【軍艦島の写真が撮れるなんて感激!】
SNAKEPIPE WROTE:
「そろそろ帰省しようかな」
とROCKHURRAHが言ったのが8月のことだった。
ROCKHURRAHはこのブログの「ABOUT US」にも書いてあるように、福岡出身の九州男児。
現住所は千葉県内のため、なかなか簡単に帰れないのである。
前回帰省したのが「SNAKEPIPE、九州初上陸!」を書いた2007年9月なので約3年前ということになる。
せっかく遠い九州に行くので、SNAKEPIPEがまだ行ったことがない長崎にでも足を伸ばしてみようかという話になった。
いくら九州男児とはいえ、ROCKHURRAHも長崎をよく知らないと言う。
「福岡と長崎はすごく遠いからね」
遠い?うそー。地図で見るとそんなに遠く感じないけど本当かな?(笑)
どうやら交通手段があまりないため、北九州の人でも長崎は近くて遠い場所らしい。
それならばROCKHURRAHの実家に電話して長崎情報を聞いてみよう!
実はROCKHURRAHのお母さんというのが、かなりの旅行好きで九州の旅ならお任せというくらいの情報通なのである。
「長崎だったら軍艦島かね~」
とあっさり答えるROCKHURRAH母!
ええっ、ちょ、ちょっと待って!
どうして長崎=軍艦島なの???
しかもどうしてSNAKEPIPEが廃墟好きだって知ってるの?
どうしてどうして、即答で軍艦島って言うの?
と、いくつもの「?」が頭に浮かんだSNAKEPIPE。
前から何人もの写真家の作品の中に軍艦島の写真があり、廃墟といえば軍艦島だとは知ってはいたけれど、それが長崎から行かれる場所にある島だとは知らなかった。
そして現在も島が残っていて、上陸までできるなんて!
まさにドンピシャ!
ど真ん中のストレートでSNAKEPIPEとROCKHURRAHの旅の目的がはっきりしたのである。
なんでもないようにかるーく答えてくれたROCKHURRAH母に感謝だね!(笑)
早速軍艦島上陸ツアーについて調べることにする。
なんと今では軍艦島ツアーは、九州方面で割とポピュラーなものらしく、いくつかの海運会社がツアーを企画しているほど。
軍艦島を周遊するツアー、上陸するツアーと2つのコースを選べるようになっていて料金もそれぞれ設定されている。
中に入りたいんだから当然上陸コースを選択だよね!(笑)
ただし上陸するのにあたって、「私はルールを守ります」という誓約書を書かなきゃいけないんだって。
しかも天候によっては上陸できない可能性もあるのでご了承ください、ときた!
「風速が5メートルを超えるとき」や「波高が0.5メートルを超えるとき」などいくつかの、海の専門家にしか判らない上陸できない基準があるらしい。
最悪の場合は欠航だって…。困るね~。
これは運を天に任せて、予約してみるしかないね。
その時にならないと分からないんだもんね!
予約を入れて早3ヶ月が経過!
ついに旅行の1週間前になった。
週間天気予報で軍艦島上陸ツアーの日の予報を見ると、、、
えっ、なんでこの日だけ雨なの~?
他の日は全部晴マーク付いてるのに!!!
予報が外れてくれることを祈りながら旅行出発まで過ごすSNAKEPIPEとROCKHURRAH。
残念ながら天気予報の雨マークが晴に変わることはなかったのである。
そして軍艦島ツアー当日。
こんな時に限って予報は大当たり。
朝から強い雨が降っている長崎。
ああああ~、長崎はぁ~今日もぉ~雨ぇだったぁ~!(内山田洋とクールファイブ)
ツアーがどうなるのか分からないけれど、上陸できなかったら周遊、それもダメだったら欠航。
うーん、それでも結構!(ぷっ)
一か八か行って確認するしかない、と長崎港ターミナルへ。
長崎港って町からとても近い場所にある港でびっくり!
歩こうと思えば長崎駅からだって徒歩圏内だもんね。
こんな場所から船に乗って軍艦島に行かれるとは驚き!
ターミナルの中にはいくつもの海運会社のチケット売り場があり、それぞれツアーの時間が違っているらしい。
予約したツアーのカウンターを見ると「満員」と書いてある。
すごい人気だね、上陸ツアー!
SNAKEPIPEとROCKHURRAHは早めに到着したため、他の開運会社のツアー客と共に時間まで待機。
素人だから判るはずもないのに、空を見上げて雲の様子を観察したり波の高さを測ったりして成り行きを見守っていた。
別の海運会社のツアーの
「まもなく乗船時間です」
というアナウンスが聞こえてきたため少し安心する。
そしてついに予約していた海運会社のアナウンスも聞こえてきた。
乗船できるらしい!
やったー!まだ上陸できるのかは行ってみないと分からないけどね。
約40分の船の旅。
その間もずっと雨は振り続いていて、窓に雨粒が叩き付けられている。
にじんで霞んだ風景を見ながら船員の説明を聞いていた。
「2時の方向に見えて参りましたのが端島、通称軍艦島でございます」
を聞いた頃、なんと空が少し明るくなってきたのである!
これはひょっとしたら行けるかも!(笑)
船着場に到着し、なんの不安もないまま上陸に成功。
雨は完全に上がり、薄く陽も射してきた。
すごいね!強運だね!(笑)
雨上がりに廃墟を撮影できるなんて最高だね!
他の人はどうだか分からないけど、廃墟、特にコンクリートの廃屋が雨で濡れてるなんてたまらないからね!
まさに「ヨダレもの」でホクホク顔のSNAKEPIPEである。
ただしここでも注意事項。
雨が降っても傘はささないこと。
決められたルートを歩き、列を乱さないこと、等々。
撮影に関しては何も言われなかったのでそれは良かった。
でもねえ、3箇所を決められた通りに全員が歩いて説明を聞き、
「はい、撮っていいですよ」
と言われた場所を撮影ってどうかなあ?
きっと誰が撮っても同じ写真ができちゃうんじゃないだろうか。
以前「超驚愕現代アートコレクション」にも書いた
「誰でも撮影オッケーな作品をあえてSNAKEPIPEが撮らなくてもいいかな」
という気分にもなった。
とは言っても、あの軍艦島で撮らないっていうのも、ねえ?
結局は撮りまくったんだけどね。(笑)
崩れ落ちそうになっている建造物の迫力は、やっぱり写真やテレビで観るのとは全然違っていた。
今回は前述したように雨に濡れた後だったので、特にその存在感が増したように思う。
本当は決められたルート以外にも入れたら、もっと好みの写真が撮れて良かったんだけどね。(笑)
SNAKEPIPEが観ていた写真家の軍艦島の作品は、恐らく1975年の無人化から2009年のツアー開始までの間に撮影されたものだったんだろうな。
きっとルートも決められていない、自己責任での立ち入りでね。
今更遅いけど、せっかくだったらその時期に行ってみたかったな!(笑)
日頃の行いが良いため、軍艦島上陸作戦大成功だったSNAKEPIPEとROCKHURRAH。
旅行の目的の一つは達成できたね。
他にもあるいくつかの目的のためまだまだ旅は続くのである。
(つづく、かな?)