大人社会科見学—国立歴史民俗博物館—

20210321 top
【国立歴史民俗博物館入り口を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

何年も前からROCKHURRAHが「気になる場所」として挙げていたのが、佐倉にある国立歴史民俗博物館だった。
同じ佐倉にある川村記念美術館には、小旅行気分で数回通ったことがあり、その頃から話題にのぼっていた博物館なんだよね。
何年越しに実現したのか分からないくらい、念願だった博物館行きを決定!(おおげさ)
よく晴れた風の強い日、佐倉に出かけたのである。

博物館へはJRもしくは京成佐倉駅からバスで行かれるという。
車を所持していないROCKHURRAH RECORDSは、公共交通機関を利用して移動するので、徒歩かバスで行かれるかどうかは非常に重要なんだよね。(笑)
佐倉駅に到着すると、運良くバスが待っている。
なんと2人だけの貸し切り状態!
博物館に行く人たちは、マイカー族なのかもね?
最近ではマイカー族って使わないか。(笑)

バス停から博物館までは、長い急な上り坂を歩くことになる。
強い風に飛ばされないよう帽子を押さえながら進む。
上り切ると、大きな建物と広大な城址公園が見えてくる。
もう少し風が弱かったら、公園内も散策するのも楽しかったかもね。

開館時間を1時間程過ぎた入場だったせいか、そこまでお客さんは多くない。
チケットを買うために並ぼうとすると、「入館者確認票」の提出を求められる。
氏名と住所、何名にて来館したのかを記名し、提出しないと入館できないという。
体温を測るのはもちろんだけれど、確認票を書いたのは初めてかも。
国立の機関だから余計に厳しいのかな。
コロナ対策だから仕方ないよね。 

すべての条件をクリアして、いざ入場!
展示は第1展示室から第6展示室まで区分けされている。
まずは第1展示室の「先史・古代」から観ていこう。
まるで日本史の授業を受けているように、石器時代人の生活、縄文文化や稲作の開始などに関する物品や復元模型が並んでいる。
この展示室で最も興奮したのが、縄文土偶と土器!
以前より土偶には興味津々で、ミニチュアの土偶をデスクに飾り、可愛がっているSNAKEPIPEなんだよね。(笑)
画像には、複数の土偶が並んでいるけれど、これらはもちろん複製。
複製だからこそ、こうして一堂に会することができるってわけだ。 
調べてみると展示されていた「縄文のビーナス」などは、国宝に指定されている土偶だったんだね。
今から4500年以上前に作られた土偶や土器には、なんともいえない迫力があるよ。
右に載せた土器の画像、斬新だよね!
あの岡本太郎が、この土器を観て「なんだ、コレは!」と叫んだのは納得。
実際に使用するために作ったとしては、デコラティブで不思議なデザインだもんね。
この土器を作った人は、アーティストに間違いないよ!(笑)

観た瞬間に「ねじ式!」と叫んでしまった土偶。
腕の押さえ方と顔立ちが似て見えるんだよね。(笑)
今から3000年前の作品とのことだけど、この頃にすでに「ねじ式」の原型があったとは!

こちらはお目々ぱっちりの「みみずく土偶」ちゃん!
まるでキャラクター用にデザインされたような愛らしさ。
本当に4000年前の物なのかと疑ってしまうよ。
極端にデフォルメされた顔がみみずくに似ていることから、その名がついたという「みみずく土偶」ちゃん。
やっぱり愛称は「みみちゃん」かな。(笑)
あまりの可愛らしさに、レプリカが欲しくなったSNAKEPIPEだよ!

弥生時代のものとされる鏡。
なんでしょうか、この精巧な造りは!
正確に円を描き、更に正方形が刻まれている。
丸いビスが、まるでスタッズみたいでカッコ良いよ。
ぐるりと囲んだ円には、漢字とおぼしき文字まであるし。
この鏡は恐らく中国産で、日本に輸入された物だと思うけど詳しい説明はされていなかったよ。

「有鉤銅釧」とキャプションが書いてあるけれど、これだけだと意味が分からないよね。
下に英語で書いてある説明でやっと何のための物か分かったSNAKEPIPE。
これはブレスレット!
とがった部分がまるでパンクじゃないの。(笑)
元々は貝を切ってブレスレットにしていた名残で、このようないびつな形が一般的になった、ということは帰宅後調べて知った事実。
とがった部分に関しては、不明とのこと。
きっとパンクなトゲトゲ好きがいたに違いないという説は認められないかな。(笑)

第1展示室での縄文時代に興奮し過ぎて、鑑賞にかなりの時間を費やしてしまった。
まだまだ先は長いのにね!
第2展示室は「中世」とのこと。
平安時代半ばから戦国時代までを中世とするらしい。
第1展示室が5000年以上のスパンで構成されていたので、中世は1000年分にも満たないってことになるのかな?

土偶や土器のあとに現れたのが、この「ひとがた(人形)」だった。 
どんどん歩き進めていくうちに、「とほほ」な展示を探していることに気付いたSNAKEPIPE。
抜けた表情だったり、ぞんざいな作りになっている展示物を発見すると夢中で写真を撮ってしまう。
「とほほ」物には目がないからね。 (笑)
8世紀から9世紀頃の物とされる「ひとがた」は、一体何のために制作されたんだろうね?
まさかと思うけど、愛玩用の人形じゃないよね?

いきなり戦国時代の画像になっているけれど、この間にも興味深い展示はたくさんあったよ。
写真の下のほうにある鉄砲は、その装飾に目が釘付け!
この鉄砲は使用するためのものだったのか、それともインテリアだったのかは謎だけど、非常に美しかったよ。
燧石銃というフリントロック式の銃だそうで。
こういう銃もその時代には、日本にあったんだね。

キリシタン大名の洗礼名が載っていたよ。
印鑑だったのか、シンボルだったのか不明だけど、まるでロゴマークに見える図が秀逸で驚いてしまう。
「フランシスコ」を「FRCO」と略し、更に「F」と「R」を重ねて1文字に見せているところが現代的だよね!
右下の黒田長政、NAGAMASAをNGMSと母音を抜いて表記しているのも見逃せないよ。

第3展示室は「近世」。
16世紀末から19世紀半ばの人々の生活に焦点が当てられている。
NHKの番組「浮世絵EDO-LIFE」を観て、江戸時代の庶民の暮らしぶりを知ったROCKHURRAH RECORDS。
江戸時代は、思っているよりもずっと進んでいて、様々な楽しみをたくさん知っていたみたいなんだよね。

裕福な女性の衣装として展示されていた着物。
まるでパッチワークのように、複数の別の模様が組み合わされていたり、下の柄に合わせて、リボンが立体になっていたりと驚くような技巧が凝らされている。
オーダーメイドでしつらえているのか不明だけど、これは作るのに相当な技術が必要じゃないかな?
お値段がいかほどだったのか、そしてどのくらいの頻度で着物を買い替えていたのか気になるわ〜!

江戸時代には旅行が大ブームだったらしい。 
「お伊勢参り」をはじめとする観光旅行が好まれ、温泉に入ることやお土産を買うなど、現代と変わらない旅を楽しんでいたという。
SNAKEPIPEが気になったのは、そんな旅の途中で旅人が食べていた食事を紹介した展示だよ。
上が中山道にある宿の夕食で、ご飯と汁と魚と豆腐だって。
粗末、と書かれているけど、どうだろう。
下は東海道にある宿の夕食。
びっくりなことに鰻が出てるんだよね!
これはかなり豪華だと思うよ。
江戸時代の人は、美味しい物食べて旅行してたんだね。

第4展示室に到着する頃には、もう13時近くになっていた。
すっかりお腹はペコペコ!
縄文時代に興奮し、時間配分を間違えたみたいだよ。(笑)
あともう少しだから頑張ろう、ゴールは目の前だ!とROCKHURRAHと励まし合う。

第4展示室は「民俗」。
ここで注目したのは「妖怪の世界」の展示。
河童や海に現れる妖怪の絵などを見ることができる。
画像は「化物行灯」という明治時代の物。
平面に描かれた展開図を切り抜いて立体的に組み立てる玩具だという。
複製で販売して欲しいくらい気に入った逸品だよ!

「狐の窓のつくりかた」は、指を交差させ隙間から覗くと異界が見えるというもの。
ROCKHURRAHと一緒にやってみたけれど、この形にするのは至難の業。(笑)
誰もができるような易しい方法で見える、というのは面白くないもんね。
他にも異界を見るための方法がいくつか載っているので、知らない世界を知りたいと願い人が多かったことが分かるね。

第5展示室は「近代」。
19世紀後半から1920年代までを特集している。
大正から昭和の初め頃の浅草を再現した風景を歩くことができる。
ちょっといかがわしくて猥雑な雰囲気を味わえるよ。
この時代といえば、思い出すのは江戸川乱歩!
きっと乱歩はこんな場所を歩いていたに違いないね。(笑)

当時使用されていたマッチの展示もあった。
ROCKHURRAH RECORDSでは「ビザール・グッズ選手権」というカテゴリーの中で、 日本を含めたマッチのパッケージ・デザインについて特集したことがある。
小さな箱を彩る凝った意匠に魅了されるんだよね!
今回展示されていたのは、メーカーやショップが宣伝用に作成していたものなのかな? 
「味の素」や「シャチハタ」の文字が見えるよね。
じっくり観ていると、「とほほ」なデザインもあって嬉しくなってしまう。 
もっと接写で撮ればよかったな!

第6展示室は「現代」。
1931年の満州事変から1970年代までを特集していたよ。
もうこの頃には14時近くになっていて、お腹と背中がぺったんこ状態!
展示はもちろん鑑賞したけれど、ランチにありつきたい気持ちが優先してしまった。
画像は館内にあるレストラン「さくら」で注文した「古代カレー」だよ。
古代米を使用しているとのこと。
プチプチした食感が面白かった。

歴史の教科書を総ざらいしたような感じで、興味深い展示に満足した。
広範囲に渡る展示なので、特別驚くことはなかったけれど、充分楽しむことができたよ!
一番興奮した縄文時代は、改めて好きだということを実感。
先日行った岡本太郎記念館でも同じ感想を持ったけれど、縄文時代の土偶や土器にも強いパッションを感じるんだよね。
ほとばしる情熱とでもいうのか、技巧ではない魂の叫びというのか。(陳腐!)
下手のほうがいいんだ。笑い出すほど不器用だったら、それはかえって楽しいじゃないか。」
という岡本太郎の言葉が良く分かった気がするよ。
またROCKHURRAHと、お出かけしましょ!(笑)

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