【タイトルは「La verdad y ventira」。真実とVentira。Ventiraって何だろう?】
SNAKEPIPE WROTE:
当ブログでは珍しく、2週連続で鑑賞した展覧会について記事を書いていたね。
今週もまたアートに関して特集してみようか。
SNAKEPIPEが仮想美術館を想定して、自らがキュレーターとなり館内に展示するアート作品を集める趣旨の「SNAKEPIPE MUSEUM」。
SNAKEPIPEの好みで集めている作品群ばかりなので、コンセプトはなし。(笑)
「欲しい!飾りたい」
というシンプルな理由によって紹介していくコーナーである。
今回は(も?)たまたまネット検索していたら偶然目に止まったアーティストなんだよね。
トップ画像にした不思議な絵を描いているのはCarlos Alberto Quintana Ledesma。
カルロス・アルベルト・クインタナ・リーデスマで良いのかな?
近棚や金棚じゃなくて(笑)キンタナと書いてあることが多いみたいだけど、このブログの中ではカルロス・クインタナに統一しよう。
Quincy Jonesだってクインシー・ジョーンズだしね。(笑)
カルロス・クインタナについて調べてみよう。
1966年11月29日、ハバナのヴェダド地区に生まれる。
カルロスの祖父母は文盲で、母親は3年生まで、父親は5年生まで学校に通ったと書いてある。
ということは全く教育熱心なご家庭じゃなかったということだろうね。
学校に行かなかったけれど、カルロスの父は書店関係にお勤めだったみたいね。
クインタナ一族にはアーティストがいなかったという情報もある。
カルロスが16歳のとき、有名なサンアレハンドロ美術アカデミーに入学するも、わずか4ヶ月で退学したという。
勉強嫌いに加え、家族からの理解は望めなかったのかもしれないね。
1987年からはグループ展や個展で作品を発表しているようで。
ポルトガル、ニューヨーク、スペインなどで作品が購入されているみたい。
絵を販売しているサイトも発見したので、アーティストとして生計を立ててるってことだよね。
何故カルロス・クインタナがSNAKEPIPEの目に止まったのか。
気になった作品について感想と共に紹介してみよう。
最初に見つけたのがこの作品。
人間の頭が地面にゴロゴロしている!
ヒモ状の線が描かれているのか、本当にヒモなのかは画像では判別できないけれど、首が繋がっているように見えるんだよね。
頭からは血が流れているような物もある。
カルト集団の儀式のようにも見えてくるよ。
もしくは心理学者ユングが提唱した集合的無意識の具現化とか。
あるいは輪廻転生した魂を表現しているのか。
この画像で一気に興味を持ってしまったんだよね。
絵画にも首がたくさん描かれていた。
植物と共に描かれているため、これは地中の様子かもしれないと思う。
骸骨もあるから余計にね。
カルロス・クインタナの作品からは、明るくて楽しくてHAPPYな雰囲気は感じられない。
梶井基次郎の「桜の樹の下には」のように人間を養分にしているからこそ、花が美しく咲き誇っているかのように思ってしまう。
タイトルなどの詳細が不明なので、勝手にストーリーを作っちゃうよね。(笑)
地中の次は水中だよ!
溺死して漂っているように見えてしまう。
とても楽しい水遊びじゃないよね?
完全に姿が確認できるのは2人だけど、青い人の周りにも何かあるのが非常に気になるよ。
魚なのか、それとも人の残骸なのか。
SNAKEPIPEがキューバのアートと聞いて連想するのは、明確なメッセージを持った作品なんだよね。
カルロス・クインタナの作品は心象風景のようなので、社会主義国のイメージとはかけ離れているよ。
カルロス・クインタナの作品には、何故かアジア人のような人物が多く登場するんだよね。
右の画像で、赤い服を着て正座している人物はお坊さんに見える。
左奥にいる黒い着物の人物は仏像のようだし。
中央の首に注がれているのは、心臓からの血液か?
皿の上に乗った頭蓋骨も謎だよね。
キューバに仏教徒は皆無ではないだろうけど、アジア圏からの移民でもない限り珍しいんじゃないかな。
どうしてアジア人を描くんだろうね。
これもまたお坊さんみたいに見える不思議な作品。
これは一体どんなシチュエーションなんだろうね?(笑)
なんでヨガみたいなポーズで積み重なるのか。
右にいる西洋人や皿に乗った首が至るところに登場しているのは?。
なんだか西洋人がアジア人をキロ単位で買ってるように見えてしまうよ。
あと2kg足りなかったら、首を1個増やすような感じね。
カルロス・クインタナは絵画の中にアジア人が登場することについて質問されると
「多分、星の影響じゃないかな」
と答えたという。
ちっとも回答になっていないんだけど、そんな答え方をするところからしても夢想家なのかもしれないね。
2015年にROCKHURRAHが書いた「映画の殿 第14号 映画の中のニュー・ウェイブ01」に出てきたキューバ映画「ゾンビ革命 フアン・オブ・ザ・デッド」や、テレビの旅番組などを見ると、キューバは想像している社会主義国とは違うことが分かる。
50年代のアメ車が走り、道端ではラテン音楽の演奏が聞こえてくる。
歩く人達はドギツい原色の服を着て、明るい笑顔を見せている。
全員が暗い色合いの同じ服を着て、貧しさに耐えながら生きているのが社会主義国だと思っていたSNAKEPIPEが古いのか。(笑)
キューバは自由な国に見えたんだよね。
だからこそカルロス・クインタナのようなアーティストも生まれるのかもしれないね。
右の作品は病院を描いているのかな。
足から想像すると産婦人科なのかもしれない。
いろんな霊がうようよしているように見える不思議な絵だよね。
キューバでは無信教者が55%いるというWikipediaの記述に驚いてしまった。
これは外国の中では多いほうじゃないかと思うけど、どうだろう?
宗教により死生観が変わってくると思うので、無神教者は自分の好みで死後の世界を想像することができるのかもしれない。
カルロス・クインタナの作品からは、死後の世界、もしくは見たことがない世界への強い憧れを感じる。
それはやはり仏教的な死生観なんだよね。
アレハンドロ・ホドロフスキーも、南米チリ出身だけれど東洋思想や禅に影響を受けていたっけ。
そう考えるとカリブ海の島国であるキューバにも、アジアの思想に興味を持つアーティストがいても決して不思議ではないかもしれない。
自らの唾や牛乳で絵の具を薄め、素手で絵を描くこともあるというカルロス・クインタナ。
絵を描くという行為は瞑想に近い儀式なのかもしれない。
カルロス・クインタナの絵で思い出したのが、2012年に鑑賞した「ジェームス・アンソール」。
骸骨や仮面をモチーフにしていて、少し残酷な絵を描いていたんだよね。
人の顔がみっちりと大量に描かれていて雰囲気が近いように感じる。
メキシコの画家フリーダ・カーロの絵も連想したSNAKEPIPEだよ。
キューバのアートやアーティストに触れる機会がなかったので、今回知ることができて良かったと思う。
カリブ海に浮かぶ他の島のアートも調べてみようかな!