【不気味なアートワークで有名なCRASS一派、ルディメンタリー・ペニ】
ROCKHURRAH WROTE:
この「 がっちりBUYましょう!」というシリーズ記事はROCKHURRAHとSNAKEPIPEが買った逸品を紹介するという、割とどこにでもありそうな企画。
しかし「また同じようなの買ったの?」と人に呆れられてしまうような買い物ばかりなぜか紹介してしまう傾向にあり、大した買い物をしないから更新頻度も非常に少ない。およそ年に1〜2回くらいしか記事を書いてないな。
服自体はこれまた人が呆れるくらいに買ってて、大半が服ばかりというひと部屋さえあるような我が家なのに、紹介出来そうな品が特にないんだよな。
前回は珍しく夏場にミリタリー系スリングバッグを買ったという話を書いたけど、その前は大体クリスマス・シーズンにお互いのプレゼントとして買ったようなものばかり書いてきた。しかもクリスマス・プレゼントには不似合いなミリタリーやタクティカル系のものばかりという内容。
今回も実は同じパターンなのでまた呆れないようにね。
今年の秋のこと、去年買ったレディース用ソフトシェルのパーカがとても使い勝手が良いので、別の色のをまた欲しいとSNAKEPIPEが言い出したのが発端だ。
毎回同じような事を書いてるが、ソフトシェルとは撥水加工された伸縮するポリエステルを素材として作られた衣料のこと。
どんな動きをしても伸びが良いし、大体裏側がフリースのような起毛素材になっているので、ある程度の保温性もある。
ゴアテックスなどと並んでアウトドアやミリタリーの世界では結構前からこの素材を使ったアウターが定番になってるんだが、近年は普通のアパレル・ブランドもこういう素材を使い出したから、昔に比べたら知名度も上がってきてるのかな。
ミリタリーの衣料ではどこのメーカーでも冬場の主力商品としてソフトシェルを出してるのが近年では当たり前になっているが、どこのメーカーも機能や色、デザインがとても似通っているのが現状。
正直言って、10着同じ色のを並べたらどれがどこのメーカーなのか区別つかないものも多い。
昔は元祖的な存在としてアメリカのT.A.D Gear(Triple Aught Design)が出したStealth Hoodieというジャケットがあり、他のメーカーはこのデザインに追従した、というかパクリにしか思えないものばかりだったなあ。
ROCKHURRAHが最初に買ったのもこの手のデザイン。
最近は各社とも独自の研究が進んで、多少は個性も見えるようにはなったが、それでも軍で使うとなるとデザインよりは機能が優先するのが当たり前。ここにこういうものを入れるポケット、それが誰でも必要な時にすぐ取り出せる位置というのは大体決まってるからね。
前にも書いたがSNAKEPIPEのような女性でも着れるピッタリサイズのソフトシェルも海外ではたぶん出ているはず。しかし日本ではほとんど需要がないからか、レディース・サイズを輸入しているショップは滅多にない。
そんな中、本当にちゃんと日本女性用として作られたのが日本のメーカー、サブデュード(SUBDUED)のBELLATRIX JACKETだった。
ミリタリー・ショップの大手、ファントムが手がけたオリジナル・ブランドらしい。
この女性用ソフトシェルについてはウチの過去の記事でも紹介してるから興味ある人は参考にしてね。
前は黒のBELLATRIX JACKETを買ったから今度は色違い、と言ってもフォリッジグリーン(オリーブドラブより薄く明るい緑色)かコヨーテブラウン(砂漠に出陣する系の衣料で良く使われているな)しか選択肢がないけど。
しかしネットで見る色と実際は違う場合が多いから、実物を見に行ってみようということで発端の文章にやっと戻ることが出来た。
ウチから一番近いファントムは秋葉原に二軒ある。夏場にマグフォースのリュックか他のどれにするか迷った時に行ってるんだけど、その時は暑くてもソフトシェルがわんさか売ってたのを横目で見てたはず。
ここだったら一年中アウターが当たり前に売ってると思って安心してたんだよね。
しかし10月くらいに行ったら、似たような他社のソフトシェルは売ってるのにサブデュード商品はなぜか皆無だった。がびーん。
店の人に聞いたらもう全然在庫がなくて、もう少し寒くなったらまた入荷するんじゃないですかねぇ、などと当たり前なこと言われて予想外だったのでトホホな状態で帰宅した。
他のソフトシェルだったら他店でも探せるがサブデュードはファントム以外では手に入らないからなあ。
実はSNAKEPIPE着用のもの以外で、ROCKHURRAHが男性用のソフトシェルをやっぱり買いたくて探してて、それと一緒に買おうという話だったのだ。
メンズの方はGRIFFIN JACKETという名称で出してて、レディース仕様とちょっと違う作りになってるもの。しかし全体的な雰囲気は同じで、ミリタリー系のアウターとしてはかなり細身なところが気に入ってた。
去年クリスマス・プレゼントで貰ったプリマロフトの中綿入りジャケットは大層暖かくて冬場には最強の威力を発揮したものだ。今年の真冬の外出も全く怖くない。それを買った時にこのGRIFFIN JACKETも試着してみて、よく似合ってたから次の機会に買おうと狙ってたのだ。
「一緒に買えばいいのに」と言われたけど、いつでも買えると高をくくってその時は買わなかった。で、欲しくなった時に行ってみたら品切れになってたというありがちなエピソードを延々と書いてしまったよ。よほど悔しかったと見える。
それからかなりマメにサイトをチェックしたけど、結構寒くなっても全然今年の入荷はない模様。もしかしたら作ったけどあまり売れなくて、もうやめたのかな?などとメーカーが聞いたら怒るような想像までしてしまったよ。
なくなってたのはメンズの方だけでレディースの方は一応SNAKEPIPEの欲しい色とサイズがあったから、試着せずにフォリッジグリーンのをネットの方で購入。
ミリタリーでレディース仕様というのは日本では需要も供給もかなり少ないのが現状。よくその辺に売ってるミリタリー・テイストのウソっぽいのじゃなくて、ちゃんと本物と同等のマテリアルという意味ね。
だから本当になくなった時に悔しい思いをしたくないんだよね、その気持ちはよく分かるよ。
そして11月後半になってようやくGRIFFIN JACKETも全色・全サイズ「予約商品」としてサイトに掲載されるようになった。しかも何だか知らないがアップデートされていて去年の商品よりはさらに良くなってるらしい。
SNAKEPIPEが今年のクリスマス・プレゼントに買ってくれると言ってくれたのでROCKHURRAHのプレゼントはこれに決定。
まだ早すぎるのは百も承知だが、本当に季節になった時に品切れで焦るのはイヤだから、ウチはいつも早いんだよね。イヴだけが特別なわけではなくて日常を大事にする姿勢。
いつも良いプレゼントをありがとう、SNAKEPIPE。
先に買ったBELLATRIX JACKETはプレゼントにはまだ早い時期だったから、今年のSNAKEPIPEへのプレゼントは何にしようか?
しかし実は、これまた去年に買いたかったのに品切れになってしまったモノを思い出して密かに探していたのだ。
それはレディース仕様のMA-1フライトジャケットだ。
近年はタクティカル系ばかりのROCKHURRAHだが、ミリタリーに興味を持ちだしたそもそもの発端がフライトジャケットだったなあ、と思い出す。
90年代初頭は個人的にサイコビリーをよく聴いていて、髪型も今よりずっと短くしていた。その頃にバズ・リクソンやフェローズ、リアルマッコイといったメーカーが復刻のMA-1を続々出していて、ROCKHURRAHもバズ・リクソンのMA-1を買ったものだ。Oi!、スキンズと呼ばれる一派がMA-1というのは定番だが、当時のサイコビリー界でもなぜかMA-1を着てる人間が多いという印象だった。
かなり本格的で気に入ってたんだが袖は長いのに着丈が短くて、全体的にやや太めの印象になってしまう。初期型はナイロンの中綿じゃなかったから重かったし、あまり着なくなってしまったけど大好きな形なのは確か。
その後、数多くのフライトジャケットを着てきたけど、やっぱり多くのミリタリー好きな人の原点がMA-1だと言えるだろう。
中でも代名詞と言えるほど有名なのがアルファ・インダストリーズのMA-1だよね。実際に米軍に納入していたメーカーなので、最上級メーカーではないにしても、やっぱり一目置く存在。
そのアルファが最近はレディースのタイトなMA-1を出したと知って、去年はしきりに探していたんだけど、どこでも品切れ状態で悔しい思いをしたものだ。
本当の軍服の世界と違ってファッションの世界では毎年「流行り」というものがあって、それでゆくと去年から今年にかけてはMA-1を着た女性が多かったもんね。その関係でMA-1の品切れ続出という事態になった模様。
SNAKEPIPEはそういう流行りとは関係なしにずっと前からMA-1を着用し続けてきた。まだタイトMA-1などが世に出回ってなかった頃から黒いMA-1が冬のSNAKEPIPEの着こなしに重要な役割を果たしてきたわけだ(大げさ)。ウチのフライトジャケット愛については大昔のこんな記事で書いてたよ。
でもやっぱり小さいサイズでも男物だから、ちょっと袖のところとか太くてかわいそうだった。こういうのが自分でチャチャッと修正出来たら便利なんだけど、リバーシブルのはちょっと難しいかな?
よし、今年こそはアルファのレディースMA-1を品切れになる前に何とか探してプレゼントにしよう、と秋くらいから考えてたのだ。
そして見つけたのが通常のセットイン・スリーブではなくてラグラン袖のもの。
肩幅が狭くてメンズでは適切なサイズがなかった、それなのにメンズと同様に本格的なミリタリー物が欲しいという難しい好みを持つSNAKEPIPEにはちょうどいいんじゃない?と思えるシルエット。通常のMA-1みたいに中綿でモコモコ体型にもならず、腕も細身だし着丈も長すぎない。
見せると気に入ってもらえたので、こちらをプレゼントにすることにした。
二人とも迷わずあっさりプレゼントが決まって良かったね。
二人とも別々のところで注文したので別々に届いたんだが、まずは先に届いたMA-1の方から。
世は空前のスターウォーズ・ブームらしいのでこのような姿になってもらった。
最近のデザイナーズ物とかで出てる同じようなものだったら、スマートなのはいくらでもありそうだけど、ちゃんと本物出してたメーカーのでこの華奢なデザインというのが嬉しい。本来無骨なだけだったMA-1も女性の機能アウターとして進化したな、という印象。
ラグラン袖は別のフライト・ジャケット、N3-Bとかでも採用されてるので、特に違和感はないね。細身に作ってるために中綿が通常のMA-1よりも少ない=防寒性がなくなるというのが弱点だけど、もっと寒くなったら別のアウターもあるし、レイヤーも色々なヴァリエーションで楽しめるね。
夏場でも冷房が寒いというSNAKEPIPEだから、かなり長い期間活躍すること間違いなし、買って良かった逸品だと思える。
袖のリブと裾のリブが素材が違うとの事で、何と初めて着た日に袖リブを引っ掛けてほつれさせてしまった。プレゼントなのにトホホ、ということで袖リブはもう少し強力な素材の方がいいんじゃないかとアルファの人に伝えたいよ。
こちらはプレゼントではなく、去年に引き続き2着目というサブデュードのBELLATRIX(女戦士) JACKET。
女性で2着も所有してるのも結構珍しいかな?
やっぱりものすごく細いよね。このデザインでちゃんとしたソフトシェル、撥水性も申し分ないしポケットもかなり大きく機能的。
細身で首の部分も締まっててフードも他のメーカーのに比べると小さい。髪の毛が長い人は後ろの部分がちょっとまとまりにくいのが数少ない難点か。今年はメンズの方でパーカじゃない形の新作も出したようなので、レディースでももっとヴァリエーション出してよ、とサブデュードの人に伝えたいよ。
ROCKHURRAHがプレゼントしてもらった方がサブデュードのGRIFFIN JACKET。
形は上の女性用と大体同じに見えるがメンズなのでシェイプはされてない。
違っているのはまず脇の下にベンチレーション用のジッパーが付いてて暑い時は排気が出来るところ。女性用は脇腹の後ろのジッパーだったけど、男性用はECWCSや一般的なソフトシェルと同じ仕様になっている。
女性用は上の写真でポケットに手を突っ込んでる部分がメインのポケットだが、男性用はさらにその下の両側にポケットが付いている。取り出し口より上の方までポケットの空洞が開いてるので、見た目よりずっとものが入りそう。メーカーの解説文によると、ここに500mlのペットボトル収納可能とのことだが、たぶんものすごくポッコリとかさばるのは間違いないので試してない。野山ではたぶん重宝するでしょう。女性用でSNAKEPIPEが気に入ってる袖先の小さなポケットは付いてない。
いやしかし、これまで着てきたどのミリタリー・ウェアよりも格段に細身でスマート。難燃性素材ノーメックスで有名なMASSIFのジャケットもかなり細身だったが、これはそれ以上だね。
去年出てたGRIFFIN JACKETよりもさらに進化・改良されてるらしいので細くても充分なストレッチ性がある。
「ライフルを構える際には、いつもより0.1秒早くAimできます」などとメーカーのサイトには書いてあったが、いや、本当に素早くAim出来たわ、とサブデュードの人には伝えたいよ(笑)。
個人的な難点としては、写真見てわかる通り、袖がROCKHURRAHにはちょっと長いこと。裏がフリースであまり滑らないから、余計にダブつきが袖先に集中してしまうんだよね。本当はワンサイズ大きめでも良かったくらいのを着てるのに、それでも「大きい子用」のを無理に着たかのように見えてしまう。
まあSNAKEPIPEにも指摘されてるんだが、どうやらROCKHURRAHは手が人よりちょっと短いみたい。だからこれは個人的な難点で一般的にはきっとピッタリなんだろう。
今年もお互いにちょうどピッタリのいいものが見つかって良かった。一般的なクリスマスとは随分かけ離れた趣味、嗜好のROCKHURRAH家だが、いつまでも変わらず仲良くしてゆけることが肝心。
冒頭で書いた通り、相変わらず同じようなものばかり紹介した同じような記事を書いてるな。しかも今回のはかなり長い文章。
手は短いくせに(笑)。