SNAKEPIPE MUSEUM #83 Nina Murashkina

20260829 top.
【ド派手な色使いの「Snow White XL」は2024年の作品】

SNAKEPIPE WROTE:

作品を観た瞬間、ギョッとさせられる。
中世の拷問器具と言われる鉄の処女のように、体の前面が左右に開く構造なんだね。
ヌードだけでなく、心の中をさらけ出しているように見えるよ。
この作品は「Goddess 1」というタイトルで、Nina Murashkina(ニーナ・ムラシュキナ)とXavier Escala(ハビエル・エスカーラ)との共同制作だという。
ハビエル・エスカーラはスペインの彫刻家で、ニーナの夫らしい。
彫刻はハビエル、絵はニーナという役割分担なのかな。
SNAKEPIPEは絵に興味があったので、今回はニーナについて特集しよう。
まずは経歴を調べてみようか。

1985 ウクライナのドネツクに生まれる
2000–2005 ドネツク美術大学(グラフィック・デザイン)で学ぶ
2005–2009 ハルキウ芸術デザインアカデミー(記念碑的絵画)で学ぶ
2011 キーウ芸術アカデミー(舞台美術・映画)で学ぶ
2012 ポーランドのヤン・マテイコ美術アカデミー(絵画)で学ぶ
2017〜 スペイン、バルセロナ県サン・クガ・セスガリゲスに在住・制作

現在41歳、ウクライナ出身のアーティストなんだね。
自身の作品である大きな指輪を着用して、ポーズを決めているニーナの画像を載せてみたよ。
美貌も才能も併せ持つ女流アーティストなんだね!
ニーナ本人の経歴には書かれていないけれど、2017年にハビエル・エスカーラと結婚したみたい。
そこから共同制作が始まって、先に紹介した「Goddess」のような作品を発表するなんて素晴らしい!(笑)
「Goddess」は、ひとりの女性が開かれ、女性神のための神殿へと変容していく「人間の内側に宿る神性」を表現している作品と解説されている。
キッチュでグロテスクな美しさを持つ女神像なんだね。
ニーナの作品をもっと紹介していこう!

「Conquistadoras(征服する女たち)」は2024年の作品。
水色と赤が鮮やかでエキゾチックな雰囲気だよね!
馬に乗った3人の女性が描かれている。
動きを表しているのか、連続写真のように馬や人物が重なっている。
コーヒー・カップやムチを手にしていて、3人目の女性には男性の姿が見えるね。
「どのような状況であっても、自らの目的に向かって進んでいく強い女性たちへの讃歌」というのが、ニーナによる解説だよ。
確かに力強さを感じるね!

2025年の作品「Blue Tiger(青い虎)」も色使いが派手だよね。
楕円形のキャンバスが新鮮!
この作品にも3人の女性がいて、青い虎にまたがっている。
虎を制してるくらいだから、こちらも強い女性像だね。(笑)
作品の下部に首を切られたヒゲの男性がいるので、左で笑っている女性がサロメを思わせる。
不気味さとポップが共存していて目を引くね!

立体作品も手掛けているんだね。
壺の周囲に描かれているモチーフが面白い!
壺のアート作品といえばグレイソン・ペリーを思い出す。
2008年6月の「ターナー賞の歩み展」や2026年3月の「YBA&BEYOND」で鑑賞したグレイソン・ペリーの壺は、毒気たっぷりで魅力的な作品だった。
ニーナの壺もその雰囲気に似ている感じだね。
壺の作品はいくつも制作しているようなので、一つ譲ってもらおうか。(笑)

陶器のお皿もあるんだね。
「Triumph of Chastity 1(貞潔の勝利 1)」は2025年の作品。
ユニコーンの手綱などに金が使用されているみたいだよ。
丁寧に描きこまれたモチーフの意味は不明だけど、「勝利」を喜ぶ女性の顔が誇らしげだね!
「私が作品の中で表現する女性は、強大な存在、いわば勝利する女神のような存在なのです」と語るニーナ。
 神話的な視点から女性的な性質を強調し、「マジカル・フェミニズム(魔術的フェミニズム)」を提唱している。
本来の文学批評としても意味合いと、ニーナの「マジカル・フェミニズム」は違うようだけど、言いたいことは分かる気がするよ!

今回はニーナ・ムラシュキナを紹介してみたよ!
面白いアーティストがいるよ、とROCKHURRAHに見せると
「ヴァニラ画廊って感じ」
と的確な感想を言う。
ヴァニラ画廊さん、実物観たいので是非とも展覧会開催お願いします!(笑)

SNAKEPIPE MUSEUM #82 Brian Clarke

20260531 12.
【大回顧展The Art of Lightの展示風景】

SNAKEPIPE WROTE:

今回はイギリス人アーティスト、ブライアン・クラークを特集してみよう。
検索していたら、とても美しいステンドグラスが目に入り、興味を持ったよ。
まずは経歴を調べてみようか。

1953 イギリス・ランカシャー州オールダムに生まれる
1965 奨学金を得てオールダム美術工芸学校に入学
1970 ノース・デヴォン芸術デザイン大学で建築ステンドグラスを学ぶ
1975 ロングリッジの聖ローレンス教会の窓を制作
1979 BBCドキュメンタリー『Brian Clarke: The Story So Far』放映
1987 東京・西武美術館で個展「Brian Clarke: Stained Glass」を開催
1988 磯崎新と相模湖カントリークラブで協働
1998 フランシス・ベーコン遺産管理人に就任
2007 建築財団会長に就任
2016 ザハ・ハディッド財団会長に就任
2018 ノリッジで大規模回顧展「Brian Clarke: The Art of Light」を開催
2024 芸術への功績によりナイト爵位を授与される
2025 71歳で逝去

80年代に日本で個展を開いていたり、相模湖カントリークラブというゴルフ場のクラブハウスにステンドグラスを制作していたりと日本に縁がある人物なんだね。
フランシス・ベーコンの遺産管理や建築家ザハ・ハディッド財団の会長に就任するとは、アーティスト同士のつながりがあったことが分かる。
そして昨年亡くなっているとは、とても残念だよ。
載せた画像は70年代に撮影されたブライアン・クラーク本人!
イギリスの70年代後半はパンク全盛期だもんね。

パンクのエネルギーに触発されて制作された「Dangerous Visions 1 」は、裂いたキャンパスから血が流れている作品なんだよね。
血に見立ててワニスや木材防虫剤、そして膠液を混ぜたものを使用しているらしい。
そしてその傷を修復するためにテープを貼ったり、安全ピンを使っているところがパンクっぽいよね!
キャンバスを切り裂いた最初の人物はイタリアの芸術家ルチオ・フォンタナだけれど、それを再び「つぎはぎで修復した最初の人物は自分だ」とブライアン・クラークは主張しているんだとか。
パンク要素を含んだ少し暴力的な作品はとても好みだよ!
左側の黄色いラインは何を意味しているんだろうね。
「Dangerous Visions」は連作になっていて、他の作品にも黄色いラインが共通して描かれているよ。
パンクに関係するんだろうね。

1970年代から一気に30年ほど飛んで、2013年の作品「Lancashire Cotton Mills(ランカシャーの綿工場)」に強く惹かれる。
これはブライアン・クラークが幼少期を過ごしたオールダムの綿工場をモチーフにしているんだとか。
少年時代に目にした、アイデンティティの形成に深く関わった原風景なんだね。
この作品群は「まるでデヴィッド・リンチ」のようで、SNAKEPIPEは嬉しくなったよ!(笑)
黒バックに白と赤だけというシンプルな色合いが素敵。
短くて白い線がパラパラと降り注いでいるようなところもリンチみたい。
このシリーズを並べて飾りたくなるね!

2003年に制作された「Francis Bacon Trial(フランシス・ベーコン裁判)」は3つの作品で構成された連作だという。
載せたのは「Untitled Triptych(無題の三連画)」で、ベーコンのトリプティク(三幅対)に倣った構図だね。
ベーコンの顔写真が掲載された新聞記事をバックに、髑髏が描かれている。
年表にあるように「ベーコンの遺産管理人」になったクラークが、遺産管理や作品の真正性、財産処理などをめぐって発生した裁判を題材にした作品なんだとか。
クラークはベーコンともベーコンの遺産相続人であるジョン・エドワーズとも深い関わりがあったという。
エドワーズの依頼によって、裁判所から任命された唯一の遺産執行人だったというクラークは、裁判でほとほと疲れ果てたらしい。
ダークな作風によって表現されているよね。

1990年に制作された「The “C” Collages」は、コラージュ作品なんだね。
作品群にはグリッド(格子)が採用されているのが特徴で、そこに新聞の切り抜きや破られた紙片などが貼り付けられている。
グリッドに対するクラークの考えは「混乱やカオスをもたらすために必要な秩序」という位置づけらしい。
正義があるから悪も生まれるみたいなものか?(笑)
そうした意味を追求したり理解しなくても、観た瞬間に好きになる作品だよ。
16連作のシリーズなので、並べて展示されていたら圧巻だろうね!

クラークは彫刻も手掛けているんだね。
「Portia’s Dream(ポーシャの夢)」は、2012年のブロンズ彫刻だって。
正十字の下に根っこみたいなヒゲがあって、今にも動き出しそうな感じだよ。
ユーモラスにも見えるけど、タイトルの「ポーシャ」は戯曲「ジュリアス・シーザー」においてシーザーを暗殺したブルータスの妻の名前だという。
シェイクスピアの作品とされる「ジュリアス・シーザー」なので、イギリス人にとっては馴染み深いものなんだろうね?
このブロンズ彫刻を観て、シェイクスピア愛読者には何か納得する解釈があるのかもしれない。

2011年オランダ・ハーグで開催された展覧会用に制作した絵画シリーズ「Astragals(アストラガルズ)」も色や構図が素敵だね!
暗い背景に白い線で同一モチーフを連続して描いて、キャンバス全体を横断する構成になっているんだって。
ポルシェや戦闘機が描かれている作品もあるんだよね。
載せた作品「Heidegger’s Forest(ハイデガーの森)」は油彩画で、2m四方の大きな作品なんだね。
ドイツの哲学者ハイデガーの名前が付いているので、恐らく何かしら思索や探求を意味しているんだろうね。
他にもオーストリアの哲学者ウィトゲンシュタインの名前がある作品も同シリーズにあったよ。
抑えた色使いだけれど、大胆に筆を動かしているように見える作品群。
現物を観てみたいね!

最後にステンドグラスの作品ね!
「World Without End(終わりなき世界)」は、海に漂うクラゲをモチーフにした2017年の作品。
屏風のように折りたたむことができるという。
ステンドグラスを支え接合するために伝統的に用いられてきた鉛のケーム(鉛桟)を排除する革新的な技法によって制作されているため、ガラスそのものが水のように漂う効果があるんだって。
海の中を覗いているような気分になりそうだね!

パンク精神に共感したことがあるアーティストなので、作品にも共鳴してしまうよ。
とても好みで知ることができて良かった!
亡くなってしまった昨年も精力的に活動していたようなので、訃報が残念でならない。
日本でも大回顧展開催して欲しいよ!

SNAKEPIPE MUSEUM #81 Jordi Díez

20260412 09.
【高さ255cm × 幅380cmの Winged Manは大天使聖ミカエルのようだね】

SNAKEPIPE WROTE:

今回のSNAKEPIPE MUSEUMは、ステンレススチールを素材として作品を発表しているJordi Díezを特集しよう。
読み方はジョルディ・ディエスで良いのかな?
先週書いた「ROCKHURRAH紋章学 鉄鋼会社ロゴ編」を検索している時に、たまたま目にしたアーティストなんだよね。
一目でグッと来たよ!(笑)
まずは経歴を調べてみよう。

1966 スペイン・バリャドリッドに生まれる
1989 マドリード近郊にて最初のアトリエを設立
1989-1992 約3年間、孤立した環境で制作に没頭し、人間像を軸とした基本コンセプトを確立
1990- 石、鉄、木、テラコッタなど多様な素材で制作
1990年-2000 ステンレススチールへと制作素材を移行
2000- バルセロナ近郊センテリェス在住、制作活動を継続

1966年生まれということは今年60歳かな。
特に目立った受賞歴や展覧会への参加はないみたい。
世界各地の美術館に作品が所蔵されていたり、パブリック・アートとしてスペイン、フランス、ドイツなどの公共施設に展示されているんだとか。
企業や富裕層がコレクションしていることもあるらしいよ。
SNAKEPIPE MUSEUMも所蔵させてもらいたいね!(笑)

一目惚れした作品がこちら。
高さ250cm × 幅180cm × 奥行き107cmという大型サイズの「Celia」は、特定人物の「本質的な存在感」を抽象化して一つにまとめた作品だという。
この表現方法を「顔貌(フィジオノミー)の統合」というらしい。
モデルそっくりに制作するということではなく、不要な細部を削ぎ落とし、線・空間・構造に分解した後、再構成するんだとか。
制作過程について文章にすると難しいけれど、作品は観た瞬間から度肝を抜かれそうだよ。
実物を観てみたいね!

「Nefer」のモデルは、第18王朝エジプト王妃のネフェルティティ(画像右)だね!
現代でも、かなりの美女として通用する麗しさだよ。
この彫刻を基に制作されたのが画像左の作品。
角度によって表情が変わるだろうけど、作品のほうには少女性が感じられるよ。
これが先に説明した「顔貌の統合」なのかも。
ネフェルティティが王妃になる前からの人生を想像してるのかもしれないね。
ステンレスにブルーの光が反射しているところがカッコ良い!
高さが63cmの個人蔵だって。
きっと豪邸に飾ってあるんだろうね!

2009年の作品「Steel Lovers」の部分だけ載せてみたよ。
ステンレスで恋人たちを表現している。
白い恋人ならぬ銀色の恋人だね!(笑)
骨組みが金属の人型ロボットを連想してしまう。
最初に思い浮かぶのは、やっぱり「ブレードランナー」のレプリカントだよね。
高さが190cmもあるんだって。
ジョルディ・ディエスは大型の作品が得意なんだね!

スペインの革製品・ファッション・ブランドであるロエベのバッグをモチーフにした作品も素敵だね。
ロエベの代名詞といわれる「アマソナ」は、ブランドを代表するバッグなんだとか。
どうやらこの作品は、ロエベのショーウィンドウに飾るためのディスプレイとして発注されたみたいだね。
お店に飾られている様子の画像がいくつも出てきたよ。
1975年から現在に至るまで人気がある商品の歴史を表現しているように感じたよ。

続いては手をモチーフにした作品だよ。
タイトルの「El Caminante o La Rosa de los Vientos」を訳すと「歩く者(カミナンテ)または風配図(風のバラ)」と出てきたよ。
指を足のように見せかけて動かしている瞬間を切り取っているんだね。
この手はジョルディ・ディエス本人がモデルになっているようだよ。
サラサラと鉛筆でスケッチして、立体にしていく様子を動画で観てみよう!

火花を散らしながら溶接している様子は、まるで職人みたいだね。
2017年2月に書いた「SNAKEPIPE MUSEUM #41 Regardt van der Meulen」南アフリカのアーティスト、リガルト・ヴァン・ダー・メーレンの作風にも似てるよね。
スペインの巨匠とされるジャウメ・プレンサとは作風は近いけれど、作品制作における意図や制作方法に違いがあるようだよ。
ジャウメ・プレンサについても、調べてみたいと思う。

今回は、ステンレススチールで曲線を作り、対象の本質に迫る表現を続けているジョルディ・ディエスを特集したよ!
偶然に目にした好みのアーティストを知ることができて良かった。
いつの日かSNAKEPIPE MUSEUMに所蔵したいね!(笑)

SNAKEPIPE MUSEUM #80 Vania Zouravliov

20260215 10
【イギリスのシンガー・ソングライター、マット・エリオットのアルバム・ジャケット】

SNAKEPIPE WROTE:

「このアーティスト知ってる?」
ROCKHURRAHがスマホ画面を見せながらSNAKEPIPEに尋ねる。
画面には精緻でちょっと不気味な作品が映っている。
丸尾末広じゃないんだよね?(笑)
アーティストの名前は、Vania Zouravliov(バーニャ・ズーラヴィロフ)でロシア人だという。
調べてみると、2008年に銀座8丁目にあるヴァニラ画廊で日本初個展が開催されていたらしい。
今から約18年前のことなので、初見のROCKHURRAH RECORDSは遅れてるね。(笑)
温故知新はブログのテーマでもあるので、このまま進めるよ!
まずはバーニャ・ズーラヴィロフの経歴を調べてみよう。

1978? ロシアのウラジーミルで 生まれる
1980〜 幼少から母親の画材で絵を描き始める
1990〜 ロシアで「天才子ども画家」として注目を集め、13歳頃には 国際的に作品を展示
1997 イギリスへ移住し、エディンバラ美術大学で学ぶ
2000 初の出版作品が『Eros Comix』シリーズに掲載される
2000〜2010 イギリスを中心に挿絵・CDカバー・雑誌・画集など多数の仕事を手がける
2010 画集『VANIA』など作品集が出版される
2016 亡くなった との情報あり(死因は不明/非公開)

生まれた年も定かではないし、既にお亡くなりになっている記載もあるよ。
もし情報通りなら、38歳くらいの短い人生だったことになるね。
「天才画家」と呼ばれロシアのテレビ番組にも何度か出演した才能の持ち主なのに、残念だよ。
独特の雰囲気があるバーニャの作品を観ていこうか。

作品にはタイトルが付いていないようで、鑑賞したままの感想を書いていくつもりだよ!
黒いバックに目を見開き、怯えるような表情をした女性が描かれている。
これは米国テキサス州オースティンを本拠地として活動している「MONDO」で販売されていた映画「ドラキュラ」のポスターだって。
「ダゲレオタイプのよう」と評されることが多いというバーニャらしい作品だね。
ダゲレオタイプとは、1839年にフランスで発表された世界初の実用的写真撮影法のこと。
描くモチーフが、現実離れした昔の時代の人を思わせるからだろうね。
まるで写真のような精密描写も相まって、不思議な印象を持つことになる。
この作品の女性が映画に登場していたのかは不明だけど、映画の雰囲気は十分伝わるよね!

次の作品は、まさにダゲレオタイプで残された記録写真のようだよ。
ある種族の王族の血を引く王女を写した写真、みたいと思ったSNAKEPIPE。
バーニャは、1870年頃フランスやベルギーを中心に展開した「夢、死、神秘、内面的な感情」といった「目に見えないもの」を、神話や比喩などの「象徴」を用いて表現した「象徴主義」やエロティシズムを融合させて創作しているみたい。
ちなみに「象徴主義」の起源は、ボードレールの「悪の華」で、音楽はワーグナー、小説はユイスマンスの「さかしま」、絵画ではモローが代表的なアーティストだって。
シュルレアリスムより50年前に発生した、ちょっとダークなイメージの世界だね!
この時代も気になるなあ。

バーニャはロシアで生まれて、イギリスに移住している。
作品に東洋的なモチーフが多数あるのが謎だよ。
載せた作品は着物を着たキツネが、少女にまとわりついているところ。
日本の昔話にありそうな題材だけど、キツネの役割はなんだろうね?
バーニャの意図がよく分からない作品だけど、「何かありそう」な雰囲気は伝わるよ。
ある記事によるとバーニャの好きな言葉は、幕末から明治中期に活躍した無惨絵で有名な浮世絵師、月岡芳年辞世の句なんだとか。
「夜をこめて照まさりしか夏の月」は、月岡芳年自身も人生の最期に芸術家として真価を発揮したという意味なんだね。
バーニャの日本びいきがよく分かるエピソードだよ!

ナポレオン帽をかぶった冷酷そうな少年は、丸尾末広の漫画に出てきそうなタイプだね。
後ろに軍服を着てサーベルを持ったオオカミがいるよ。
先のキツネと顔や手の形が違うんだよね!
瀕死の重症を負わせたのが、手前の少年なのかもしれない。
かすかに微笑んで見えるので、自慢気に見えてくるよ。
オオカミが何かの比喩で、少年は力ずくで権利を手に入れたストーリーを考えたSNAKEPIPEだよ。

最後はこちら。
立ち襟から推測すると、恐らく中国人少女を描いた作品だろうね。
頭の飾りや目の周りの蝶みたいな化粧を見ると、何かの儀式のためのコスチュームなのかも。
髪の毛が口に入っているようだけど、パッと見には顔を切られているようで怖いよね!
まるで写真のように見える精密な描写力に驚くよ。
一度見たら忘れない作品だね!

今回はロシア人アーティスト、バーニャ・ズーラヴィロフを紹介したよ。
他の作品を観たいと思っても、画集は8万円以上もして手が出せないお値段になっている。
いつかまたヴァニラ画廊で展覧会やって欲しいと願うSNAKEPIPEだよ!