SNAKEPIPE MUSEUM #62 Paula Rego

20211207 04
【とてもシュールな2005年の作品「Scarecrow and the Pig」】

SNAKEPIPE WROTE:

面白いアーティストはいないか検索を始めてみる。
ROCKHURRAHも一緒に探してくれて、見つけてくれたのがPaula Regoだった。
読み方はポーラ・レゴで良いのかな。
レゴ・ブロックのレゴとは違うスペルだね。(笑)
作品を観てみると、とても面白い!
今回はポーラ・レゴに決定しよう。

どうやら今年ロンドンのテート・ブリテンで、 ポーラ・レゴの展覧会が開催されていたみたい。
そのせいなのか、世界中でポーラ・レゴについての記事が書かれているようだよ。
ROCKHURRAH RECORDSらしい切り口で紹介していこう!(笑)
まずはポーラ・レゴについて調べてみよう。 

1935年 ポルトガルのリスボン生まれ
1945年 カルカベロスのSt Julian’s Schoolに入学
1952年 イギリスのスレイド美術学校に入学
1959年 画家ヴィクター・ウィリング(Victor Willing)と結婚
1975年 イギリスに永住
1989年 ターナー賞候補
2005年 オックスフォード大学から名誉文学博士号を授与される

1935年生まれということは、今年86歳になるんだね!
森美術館で2021年7月に鑑賞した「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力」で紹介されていても良かったアーティストかも。
ポーラ・レゴも現役で作品制作を続けているみたいだしね。 
1960年代と思われる、ポーラ・レゴ本人の画像がこちら。 
まるで女優か歌手のような美貌の持ち主じゃない?
こんなに美しいポーラ・レゴ、どんな作品を制作してるんだろうね。

上の本人画像の背景に近い雰囲気の作品は、1966年の「Self-portrait in Red」。
セルフ・ポートレートというのが、中央右辺りの人物を指しているのか。
全体的に抽象的で、一体何をモチーフにしているのか不明だよね。
遠近法も使用せず、視点がどの位置にあるのかも分からない。
本人と思われる人物も帽子で顔が見えず、靴を片方しか履いていないように見えるよ。 
全体的に不安な印象を受けるけれど、色彩の美しさに見惚れてしまう。
理解することを放棄し、ずっと観ていたくなるよ。

60年代の抽象的な作品から、80年代には別人のような作風に変化しているね。
1987年の「The Little Murderess」は、訳すと「小さな殺意」になるのかな。 
少女が紐を使って絞め殺そうとしているシーンだよね。
隣がベッドに見えるので、寝ている人を殺そうとしているのか。
「犬を殺そうとしている」とはっきり書いている解説も見つけたけど、画面の外なので対象は不明。
その様子をカラフルな椅子で羽を休めているペリカンが見つめている。
なんだかお話ができそうだよね。

こちらも1987年の作品で「The Soldier’s Daughter」、訳すと「兵士の娘」かな。
画面右下に小さく兵士の姿があるよね。
左下には祈りを捧げているように見える女性がいる。
白い鳥を手にしているのが、兵士の娘だろうか。
あらぬ方角を見つめ、鳥の毛をむしろうとしているように見える。
鳥の種類によって話の内容が違ってきそうだよね?
どちらにしてもハッピーエンディングにはならないだろうなあ。

2005年の「War」。
これはロンドンのテート所蔵作品とのことで、詳しい解説が載っていたよ。
どうやらポーラ・レゴは、動物を擬人化してストーリーを展開することが多いんだって。
ここで題材となっている戦争はイラク戦争のことらしい。
血だらけになったウサギは、より一層残酷さが増してくる。
絵の中には、何なのか分からない動物が描かれていて、不気味なんだよね。
強烈な印象を残す絵だよ。

ポーラ・レゴは、1700年代に活躍したWilliam Hogarth(ウィリアム・ホガース)という画家がお気に入りで、多大な影響を受けているらしい。
ホガースは版画家として有名らしく、オマージュとしてポーラ・レゴもリトグラフ作品を制作しているようだね。
1994年の作品「The Crow’s House」は、カラスを不吉の象徴として登場させているみたい。
猫や鳥が気絶(?)していて、コミカルさと恐怖が同時に存在している奇妙な作品だよね。

 彫刻作品も手掛ているポーラ・レゴ。
ちょっと不気味な者たちに囲まれて笑ってるけどね。
アート制作期間は70年近くになっているはずなので、相当な数の作品が存在するだろうね。
今年開催されたテート・ブリテンでの個展はどんなだっただろう。
日本でもやってくれたら、絶対観に行くのにな。
森美術館のキュレーターの方、是非お願いします!(笑) 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です