好き好きアーツ!#11 デヴィッド・リンチ—PV—

【ビデオの公募を呼びかけるリンチ。映像はまるでロスト・ハイウェイだね】

SNAKEPIPE WROTE:

今年のSNAKEPIPEの誕生日に友人Mがプレゼントしてくれたのが、デヴィッド・リンチのCDだった。
なんとリンチ、60歳を過ぎてからCDデビューを果たしたのである。
ジャンルはエレクトロ・ポップ!
ナウいというか、若いというか。
なんにでも興味を持つ好奇心の強さはさすが自称19歳!(笑)
リンチらしさも良く出ていて、なかなかの出来。
さすがはリンチだね!リンチは「Good Day Today」と「I Know」という両A面のシングル曲をリリース。
なんと、元ネタ2曲なのにリミックスバージョンを含んで10曲入りCDになってるんだよね!
ちょっとお得な感じ?(笑)

CDを所持するところまではファンとしては当たり前のことだろうけど、そのプロモーションビデオについては全く知識がなかったSNAKEPIPE。
you tubeでビデオは観ていたけれど、てっきりリンチが撮影したものだと思っていた。
ところが!つい先日、リンチがプロモーションビデオの公募を呼びかけていたことを知ったのである。
この情報…なんと2010年11月30日のもの。
そして2010年12月22日に公募締切、2011年1月3日にはオフィシャルビデオが決定していたらしい。
うーむ、リンチファンを名乗っているSNAKEPIPE、既に半年以上も前の情報を今頃手にするとはなんとも情けない!

この企画はイギリスのgenero.tvという映像コンペティションのサイトが主催していた模様。
アーティストのプロモーションビデオを公募し、最優秀作品を公式なプロモーションビデオとして採用する、というもの。
見てみるといろんなアーティストが参加してるんだよね。
デュラン・デュランとかアリシア・キーズなどの有名どころも入っててびっくり!
賞金として2000ポンドも授与されるとのこと。
日本円にして約25万円。
いや、これはお金の問題じゃないよね!
映像作家を目指している人にとっては登竜門みたいな感じになるのかな。
おおっ、先週のトマー・ハヌカの記事ではアメリカにおけるイラストの登竜門の話を書いたばかりだけど、イギリスでは映像だって!
世界にはいろんな企画があって楽しいね!(笑)
そしてこのサイトを観て、以前you tubeで観たリンチのプロモーションビデオが最終選考10作品の中から選ばれたグランプリ作品だったことを知ったのである。
ビデオはシングル曲「Good Day Today」と「I Know」の2曲別で公募されたため、それぞれにグランプリが決定している。
最終選考に残った10作品を鑑賞していると
「グランプリより好きかも」と思う作品もあって、好みの問題だから仕方ないんだけどね。(笑)
今日は最終選考に残ったSNAKEPIPEの琴線に触れた作品について書いてみたいと思う。

まずは「Good Day Today」から。
なんだか「スターシップ・トゥルーパーズ」の「今日は死に日和」のようなタイトルだよね。(笑)
こちらはグランプリを獲得した作品がやっぱり一番だと思った。

フランスの22歳の学生adodが制作した、というビデオ。
なかなか良くできてるよね!
光と影の表現がリンチらしくて、SNAKEPIPEはてっきりリンチが撮ったんだと勘違いしちゃったんだよね!(笑)
目玉のシークエンスだけがちょっと単純な気がして残念だったかな。

もう一本「これもなかなか素晴らしい」と思ったのがこちら。


Balthazarという、こちらもフランス人の作品ね。
少年が主人公というのも同じ。
グランプリには毒があるけど、こちらは「少年の日の思い出」的な雰囲気だよね。
少年にしたのは、リンチの幼少時代として設定したからなのかな?

「I Know」のプロモーションビデオは、グランプリを獲得した作品よりも他の作品が気になったSNAKEPIPE。
このブログではグランプリは割愛させてもらっちゃおう!

まず気になったのはwyattdennyという、作家も俳優も監督もこなしているというアメリカ人の作品。


この方、恐らくリンチの大ファンなんじゃなかろうか?
作品はまるで「マルホランド・ドライブ」のワンシーンのような雰囲気。
ブルネットと金髪の女性二人という設定、青い光を放つ箱を開ける、などよく研究されてるよね。(笑)
赤いカーテン、内緒話のしぐさなどは「ツインピークス」だし。
妙な儀式めいた化粧は「ワイルド・アット・ハート」か。(笑)
などとリンチファンがニヤニヤしながら鑑賞できるのが楽しかった。
オリジナリティと言われてしまうと弱いけどね!

続いてはこちら。


ルクセンブルクのVitùcという方の作品。
モノクロームが似合うヨーロッパの風景。
なんとなくイーライ・ロス監督の映画「ホステル」のスロバキアを思い出してしまうのはSNAKEPIPEだけか?(笑)
そう考えるとちょっと怖い感じもして、リンチのプロモとしては良い効果かもね。
恐らくこの方もリンチのファンなのか、フィルムの逆回転の多用に影響を感じるよね。

続いてはパロディっぽいこちらの作品。


Meatheadというアメリカ人アーティストのアニメーション、なかなか面白いよね!
リンチが似てるし。(笑)
日本語の字幕はメチャクチャで全く意味不明だけど、日本人以外の人が見たらエキゾチックな感じがするのかもしれないね?
リンチがコーヒーとタバコ好きというのがちゃんと研究されていて、アニメに反映されているのが良かった。
それにしてもコーヒー3杯は飲み過ぎじゃない?(笑)

CDデビューではびっくり仰天ハプニングで楽しませてもらい、今回のプロモーションビデオの企画も面白かった。
リンチのフォロワー、まだまだ続けようと志を新たにしたSNAKEPIPE。(大げさ)
それにしても世界中に映像作家や作家志望の人がいっぱいいるんだねえ!
そして今回の最終選考作品を鑑賞して思ったのは、
「リンチが大好き!」
と思ってる人がこんなにたくさんいるんだな、ということ。
同じくリンチファンのSNAKEPIPEには、同志のような気がしてとても嬉しかった。
そして恐らくそんなリンチファン(リンチアン)達は、皆同じことを思っているに違いないはず。
「リンチの新作はいつ?」
ほーんと、待ち焦がれちゃうよね!(笑)

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