写真とファッション&ヒストポリス 絶滅と再生 鑑賞

20200705 top
【ジャイルギャラリーの入り口を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

7月5日はROCKHURRAHの誕生日。
おめでとうROCKHURRAH!(笑)
プレゼントを渡し、とても気に入ってもらったよ。
毎年お互いの誕生日にお祝いをしているROCKHURRAH RECORDS。
これからも続けていこうね!

さて、先週のブログ、森山大道の個展鑑賞の続きを書いていこう。
東京都写真美術館で開催されている「写真とファッション展」にも足を運ぶ。
この展覧会については、全く何の予備知識もなく、たまたま同時開催されていたから行ってみたのである。
こちらの会場も、大道展と変わらず、ほぼ貸し切り状態での鑑賞。
途中で女性が1名入場してきたけれど、その後はいなかったね。
森山大道展に引き続き、監視員などの美術館関係者のほうが客数を上回る結果になっていたよ。

展覧会についての説明を一部転用させてもらおう。

本展覧会では、「写真とファッション」をテーマに、1990年代以降の写真とファッションの関係性を探ります。
これまでのファッションが発展する過程において、写真は衣服が持つ魅力を伝えるという重要な役割を担ってきました。
写真によって作り出されるイメージは、ときには衣服そのものよりも人々を惹きつけ、時代を象徴するイメージとなっています。

今から30年前の90年代以降のファッションって、どんなだっただろう。
80年代と言われれば分かるんだけどね。(笑)
「流行り物」や「マストアイテム」などを取り入れたいと思わなくなったのが、90年代以降かも。
30年前のSNAKEPIPEといえば、サーファーと間違えられるほど日焼けして、写真撮影に情熱を持っていた頃だな。
サーファー・ギャル(死語?)御用達のブランドで服を購入することが多かったことを思い出した。
今とは別人ね。(笑)

最初に展示されていたのは、マルタン・マルジェラのファッション・フォトを撮影していた写真家アンダース・エドストロームの作品。
1966年、スウェーデン生まれだという。
ちょっとカッコ良いと思ったのは、この画像だけ。
他は、なんとなく淡い雰囲気を感じるような写真だったかな。
もしかしたらそれが90年代なのかもしれない。

続いて高橋恭司が撮影した、昔懐かしい雑誌CUTiEで使用されたらしい作品。
ちょっととんがった雰囲気の女の子向けの雑誌だったためか、モデルの女性がリーゼントだよね。(笑)
それにしてもモデルさんの腕、傷だらけで気になるよ。
何があったんだろうか?
SNAKEPIPEはほとんど雑誌に縁がないけれど、なんとROCKHURRAHがCUTiE読んでたと聞いて驚いた。
お店の情報を仕入れていたらしいよ。
ストリート・ファッションを紹介する雑誌だったらしいからね。

写真家ホンマタカシが、日本のブランドPUGMENTとコラボした作品群が並ぶ。
PUGMENTというブランドについて全く知識がないなあ。
迷彩服と撮影する場所に意味があるとかなんとかコンセプトが書いてあったけれど、意味不明。
洋服にも写真にも魅力を感じることができず、ほぼ素通り状態。
2001年にダフト・パンクの「ワン・モア・タイム」が大ヒットした時、「ダサカッコ良い」という言葉が流行った。
もしかしたらそんな流れをファッションに組み込んでいるのかもしれない、と考察してみる。
ダフト・パンクも迷彩も大好きだけど、このファッションは遠慮したいね。(笑)

少し大きな空間に展示されていたのは、そのブランドの服を着たマネキンが並んでいる。
ブランドのコンセプトを聞いたとしても、恐らくその時持った印象は変わらないだろうな。
それらのブランドが中心となって刊行されていたらしい雑誌が並んでいた。
これらの展示にも、全く心を動かされることはなかったSNAKEPIPE。
友人Mも同様だったようで、とても残念な鑑賞会になってしまった。
そこまでモードを感じることもなく、SNAKEPIPEが思うところのファッションフォトとは違う内容だった。
鑑賞したからこそ感想を持つことができるので、これで良いのだ!(笑)

恵比寿でランチを取ってから、原宿に向かう。
そういえば原宿駅が新しくなったニュースを聞いたっけ。
新原宿駅を初体験して、表参道に向かうことにする。
ところが!
久しぶりの外出だったため、原宿駅から表参道までの道に点在するさまざな店舗を見て歩き、なかなか表参道方面にたどり着けない!
見えているのに行かれない、まるで「カフカの城」状態!(笑)
そこまで大袈裟ではないけれど、一体何店舗立ち寄ったか数えきれないほど、見て回ったことは間違いないね。
かつては友人Mと原宿~渋谷の道のりを毎週のように歩いていたことを思い出す。
週に一度の日課みたいなものだったからね。
チープシック、という言葉かあるけれど、まさにその言葉通り、お手頃価格でキッチュなかわいい商品を探して歩いていたんだよね。
懐かしいあの頃。(遠い目)

ようやくたどり着いた場所は、ジャイルギャラリー
ここで開催されているのは「ヒストポリス 絶滅と再生」。
今回の展示は、デヴィッド・リンチ大好きな飯田さんが監修しているので期待してたんだよね!
テーマについてギャラリーのサイトから一部転用させて頂こう。

工学的にデザインされた、これまでとは別の次元の自然が立ち現れつつある。
それは同時に、技術が生命や生態系に溶け込み、あらゆるものを侵食していく現代において、人間が「絶滅」の危機といかに向き合うかを問いかけることとなる。
さらに、カオスの中で変態する時代状況の一端を映し出し、地球史における人類の存在理由を参加アーティストの作品を通して未来的展望にいかに結びつけていけるかを展覧会の主旨としている。

世界中に猛威をふるい、連日死者数が増えている新型コロナウイルス。
このような状況下だからこその展覧会開催だ、という説明がされている。
「人類の存在理由」というコンセプトを視覚化した作品ってどんなだろうね?
ここで「ヒストポリス 絶滅と再生展」の動画を載せてみよう。

ジャイルギャラリーは撮影オッケーなので、たくさん撮らせてもらったよ!
画像と共に感想を書いていこうかな。

最初に展示されていたのは、須賀悠介のLEDを使用した作品。
須賀悠介は1984年東京都生まれ、今年で36歳。
2010年、東京芸術大学美術研究科彫刻専攻修了後、作品を発表しているらしい。
塩基や核酸などを表現しているのかな、くらいしか分からなかったよ。
タイトルしかなかったので、詳細は不明。

続いては広い空間にテキスタイルと動画が展示されていた。
この展示は「AIやゲノム編集が生み出す新たなキメラの美学」についての考察とのこと。
キメラ!
2020年5月の「好き好きアーツ!#56 鳥飼否宇 part23−パンダ探偵-」で「キマイラ」について書いたSNAKEPIPE。
「キマイラ」は「キメラ」とも表記されるので、同じ意味なんだよね。
日常生活で見聞きすることは少ない単語のはずなのに、不思議だなあ。
確かユングのシンクロニシティにもそんな話が出ていたような記憶があるよ。
きっとSNAKEPIPEにとって意味があるんだろうね。

これらの展示は、ファッション・デザイナー3人による機械学習とファッションを融合するチーム「Synflux(シンフラックス)」の作品なんだよね。
「キメラ」を製造して、テキスタイルにした作品の部分を画像にしてみたよ。
ちょっと不気味に見える動物が分かるかな?
その素材を使ってスーツにした作品が天井から吊るされている。
どうしてもスーツになるとヨーゼフ・ボイスのフエルト・スーツを思い出してしまうよ。(笑)

流れていた動画を撮影してみた。
2種類以上の動物を混ぜてモーフィングのように変形させていく。
縮尺が違う、目の大きさがズレたイメージが連続している。
最初はギョッとするけれど、観続けているうちに「何と何の動物の合成だろう」と「キメラ製造」の元ネタを探してしまった。(笑)
「キメラの美学」までは感じられなかったけどね!

やくしまるえつこの「わたしは人類」が展示されていた。
この作品は2019年12月に鑑賞した「未来と芸術展」 でも鑑賞済だったね。
森美術館では、暗い展示室の更にビニールカーテンの奥まった場所に展示されていたので、あまりじっくり観られなかったっけ。
「わたしは人類」というのは「人類史上初めて音源と遺伝子組換え微生物で発表された、DNAを記録媒体として扱い楽曲データを微生物に組み込んでいる」作品だという。
バイオテクノロジーとアートを融合させた作品で、金沢21世紀美術館に収蔵されているとのこと。
調べてみて初めて知った作品の意味だよ。
観ただけでは意味が分からなかったね。 

コンセプトが重厚なので、理念を形として表現するのは難しいよね。
以前からSNAKEPIPEの鑑賞法は変わらず、直感で好き嫌いを感じている。
今回の飯田さん監修の展覧会は、やや観念的だったかな。
次回も期待して待っていよう!(笑) 

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