時に忘れられた人々【08】80’s ネオサイケ

【伝説のネオ・サイケ・バンド、幻の1stシングル(ウソ)】

ROCKHURRAH WROTE:

こないだ「【07】グラム・ロック編」をやったのが書いてる本人の記憶にも新しいというのに、またまた懲りずにこの企画をやってしまう。しかも音楽ジャンルが違うだけでパターンはまるで同じだよ。ROCKHURRAHのネタもあらゆる意味で枯渇しまくってるな、大丈夫なのか?

さて、今回取り上げるのは80年代初頭に一部で流行ったジャンル、ネオ・サイケについて。
それより一昔前に流行ったフラワー・ムーブメントやサイケデリックは知っていても、ネオ・サイケについては知らない人も多かろう(特に若い人)。

音楽はファッションの流行と同じで適度な周期で回っているもんだが、この80年代初期のネオ・サイケだけは再び流行ったという記憶がない。
ROCKHURRAHはそういう音楽情勢についてハナから詳しくもないし、もし知らないところで流行った事があったとしてもムーブメントという程の大きさではなかったんだろう、きっと。
というわけで「ウチの親が若い頃聴いてたよ」というような家庭でもない限り、今の若者にはとても馴染みの薄い音楽だろうと推測する。ROCKHURRAH RECORDSでも最も売れないジャンルだし。

ネオ・サイケの定義とかは案外説明するのが難しいんだが、本家アメリカのサイケデリックとは聴いた感じからして違うようなものが多い。ごく簡単に言えばシリアスで内気っぽく、根暗で(完璧な死語)センチメンタルな音楽という雰囲気か?
そういう音楽を志した若者たちだから、見た目も地味なバンドが多く、暗い色合いの服装でうつむき加減に演奏して歌うというスタイルが主流。だからライブとか見てもそんなにテンション上がらないだろうし、80年代以降に再流行しない最大の原因がやっぱり「面白みのない音楽」という事かね。

その辺のニュアンスを伝える能力がないので、下にROCKHURRAHが選んだのを見て、聴いて、あとは若いもん同士で勝手に納得して欲しい。何じゃこの投げやりな前説は?
では映像とコメント入ります。

バズコックスの初代ヴォーカリストだったハワード・デヴォートによるニュー・ウェイブ初期のバンド。
ネオ・サイケが本格的に起こったのは1980年前後だろうが、このマガジンあたりが直接の元祖と言えるのではなかろうか。
粘着質のいやらしい声とちょびファンキー(ROCKHURRAHが今テキトウに命名)なゆったりしたベースライン、そしてキーボードによる妖しい曲調を得意にしていた。
割と大作志向で曲もイントロも長いんだが、その辺の冗長さを我慢出来れば彼らのまとわりつくような曲の虜になる人もいるだろう。
ハワード・デヴォートの気怠い声と大儀そうなヴォーカル・スタイルは「そんなに疲れたんならバンドやらなきゃいいじゃん」とさえ思えるほど。通勤電車の中で聴いたもんならあんた、朝からやる気はなくなって休みたくなる事必至という危険な音楽でもある。ああかったるい。
ネオ・サイケとして紹介されるケースはほとんどないバンドだが、この倦怠感に影響を受けたバンドも多いはず。バウハウスのピーター・マーフィもソロでマガジンの曲をカヴァーしていたな。

初期は誰もが知ってる通り、紅一点ヴォーカリストのいるパンク・バンドの元祖だったわけだが、スージー・スーはポップな曲を歌っていてもいつも直線的でモノトーンな印象がする。
というわけで上のマガジンなどと同じくネオ・サイケの始祖だと言える。
この当時はキュアーのロバート・スミスとつるんでいたようで、映像でも右側にちょこんとギター弾いてる目立たない男がそうだと思うが、まさに借りてきたネコ状態。
後にヒットを連発して人気バンドになるキュアー(註:デビュー時期は70年代後半だが、ワールドワイドな活躍をするより前の時代)だが、この頃はまだ大舞台に慣れてなかったのかな。

いわゆる正統派叙情派ネオ・サイケの代表選手、エコー&ザ・バニーメンの初期の曲。
彼らの出身地リヴァプールの音楽(80年代当時)が叙情派ネオ・サイケの宝庫だったわけで、その数多いバンドたちの頂点にあったのがこのバニーズ(当時風の略称)なわけだ。
こういう髪型で線の細そうなルックス、古着のコートとか合わせれば誰でもバニーズ風になれるという模倣しやすさもあったから、当時の少女漫画とかでも大人気のファッションだったね。
ネオ・サイケは暗くてあまりキャッチーな音楽ではなかったが、彼らは見た目とは大違いの骨太な力強さを持っていたと思う。
ネオ・サイケを志す者たちの目標だったかどうかはわからないが「80年代のドアーズ」という位置に最も近かったのがこのバンドなんじゃなかろうか。

当ブログ「リヴァプール御三家編」でも取り上げたティアドロップ・エクスプローズや上のエコー&ザ・バニーメンだが、シリアスな印象のバニーズに対して、ジュリアン・コープ率いるこのバンドは正体の掴めない変化球が多いという印象がある。
正統派のネオ・サイケ、アラブ風の曲調、ファンク風、テクノ風まであって良く言えばヴァラエティ豊かなんだが、散漫な印象を受ける人の方が多いだろうね。
何回も同じような事書いたが、天真爛漫でワガママな個性をそのまんま発散させたのがジュリアン・コープの魅力だと言える。
そんなティアドロップ・エクスプローズの中で最も好きな曲がこれ。明るくてポップで子供っぽい、まさにドリーミーな曲調。こちらは80年代のシド・バレットという位置に最も近かったのではなかろうか。

初期はエコー&ザ・バニーメンと同じ牛乳石鹸、じゃなかったコロヴァ・レーベル(牛のマークでリヴァプール・マニアにはお馴染み)よりレコードを出していたサウンド。
ヴォーカルのエイドリアン・ボーランドはその前にアウトサイダーズというバンドもやっていたな。
この曲を聴いてわかるように文学青年ネオ・サイケのようなひ弱さはなく、日本ではほとんど無名ながらも、割とエモーショナルな名曲を残したいいバンドだった。
残念な事にこのエイドリアン・ボーランド、99年に自殺しているが、大メジャーなネオ・サイケだけを聴いてるような人(現代では稀だとは思うが)も是非この機会に再評価して欲しいバンドだ。

デビュー当時はバウハウスの後継者というような扱いで、確かにピーター・マーフィの歌い方を彷彿とさせる点はあったけど、見た目も曲もよくある感じで期待の程には活躍しなかったバンドだと思える。
ヒットした「Away」とか聴く限りでは確実にアメリカ寄りの音で失望したものだ。
ただしなかなか良いメロディのセンスもあって、この曲や初期の「Boxes」などは正統派ネオ・サイケを目指す者たち(しつこいが今の時代にいるのか?)にも響く何かがある。大好きなバンドじゃない時は紋切り型のコメントだな。

さて、この辺で比較的名の通ったバンドはおしまいにして、私的マイナー80年代タイムといきましょうか。ではミュージック、スタート。

ネオ・サイケにどっぷりというマニアでも意外と知らないこのバンド。
デビューした時は「フランスのジョイ・ディヴィジョン」などと一部で熱狂的に騒がれたものだ。
アメリカ生まれのテオ・ハコラは世界各地を放浪して、たどり着いたパリでバンドをはじめた。それがこのオルケストル・ルージュ(ROCKHURRAHは80年代風にオーケストラ・ルージュと呼びたい)だ。
1stアルバムはジョイ・ディヴィジョンと同じくファクトリー・レーベルのマーティン・ハネットがプロデュースした事、そしてライブ・アルバムではジョイ・ディヴィジョンのカヴァー曲を演奏した事から「フランスのジョイ・ディヴィジョン」と称されるようになったというわけ。
がしかし、直接的にそっくりな部分はそんなにない。
このバンドの特徴としては哀愁のあるヴァイオリン、そしてロカビリーやカントリーの世界でお馴染みのヒーカップ唱法(しゃっくりのような歌い方)、この2つが最大の個性となっている。
マイナーなバンドゆえにYouTubeがほとんどなかったのでこのビデオとなった(VHSから変換した動画らしく、音がトラッキングで乱れてる)が、本当は2ndアルバムの最初の3曲、これがROCKHURRAHのフェイバリット・ソング(ネオ・サイケ部門)だ。
特にハコラの同郷の大偉人、ジョセフ酋長を歌った「Chief Joseph」は今でも愛聴しているスーパー名曲なので、まだ聴いた事ないネオ・サイケ野郎は草の根を分けてでも探し出し、入手するべし。ROCKHURRAH、全部持ってる、ウソつかない、売る気ない。あ、CD出てたのか?
ちなみにこの曲はデビュー・シングルで1stアルバムにも収録されているが、全裸でヴァイオリンというインパクトある内容。

うーむ、ここまで書いたところでもはやかなりの長さになってしまったし、疲労困憊という状態。2回に分ける予定はなかったし、いくら書いても喜んで読んでくれる人もほとんどいなさそう。がしかし、どうしても続きが書きたいので、また後日に仕上げるとしよう。
景気よく「ミュージック、スタート」などと書いた後で情けないが、この続きを書き終えるまでに、地に潜む現代のネオ・サイケ諸君(そんなのいないか?)は仲間を集めてROCKHURRAHの元へ急ぐのじゃ。何だかわからんが「三国志」みたいでちょっと君主っぽいぞ。今の時代に大真面目で絶滅音楽とも言えるネオ・サイケについて熱く語るのも楽しくなって来た。この高揚感が次まで続けば良いけどなあ。

またまた続く

SNAKEPIPE MUSEUM #08 Michael Kenna

【世界の果てまで俺を連れてってくれるか?】

SNAKEPIPE WROTE:

今日のSNAKEPIPE MUSEUMはマイケル・ケンナを取り上げてみたいと思う。
マイケル・ケンナは風景写真家だからSNAKEPIPEが好きなのは珍しい、と思われる方も多いだろうね?
確かにマイケル・ケンナは自然写真が有名だもんね。
ただ写真の中には無機物と自然の調和、のようなモチーフもあるんだよね。
無機物も自然の一部と考えてるように感じられるのだ。
その点がSNAKEPIPEと同じ!(笑)
以前洋書で写真集を観た瞬間に「いい!」と思い、即決で買ってしまったことがある。
お値段は確か1万円近かったから高額だったのに…。
決してお金持ちとは言えないSNAKEPIPEに購入決断させるとは!
恐るべし、マイケル・ケンナ!(笑)

マイケル・ケンナは1953年イギリス生まれ。
現在はワシントン州のシアトル在住とのこと。
世界中を旅して風景を撮影している写真家である。
ハッセルブラッドの6×6カメラを使うことが多いらしい。
世界的にもかなり有名で、いくつか賞も受賞しているよう。
日本では北海道を撮影していて、写真集「HOKKAIDO」(まんま!)を出しているみたい。
撮影された特徴的なミズナラの木は「ケンナの木」としてファンが多かったとか。
ミズナラ?
おおっ!我らが鳥飼否宇先生の「樹霊」の中にも出てきたね!
残念ながらその「ケンナの木」はもう伐採されちゃったらしいけどね。

マイケル・ケンナの写真の特徴はなんといっても圧倒的な静謐感。
音のない、シーンとした世界。
人が登場しないため、未来的な印象を受ける。
それは人類が滅亡した後の終末的未来?
言うなればSFの領域になるのかもしれない。
マイケル・ケンナがいわゆる一般的な風景写真家と違うのはここなんだろうね。

燃えるような緑がキレイとか咲き誇る美しい花などという風景写真ならば、誰でもある程度の撮影はできるだろう。
そして実際に「〇〇フォトサロン」みたいなギャラリーではその手の写真展が今でもたくさん開催されているし。
撮影側も鑑賞側のどちらにとっても「最も害のない」ジャンルだろうね。
カレンダー用の写真を観ても、だいたい似た雰囲気だし。(笑)

観て癒しを感じる写真というのは人それぞれなので、上に書いたようなカレンダー的風景写真を観て清々しい気分になる人も多くいるだろう。
SNAKEPIPEだったら、と考えてみるとパッと浮かんだのは例えばマイケル・ケンナの空っぽの風景なんだよね。
なんにもなくてガラーンとした、人のいない場所。
以前取り上げたスティーブン・ショアーの時にも似たような文章を書いていたけれど、どうやらSNAEKPIPEは人がいない風景が好きなんだね。(笑)
同じように「空っぽ」の写真家とはいっても、スティーブン・ショアーの写真にはノスタルジーがあるけれど、マイケル・ケンナにはない。
人を寄せ付けない、いやそれ以上に拒絶しているような冷たさがあるんだよね。
何百年後なのか何千年後なのか分からないけど、かつて人類がいて文明があった形跡だけを撮影した写真という感じ。
だからといって世紀末的な絶望感は持たない。
一回りして、またスタートに戻ったような気分である。
これってもしかしたら輪廻転生?
はたまた雑念のない忘我の境地?(笑)
そんなことを考えながら、癒されるSNAKEPIPEなのである。

映画「BECK」観てべっくり!

【Beckのメンバー+1名紹介】

SNAKEPIPE WROTE:

ハロルド作石原作の漫画「BECK」の映画公開情報は知っていたけれど、映画館まで足を運ぶところまでには至らなかった。
日本映画を映画館で観た記憶があまりないなあ。
「BECK」は原作の漫画も全て読み、TVアニメ版も観てたことから実写版にも興味があった。
2月に入り、ついに待っていたDVDレンタル開始。
早速観てみたのである。

「BECK」は1999年から2008年まで月刊少年マガジンで連載されていた漫画。
どこにでもいる普通の高校生・田中幸雄(コユキ)は、帰国子女・南竜介(リュースケ)と偶然出会う。
リュースケは、アメリカを代表するバンド「ダイイング・ブリード」のリーダー、エディとは子供の頃からの親友であり、現在でも親交があるというスゴ腕ギタリスト。
コユキはリュースケ、そしてダイイング・ブリードの影響で、音楽に目覚めギターを習い始める。
そのリュースケがギターを担当し、千葉(ヴォーカル)、平(ベース)が加わりBECKというバンドが誕生。
そしてコユキ(ギター・ヴォーカル)と、コユキの同級生・サク(ドラム)が加入し5人編成のバンドになり、更にパワーアップ。
意外にもコユキにはヴォーカリストとして天性の素質があり、バンドは知名度を上げていく。
ライブハウスでの動員数がどんどん増え、自主制作でのCD発売、そして「フジロックフェスティバル」みたいな音楽の祭典「グレイトフルサウンド」に出場するという大きな目標を持つまでに至る。
リュースケがニューヨーク時代に起こした犯罪に関連したエピソードが加わったり、アメリカの音楽業界を牛耳る人物(レオン・サイクス)が登場したり、プロモーションなどの裏事情など本当にありそうな話が盛り込まれる。
「頑張れば道が拓けるんだ」という教訓的な部分も含まれている、サクセスストーリーである。

ROCKHURRAHは元々ハロルド作石のファンで、主要長編である「ゴリラーマン」「バカイチ」「ストッパー毒島」を所持していたらしい。
ところが肝心の「BECK」は全然読んだことがなかったとのこと。
勝手に「BECK」は少年向けの、イマドキのバンドを描いたものだと思っていたらしい。
「BECK」といえば90年代に大ヒットした、あのBeck(ROCKHURRHAが全然興味ないタイプ)を連想してしまったのも足が遠ざかる原因だったよう。
確かに本来の音楽の好みとはちょっと違うかもしれない「BECK」だけど、初めは何気なく観たアニメがとても面白かったので、コミックスも全巻揃えてしまった。(笑)
いわゆる少年熱血漫画とは違って、脇役に個性があったところが良かったね。

漫画版とTVアニメ版には大きな違いがなく、2004年から2005年にかけて放映されていたTVアニメでは「グレイトフルサウンド」の後でアメリカに旅立つところまでで完結。
アメリカでどうなるのか気になって仕方なかったから、コミックス買ったんだけどね。(笑)
今回の実写版では「グレイトフルサウンド」までの物語になっていた。

去年9月公開時のプロモーション映像を観た時から、漫画と実写のギャップのなさにびっくりしていた。
みんなすごく良く似ている!
BECKのメンバー5人は言うまでもなく、アニメや漫画の時から気になっていた脇役もかなり似て蝶!(笑)
なんで「あまりに似ている人(もしくは状態など)」を観た時に笑ってしまうんだろう?
SNAKEPIPEは最近はほとんど見なくなってしまったけど、「そっくりさん大集合」とか「ものまねグランプリ」みたいな番組が大好きだったなあ。
いつも大笑いして涙を流していたっけ。
バンドの5人については割と簡単に比較画像が観られるようなので、ROCKHURRAHブログらしく脇役の特に目を引いた3人について比較してみようか。

一番初めはコユキのギターと水泳の師匠として登場する斉藤研一。
漫画/アニメ版での斉藤さんは「元水泳五輪強化選手だったけれど挫折し夢破れる。その時の斉藤さんを慰めてくれたのがブリティッシュ・ロックだったことからギターを始める」という説明が詳しくされていた。
映画版では水泳に関する説明はほんの少ししかされていなかったので、競泳帽とゴーグルを付けた水着姿でのギター演奏(写真左)に違和感を感じるかもしれないね?
漫画/アニメ版にはもっといっぱい登場する斉藤さんだけど、映画での出演はやや少なめ。
この人がいなかったらコユキは成長できなかっただろう、と言える恩人中の恩人なんだけどね!
コユキの高校の先生を好きになっちゃうエピソードや風俗好きの部分は、映画版では完全にカットされてたのがちょっと残念。
「グレイトフルサウンド」のシーンでの水着で大はしゃぎ、に少しだけ出てたのかな。
実際に近くにいたらかなり欝陶しい人なのかもしれないけど、いい味出してるよ、斉藤さん!(笑)
カンニング竹山の起用はバッチリで、似過ぎてて大笑いしてしまった。
ギター演奏は本当に本人が弾いてたみたいだったけど、上手だったね!

次はアメリカで有名なバンド、として登場する「ダイイング・ブリード」のヴォーカル・マット。
確かにヴォーカルでスキンヘッド+サングラスって良く見かけるよね?
R.E.M.のマイケル・スタイプ 、ミッドナイト・オイルのピーター・ギャレット、日本だったらやはりこの方、サンプラザ中野くん!(笑)
軽く思い出しただけでこれだけいるんだもんね。
マット、の設定自体が割と簡単に「いかにも」な雰囲気だったのかもしれないけど、さすがに実写版も良く似ている方がキャスティングされてたね。
漫画/アニメ版と全く同じ、ステージからコユキに呼びかけ手を差し出すシーンも忠実に再現されていて、ますますマットらしさが出ていた。
あまりセリフがない役柄だから、逆に演技が難しそうだよね。

3人目はアメリカのレコード業界を牛耳るドン、レオン・サイクス。
漫画/アニメ版だと、この人の髪型ってもっこり膨らんだハート型になってるんだよね。
強力な威圧感を漂わせ、「金のためなら殺しもやる」というほどの拝金主義なのに、頭がハートというギャップ!(笑)
そんな「漫画以外有り得ないよね」と思っていたレオン・サイクスだったのに、実写版を観てたまげた人多いと思うなー!
SNAKEPIPEも一目見た瞬間に抱腹絶倒!(笑)
よくもここまでやってくれた!と拍手したくなるほどのクリソツ加減。
どこから見つけてきたんだろうねえ?
このキャスティング、最高だったね!

他にSNAKEPIPEが個人的にとても気になったキャスティングはもたいまさこ
「グレイトフル・サウンド」の創設者という設定で、なんと出演はこの左の写真一枚だけ!
いかにも時代を感じさせるようなサングラスとジャケット。
もたいまさこが髪をひっつめてない姿ってあまり見たことないSNAKEPIPEだったので、これはかなり衝撃的!
しかも漫画で出てくる創設者とも全然違うんだよね。(笑)
全く似てないのにこのインパクト!
さすがだね、もたいまさこ!(笑)

「原作が漫画」という実写映画があることは知ってたけど、ここまでこだわってキャスティングしてる映画って他にあるのかな?
読んだところでは、漫画と全く同じ洋服や靴、小物に至るまですべて調達するか、なければ作ったとのこと。
そのこだわりは完全に成功してたと思う。
もう一点、漫画と同じだった「こだわり」はコユキの歌声が聴こえなかったこと!
これはどうやらハロルド作石本人の希望によるものだったらしいね。
コユキの歌を聴いて、観客が驚愕し、目を瞠るという映像も同じ。
口をポカンと開けて、何が起こったのか分からない、というあの顔ね。(笑)
かなりいろいろな点で忠実だった実写版はとても面白かった。
「グレイトフルサウンド」以降の続編が制作されないのか気になるところである。

正直言ってBeckの目指している音楽については、それほど興味があるジャンルではないROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
恐らく実際にBeckの演奏やコユキの歌を聴いても、原作に出てくる観客のような反応を示さないだろうなあ。(笑)
読み物や鑑賞物としてはとても面白いと思うので、勘違いをして食わず嫌いをしている方にもお薦めしたい「BECK」である。

偏愛的変アイテム

【どこかに人が隠れてるよ!分かるかな?】

SNAKEPIPE WROTE:

ROCKHURRAHのミリタリー好きにつられるようにして、いくつかのミリタリー・ショップに一緒に足を運んだり商品を購入しているSNAKEPIPE。
がっちりBUYましょう!vol.1」で書いたこともあるように、ミリタリー物はどうしてもメンズサイズが多いため、小さいサイズを探しやすい通販で購入を決めることもしばしば。
様々なミリタリー通販サイトを見ていると、たまに
「この商品、一体誰が買うんだろう?」
と不思議に感じてしまうことがある。
それなのに「品切れ」などと書かれていたりすると益々妄想は膨らんでしまう。
一体誰が、何の目的で購入したんだろう、と考え始めると止まらない。(笑)
今日はミリタリー通販サイトで見つけた謎グッズを紹介してみようか。

初めにご紹介するのは「蚊避けネット」。
もちろん蚊以外の虫全般に効果ありそうだし、実際に養蜂業の方などには
「かぶるネットなんか毎日使っとるぞね。珍しくもなんともあらへん」(どこの言葉だ?)
と言われてしまうかもしれないけど。(笑)
ただミリタリー通販サイトでいきなりこの手の画像を見つけるとちょっとウケてしまう。
恐らくジャングルを想定して作られたものだと思うけど、もし本当にジャングルだったとしたら蚊よりも強力な毒虫がいそうだし。
頭部だけ守ってもあまり意味がないような気もするしね?
体の他の部分はどう対処するんだろう?
知ってる人がいたら教えて欲しい。(笑)

さて、お次は「秋田のなまはげ」でも、「ポンキッキのムック」でも「スターウォーズのチューバッカ」でもない、「ギリースーツ」のご紹介。
まるで着ぐるみのようなこのスーツは、擬態化し相手(敵)に気付かれないように草むらなどに潜伏して狙撃するためのミリタリーグッズ。
サバイバルゲームなどでは割とポピュラーな品のようだけど、一般的にはあまり知られてないよね?
自作する人も多いみたいだけど、商品として販売もされている。
左の4種類はそれぞれ「どこに隠れるか」によって色が違っている。
ジャングル地帯、砂漠地帯、湿地帯、雪原地帯などに対応しているこのスーツ。
結構いいお値段するタイプもあるみたいだけど、ギリーだけに義理で一着持ってると便利かも?(うそ)

続いての登場は、上のギリースーツ着用の際にも大活躍するであろう、フェイスペイント用のコンパクト!
2色、3色、4色と種類があったり、作りたい迷彩のタイプによってもコンパクトが揃っているようだ。
左の写真は一般的なウッドランド迷彩を作るための豪華5色セット!
淡いピンクや黄色を程良く混ぜて、丁度良い色合いに仕上げるところがポイントなのかな?
それにしても、上のギリースーツに身をつつんだ兵士が、チマチマとコンパクトを覗きながら顔を仕上げてる図を想像すると非常におかしい!(笑)
このコンパクトを使ってるところ、動画投稿サイトにないかしら?
ものすごく観たいんだけどね!

ギリースーツ編には全く登場しなかった地帯といえば水中。
確かにあのスーツ着ては泳げないしね?
水中でのミリタリーグッズって何かあるのかな、と調べてみるとやっぱりあった!
それが左の「ミリタリー用足ひれ」。
ちゃんとタクティカルブーツ履いた上から付けてるから間違いないでしょう。(笑)
この写真からでは装着部分がどうなっているのか分り辛いんだけど、これで脱げないのか心配。
このタクティカルブーツが完全防水素材じゃないとダメなのかどうかも気になるところだ。
わざと色を赤にしてるのかも注目しちゃうよね。
そもそも「足ひれ」というのは靴を履いたままでオッケーなシロモノなのかね?
などなどダイビングの経験ないSNAKEPIPEには未知の世界。
調べてみるとどうやらアメリカ海軍特殊部隊などでも採用されているというからお墨付き商品みたいね。
これを付けて泳いでいるところを観てみたいね!(さっきと同じじゃん)

最後に登場するのは「ガスマスク」。
大抵のミリタリー通販ショップで扱っている、そういう意味では良く見かける商品なんだよね。
ただし、目の引くのは「売り切れ」となっていることが多い点。
簡単にガスマスクと言っても、本当の意味での軍放出品で「有効期限切れのため実用できません」などと断り書きがあるものから「核・化学兵器に対応」などと書かれている実用可能な物まで幅広く扱われている。
実用不可のタイプはファッションだったり、オブジェだったり、単なるコレクションだったりするんだろうね?
ショップ用とかデザイン用とかの何かしら「商売向け」のような気がする。
好きでかぶっているのはG.I.S.M.の横山SAKEVIくらいのものか?(古い!)
そして実用可能タイプを購入するのは、地下にシェルターを完備しているような、本当の意味での「備えあれば憂いなし」の方なのかも?
こちらも実際「売り切れ」になってるのがあったからびっくりだよね。
マスクに6万円使えるんだから、やっぱりお金持ちなんだね!(笑)
この手のマスクは軍物でしか手に入らないだろうから、お高いのも仕方ないか。
実用する日が来ないことを望む!
皮膚呼吸のことを考えたら、全身スーツにしないと完全防備はできないのかなあ?
その手のスーツは通販で買えるのか?
また今度調べてみたい。(笑)