【映画館の看板を撮り忘れてしまったため、ポスターを載せよう】
SNAKEPIPE WROTE:
何ヶ月も前から、長年来の友人Mより「面白そうだから行こうよ!」と誘われていた映画がある。
それは「整形水(原題:성형수 2020年)」という韓国ホラーアニメ!
「整形」で「ホラー」と聞けば、面白いに違いない。(笑)
公開日を楽しみに待っていたのである。
ついに2021年9月23日の公開に先立ち、前売り券が発売された。
当日券と比べ、前売りは400円もお得なんだよね!
早速購入し、いつでも座席予約ができるように準備を整えておいたのである。
ここで「整形水」のトレーラーとあらすじを書いておこうかな。
小さい頃から外見に強いコンプレックスを持ち、人気タレントのメイクを担当しているイェジ。
タレントからは罵倒され、ふとした偶然で出演したTV番組では、自分への悪意ある書き込みで自暴自棄に。
そしてある日、巷で噂になっている“整形水”がイェジの元へ届けられた。顔を浸せば、自らの手で自由自在に思い通りの容姿へと変えることができてしまう奇跡の水。後遺症も副作用もない。
美しくなりたいという欲望に駆られ、イェジは“整形水”を試すことを決意する。
全く新しい人生を歩むために。
それからしばらくして、周囲で不審な出来事が起こり始める…。
(公式サイトより)
美容大国とも整形大国とも言われる韓国発の整形ホラーとは、期待が高まるよね!
友人Mと日程を合わせ、早速座席の予約を進める。
ここでSNAKEPIPEは致命的なミスに気付く。
なんと鑑賞しようとした日は水曜日。
レディースデイはチケット料金が1,100円になるんだよね。
前売り券をお得に購入したと喜んでいたのに、当日券のほうが安くなるとは!(涙)
レディの皆様、映画行くなら水曜にしましょ!
友人Mと約束をした場合、映画だけにならないことがほとんど。
展覧会の鑑賞など、他の企画もプラスしちゃうんだよね。
今回も映画の後に行きたいところがあったため、映画は午前の早い時間にスタートする映画館が望ましい。
アニメ映画だったせいか、ほとんどの映画館では吹替版しか上映していない。
原語で鑑賞するのが好みなので、非常に残念だった。
一番早い上映時間を設定していたのは、池袋HUMAXシネマズ。
池袋って今までほとんど行ったことがない未知の土地だけど、頑張って行ってみよう。(笑)
9時20分から上映される回は、予想通り観客が少なかった。
240席ほどの会場は、コロナの影響で1座席ずつ飛ばし、半分の収容人数にされていた。
入場者を数えてみると、約20人ほどの少なさ!
とても良い環境で鑑賞することができたよ。(笑)
それでは感想を書いていこうかな!
現在もまだ公開中の映画なので、ネタバレしないように気をつけて書くよ。
主人公のイェジ。
人気タレントであるミリのメイク担当をしている。
イェジは太めの体型に加え、お世辞にも美しさからは程遠い容姿なんだよね。
どうして人気タレントのスタッフになったのか疑問だけど、美と醜の対比を描くためだったのかもしれないね?
子供時代のイェジは、バレエで結構いい線いっていたという。
それでも大会で優勝することはなく、2位止まり。
優勝できないのは見た目に問題があるからだ、と思い込む。
バレエの技術については何も触れられていなかったので、真偽は明らかではないけれど、そう思ってしまうのも理解できるよね。
例えばフィギュアスケートを見ていても、人形みたいに美しい選手が氷上を舞っていると、目を奪われることが多いから。
イェジは強いコンプレックスを抱え、更にはネットで罵倒されたことが引き金となり、一歩も部屋から出なくなってしまう。
イェジは両親と一緒に住んでいる。
だからこそ引きこもることができるんだよね。
一人暮らしの人だったら、外に出ないと生きて行かれないよ。
引きこもりは、支えてくれる家族がいるからこそ成立する行為なんだ、と改めて気付く。
住ませてもらい、食わしてもらっていながら、イェジは両親に悪態をつく。
こんな容姿にしたのは両親のせいだ、と言うのだ。
イェジは甘えてるなあ、と思うのはSNAKEPIPEだけかな?
その甘えを許した両親の教育が悪いのはもちろんだけどね。
引きこもりだったイェジが整形水を手に入れ、別人に生まれ変わる。
美人で痩せていて、胸だけは大きい理想的な外見を手に入れたのだ。
簡単に書いたけど、結構グロいシーンだったんだよね!
これは実写は無理だろうな。(笑)
「これは投資だから」と整形水の代金や、容姿に見合った洋服を購入するお金は両親に出してもらう。
イェジは芸能人になって、注目を浴び、大金を手にしようと目論んでいるのだ。
名前もソレに変えて、新たな人生をスタートさせる。
整形後の名前はソレとして書いていくことにしよう。
イェジがメイクを担当していたタレントのミリがこちら。
確かに痩せているのに、メリハリのあるボディ!
ただし性格に難ありで、イェジのことを豚呼ばわりしたり、気分にムラがある「いかにも」な芸能人タイプなんだよね。
ソレになったイェジは、復讐の意味も込めて、ミリを出し抜くほどの人気者になっていく。
外に出れば、男性が皆振り返るほどの絶世の美女のソレ。
身長とか声とか、通常なら整形できないはずのパーツについても変化していたような?
アニメだから良いのか。(笑)
ずっと憧れていた外見と称賛の声を手に入れたけれど、心の中には不安があるんだよね。
そして少しでも外見が崩れると、また整形水を使いたくなる。
これって整形マニアの人が「そこまでやる?」というくらい、整形を繰り返してしまう精神状態に近いのかもしれないね?
そうすると悲劇が起こってしまう。
画像は整形水で失敗しているシーンね。
一体どこまで両親に迷惑かければ気が済むの?
観ているうちに、ソレに対して腹が立ってきたSNAKEPIPEだよ。
それでもやっぱり両親はソレを見捨てず、身を削って助けるんだよね。
次にソレは金持ちと結婚して、裕福な人生を手に入れようとする。
韓国も日本と同じようにマザコンや持ち物自慢の男など、魅力に欠ける人物が結婚の候補者として何人も登場してきて笑ってしまった。
ソレだけじゃなく、ほとんどの女性が結婚を拒否するだろうね。(笑)
新人俳優として紹介されたジフンに初めて会ったのは、まだイェジだった頃。
生まれて初めて自分を褒めてくれたジフンに急接近を試みるソレ。
結婚したかった金持ちの候補者に幻滅したせいもあるし、ジフンは気になる男性だったからね。
キレイになった今の私にだったら、振り向いてくれるかも!という期待もあっただろうね。
このジフンの顔が、いかにも韓国の俳優にいそうな顔で、さすがにお国柄だと思ったよ。
日本のアニメとは違う顔立ちだもんね。(笑)
ネタバレしないので、ここから先については「そんな結末だったとは!」と仰天したことだけ書いておこうかな。
まだ観ていないROCKHURRAHにも、何も話さないでおこう。(笑)
整形ネタで思い出すのは、手塚治虫のアニメ映画「クレオパトラ(1970年)」で、醜い女が整形してクレオパトラになるシーン。
あんなに簡単に美女になれるのはいいなあ、と思ったものよ。
「整形水」は、「クレオパトラ」ほど簡単ではない整形方法で、先にも書いたようにグロいので、あまり使ってみたいとは思わないな。
「ボロは着てても心は錦」や「見目より心」など、外見より内面が大事だと教える言葉は多い。
SNAKEPIPEは外見、内面のどっちも磨かなければ!と思っているけどね。(笑)
美への執着が歪んだ人格を生んでいく。
韓国のお受験戦争を描いたドラマ「SKYキャッスル~上流階級の妻たち~」では、良い大学に入るための壮絶さが描かれていたよね。
生きていくために、少しでも人より上に行くためには手段を選ばない、という競争社会を描いている点が似ている気がしたよ。
余談だけど、その競争社会に負けた人を主人公にした映画が「パラサイト 半地下の家族(原題:기생충 2019年)」だったわけだね。
色々と考えさせられることも多い映画「整形水」、お勧めだよ!(笑)