SNAKEPIPE MUSEUM #60 Nicolas Bruno

20210425 11
【この作品を観て寺山修司の映画を連想してしまったSNAKEPIPE】

SNAKEPIPE WROTE:

今回のSNAKEPIPE MUSEUMはNicolas Brunoを紹介しよう。
読み方はニコラス・ブルーノで良いはずだよ。
一枚の写真を観た瞬間から「好き!」と感じたんだよね。(笑)
ニコラス・ブルーノの経歴を調べてみよう。

1993 ニューヨーク州ノースポートに生まれる
2011〜 Instagramに写真の投稿を始める
2015 ニューヨーク州立大学パーチェス校において写真のBFAを取得

1993年生まれということは、現在28歳という若い写真家だね。
現在は広告写真家として雑誌で活躍しているという。
本人のサイトにも、ほとんど情報がないので、分かったのはこれくらいなんだよね。
作品の成り立ちについての情報はインタビュー記事などで確認できたので、作品と共に紹介していこう。

ニコラス・ブルーノの作品の特徴を一言で表すと「恐怖」だろうか。
安眠していたはずのベッドが、何者かに引きずられ川に沈んでいくシーン。
パニックになりながら、少しでも地上に向かい這い上がろうとする男。
襲われている男こそ、ニコラス・ブルーノ本人なんだよね。
15歳の頃から連日のように金縛りを経験し、不眠症になったというブルーノ。
そのうち「うつ病」になってしまったという。 
浅い眠りの間に見た夢をノートに記録し、それを写真にした作品なんだって。

作品作りが自らの治療になったと語るブルーノだけど、こんな夢を毎日見てたら怖いよね?
感じている恐怖を視覚化して認識し、相手にも伝えることで、恐怖に打ち勝つことができたということなのかな。
ブルーノにとっての悪夢が、作品になると魅力的に映るのは皮肉だけどね。
男女が椅子にくくりつけられ、下から伸びる白い腕がロープを掴み引っ張っている。
上の作品と同じように謎の誰かによって、水に沈んでいく恐怖だよね。
それにしても、この水たまりから腕だけ出す撮影はどうやったんだろうね?

縛られて的にされているブルーノ。
周りには、「かかし」が矢で射られ、転がっている。
自分も「かかし」と同じような目に遭うんだろうか。
頭から布をかぶせらているので、相手がどこを狙っているのか見えない。
矢を構え、弓の弦がきしむ音が聞こえてくる。
自分の鼓動も大きく聞こえてくるだろうね。
とても怖い夢で、目覚めた時には「生きている」と安堵しそう。

逃げる夢も恐怖だよね。
何者かに捉えられ、椅子に縛り付けられた状態。
またもや頭には布がかぶせられている。
追ってくる男2人に拉致されて、隙を見て逃走したというところか。
前が見えず、両腕が自由にならない状態が、金縛りを表しているよね。
ブルーノの作品は、モデルや小道具の使い方はもちろんのこと、構図の見事さや色合いなどがパーフェクト!
風変わりなセルフ・ポートレートだよね。

孤独の恐怖もあるよね。
気付いたら自分1人だけになっていた、という悪夢。
周りにあるのは骸骨?
近い将来、自分も同じ状態になるんだと見せつけられたら、 その時を待つしかない。
あがいても別の選択肢はない、と諦念する。
ブルーノは、子供時代に何かあったのかなと想像してしまうね。
小道具を多く使っていないのに、効果的な作品だよね。

男が指示を出す。
3人のうちの誰かが、この縄にかからなければならない。
どんな方法でも良いから、1人決めるように。
こうしたシチュエーションでは、「何故」や「どうして」といった疑問は省かれるのが常だ。
ブルーノは3人のうちの1人になっているのか、単なる傍観者か。
この作品も4人のモデルと縄以外は、見事に朽ちた壁以外ないのにもかかわらず、物語が完成しているところが素晴らしいよ!

ニコラス・ブルーノの最新作は「ソムニアタロット」というシリーズ。
タロットカード78枚の実写版を作成する、というもの。
小道具などの準備も大変そうだけど、面白い企画だよね。
1年間で完成させたというから、頑張ったね!
画像は「吊るされた男」だね。
ブルーノ自身が逆さ吊りになったらしいよ!
めまいが起きないか心配だった、なんてインタビューに答えてる。
根性あるなあ、ブルーノ!(笑)

こちらは「死神」。
軍旗を掲げ、白い馬にまたがる死神は、疫病をもたらす存在としてカードに描かれているらしい。
ブルーノの作品では、邪悪というよりは静寂を感じるね。
一回の撮影で3枚を目標にして完成を目指していた、と記事にあったよ。
小道具や衣装などを作り、天候に左右されながらの作品作りというと、まるで映画の撮影みたいだよね。
そう考えると、布の使い方がターセム・シン監督作品に近い雰囲気に見えてきたよ!

こんな作品が78枚展示されていたら、圧巻だよね!
どこかの美術館で企画して欲しいよ。
ニコラス・ブルーノはタロットの次に、どんなシリーズを展開するのか。
これからも注目の写真家だね! 

マーク・マンダースの不在 鑑賞

20210418 top
【いつも同じ構図でスミマセン!】

SNAKEPIPE WROTE:

2019年5月に鑑賞した「百年の編み手たち〜ただいま/はじめまして」 で、恐らく「はじめまして」だったオランダ人アーティスト、マーク・マンダースの作品は、今でも強く印象に残っている。

かなり犯罪めいた雰囲気で、ドラマ「ハンニバル」の殺人現場を思い出してしまう。

そんな感想を書くほど、怖い作品だったんだよね!
東京都現代美術館でマーク・マンダースの個展が開催されることを知り、ワクワクした。 
タイトルは「マーク・マンダースの不在」だって。
その意味について解説が載っているので、転用させていただこう。 

架空の芸術家として名付けた、「マーク・マンダース」という人物の自画像を「建物」の枠組みを用いて構築するというもの。
その建物の部屋に置くための彫刻やオブジェを次々と生み出しインスタレーションとして展開することで、作品の配置全体によって人の像を構築するという、きわめて大きな、そしてユニークな枠組みをもつ世界を展開しています。
タイトルにある「不在(Absence)」は、インスタレーションに見られる時間が凍結したような感覚や静寂、既に立ち去った人の痕跡、作家本人と架空の芸術家との間で明滅する主体など、マンダース作品全体の鍵語として複数の意味を担うものですが、それはまたこの建物が作家の不在においても作品として自律的に存在し続けるものの謂いでもあるでしょう。
(展覧会サイトより抜粋)

長文になってしまったけれど、マーク・マンダースというアーティストを知る手がかりになるんじゃないかな?
SNAKEPIPEが架空の美術館に展示するための作品を集めるという企画である、当ブログの「SNAKEPIPE MUSEUM」に近い発想といえるのかも。
マーク・マンダースについてもう少し調べてみよう。 

1968 オランダ生まれ
1988〜92 アーネムのHogeschool voor de Kunsten(アーネム市芸術大学)で芸術を学ぶ。
最初にグラフィック・デザイン、次に作家を目指したという。
自身のスタジオを始める
1992 アート&パブリックスペースのカテゴリーにおいてDutch Prix de Romeの2等賞を受賞
1998 サンパウロ・ビエンナーレに参加
2002 ドクメンタ11に参加
2010 Dr.A.H.ハイネケン芸術賞を受賞
2013 ヴェネツィア・ビエンナーレに参加

1968年生まれなので、現在52歳。
1986年から「建物としての自画像」というコンセプトで、彫刻やオブジェを制作しているというので、かれこれ35年間になるんだね。
80年代を経験した人ということで、同志と呼ばせてもらおう。(笑)
世界各地で個展を開催し、現在はベルギーを活動拠点にしているという。
マンダースの個展、とても楽しみだよ!

久しぶりに晴れた風の強い日、長年来の友人Mと待ち合わせる。
気温も低く、冬に逆戻りしたような寒さに驚いてしまう。
初夏を思わせる陽気の3月を経験した後だから、尚更だよ。
友人Mはあまりの寒さに3回、着替えて用心したらしい。
SNAKEPIPEも友人Mも寒がりなんだよね。(笑)
現代美術館に到着すると、入り口に観慣れない彫刻を発見!
「これ、マンマンのだよね?」
友人Mは、いつの間にかマンダースのことを「マンマン」と呼んでいるよ。(笑)
「2つの動かない頭部」というブロンズ彫刻は、表と裏で顔が違っていた。
明るい日差しを浴び、木場公園の新緑を背景にした彫刻は、とても良かったよ!

撮影を終えて、入場する。
この日は行列もなく、すんなりチケットを購入。
空いてて良かったよ!
マンダース展は、一部作品の撮影が可能とのこと。
どんな作品が待っているのかな?

マンダースの代表作とされる2010-11年の作品、「マインド・スタディ」。
遠景で観ると分かるように、ロープを張った微妙なバランスの作品なんだよね。
両腕と片足がもがれ、残った1本の足を思い切り突っ張らせて、ようやく立つことができそうだよ。
人物のアップも載せてみよう。
顔立ちは穏やかというより無表情。
恐らくマンダースは子供時代、何かしらの適応障害だったんじゃないか、と予想する。
周りに馴染めず、読書や絵を描くなど一人の時間を多く過ごしていたように思える。
孤独感や精神的に追い詰められた様子を、この作品から感じたSNAKEPIPEだよ。

2014-18年の作品「黄色と青のコンポジション」。
今回展示されていた作品に多く観られたのが、この黄色い板(?)が左目から頬に埋め込まれているもの。
何かの抑圧を意味しているのかな、と思ったのは作品が「自画像」だと知ってからだよ。
作家本人を表しているのでなければ、狂気の犯罪者になってしまうからね。

1992-93年作の「狐/鼠/ベルト」は、床に置かれた作品だった。
動物がこの状態でいるということは、恐らく死んでしまった状態だと思うけれど、とてもかわいらしかったんだよね。
どうして鼠がベルトで固定されているのか?
鼠がマンダースで、なんて想像は陳腐と言われてしまうかな。(笑)

東京都現代美術館の「ただいま/はじめまして」の展示も、薄いビニールで仕切られた空間に、ポツンと作品が展示されていたんだよね。
今回も作品ごとにビニールの仕切りがあり、次のスペースに行くまで、 どんな作品が待っているのか分からないようになっている。
ビニールを抜けて目に飛び込んできたのが、この4体の彫刻だった。
観た瞬間に「うわっ」と声を出してしまうほどの大きさと迫力!
巨大な仏像が目の前にあるような感覚だよ。
そしてこの彫刻も左目に黄色い板が埋め込まれているんだよね。

2019年に鑑賞して怖かった作品「椅子の上の乾いた像」。
東京都現代美術館が所蔵している作品なので、当然ながら東京都が購入した、ということになるんだろうね?
現在東京都民のROCKHURRAH RECORDSなので、アートに関することに税金使ってくれるなら喜んで払いますとも!と両手を挙げて賛成するよ。(笑)
そしてやっぱりこの作品は、犯罪っぽく見えたんだよね。

まるで「ブレードランナー2049」に出てきたような巨大な頭部の彫刻作品。
タイトルは「乾いた土の頭部」で、2015-16年の作品だよ。
この作品も大きさがあるので、インパクトが強いよ。
SNAKEPIPE MUSEUMに展示して、ブレード・ランナーごっこしようかな。(笑)
この作品が中庭にあったら嬉しいだろうな。
早速価格交渉してみよう!(うそ)

「wrapped in plastic」な状態の作品「黄色い鉛筆のある土の像」を観て、真っ先に頭に浮かんだのはアメリカのTVドラマ「ツイン・ピークス」のローラ・パーマー!
ビニールからはみ出たブロンドヘアは、絶対ローラだよ。(笑)
きっとマンダースも観て、ファンだったに違いないと勝手に解釈する。
そしてツイン・ピークスの迷宮のような謎に、SNAKEPIPEや友人Mと同じように喜んだだろう、と想像する。
同志、と書いたのはそんなこともあったからなんだよね!

この作品を観て「欲しい!」と2人で声を出してしまう。 
「黄色い縦のコンポジション」は、木の間に切断された頭部がはさまっている。
不気味さと美しさが混在している作品なんだよね。
「こんなブックスタンドがあったら良いのに」
友人Mがいう。
確かに、本棚にこの作品があったら素敵だろうね!
本を探す度に、ギョッとしそうだけど。(笑)

大量のドローイングは非常に気になった作品群だよ。
頭に浮かんだヴィジョンを即興で描いた、という雰囲気の作品に見えたけど?
このエリアも「かなり犯罪めいた」タッチで怖いんだよね!
「ヴァニラ画廊の『シリアルキラー展』に展示されてもおかしくないよ」
2016年に友人Mと鑑賞した、本物の(?)シリアルキラー達が描いた作品が展示されていた企画を思い出したんだよね。
マンダースも内に異常性や残虐性を秘めているんだろうか。
ドローイング群は撮影できなかったので、この作品はSNAKEPIPEの撮影じゃないのが残念!

「調査のための居住」(だったと思う)も、色鉛筆やカセットテープが床に直置きされていた、撮影禁止の作品だった。
カセットテープというところが、やっぱり同志!(笑)
TDKのカセットを見て嬉しくなってしまう。
「the cureのPornographyって書いてあるよ!」
友人Mがすかさずカセットテープを確認する。
1982年に発表されたザ・キュアーの「ポルノグラフィ」を、マンダースも聴いてたんだね!
マンダースが同時代に、似た傾向の音楽を聴き、恐らく同じように感じていただろうと思うと、より一層親近感が湧いてくる。
素晴らしい展覧会なので、ROCKHURRAHと一緒にもう一度鑑賞しよう!(笑)

映画の殿 第43号 エクストリーム・ジョブ

20210411 top
【盗聴している麻薬班の5人。このシーンも大笑いしたよ!】

SNAKEPIPE WROTE:

ROCKHURRAH RECORDSでは、週に2本程度の映画を鑑賞している。
以前はレンタルを利用し映画を楽しんでいたけれど、最近はご無沙汰になってしまった。
Netflixの中で映画を見つけて観ることが多くなったのが理由だよ。
ただ残念なことに、Netflixには例えばTSUTAYAやGEOでの新作映画となっている作品は入っていないことがほとんど。
Amazonプライムなどでは、新作は別料金を払って鑑賞が可能だけれど、Netflixは定額なので難しいんだろうね。

今回久しぶりにレンタル店に足を運んだのは、どうしても観たい映画があったから。
2021年1月に書いた「映画の殿 第42号 サイコキネシス -念力-」で主役を務めたリュ・スンリョンの作品が気になったんだよね!
変顔連発のスンリョンに魅了されたので、他の映画も観てみたい。
タイトルは「エクストリーム・ジョブ(原題:극한직업 2019年)」で、韓国の歴代興行収入1位を記録したアクション・コメディだという。
Netflixで公開される気配はないので、早速レンタルして観ることにする。
まずはあらすじを書いてみよう。

ひょんなことから大人気フライドチキン店を経営することとなった麻薬捜査班の姿を描いたコメディ。
忙しく走り回りながらも、思うような実績を積めずに解散の危機を迎えている麻薬班。
国際犯罪組織の国内麻薬密搬入情報を入手したコ班長は、チャン刑事、マ刑事、ヨンホ、ジェフンの4人のチーム員たちとともに潜伏捜査を開始する。
24時間監視のため、犯罪組織のアジト前にあるチキン屋を買い取り、麻薬班メンバーによるチキン屋稼業をスタートさせるが、絶対味覚を持つマ刑事の隠れた才能により評判が広まり、チキン屋は捜査にも手が回らないほどの大人気店となってしまう。
そんなある日、麻薬班に捜査の絶好の機会が訪れるが……。(映画.comより)

続いてトレーラーね。

あらすじやトレイラーで分かるように、かなりハチャメチャな展開だよね。(笑)
これは期待しちゃうよ!
※ネタバレしていますので未鑑賞の方はご注意ください

実績をあげられず解散危機に瀕している、麻薬班のコ班長を演じる我らがリュ・スンリョン。
冒頭から情けない捜査状況で、こんな顔をしているよ。(笑)
ダメダメ男役がウィル・フェレルに負けないくらい似合っているんだよね!
もしかしてSNAKEPIPEは、こういうタイプの役者が好きなのか?(笑)

麻薬班の紅一点、チャン刑事。
男勝りの性格で、女らしさが全く見えない役どころ。
演じているイ・ハニは、元ミス・コリアでミス・ユニバースで4位になるほどの美貌の持ち主で、しかもソウル大学校大学院国楽科卒業だというから驚いちゃうよね。(笑)

かなり個性的な顔立ちをしたマ刑事。
麻薬班の予算をギャンブルに使うなど、お荷物的存在のよう。
マ刑事の実家が焼肉店だったことが、チキン屋を成功させるヒントになるとはね!
特技があって良かったよ。(笑)

麻薬班の中で一番真面目なキム・ヨンホ刑事。
他の4人がチキン屋で奮闘している時にも、一人で捜査を続けている。
こういう人がいないと、金儲けに走りがちな麻薬班が正気に戻らないもんね。(笑)

一番若いキム・ジェフン刑事。
姓にキムが多いんだね。
2000年の調査によれば、韓国の全人口の2割がキム姓だとwikipediaに書いてあったよ!
ジェフン刑事は真面目な性格で潜入捜査にも積極的に取り組む。
職安前でサクラとして監視していたせいで、他の職探しの人たちに混ざって建設現場に送り込まれることまでやるとは熱血過ぎだよね! 

監視対象の人物がいるビルの前にあるチキン屋で張り込みする麻薬班。
張っているのがバレバレなこの行動からも、いかにダメなチームなのか分かるよね?
そしてこのチキン屋が店をたたむ話をしたことから、ここで商売を始めるという展開に!

誰がチキンを揚げるのかを決めるための試食会。
紅一点のチャン刑事は、以前にもひどい料理を振る舞った経験があることも明かされる。 
そしてマ刑事のチキンが最高という結果になるから驚き! 
実際にお客さんが入店し、即興で味付けタレを作ったことが大成功になってしまうんだよね。(笑)
その味のレシピが公開されていたので、転記させてもらおう。
・醤油(75ミリリットル)
・砂糖(65グラム)
・味の素(1.25グラム)
・胡椒(2.5グラム)
・水あめ(3.75ミリリットル)
・食用油(7.5ミリリットル)
・ごま油(5ミリリットル)
・チリパウダー(3.25グラム)
・玉ねぎ・長ネギのみじん切り(43.75グラム)
・にんにく(18.75グラム)
・コーラ(31グラム)
これを混ぜて、揚げたチキンに絡めるんだよね。 
実はこれ、カルビのタレなんだって。
ということは焼き肉にも応用可能ってことなので、試してみたいよね!(笑)

カルビのタレを思いついたマ刑事の発言を聞いたスンリョンの変顔。
「サイコキネシス」の時ほど、顔芸が出なかった今回の映画だけど、ところどころに発見することができて笑ってしまう。
期待を裏切らないスンリョンに拍手を贈りたいね。(笑) 

カルビソースの唐揚げは大人気になって、行列ができる店になってしまう。
本来の目的である監視はそっちのけで、商売するだけで精一杯の麻薬班なんだよね。
こういう発想を映画にするところがすごいなあ!
「もし〜だったら面白いよね?」という話、韓国映画やドラマでよく観るんだけど、アイディアを形にする力がある国なんだろうね。

監視対象のイ・ムベ。
麻薬を扱う犯罪組織のボスで、麻薬班が尻尾をつかむために必死になっている大物なんだよね。
イ・ムベを逮捕できたら麻薬班を存続することができる! 
さすがにボスなので、頭が切れるしブレーンもいるから難しいんだよね。

麻薬組織に属しているようには見えないブレーンの人物。
名前が分からなかったのが残念。
普通のサラリーマンにしか見えないのに、犯罪に手を染めているところが恐ろしいよね。
この人のアイディアで、チキン屋が知らぬ間に悪の手先となってしまうとは!

途中にすったもんだがあり、危機を脱して最終的に麻薬班は犯罪組織を撲滅する。
画像は表彰されてるところね。
ダメダメのチームが勝利する、というのはウィル・フェレルの黄金パターンと同じなんだけど、やっぱりスッキリするよ。(笑)
「エクストリーム・ジョブ」は、麻薬班の5人のキャラクター設定が良かったことと、チキン屋の繁盛という発想の面白さが際立っていたね。
笑ってしまうシーンも多かったので、お勧めの映画だよ!(笑)

ROCKHURRAH紋章学 ナイフ・メーカー・ロゴ編

【ナイフといえばマック・ザ・ナイフ。弘田三枝子バージョンね!】

SNAKEPIPE WROTE:

ROCKHURRAH RECORDSでは、最近ホームベーカリーを使用して自家製パンを作っている。
決められた分量の小麦粉や塩などを容器にセットしてスイッチを押すだけ、という手軽さ。
「作っている」と自信満々で言えるほどのことはしていないんだけどね。(笑)
安全な材料を使い、自宅で焼き立てパンを食べることができるのは嬉しい限り。
簡単で美味しいパンに夢中だよ。(笑)

パンは1.5斤なので、食べる際にはカットする必要がある。
所持していたパン切り包丁は、「包丁5本セット」の中に入っていた思い入れのないもの。
焼き立てパンをうまく切ることができず、パンくずがボロボロ出てくるんだよね。
断面も美しくなくて、せっかくの美味しいパンが台無し!
一大決心をして、パンを切るのに特化したブレッド・ナイフを購入してみた。
今までパン切り包丁と書いていたものを、わざわざ「ブレッド・ナイフ」と変更したところに特別感がにじみ出ているよね。(笑)
このブレッド・ナイフ、そこまでお値段が高いものではないのにもかかわらず、切れ味最高!
パンくずが出ることもなく、ストレス・フリーで大満足。
より一層美味しく食べることができて良かった。

今回は、ナイフ・メーカーのロゴを特集しよう。
Amazonのカスタマー・レビューみたいな前振りが長過ぎたね。(笑)

最初に紹介するのは、ドイツのZwilling J. A. Henckels AG(ツヴィリング J.A. ヘンケルス)。
調べて初めて知ったけれど、創業は1731年というから、およそ300年の歴史があるメーカーということになるんだね!
日本は江戸時代で、暴れん坊将軍、徳川吉宗の時代だよ。(笑)
その頃にこの双子マークを商標登録していたというから、驚いてしまうね!
ROCKHURRAH RECORDSが愛用している爪切りと同型タイプの画像を載せてみたよ。 
画像はツヴィリングの爪切りなので、マークが双子なんだよね。
ウチにあるのは、ヘンケルスブランドなので、マークには1人しかいないの!
お値段の違いが、明確化されているとは知らなかったよ。(笑)
リーズナブルとはいっても、爪切りとしては高額だったけどね。
さすがにヘンケルス、よく切れるよ!

 続いては蝶マークのBenchmade(ベンチメイド)。
創業は1979年というアメリカのメーカーなんだよね。
蝶をみて想像できる通り、バタフライ・ナイフで有名だという。
ベンチメイドがオレゴン州を拠点にしているのは、オレゴン州がナイフに関する法律が緩めだということらしい。
ベンチメイドのサイトには、アウトドアやタクティカルな目的で使用する動画が載っている。
ナイフが必需品という場面がたくさんあることが分かるね。
こんなに美しいバタフライ・ナイフを見ると、意味もなく欲しくなってしまうよ。
実はROCKHURRAHもSNAKEPIPEも、かつてバタフライ・ナイフを持っていて、素早く刃先を出す練習をしていたことがあるんだよね。
あれは一体いつのことだったろう。
そしてあのナイフはどこにいってしまったのか。(遠い目)

蝶の次は馬だよ!
Rick Hinderer knives(リックヒンダラー ナイブス)は、米国オハイオ州のナイフ・メーカー。
どうやらリック・ヒンダラーは、最初に芸術性の高い美しいナイフを制作していたらしい。
消防士だったリックは、レスキューダイビングチームに加わった後、実用性とデザイン性を兼ね備えたナイフを作り始めたという。
確かに持ちやすそうで、レザーのケースもオシャレ!
ブレードの滑らかなラインも美しいよね。
切れ味も良さそう。
どうしてロゴが馬なのかは、分からなかったよ。

アメリカのSpyderco(スパイダルコ)は蜘蛛をモチーフにしたロゴだね。
2012年9月の「がっちりBUYましょう!vol.7 衝動買いツール編」で、ROCKHURRAHがこのメーカーについて触れている。
スパイダルコのスパイダーレンチが入手できなかったため、レザーマンの商品を購入したという。
載せた画像が、そのスパイダーレンチ。
確かに意味もなく、欲しくなるデザインだよね!
今でもROCKHURRAHにとって憧れのブランドだって。
見つけたらプレゼントしようかな!(笑)

Microtech Knives(マイクロテックナイブス)もアメリカのメーカーだね。
ロゴに使用されているのは、鷲の爪だという。
色合いのせいか、家紋のように見えてしまうよ。(笑)
鷹のマイクロテックは飛び出すタイプのタクティカル・ナイフが主流らしい。
空から急降下して獲物を素早く確保する鷲の爪をイメージに使用するのも納得だね!
なんだか持っているだけで強くなった気分になれそうなナイフじゃない?
黒色のナイフ、カッコ良くて欲しくなってしまうね。
残念ながらマイクロテックのナイフは日本では銃刀法違反に当たるようで、入手することはできないみたいだよ。
余談だけど、マイクロテックのサイトデザインが、ロシア構成主義っぽい色合いだったのも良い感じだね!

次に紹介するのはイタリアのViper(ヴァイパー)。
ここまで蝶、馬、蜘蛛、鷲と来て、ついに蛇だよ。 
蛇は蛇でも、SNAKEPIPEとは違って、毒蛇らしいので注意が必要だね。 (笑)
ヴァイパーは、1987年にイタリアの刃物の産地として有名なマニアーゴに設立されたという。
様々なラインナップがあるけれど、載せた画像は「Classic 4000 – Damasco」というシリーズ。
どうでしょう、この芸術的なナイフは!
コレクション用なのかもしれないけど、うっとり眺めていたくなる逸品だよね。
さすがイタリアという気品にあふれているよ。
画像に、チラッと葉巻が置いてあるのもダンディズムの証だろうね。
毒蛇のイメージとはちょっと違うようだけどね?

Al Mar Knives(アルマール ナイフ)は印鑑がロゴに入っているので、日本製かと思いきやアメリカのメーカーなんだよね。
中国からの移民でアメリカで生まれたAlfred Clark “Al” Marが、1979年に設立したという。
中華系だから漢字の印鑑を使用したんだね。
1979年から2019年までは、岐阜県関市でナイフが製造されていたらしい。
創業者アルマールが、元グリーンベレー隊員ということで、タクティカル系が得意なんだね。
重厚な雰囲気が素晴らしい!
SNAKEPIPEが持つにはゴツ過ぎるけど、惚れ惚れするデザインだよ。

最後はこちら!
MCUSTA(エムカスタ)は日本のブランド。
上のアルマールが製造していたのと同じ、関市にあるメーカーだという。
印鑑を使用したロゴも似た雰囲気だよね?
載せた画像は「三昧」というシリーズの限定版で「朱雀」だって。
美しさに圧倒されてしまうよ。 
すでに完売しているとのことだけど、和風の美しいデザインは海外でも大人気なんじゃないかな?
いつか手に入れてみたいものだよ。

今回はナイフ・メーカーのロゴを特集してみたよ!
海外では動物モチーフが多いことが分かって面白かった。
またロゴ・デザインを探してみよう。
次回も楽しみに待っていてね!