2人の好みだったので満場一致(大げさ、3回目)で決定。
そこにプラスしたモロッコや中東趣味というのは、単にTVの旅番組とかで知って気に入っただけという安易さ。
このアンバランスな組み合わせで、デザインとかインテリアやってる人からは悪趣味と言われそうだけど、要は住んでる人の自己満足の世界だからね。


天井は思い切って賃貸では出来ないペンキで塗りたくってみた。
昔、倉庫の床にペンキでラインを引くというような作業はあったけど、その時は一斗缶に入った塗料と希釈用のシンナーだか何だかを混ぜて液体を作ったな。
やったことないから人がやってるのを見よう見まねで混ぜてみたが、何だか粘り気がなくなりすぎて、塗った後でいつまでも乾かなかったのを覚えてる。
その教訓を活かして今回はお手軽な水性ペンキにしたよ。
壁や床なら何とかなるが、脚立に乗って天井となると姿勢がきつい。
しかも周りは養生したものの、下にボタ漏れペンキが落ちてきて、DIY初心者どころか三流以下の汚しっぷり。
もみあげがペンキで色変わってるのに気づかずに電車で帰ってきた日もあったな。
とりあえず天井は思った通りにペイント出来て満足だよ。

そんな天井への熱意を込めてこの曲をBGMとしよう。
ブラマンジェが1982年に発表した名曲「Living On The Ceiling」だ。
Ceilingはいわゆるシーリングのことね、え?説明しなくてもわかる?
シーリングライトって言葉はあるけど天井のことはあまり英語で言わないな。

ブラマンジェは1979年に結成して80年代前半に活躍したイギリスの2人組ユニット。
この時代はなぜか男2人組という怪しい関係っぽいバンドが数多く存在してて、ソフト・セルにDAF、アソシエイツ、スーサイドにペット・ショップ・ボーイズなどなど、バンドとしては厳密に2人組じゃないのかも知れないけど、ジャケットに主要メンバー2人だけというのが流行っててしのぎを削っていたな。
ブラマンジェもその一端と言える2人組だった。
ライブやレコーディングでは人の力も借りるけど、ちょっとした電子楽器とヴォーカルさえいれば、この時代のニュー・ウェイブ・バンドとして成り立つというのが(当時の)テクノロジーの進歩だったね。

「天井に住む」とはこれいかに?と思えるタイトルだが無機質な演奏と中東やアラブな雰囲気が「インダストリアル×モロッコ風」というウチのコンセプトとピッタリ一致してるね。
実際にはモロッコじゃなくてカイロなんだろうけど細かいことは気にしない。
タイトルや歌詞とビデオの関連性がイマイチわからないが、単にエジプトに行きたかっただけじゃないの?

前にSNAKEPIPEが「ふたりのイエスタデイ chapter09 / Blancmange」でも書いた通り、この曲はシンプル・マインズの「I Travel」をちょっと思わせるしヴォーカルも似た感じ。
シンプル・マインズが大ヒット曲を出して国民的バンドになったのに対し、ニュー・ウェイブという狭い範囲のみで終わったブラマンジェの方が個人的には潔いと思えるよ。
上にいくつか書いた2人組バンドに比べると見た目が微妙でカリスマ性に乏しいけど、そういう「ほどほどなB級感覚」がまたウチらしいな。

実はこの曲じゃなくて彼らがゴミを壊したりペンキをぶちまけるようなビデオの曲があって、話の流れとしてはそっちの方が良かったんだろうけど、今回はタイトルにこだわったからこっちにしたよ。
え?そっちも見たい?

うん、まさにこれに近いことをROCKHURRAHとSNAKEPIPEはやってたわけよ。
ペンキ塗ったりする前はウチが使いそうもない古い家具やモロモロのものを何回にも分けて粗大ごみに出したり。
一度に出せるのが9点までなのでそれ以降はまた予約して別の日にゴミ出しに来たり、そりゃもう結構な苦労だったよ。
前日の夜には出せなくて当日の朝に集積所まで出しに行かないといけないし、住んでるわけじゃないから朝4時に起きてゴミのために現地に行ったりね。
粗大ごみにするかどうか微妙な大きさのものはノコギリで切ったり解体したり、リフォーム以前の段階でクタクタになってしまったというのが最近の2人の日常なのだ。

ビデオの方はペンキがかかったり破片が飛んできたり、結構危険だと思うけど体を張った演技が見事だゴロ(ユン坊)。


天井ふた部屋でペンキも減ってきたし、壁の方はおとなしく壁紙でも貼ろうかということで、これまた初心者である壁紙貼りに挑戦した。
SNAKEPIPEの友人がとっても簡単と言ってたから決めたんだが、結果として言うならこれはあまりROCKHURRAHには向かない苦手な作業となってしまった。

無地だと面白みがないと思って柄物糊付き壁紙というのにしたんだが「破れに強い」などと書いてあるくせに端を持つと壁紙の重みであっという間にビリっと破れてしまう。
ミミなしタイプならまっすぐに合わせればいいんだが、ミミ付きと言われるものが多くて、これだと壁紙の端をちょっと重ねて、柄の合った付近をカッターで切り落とすというワザが必要になってくる。
糊が乾く前なら貼り直しも出来るそうだけど、途中まで1人でやってたもんだから柄は合わないわ、貼り直しで剥がしたらすぐにまた破れるわで、結構苦労したもんだ。
糊が乾く前にやったのがいけなかったのかカッターで切ろうとするとすぐにズルっとなって切りづらい。
だからと言って乾いたら貼り直しできないし、貼ってる途中で電話かかってきて、話してる間に床に落ちてしまうし、一体どうせよと言うのだ?

そしてまた貼ろうとしてる壁面が無駄に複雑な形をしてて、柄合わせのために随分考えたり上下逆さまで失敗したり、貼ってる時間よりも何とか目立たないように修復してる時間の方がかかったという三流なありさま。
糊だらけになりながら悪戦苦闘したが、かさかさに乾いた糊を腕につけたまま(日焼けで破れた皮みたいになって汚い)電車で帰った日もあったな。

どちらかというと器用な方だと思ってただけにこのグダグダさが腑に落ちないな。

そんな壁紙への恨みを込めてこの曲を選んでみた。
1980年に出たエコー&ザ・バニーメンの1stアルバムに収録されていた「The Pictures On My Wall」だ。
1979年にシングルとしてリリースされたデビュー曲なんだが、シングルの時はまだドラムがいなくてリズムマシンと弾き語りみたいなスタイルだったな。
このアルバム・ヴァージョンの方よりも個人的には最初の簡素な方が好きって人も多かろう。

英国リヴァプールでジュリアン・コープ(後のティアドロップ・エクスプローズ)、ピート・ワイリー(後のWah!)と共に音楽活動をスタートさせたイアン・マカラック(日本で色々読み方あるけど80年代はみんなマカラックって言ってたよ)だが、デビュー当初は残りの変幻自在な2人に比べると地味で一本調子な感じがしてたね。
だが結果として、ブレない音楽性でネオ・サイケと呼ばれる音楽の王道に君臨して、日本でも高い知名度があったのがこのエコー&ザ・バニーメンだ。

エコーという会社だか製品名だかのリズムマシンを使ってたからこのバンド名になったと言われていて、ROCKHURRAHもそう信じていたが、実はコルグのMini Popsという機種を使ってたようで、この辺の人の言うことは全く信用出来ないなと思いました。
そう言えば関係ないがオランダにミニー・ポップスというポップス性のかけらもないようなバンドがいたな。
今度はオランダ特集でもやるかな。

さて、このバンドはジョイ・ディヴィジョンの成功に続く大型新人という扱いだったが、この曲の頃はたぶんプロモーション・ビデオがなかったような気がしていたよ。
たぶんオフィシャルな映像じゃないと思うんだけど曲の雰囲気に合ってるようなのでこれでいいか。
波止場でギターという小林旭みたいな映像にファンならば痺れること間違いなし。


この家の床は元々からのカーペットが敷き詰められてて、家具の重みでくっきりと凹んでしまってるし、ウチはカーペットが嫌いなので全部取り替える予定だ。
順序としてこれが正しいのかは不明だが、ROCKHURRAHたちは天井→壁→床という計画にしている。

ペンキが落ちてきたり壁紙の糊がついたりを想定したので、捨てるカーペットは汚し放題で養生もしなかったから、この点は気兼ねなく出来て良かったよ。

過去に住んできた家は大体フローリングだったがパソコンの椅子が置いてある下はダメージがひどく、賃貸なので明け渡す時にいつも嫌な顔をされていた。
多少は学習したので今はタイヤ付き椅子の下だけラグマットを敷いたりしてフローリングを保護しているよ。
リノリウムみたいな床というのも子供の頃からの憧れだったが、滑りやすいということで断念。
フロアタイルみたいなのも探してはみたが、カーペットがどうやらフェルトグリッパー工法というので貼られているようで、釘が出た木の枠が周辺に貼られてて、カーペットの下側にはフェルトが敷き詰められている。
剥がすのはそんなに大変じゃないが、フロアタイルだとカーペットがあった位置よりも床が少し低くなってしまうのが微妙なところ。
もう少し簡単なヤツでウッドカーペットとかクッションフロアとかもあるけど、早いとこ考えて敷かないといけないな。
この辺はまだ実際にやる前の段階なので、天井や壁の時みたいに苦労話も書けない状態だよ。
どうせまた予想と違って苦労するんだろうな。

そんな苦難の予感を込めてこの歌を聴こう。
1980年にマガジンが出した3rdアルバムに収録、シングルにもなった「A Song From Under The Floorboards」だよ。
「床下からの歌」と聞くとホラーな感じがするが、決してそういう歌ではないようだ。

バズコックスの初代ヴォーカリストだったハワード・ディヴォート(シングル1枚のみで脱退)が作った5人組のバンドがマガジン、などと同じようなことを何度書いただろうか?
いつもいつも同じ趣味と嗜好で何十年もパンクやニュー・ウェイブと向き合ってきたROCKHURRAHだから、同じバンドのことばかりブログで語るのも仕方ない。
誰でもそうだろうけどこのジャンルなら何でも好きってわけじゃなくて、やっぱり今現在でも好きな80年代バンドなんてひと握りしかないもんね。

上のエコー&ザ・バニーメンがリヴァプールなのに対して、マンチェスターのパンクやニュー・ウェイブを語る時に絶対に外せないのがバズコックスにマガジン、そしてジョイ・ディヴィジョンなどの伝説級バンドだろう。
どんな歌い方してても滅多に聴き間違えないくらいにとっても印象的な、纏わりつくような歌声と、陰影のある曲調に不気味とも言えるヴィジュアル、要するに妖しさの魅力に溢れたバンドとして君臨してたのがマガジンだった。

ジョン・レッキーにコリン・サーストンなど、ニュー・ウェイブを語る上で欠かせない名プロデューサーによる1st、2ndも傑作アルバムだったが、この3rdアルバムはジョイ・ディヴィジョンを手掛けたマーティン・ハネットによるプロデュースの力もあってたぶん売れたんじゃなかろうか。
などといいかげんに書いたのが不安になって調べてみたら1stアルバムよりも順位がひとつ上がっててUKチャートで28位になってた。さすがマーティン・ハネットの手腕だというべきか?
前の2作よりは明るい曲調が多くなっててハワード・ディヴォートの粘着質な歌声ファンには物足りなかったかな。


今まで実家以外で庭付きの家に住んだことはなかったが、今度は小さい庭がある。
元々は華道をやってたような人の家だったが庭もちょっと和風な感じだったよ。
でもガーデニングの趣味がなく盆栽も嗜まないROCKHURRAHであるし、何年も手入れしてなかったから荒れ放題になってて、枝が伸びて困ってるなどと隣人に言われるので、手入れというよりは徐々に庭をすっきりさせようかと思ってる。センテンス長いな
雑草で荒れ果てた庭は蚊や蟻、毛虫などがいて、特に蚊に刺されるとアレルギーのようになってしまうROCKHURRAHにとっては悩みの種なのだ。
思い切ってチェーンソーなど買って雑草を刈り取ってみたが、しばらくするとまたまた生えてくる。
頭にきて雑草を執拗にチェーンソーで刈ってたら「悪魔のいけにえ」みたいになって怪しさ満点

発想を変えて文字通り根絶やしにする強力な薬品を撒いてみたが、これは確かに効果あった。
がしかし、ひと月もすると草ぼうぼうになってしまってる。
ものすごい生命力だよな。

近未来SFの映画などで瓦礫と化した街とか出てくるけど、実際はそんなになっても雑草だらけになるんじゃなかろうか?と思ってしまうよ。
雑草も生き延びないようなところに人間だけが生き残るはずがない、あのヴィジュアルはウソだね。

庭がなくてもやる気ありゃ出来るんだろうが、そのうちちょっとしたハーブとかでも育てられればいいかもね。
スーパーでいつもいつもは売ってなかったりするのでモヒート用のペパーミントとか、ちょっと買うにはもったいないくらいの食用ハーブがあれば料理の幅も広がって助かるね。

そんな悩み多き庭について歌ったとは思えないが、キュアーの1982年の4thアルバム「Pornography」よりシングルになった曲「Hanging Garden」で締めくくろう。
日本でも「首吊りの庭」というタイトルで83年にリリースされたな。

この時期のキュアーの演奏はいわゆるネオサイケやポジパンと言われるもので、ROCKHURRAHとしては好みなんだが、もう少しはマニアックに音楽を買い集めてゆきたいという見栄で実はあまりレコードを所持してなかったバンドだった。
つまり漫画でロバ夫などと描かれたり、どちらかと言えば暗めの女子ウケするバンドという印象だったから、あまり食指が動かなかったわけだ。
この日本盤シングルはその辺のレコード屋で手に入ったから珍しく持ってる1枚だったな。

聴いた時は演奏も歌もか細いし、あまり好みのバンドとは言えなかった。
だが、ROCKHURRAHも年齢を重ねて変な見栄もなくなったからか、いつどこで聴いてもちゃんとロバート・スミスだとわかるという点では個性のあるヴォーカリストだったんだなと、ちゃんと評価出来るようになってる。
太っても歳とっても時代が変わっても基本的なスタイルが変わらない生き方もいいね


以上、予想通りではあったけどリノベーションとはあまり関係ない内容の歌ばかりになってしまったな。

まだまだこれから塗ったり切ったり貼ったりの予定だらけで、家の大半をイメージチェンジするのだけでも本当に大変だと心から思うよ。まだ住んでないから通うのだけでも大変だからね。
それでも、よりよい環境を目指して何とか頑張ろう。
本業でもこれだけ頑張れれば良かったのだろうがその気は、ない。

ではまた、ビッサラーマ(ベルベル語:モロッコ公用語で「さようなら」)