【飛んでる画像はウソです。実際撮ったのは右上だけ】
ROCKHURRAH WROTE:
「夏嫌い」と何度も明言していて暑さにも湿気にも滅法弱いROCKHURRAHだが、今年の夏の猛暑は苦痛極まりない。夏はそこまで苦手じゃなかったはずのSNAKEPIPEでさえさすがに参ってしまい、家に帰ると二人ともぐったりという日々が続いている。二人が特別なわけじゃなくて今年は誰でもそうだろうね。
そんな過酷な夏のくせに最も暑かったろうと思えるお盆時期には休みが取れず、少し遅れて短い夏休みとなった。この暑さの中、旅行したり帰省したりはどうせしないつもりだったけれど、せっかくの休みなので近場でもどこか行きたいとは前々から思っていて、そんな二人が考えたちょっとしたおでかけは「そうだ、横田に行こう」というもの。
というわけで8/21と22日の2日間に福生の横田基地で行われた「横田基地日米友好祭2010」というイベントに行ってきましたよ、というだけのROCKHURRAHには珍しい内容の記事が今回のものだ。このブログの愛読者はほとんどいないと思えるから自分で説明するが、その手の記事をSNAKEPIPEが書く事はあってもROCKHURRAHが書いたのははじめての事だから「珍しい内容」というわけだ。
さて、U.S. AIR FORCE 第374空輸航空団の拠点となるのがこの横田基地ということだが、本州では最大の米空軍基地として知られている。
前にも書いたがミリタリーな服装が好きなだけで軍隊そのものや兵器に興味あるわけではない二人だから、軍事おたくなら誰でも知ってるような事もロクに知らない。
今回もそういう方面のうんちくなどは何もないわけで、そういうのを期待して読んでる人はここでやめた方がよかろう。単にここに来れば本場の空軍ルック(言い方変か?)がたんまり見れるんじゃない?と思ったから行ってみただけだ。
強いて書き加えるならば、ROCKHURRAHは幼少期に基地の町で育って、実際に住んでいたのも米軍ハウスだったので、そこの米軍基地イベントは大昔に経験した事がある。そのノスタルジーが常々あったというわけでこの友好祭を知り、行きたいと思うのも当然の流れなのだ。さらに子供の頃はタミヤの戦車や歩兵、ハセガワの戦闘機といったプラモデルをチマチマ作ったりMGCやマルイのモデルガンを撃ちまくったり、火薬とセメダインの匂いがする少年だった。意外と兵器好きな一面もあったなあ、と思い出す。あの頃は何軍とかのこだわりも何もなくて、単に見た目のカッコ良さだけで選んでいたものよ。あらら、もしや今でも全然変わってないのか?
5月のブログでもちょっと書いた通り、ここに二人でやってきたのはごく最近の事。我が家からはかなり遠い東京の西の果てという印象があったから、電車の時間なども調べて前日は早寝してこの日に臨む事に。そして当日は朝の5時に起床という休みの日にはあり得ない早起きをして準備した。ちょっとした遠足気分だね。
この日のためにSNAKEPIPEは久しぶりにTシャツを制作していたんだが、その意気込みの甲斐あって素晴らしいのが出来上がった。本物のベトナム・ファティーグ・ジャケットを解体してTシャツにパーツを移植、ただそれだけじゃなくてパンク的な要素も盛り込んだ独特のミリタリー+パンクの世界を表現したもの。これにブーニー・ハット、ポケットがやたら多いカーゴ・パンツ、HH(ダブルH)のミリタリー・ブーツ、そして仕上げが熱中症&日焼け対策のためのシュマーグ(アフガン・ストールまたはアラブ・スカーフ)といういでたち。個々のパーツへのこだわりはよーくわかるが全体的には何だか得体の知れない迫力あるスタイルとなった。しかも今から行くのは空軍基地であって熱帯ジャングルでも砂漠でもないんだよ(笑)。
ROCKHURRAHもこの日のために、というわけでもなくてTシャツ作ったんだが最近はミリタリーというよりはタクティカル系、あるいはPMC(Private Military Contractor)系のスタイルがお気に入りなので、そういう雰囲気のコーディネイトで出かけた。簡単に言えば民間軍事請負企業が戦地に送り込んだ現代の傭兵スタイル(の真似事)ね。ごつい、暑い、でも抜群に穿きやく頑丈なTAD GEARのカーゴパンツと軽い、見た目が気持ち悪い、でも最高に履き心地が良いBATESのタクティカル・ブーツ、マルチカムのキラー・キャップなどを合わせてみた。ん?もしかしてコーディネート変?そして仕上げはSNAKEPIPEの真似をして買ったシュマーグを首に巻いて、やっぱり何だかわからない不気味な格好と相成ったわけだ。おまけにシュマーグ巻いたせいでせっかく作ったTシャツが全く見えてないよ。
この場違い&怪しい二人で横田基地に乗り込んでみよう。
9時前に横田に着くというのを目標に、必ず座れる電車を選んで眠ってゆこうという計画だ。そしてまんまとウトウトする事が出来てここまでは良かった。しかし朝の9時前だというのに最寄り駅の牛浜は満員の大混雑。初めての参加なのでどのくらいの混雑なのかは予想出来なかったし、漠然と横田基地=広々=周辺も広々という印象があったのにこの牛浜駅前は非常にちっぽけで道も狭い。そこに溢れる人々で朝から熱気ムンムンという状態だ。横田基地のゲートをくぐる際に荷物検査や人相風体(?)チェックがあるとの事なので尚更スムースに進めないのだろう。
何とか苦労して二人とも無事ゲートを通過する事が出来たが、見ればそこかしこにもっと怪しげな奴ら(本物のミリタリーおたく集団)がゴロゴロいるわけで、ROCKHURRAH達の怪しさなどかわいいものだった(笑)。持ち込み禁止のアルコール類を没収されてる現場も見たのでただの形式的な荷物検査というわけでもなさそう。みんなニコニコ笑ってはいるが、本当は怖い米兵。
最近の米空軍が採用しているユニフォームはABU(Airman Battle Uniform)と呼ばれるものでベトナム戦争時代のタイガー・ストライプ迷彩をデジタル化してそれをモノクロームにした(というよりはクリーム×グレーといった色調)ような迷彩柄。
ウチが前に書いたブログ「CAMOのマイハウス」では割愛したけど陸軍のACU迷彩(Army Combat Uniform)、海軍のMARPAT迷彩(Marine Pattern)と共に現代的な迷彩のポピュラーなものだ。
入り口からいきなりその全身ABUにベレーというスタイルの兵士達がわんさか、これはさすがに本場の迫力で、個人的にはこれを見ただけでも来た甲斐はあったと思える。しかし古典的なウッドランド迷彩やドイツのフレクター迷彩が大好きというSNAKEPIPEは特に感慨もない様子で割と冷ややか。確かにそっちの方が色数も多いしデザイン的に優れているとは思うけど。
友好祭とは言っても開放されているのはこの基地のごく一部のスペースだけ。そこにハンバーガーやホットドッグ、ピザというような食べ物の屋台、それにTシャツやキャップといった衣料品を扱うブースが並んでいてアメリカン気分を満喫出来るというお祭りだ。さらに格納庫のような建物が開放されていて、そこでアメリカン・ロックやヘヴィメタルのようなライブが催されるという。今年の目玉はアースシェイカーとバウワウ、うわっ、思いっきり70〜80年代のジャパニーズ・ハードロックがここでは大人気なのかね?今どきの若い兵士はたぶん知らんでしょうというラインナップ。
ハードロックにもアメリカン・ファストフードにも特に興味ない二人だからこの辺は全部すっ飛ばしてTシャツや米軍パッチ(ワッペン)などのブースを視察してみる。全体的にYOKOTA AIR BASEというロゴが入ったものが多く、今日ここでしか買えないといったおみやげ感があるデザインが主流だね。普段はあまり見向きもしないROCKHURRAHだが、珍しく気に入ったデザインのものがあったのでSNAKEPIPE用のと自分用のをそれぞれ記念にと、別の店で買ってお互いのプレゼントとした。センテンス長いな。
パッチ類は思ったよりもマニアックな特殊部隊のものなどが外で買うよりずっと廉価で売ってたのでそれもついでに買った。どさくさに紛れてどこでも買えるようなものも売ってたりする、という印象があったが思ったよりはちゃんとした品質のものが多くて、アメ横よりはマシかもと思える。これは予想外だった。キッズ用のABUなども売っていたが需要あるのかね?衣類に関しては基地内のPXが出店であればもっと興味深いものもあっただろうけど、そこだけが残念(調べたわけじゃないので詳細は不明)。
さらに奥に進むと今回の横田のメインとも言える軍用機の地上展示を間近で見る事が出来る。ここはさすがに戦闘機おたくのカメラ集団がすごくて、誰もが撮りまくり状態だった。近場で見るとやはり迫力あるねえ。
最初に書いた通りROCKHURRAH達は軍用機を見て「ここのシェイプが素晴らしいね」くらいは言えるがメカとしてのスペックなどは全然わからない。F-4ファントムとかF-15イーグルとかまでが何となく判別出来る程度で、それ以降の知識はほとんどない素人なのだ。一部で話題だった最新型の超高級戦闘機、F-22ラプターもあったのか?歩いた範囲内にはなかったし、性能はともかく見た目があまり好きじゃないので、血眼になって探さないという方針にした。まあ詳細はわからなくてもみんな充分にカッコ良い機体なのは確か。楽しむ事は出来る。
その対面では輸送機やヘリなどの展示が行われていて、実際に中に入る事が出来るため大盛況。映画「ブラックホーク・ダウン」でおなじみのUH-60ブラックホークと兄弟分であるSH-60シーホークらしきものがある(これまたそう思っただけで本当は何と言うヘリなのか不明)。コックピット部分を撮影したかったために乗り込んだROCKHURRAHだったが、何を思ったかSNAKEPIPEが気を利かせて窓から顔を出した姿を記念撮影してくれてるよ。何だか小学生とお母さんみたいな一幕だな(笑)。でも今回のいでたちでこういう軍用ヘリに乗った姿は結構本格的に見えて日本人離れしていたかも、と後で自画自賛。
一回り歩いて楽しいひとときだったが緑と言ったら芝生程度で木陰もない、建物の陰や風通しの良い場所は人で満員。全体的にコンクリート部分が非常に多い空軍基地だから予想通り暑いのなんのって。SNAKEPIPEがあまりの暑さに頭痛を訴え、屋内ライブ会場に避難することにした。中は一応直射日光を防げるし、まだ少しだけ座れる場所があったので床に直接体育座りで一休み。いくら楽しみにしていた友好祭でも熱中症で倒れたら悲惨だからね。水分補給してしばらく休むとSNAKEPIPEも回復してきたと言う。本格的な熱中症にならなくて良かったよ。
時刻は昼になろうとしていて、食べ物屋台はどこも行列。入った頃はまだそんなでもなくて高を括っていたんだが、これは何か買うのも至難の技となってしまった。休む前に食べ物と飲み物を買っておけば良かったと後悔してももう遅い。仕方ないからもう一度外の屋台に何か買いに行く事に。うまそうでリーズナブルな店はさすがに長蛇の列、しかしもう選り好みしてる余裕がないからヒマそうな店を見つけてホットドッグとドリンクを買う事に。空腹でたまらなかったわけではなくて食後に頭痛薬を飲みたかっただけなのだ。
格納庫の外側にやっと日陰を見つけて半ば無理やり座った二人。本当は人がいたんだがSNAKEPIPEが一応病人風だったためによけてくれたのか?ホットドッグはソーセージ以外何も入ってないシンプルなもので何と450円。観光地的な物価なのか?いや、200円ハンバーガーなどは長蛇の列で大人気だったわけで、横田基地全体が高いわけじゃない。並ぶのイヤだったから仕方ないよね。
周りの芝生に座ってた人々が米兵に何か言われて次々と退散してゆく。見ればちゃんと拳銃を持ったミリタリー・ポリスか警備員のような人物。芝生に入っちゃいかんよ、というような事らしい。いくらお祭りとは言ってもここは軍施設であり規律正しい組織なのだ。それとなく見張っている軍人も各所で見かけたしね。自分勝手でマナーの悪い人間をもっと追い出してくれよ、MPさん。などと思って、逆にすがすがしい光景だった。
うーん、ありきたりなレポートではあるがかなり長い文章となってしまった。
来年以降にも是非行きたいと思うROCKHURRAHだったが、暑さ対策はしっかりと。当たり前だとわかってはいても充分じゃないんだよね。そしてこれしきの事でへばらないような体力作りが今後の課題かな。
より暑くなると思っていたシュマーグが実は大変役立つアイテムだと言う事がよーくわかった。あれはダテじゃなかったんだね。この記事が元で来年の横田が国籍不明のシュマーグだらけになったらこりゃまた困るけどね。