ダニエル・アーシャム Architecture Anomalies鑑賞

20180624 top
【展覧会のタイトルを撮影。ライブハウスみたいだね】

SNAKEPIPE WROTE:

最近展覧会の鑑賞から遠ざかっていたため、アート作品に触れたい病にかかっていたROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
「ちょっと面白そうじゃない?」
とROCKHURRAHが提案してくれたのは、渋谷にあるNANZUKA というギャラリーで6月30日まで開催予定のダニエル・アーシャム展だった。
NANZUKAも初めてだし、ダニエル・アーシャムというアーティストも初耳のSNAKEPIPE。
他に渋谷に用事もあったので、行ってみることにする。

ヒカリエの近くにあるギャラリーということなので、方向音痴のSNAKEPIPEでも分かるはず!
ヒカリエを目指し、裏手のシオノギビルまで来れば、ギャラリーはその隣のビルだからね。
地下にあるというので階段を降りてみる。
地下1階に到着すると「後ろにあるエレベーターで地下2階まで降りてください」と書かれた張り紙を発見!
まるで秘密地下組織のメンバーになるような気分で、エレベーターに乗り込む。
このエレベーターが小さくて古めかしいのよ。(笑)
こんな些細なことでも、ちょっと冒険めいた気分になってワクワクしてしまうんだよね。

エレベーターを降りると、また数段の階段を降りて会場に入る。
バーンと開けた会場なので、好きな順番に観て歩くことが可能だね。
作品数は多くないけれど、無料で開放されていて、更に撮影OKだというのは太っ腹!
もちろんバシバシ撮らせて頂いたよ。

では最初にダニエル・アーシャムについて簡単に説明しようかな。
1980年アメリカ、オハイオ州生まれの38歳。
現在はニューヨークを活動拠点にしているという。
芸術活動が多岐にわたり、立体作品やペインティング、建築やパフォーマンス、映画制作も行っているという。
「Fictional Archeology」(フィクション考古学)や「Future Relic」(未来の遺物)なんてタイトル聞くだけで興味が湧いてくるよね。
今回のタイトルは「Architecture Anomalies」で「科学的常識、原則からは説明できない逸脱、偏差を起こした現象を含む構造」がテーマだという。
解説すると難解な文章になるんだろうけど、作品はちっとも難しくなかったよ。(笑) 

会場入ってすぐ目に飛び込んできたのがこの作品。
椅子に座っている人にシーツが被せられているようで、観た瞬間にゾッとしたよ。
どんな状態で人がいるのか分からない、というのがこんなに恐怖を感じさせるとはね!
2017年12月に書いた「SNAKEPIPE MUSEUM #45 Sam Wolfe Connelly」の中に、同じようなシーツを被った人物を描いた作品があったことを思い出す。
あの絵も怖いんだよね!
今回の立体作品は、シーツだと思っていたら石膏みたいに固い素材でできていて意外だったよ。
中にマネキンが入っていたりするのかな。
どんな造りになっているのか不思議だったよ。

アーシャムのHPで確認すると、これは2017年のモスクワ・ビエンナーレで発表された作品みたいだね。
壁をギューっと引っ張って、紐状にして、結ぶ。
この作品も壁に張られた布を使用してるわけじゃないんだよね。
やっぱり石膏みたいな固い素材で作成されている。
説明にあったように「常識では説明できない現象」ということになるんだね。(笑)
結び目が和風な感じがして、ちょっとおめでたい雰囲気に見えたよ。

今度は手がニョッキリ壁から突き出てるよ!
右からと左から出てるので、このまま突き出して行って、握手したいように見えるよね。
もしくはこれらのパーツ全てが1人の人間の物なのかも。
その想像はまるでバラバラにされたパーツが壁に塗り込められている、江戸川乱歩を連想してしまうね!(笑)
壁に埋まっている人物は足だけ出てるけど、ちゃんと靴履いてる。
よく見るとアディダスのマークがちゃんと入ってるじゃないの!
どうやらダニエル・アーシャムとアディダスがコラボして「NY PRESENT ARSHAM」 というスニーカーが実際に販売されていたようで。
もしかしたらそのスニーカーが使用されていたのかもね?
アディダスの部分も撮影したんだけど、ピンぼけだったので載せていないよ。(笑)

まるで時計が自らの意思で壁の中に滑り込んでいくように見えてしまう作品。
無機物に意識が芽生えるというのは「2001年宇宙の旅(原題:2001: A Space Odyssey 1968年)」に出てくるHAL以来、特に目新しいテーマではない。
それでもやっぱりこうした作品を目にすると考えさせられるんだよね。
時を刻み続けることへの嫌悪、過去の悔恨と消去願望とか?
えっ?陳腐?(笑)

完全に壁の中に埋まってるよ!
どう見ても好きで埋まったとは思えないんだよね。
財産目当てで始末されて、壁に埋め込まれて上から石灰かけられたけど、実際にはまだ生きていて、壁から出てこようともがいているところ?
もしくは隠れんぼしてシーツの裏にいたけど、発見されないまま年を取ってしまったとか?
ちょっと肥満体に見えるので、新手の吸引式ダイエットを行っているところかも?
かなり強引な想像をしてみたけど、この作品も中に人がいるように見えるシリーズで、同じように石膏みたいに固い素材でできていたよ。
最初のシーツ被っている作品と壁男からは犯罪めいたニオイがしちゃうね。

ダニエル・アーシャム展は六本木にあるペロタン東京というギャラリーと同時開催されているよようだ。
ペロタン東京では別のシリーズ「Color Shadows」が展示されている。
今回はNANZUKAだけを鑑賞したけれど、ダニエル・アーシャムの映像作品も気になるなあ。
過去にNANZUKAで開催されたダニエル・アーシャムの作品は、「SNAKEPIPE MUSEUM #41 Regardt van der Meulen」で紹介した作風に似ているように見える。
人体をパーツとして捉える雰囲気が近いと感じたんだよね。
ダニエル・アーシャム、リガルト・ヴァン・ダー・メーレンどちらの作品も実際に目にしていないので、画像だけの判断での根拠のない発言だよ。(笑)

ダニエル・アーシャム、これからも注目だね!

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