【チェアと聞けばやっぱりこれ!アンディ・ウォーホルのエレクトリック・チェア】
SNAKEPIPE WROTE:
ふと思い立ったように、何かしらの画像検索をしてしまうSNAKEPIPE。
アーティスト検索したり、作品を観たり。
毎回ハッとさせられる画像に出会うわけではないけれど、ワクワクしながらパソコンに向かう時間が好きだ。
それはもしかしたらフィルム現像に近い感覚なのかもしれない。
デジタルカメラとは違い、フィルムでは何が写っているのか見るまで分からない。
もしかしたら何かの偶然が作用して面白い作品になっているのではないか、という小さな期待を寄せる、あの瞬間に似ている気がする。
ラッキーなことに、またビザールな逸品を発見したので紹介してみよう。
初心にかえって今回は椅子特集ね!
この画像を観た瞬間
「これぞまさに人間椅子!」
と叫んでしまったSNAKEPIPE。
人間が中に入らないと成り立たない、そのままでは椅子とは呼べないモノ。
いや、まてよ。
「人間椅子」だったら、本来の目的としては、中に人が隠れていることがバレないようにしないといけないのか!(笑) 江戸川乱歩の世界とは違うけど、ユニークなので、書いてみよう。
調べてみると、この椅子はJamie Isensteinというアメリカ人アーティストの作品らしい。
ページには他の作品も載っているんだけど、どれもちょっとヒネった雰囲気の作品ばかり。
恐らく現代アートならではの、小難しい解説や理論があるんだろうねえ。(笑)
それらをすっ飛ばして、鑑賞するだけでも面白い。
鑑賞だけじゃなくて、展示されている時には実際に座ってみたい逸品だね!
ひょっとしたら筋トレにも活用できるかもしれないしね。(笑)
続いても、ヒトにこだわった椅子ね。
シルバー色で流線型のフォルムが美しい逸品!
これはどうやら人間の骨盤をイメージして作られたみたい。
人体解剖型ロッキングチェアは、テヘラン出身のPouyan Mokhtaraniによるデザインとのこと。
Ruby Rocking chairという名前が付いている。
ルビーちゃんなんてかわいいね。(笑)
デザイナー本人のHPとは別に、ルビーちゃんだけの専用HPもあったよ。
どちらのサイトもかなり凝った作りになっていて、ハイパーな仕掛けが楽しい。
サイトにルビーちゃんに実際に座った時の画像も載っていて、なかなか座り心地が良さそうだった。
この椅子はあなたに最高水準の心地良さと自由を与えてくれるでしょう、なんて宣伝文句も書かれてるしね。
好きなようにオーダーできるシステムのようなので、値段は不明!
一度座って感触を確かめてみたいよね。(笑)
骨盤に続いて、こちらも骨のロッキングチェア!
まさに骸骨をあしらった、なんとも不気味な逸品ね。
19世紀ロシアのアンティークのよう。
木製で、足の辺りの装飾も細かく凝った作りになっているよ。
台座下にはペガサスのような動物が何体か彫られているし、足部分には人の頭部が付いている。
どうして上は全身骸骨なのに、足元だけ人の頭なんだろう?
なんで下も髑髏にしなかったのかな?
そして背もたれに当たる部分が胸骨になると思うんだけど、この椅子の座り心地はどうなんだろう?
骨が当たって痛くはないんだろうか、なんて心配になっちゃうけど、インテリアとして考えるのが普通なのかも?
どうやらオークションに出品されていたらしく、お値段$2,500から$3,500だって。
今のレートでは25万円から35万円ってところか。
手が出せない金額じゃないよね!
一体誰がオークションに出品したんだろう。
SNAKEPIPEはそれがとても気になるなあ!(笑)
さて、お次は単なる椅子という枠を越えた多機能娯楽椅子のご紹介。
これはイギリスのデザイナーであるDavid Gawthorpeがミニ・クーパーのフロント部分を使って、2年をかけて制作した作品。
どうやら映画を観たり、音楽を聴いたり、PS3やXboxで遊ぶことができるらしい。
そして後部には小さい冷蔵庫もあるようで、至れり尽くせり。
更に驚くのは、映画などの弾丸の音に反応して座席が振動するシステムまで搭載!(笑)
臨場感溢れる仕組みになってるんだね。
気になるお値段は£8000、日本円で約120万円。
この金額は中古でミニを買うのとほぼ同額とのこと。
熱狂的なミニのファンにはお薦めの逸品だね!
ただし、車の幅以上のスペースが部屋に必要だね。(笑)
さて、こちらもリサイクル品を使った椅子の登場だよ!
ぎょぎょっ!
こ、これはもしやライフルでは?
画像だけ見ていると、なんとも恐ろしい椅子のようだけど?
調べてみると、これは大英博物館に所蔵されている作品のよう。
モザンビークのアーティスト、Cristovao Canhavato (Kester)が制作し、タイトルは「Throne of weapons」とのこと。
1992年に内戦の終結以来集められた廃兵器から作られたというから、本物の武器だったのね!
AK47アサルトライフルやH&K G3ライフルなどの武器は、モザンビーク・キリスト教協議会「銃を鍬へプロジェクト」を行なっているTAEというチームの支援により世界中から集められているらしい。
ライフルを農器具や建設用工具に交換 する運動を展開しているとのこと。
確かメキシコでも銃を品物に交換できるなんてニュースがあったね。
「Throne of weapons」プロジェクトについては、大英博物館のページに詳しく載っているのでご参照下さいませ。
それにしても、この椅子を展示しているという大英博物館、やるなあ!(笑)
最後はこちら。
もしかしたらこれは厳密に言うと椅子の括りに入らないのかもしれないけど、武器つながりということでいいか。(笑)
これはベビーカーなんだけど…。
名前が「gun shape baby carriage」なんだよね。
写真では見辛いと思うけど、至る所にガンが仕込まれてるよ!
なんとも物騒な作品だけど、非常に美しい仕上がりにうっとりしちゃう!
ステンレスの冷たい輝き、重厚感のある見事なフォルム!
これは中国のアーティスト、shi jinsongの作品「ne zha」シリーズの一つらしい。
「ne zha」とは哪吒(Nezha、Na-zha、Nataなど)と漢字では表記され、ナタク、ナタまたはナタ太子とも呼ばれ、中国、道教の伝承、封神演義、西遊記に出てくる子供の姿の英雄、武神であり、民間信仰では厄払いの霊として崇められている存在とのこと。
Shi Jinsongは「ne zha」シリーズを、超自然的な力と中国の架空の創造物であり、古い中国の文化の衝突および現代世界を示す装置として展開しているという。
現代アートだから、解説が難しいね。
とりあえず何故ベビー用品ばかりなのか、の意味は解ったね。(笑)
2011年11月の「ビザール・ベッド選手権!3回戦」で「グッと来た逸品」として紹介したピカピカ光るステンレスで作られたゆりかごも「ne zha」シリースの作品だったと判明!
SNAKEPIPEの好みにドンピシャなんだよね。(笑)
ゆりかごやベビーカー以外のシリーズ作品も、安全基準を全く満たさない物騒系で素晴らしいよ!
デヴィッド・クローネンバーグ監督の「戦慄の絆」に出てきた、非常に危険でアーティスティックな鉗子の雰囲気に似てるんだよね。
道を塞ぐ、でしゃばりなベビーカーは大迷惑だけど、この作品は見惚れるね!
是非ロバート・ロドリゲス監督の映画で、いかにも怪しげなメキシコ系グラマーにこのベビーカーを押してもらって、ここぞという時に発砲する小道具として使って欲しいね!(笑)
5つのビザールな椅子、いかがだったかな?
椅子に関しては今回で4回目の特集になるんだよね。
おかげでSNAKEPIPEの目も肥えてきてるよ!(笑)
ちょっとやそっとじゃ驚かなくなってるはずなのに、まだまだ世界にはビザールな逸品があるし、日々生産されているんだね。
また新鮮な驚きに出会ったら特集してみたいと思う。