SNAKEPIPE MUSEUM #37 Joseph Seigenthaler

【自身の作品を使用したアニメーション作品。音楽がpeter gunn!】

SNAKEPIPE WROTE:

ちょっと気になるアーティストを見つけると、ブックマークに入れておくことにしている。
あとになって「あのアーティストのページを見よう」と思っても、もう一度たどり着けるとは限らないからだ。
いや、むしろ辿りつけないことのほうが多い。
特にSNAKEPIPEが検索するのは、海外のアーティストがほとんどなので、スペルを完全に覚えていることはないし、同じ検索ワードで拾おうとしても情報は移り変わっていくからね。

そんなことを習慣にしていると書いたのにも関わらず、何気なく開いたブックマークに見慣れない名前を発見する。
Joseph Seigenthaler
誰だろうと思いながらクリックしてみる。
見てびっくり!
いかにもSNAKEPIPEが好きそうな不気味な立体作品がたくさん載ってるんだもん。
随分昔にブックマークしておいて、そのまま忘れていたようだ。
自分で検索したことすら忘れているとは!とほほ。

それにしてもJoseph Seigenthalerってどう読んだらいいんだろう?
ジョセフ、もしくはヨセフは良いとしてSeigenthalerのほうが問題ね。
同じファミリーネームの人で調べてみると、アメリカのジャーナリストでJohn Lawrence Seigenthalerという方がいて、読み方はシーゲンソーラーだって。
スペル同じだからそれで良いかな?
と思ったら、その方の息子ジョンにはセイジェンタラーという読み方が表記されてる!
親子なのに違う読み方が記載されているとはね!(笑)
有名なのはジョン・ローレンスさんのほうみたいなので、シーゲンソーラーで統一しようか。
アメリカ人なので、Josephもジョセフにしようね。
それにしても全くジョセフ・シーゲンソーラーについての記事が見つからなかったということは、日本で紹介するのはSNAKEPIPEが初めてってことなのかしら?
SNAKEPIPEはどこから見つけてきたんだろうね?(笑)

ジョセフ・シーゲンソーラーについては、自身のHPにもそんなに詳しく載っていなかったので、分かる範囲だけ書いてみよう。
ジョセフ・シーゲンソーラーは1959年テネシー州ナッシュビル生まれの彫刻家/ビデオアーティスト。
1981年にメンフィス美術大学の油絵科を卒業後、いくつかの蝋人形館で働く。
1984年から1986年までセラミック・アートを学び、単位を取得。
ハラルド・ワシントン大学やモンタナ大学でセラミック・アートを教えているという。
自分の作品を使用したアニメーションの制作もしていて、それがブログ1番上に貼ったYouTube。
かなり不気味で良い感じに仕上がっているよね!(笑)
フランス人の画家アン・ギルバードと結婚、3人の娘と共にシカゴに在住し活動を続けているという。

作品はホノルル美術館やシカゴ現代美術館など世界各国の美術館に所蔵されているらしい。

この経歴だけでは、どうして絵を描いていた人が、急に蝋人形館で働くことになったのか分からないんだよね。
平面から立体へ変更するには、何かしらの理由があると思うんだけど?
これはSNAKEPIPEの想像だけど、ジョセフ・シーゲンソーラーはスーパーリアリズムの絵を描いていたんじゃないかな。
もっとリアルに近づけるため、立体に変化していったのではないか、と推測してみたよ。
ジョセフ・シーゲンソーラーの特徴の1つは、スーパーリアルであることだからね。
まるで本物にしか見えない、見事な出来に驚いてしまう作品ばかりなので、推測は正解なように感じるよ。
そしてもう1つの特徴は、その人物が最も醜く見える瞬間を定着させている、ということかな。
上の作品「Busta」(1994年)は、この人物が怒りにかられて怒鳴っているところを表しているように見える。
青筋を浮かべ、鼻にはシワが寄っているよね。
同じ人物の笑顔の瞬間を作品にしても良いのに、ジョセフ・シーゲンソーラーは、あえてこのような醜悪な表情にこだわっているようである。

ダイアン・アーバスの写真に出てくるモデルを、ハンス・ベルメールが制作したような「sisters」は1999年の作品である。
まるでピンヘッドを思わせる頭部、ぽっこり出たお腹。
全裸だけど、何故だか靴は履いている。
そして膝の部分が抜け落ちているのに、立っているように見えるのが一層不気味だよね。
上で吊ってるから固定できるんだけど、ギョッとさせられてしまう。
この作品にモデルがいたのかどうか不明だけど、目の前に生きているように見えるリアルさが怖い!
ジョセフ・シーゲンソーラーの作品は、いわゆる「カルト映画」と分類されている世界観に通じる雰囲気があって、そこが好みみたい。(笑)

日本の小説を思わせる作品もあるんだよね。
左の画像は「Pedestal」、1996年の作品である。
体型だけを見ると「芋虫」だし、テレビ台にされている様子は「家畜人ヤプー」 なんだよね。
どちらの小説もかなり「アブナイ」系なんだけど、それらの作品に近いリアルな立体作品を見ることができるとは!
SNAKEPIPE個人の希望としては、是非とも江戸川乱歩の「盲獣」の世界を制作してもらいたいと思う。
増村保造監督の映画化もなかなか良くできていたけれど、ここまでリアルにこだわるアーティストが作るとどうなるのか興味があるよ。
きっとジョセフ・シーゲンソーラーも好きなはず。(笑)
それにしてもジョセフ・シーゲンソーラーは大学の客員教授もやりながら、こういった作品も制作して発表しているってところがすごい!

上の画像は「Couple」という1993年の作品である。
男性の皮膚全体が赤い発疹で覆われている、アート作品としてはあまり見かけないタイプの人物像なんだよね。
そしてその発疹が奥さん(?)にも進行しつつある経過を表しているんだけど。
上の画像では表情が分からないので、奥さんだけ左に乗せてみたよ。
旦那さんが目を閉じ、もう運命を受け入れたかのような穏やかそうな顔立ちをしているのとは対照的に、奥さんの恐怖の顔!
私もこんな風に発疹で覆われていくの?
いくら夫婦だからって病気を共有し、運命まで共にしなければいけないの?
どうしよう、もう手から腕にまで発疹が伝染してきている!
こわいっ、醜くなりたくないっ!
と思っているように見えるんだよね。
好きだ、愛してると言いながらも、実際にはエゴイズムに支配されている人間の薄さ、のようなものまでも感じてしまうし。
その嘘っぱちをリアルに作る、という矛盾。(笑)
この作品にもモデルがいたのかどうか不明だけど、最初に書いたジョセフ・シーゲンソーラーの特徴である2つ、リアルな醜悪が存分に表現されている秀逸な作品だと思う。

先にも書いたように、もしかしたらジョセフ・シーゲンソーラーについて書いた記事は、このブログが初かもしれないので、間違った読み方や内容があった場合は許してね!
世界にはまだまだ知らない面白いアーティストがいっぱいいるね!
また探していきたいと思う。(いつも通りのワンパターン)
そして探したことを忘れないようにしないと。(笑)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です