【防水の似た者同士(ポンチョ、ステルス戦闘機、マンタ、ゲイラカイト?)】
ROCKHURRAH WROTE:
「さすがいいの持ってるね」などと褒められた事もないし、人様に自慢出来るような買い物もしてないROCKHURRAHなんだが、こんな企画の第2弾で登場してしまった。
時代に真っ向から逆行したこのタイトル(元ネタ知ってる人も少ないはず)を考えたのもROCKHURRAHだったしな。
というわけで誇れるモノは全然ないんだが、自分で気に入ってる服装の中から少しだけ書いてみよう。強いてテーマを考えるなら雨の日に持ってて良かったアイテムか?
以前のブログ「豪雨の古着屋倉庫編」の時にびしょ濡れになった経験から、ここ最近のROCKHURRAHのテーマが「雨に負けない服装」というわけだ。合羽よりは多少おしゃれというのが当面の目標。
まずは上半身、これはECWCS(Extended Cold Weather Clothing System)と呼ばれる米軍のパーカーだ。拡張式寒冷地被服システムとはレベル1から7まで、つまり下着から上着までを7種類の中から選んで重ね着してゆこうという、壮大かつ大げさな思想から生まれた(笑)。米軍兵士の経験はないから詳細はわからないが、今日はちょっと寒いからレベル1、3、5、6でいきましょう、ってな具合なのかね?まるで明星ラーメン「ちびろく」の「僕はちび1、パパはちび3」みたいなものか?またまた古い例えで申し訳ない。
しかし7枚全部いっぺんに着てたら世の中にあるレイヤードスタイルの中でも類いまれなる着ぶくれ男になってしまう事は間違いないね。
で、話がそれたがこのパーカーはその中のレベル6に当たり、通常はこれ単体を指してECWCSパーカーと呼ぶらしい。米軍で80年代半ばくらいまで主力だったM-65フィールド・ジャケットやN-3Bなど、長めの防寒ジャケットに取って代わる存在として登場した。
この服は登場した頃はまだ珍しかった新素材、ゴアテックスを使って作られたもの。簡単に言えば風や水の侵入を許さず、自分の体から出た汗の水蒸気は外に逃がすというシロモノだ。そういう性質だから今ではウィンタースポーツや登山、釣り、現場関係者などのアウトドア業界では珍しくもないハイテク素材なんだけど、それらの原型になったのがこの米軍ECWCSとされている。パタゴニアやノースフェイスとかの主力アウターのデザインとほとんど変わらないしね。
では軽くこのパーカーの特徴を記しておこうか。
ちなみにECWCSは現在第3世代まで作られていて時代によってデザインが違う。着用しているのは1stモデル。斜めのフラップが付いたポケットと畳んで収納出来ないフードが目印ね。
米軍の旧世代ジャケットとして大活躍したM-65と同じように、ジッパーで止めた後にスナップボタンで留めるように出来てる。しかしこのボタンがかなり留めにくいので片手では難しい。これは防寒フライト・ジャケットの大先輩N-3Bのようにジッパー閉めた後でヒモをボタンに引っ掛けるスタイルの方が断然スピーディと個人的には思うが、それだとボタンがすぐに取れたりしてまずいのかな?
前身頃のジッパー脇には両側にベルクロで留めるかなり大きな隠しポケットが付いていて、この収納力は素晴らしい。手ぶら大好きのROCKHURRAHが気に入っている最大のポイントがこの隠しポケットなのだ。上から2個目のボタンさえ外しておけば前を開けなくても両ポケットにアクセス出来る、これは大変に便利だ。
逆に外側についてるフラップ・ポケットは浅くて小さい、手を突っ込んでも半分くらいはみ出してしまうよ、という気休め程度のポケットだ。縫いつけてあるからN-3Bみたいにフラップをポケットの中に入れてしまう事も出来ない。
2ndジェネレーション型からはフードを畳んで首の後ろに収納出来るようになっているが、この1stは畳む事が出来ない。しかもヘルメットの上からかぶれるようにかなり大型フードだから雨の日に満員電車に乗ったら後ろの人が大変に鬱陶しいのは間違いない。フードの先には鋲打ちされたかのようなスナップボタンが付いていて、専用のファーを取り付ける事も出来る。
脇の下はジッパーで開けるようになったベンチレーション機能が付いている。暑くなったらこの脇下だけ開ければ風が入ってくるという仕組み。全開で電車の吊革掴むと下に着てるものが丸見えになって、やや変態っぽいな。
まあこういう特徴を持った上着で雨具としては最適。本体はペランペランのものでこれ単体では防寒の役には立たないんだが、下にフリースとかそういうものを着て冬の雨や雪の日に外に出るのが楽しみな逸品だ。
ROCKHURRAH着用のものは少しデカイのが悔やまれる。N-3Bもそうだが丈が短めの方がカッコ良いからね。
さて、下半身は米国タクティカル系アパレルでは超有名ブランドである5.11のタックライト・プロ・パンツを合わせてみた。元々はロイヤル・ロビンスというアウトドア・ブランドだったがクライミング・パンツとカーゴ・パンツのデザインや機能性を融合させたタクティカル・パンツと呼ばれるものを開発した。FBIやCIA、SWATといった特殊任務の人々に愛用されてこの世界では非常に有名なのが5.11というわけだ。とは言えこういう職業の人に対する憧れなどは毛頭持ちあわせてないROCKHURRAH。
アルファとかアビレックスとか一般的なカーゴ・パンツよりは何だかマニアックで強そうに見える黒いカーゴ・パンツだったから購入しただけに過ぎない。
ミリタリー系カーゴ・パンツは大好きなアイテムなんだが、どこの軍隊でも大差ないし色もその国が採用している迷彩柄とミリタリー・カラーとして定番のオリーブ、カーキくらいしか選択肢がないから、黒だけど本物というのはやはり魅力だ。
このタックライト・プロ・パンツは両腿のカーゴ・ポケットの上に携帯電話用の小さいポケットとライトなどを入れる小さいポケットが付いていてパッと見はかなり安っぽい。その辺に売ってるルーツのないカーゴ・パンツと変わらないが、違うとすれば後ろのポケット部分かな。
両方のポケットが鋭角な斜めに切れこんでいて(八の字)フラップとかは付いてないという特殊なデザイン。要するにケツポケットのものが実に素早く出し入れ出来るという機能だ。しかしそれがそこまで重要な事なのかは普段着でしか着用してないROCKHURRAHには不明。手を洗う時に横の人の2倍のスピードでハンカチを取り出せるとか?まあ特殊任務の人にとってはありがたい機能なんだろうかね。
実はこのパンツを購入前にほんの少しの金をケチったために別のメーカーの黒タクティカル・パンツを買った。しかし、これがブカブカで単なるボンタンの学生ズボンにしか見えないシロモノ・・・どうしても似合わない。で、これはSNAKEPIPEにあげて自分用に5.11のを買い直したというわけ。女の子だったらブカブカでも逆に違和感がないしね。
店舗で試着出来るところが近くになかったから通販で買ったが、届いたものはやっぱりかなり大きめ。布や縫製はさすがだがやっぱり少し高そうなボンタンの学生ズボンにしか見えない(笑)。
しかしどうしても穿きたいから久々にミシンを使って大改造。
スリムとまではいかないけど通常の5.11よりはかなり細身のテーパードに変身させる事に大成功したのが着用写真のもの。
本来は股の部分にダイアモンド・カットという余分な布がプラスされていて、しゃがんだ時などに動きやすいという仕組みになっているこの手のパンツなんだが、そんな事は全て無視してダイナミックに削って仕上げてみたよ。それでも抜群に穿きやすいし激しい動きも問題ない。こりゃプロの方々が愛用するのも頷ける機能性だ。さらにこのパンツはフライパンでおなじみテフロン加工が施されていて多少の雨なら弾くし汚れもすぐに落ちるという優れもの。
正直言ってデザイン的に「さすが」という点もないし、特に女性ウケは悪いパンツだが、穿いてみてその良さがわかる逸品だと思える。
最後、足元部分はこれまた米軍ゴアテックス・ブーツだ。これについては上記の2つほどに書ける事はないけど、先週のブログでSNAKEPIPEが書いた九州旅行記の最後に福岡で買った思い出の品、自分用のおみやげだ。外側は全部本革で靴のライナー部分にゴアテックスが貼りつけてあるという無骨で重いブーツ。最近はゴアテックスとかの防水ブーツも随分細身でスタイリッシュになっていてBELLEVILLEやダナーのものなどは高級でカッコ良いんだが、これはそういう型になる前の旧型デザイン。
実は店で現物を試着する前にオンライン・ショップで写真は見ていた。その時は足首がキュッと締まらなくて全体的にもっさりした田舎くさいデザイン(インナー部分に厚みがあるために仕方ないデザインだけど)だと思ってたんだが、安価なものの割には質感もあり、予想したよりはずっとクッションも良くて履きやすい。完全な防水かどうかは試してないので機能性は不明だが、取りあえずの雨では全く問題ない程度に安心感があるし、コストパフォーマンスは高い逸品だと思う。
これしかないとの事で10.5インチの大足サイズだったが、履いた印象はそこまでブカブカじゃなかったので思い切って購入。1週間ほど毎日履いて慣らしたがドクター・マーチンやゲッタグリップを新品で買った時よりはずっと早く足に馴染んでくれた。雨の日が楽しみになる素晴らしい買い物だったと自己満足している。そのうちもっと高級なゴアテックスブーツが欲しくなってくるね。
しかし片足2キロはあろうかというほどの重量ブーツ、毎日履いた後でBATESのタクティカル・ブーツに履き替えたら、まるで裸足のように感じてしまうほど。こりゃ知らず知らずのうちに鉄ゲタ効果で筋力もついて一石二鳥かな。しかし体重も体脂肪もまるで減ってないのでややガッカリ。
さて、この3つを合わせてみたが、冷静に見ると何だか全てジャスト・サイズじゃないなあ。前にSNAKEPIPEもブログ記事で書いたがROCKHURRAHが買う服は必ず大きすぎか小さすぎというオチになってしまったよ。宝物、と呼べるほどの高級服はまるで持ってないけど数だけはやたら所有しているROCKHURRAHとSNAKEPIPEの二人。またこういう内容で持ち物を紹介する機会はあるだろうか?第3弾に乞うご期待!