【映画の中で食事中のヘジンさん】
SNAKEPIPE WROTE:
今回の「映画の殿」では、2本の韓国映画を紹介したいと思う。
どちらも主演はユ・ヘジン!
ROCKHURRAH RECORDSは、「ヘジンさん」と知り合いのように呼んでしまうほど大ファンなんだよね。(笑)
映画俳優としてはもちろん、「三食ごはん」で見せる素顔にも魅了され、ヘジンさんが出演している映画はできる限り鑑賞している。
ソン・ガンホと並び、韓国の国民的俳優と称されるヘジンさん。
「マイ・スイート・ハニー(原題:달짝지근해 2023年)」で初めてロマンチック・コメディーに挑んだという。
翌年には「DOG DAYS 君といつまでも(原題:도그데이즈 2024年)」で主演しているんだよね。
「梟(原題:올빼미 2022年)」や「破墓/パミョ(原題:파묘 2024年)」も鑑賞済だけれど、今回は「マイ・スイート・ハニー」と「DOG DAYS」の2本を取り上げよう。
※ネタバレしている可能性がありますので未鑑賞の方はご注意ください
まずは「マイ・スイート・ハニー」から。
前述したように、ヘジンさん初のロマコメとして注目度が高い作品だったみたいね。
2023年に公開されているので、今から3年前に映画館で鑑賞した人には「何を今更」と思われてしまうかもしれない。
ROCKHURRAH RECORDSでは今年になって、ようやく鑑賞できたんだよね。(笑)
簡単にヘジンさんの経歴を書いておくと、1970年生まれの55歳。
1997年に映画デビューしているので、そろそろ役者人生30年になる大ベテラン俳優だよ。
脚本を手掛けたのは、映画「エクストリーム・ジョブ(原題:극한직업 2019年)」を監督したイ・ビョンホン。
俳優のイ・ビョンホンではないので注意だよ。(笑)
映画のあらすじとトレイラーを載せてみよう。
製菓会社で研究員として働く45歳のチャ・チホは、天才的な味覚を武器に数々のヒット商品を生み出してきた。
自宅と会社を往復するだけの毎日を送っていた彼は、明るくエネルギッシュなシングルマザーのイ・イルヨンと出会う。
イルヨンはチホの優しさや純粋さにひかれていくが、恋愛経験のないチホには恋という感情すら分からない。
これまで経験したことのない感情に戸惑いながらも、イルヨンと過ごす日々はチホにとって特別なものになっていく。
そんな矢先、ある事件が起こる。
(映画.comより)

ヘジンさん演じる、勤勉で実直な仕事人間、チャ・チホの生きがいは会社に貢献することだけ。
趣味もなければ、人生での楽しみを見つけることもない。
チャ・チホは、お菓子を食事代わりにしていたせいで栄養失調で倒れてしまう。
ここまで会社に尽くす社員ってすごいよね。
健康を害してもチャ・チホが有能なだけに、見て見ぬ振りをする会社はブラック企業だよ。
普段は無表情なチホなのに、子どもをあやすシーンがあって意外だった。
そのおかげで(?)45歳にして初めての恋が生まれるとはね。(笑)
チャ・チホが子どもをあやすシーンを見つめていたのは、サラ金取り立ての電話応対をするイ・イルヨン。
演じているのはキム・ヒソンで、ROCKHURRAH RECORDSでは初見の女優だったみたい。
何事にも前向きなシングル・マザーで、どんなに嫌な客への対応も可能な強さを持っている。
チャ・チホには初めから好意を抱いていたようで、イルヨンのほうから迫っていくんだよね。
栄養失調のチホと一緒に食事をする友達になり、どんどん距離が近づいていく。
イルヨンの元夫に関するエピソードは少しお粗末だったかも。
一瞬だけ登場して、すぐに消えてしまったからね。
チャ・チホの兄、ソクホ。
ギャンブルに明け暮れ、弟の収入を当てにしている毒兄に見えるよ。
チホも「兄貴のためなら」と進んで借金返済に協力するので、見ているこちらがヤキモキしてしまう。
映画を最後まで観ると印象が変わるので、良かった。(笑)
そしてこの兄の借金返済が理由で、チホとイルヨンが出会えたので、愛のキューピットと言えるかも?
演じているのはチャ・インピョで、かつてトレンディドラマで有名な俳優だったとか。
チャラけた雰囲気が良く出ていたよ!
チャ・チホが勤める製菓会社社長の息子、ビョンフン。
チホのヒット商品を開発する能力を認め、自社のために更に貢献してもらうことを望んでいる。
チホの健康問題など関係なしに、金儲けだけを考える即物的な上司かと思いきや、変わって良かった。(笑)
演じているのは「エクストリーム・ジョブ」でマ刑事だったチン・ソンギュ。
あの映画を観て以来、ずっとマ刑事と呼んでしまうほど、強烈な印象を残したっけ。
もう一度「エクストリーム・ジョブ」観たいなあ。(笑)
脇を固める俳優陣も見逃せないよ。
チホが訪れる薬局にいる薬剤師が、「椿の花咲く頃」や「悪霊狩猟団: カウンターズ」などでファンになったヨム・ヘランなんだよね!
役名で覚えてしまうので、今でもチュさんと呼んでいるSNAKEPIPE。(笑)
「マイ・スイート・ハニー」でも良い味だしていて、ヘジンさんとの掛け合いが良かったよ。
名バイプレイヤーだよね!
役名もなく、通りすがりの青年として出演していたのがイム・シワン。
恋人に愛を伝えるために歌う、という古めかしく、少し恥ずかしいことを堂々とやってのける。
告白されている女性からすると、迷惑かもしれないよね。(笑)
「あれ?イム・シワンじゃない?」と言うSNAKEPIPEに「あんなチョイ役じゃ出ないでしょ」とROCKHURRAH。
調べた結果、SNAKEPIPEが当たりだったみたいだね。(笑)
「他人は地獄だ(原題:타인은 지옥이다 2019年)」以来、久しぶりに観たかも。
45歳という役どころなのに、初心なヘジンさんがとてもキュート!
世間的には「おっさん」の年齢だろうけど、初恋に胸を焦がしているので、気分的には10代になるのかな。
ぎごちないけれど、まっすぐな心を持っているチャ・チホを見事に演じきっていたよ。
ドライブ・シアターのシーンでは、涙を流しながら笑わせてもらった。(笑)
ラブ・ロマンス系の映画はあまり得意ではないROCKHURRAHとSNAKEPIPEだけど、主役がヘジンさんなら話は別!
とても温かい気持ちになれる、良い映画だったよ!
続いては「DOG DAYS 君といつまでも」のご紹介。
「孤独を抱えた人々とチャーミングな犬たちの出会いが奇跡を起こすとびきり愛おしいハート・ウォーミング・ストーリー」と宣伝されている映画なんだよね。
先に書いた「マイ・スイート・ハニー」同様、ハート・ウォーミングと言うジャンルは、通常スルーしてしまうROCKHURRAH RECORDSだけれど、ヘジンさんが主役ならば外せない映画になるよ。(笑)
そしてワンちゃんたちがたくさん登場すると聞けば、観たくなるのは当然!
ROCKHURRAHもSNAKEPIPEもワンちゃん、大好きだからね。(笑)
あらすじを書いてみよう。
きっちりした性格のミンサンは、動物病院「DOG DAYS」のせいで、自宅周辺に犬の糞が転がっていることが忌々しい。
院長ジニョンと今日もやり合ったミンサンは、有名建築家ミンソにたしなめられる。
リゾート開発に関わるミンサンは、ミンソを紹介してもらおうと、ジニョンが助けた保護犬、チワワの「車長さん」を一晩預かることに。
ミンソは散歩中に倒れ、フレンチブルドッグの愛犬ワンダを見失う。
居合わせた配達員のジヌはワンダ探しを手伝う。
その頃、作曲家ソニョンとジョンアの夫妻に養子に迎えられた少女ジユが、迷い犬と出会う。
一方「DOG DAYS」には、ゴールデンレトリバーのスティングが担ぎ込まれる。
大慌てで連れてきたのは、恋人スジョンの留守中にスティングを預かるヒョン。
そこへスジョンの元彼ダニエルが現れて……。
犬を介して出会い、心を通わせる人々の日常が、少しずつ動き始める。
(公式サイトより)

ワンちゃんの中でも、とりわけ白黒のチワワが大好きなので、「車長さん」が登場すると「かわいいー!」と叫びながら鑑賞してしまった。(笑)
ヘジンさんが片手でヒョイっと持ち上げられる小ささ。
あまりにも可愛らし過ぎて、もうたまりません!(笑)
ヘジンさん演じるミンサンは、堅物で犬嫌い、自分の利益のことしか考えないような嫌な人なんだよね。
「マイ・スイート・ハニー」同様、どんどんミンサンに変化が生じてくる。
人って変われるんだね!
動物病院「DOG DAYS」の院長であるジニョン。
演じているのは、「SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜(原題:SKY 캐슬 2019年)」で、怖い怖いキム先生だったキム・ソヒョン。
あの時の印象が強過ぎるため、ワンちゃんに優しく接しているシーンにホッとしてしまう。
もうキム先生じゃないことは分かってるのにね!
動物病院での厳しさも同時に知ることになり、涙してしまうSNAKEPIPE。
最近涙もろいんだよねえ。
単なる年齢のせい?(笑)
あらすじにも登場した有名建築家のミンソと配達員のジヌ。
ミンソはフレンチ・ブルドッグを可愛がっているんだよね。
そんな愛犬に対して「ブサイク」と言い放ってしまった配達員のジヌ。
初対面の印象はお互い最悪だったけれど、半ば強制的にミンソに付き合う羽目になる。
一緒にいる時間が長くなり、だんだん仲良くなっていく様は、見ていて微笑ましかった。(笑)
ミンソを演じていたのは、韓国人俳優初のアカデミー賞助演女優賞獲得したユン・ヨジョン。
配達員ジヌには、「愛の不時着」や「ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です」などで知っているタン・ジュンサン。
主役になれるレベルの俳優が出演している豪華なキャスティングだよね!
あらすじに登場したゴールデンレトリバーのスティング。
スギョンの留守中に恋人ヒョン(画像左)がスティングを預かっている。
そこへ元の彼氏のダニエル(画像右)が、まるで離婚した親が子供に会うかのように、スティングに会いにやってくるんだよね。
スティングも、とてもかわいいワンちゃんなので、ダニエルが会いたくなるのも納得だよ!
ヒョンを演じたのは「ワンダフル・デイズ」で知っていたイ・ヒョヌ。
あのドラマも犬だったね。(笑)
ダニエルを演じたダニエル・ヘニーは、「コンフィデンシャル:国際共助捜査(原題:공조2: 인터내셔날 2022年)」で観ているはずだけど、失念してるよ。
ヘジンさんとは、あの映画でも共演していたってことだね!
スティングの飼い主であるスギョンは、キム・ゴウンだったんだよね!
公式サイトにはキム・ゴウンの名前が出ていないので、秘密のスペシャル・ゲストになるのかな。
室内で歌う、回想シーンにだけ登場するよ。
キム・ゴウン、歌もうまいんだよね!
そういえば「破墓/パミョ」でも、キム・ゴウンとヘジンさんは共演していたっけ。
大物俳優が共演している映画は、やっぱり観ておきたいって思うよ。
「DOG DAYS 君といつまでも」は、宣伝通りハート・ウォーミングな物語で、心をしっとりさせてくれる映画だった。
上に何度か書いたように、大物俳優がたくさん出演しているので、相当ギャラが高かったんじゃないだろうかと心配してしまうほど。(笑)
ワンちゃんたちも皆かわいいので、観ているだけで癒やされたSNAKEPIPEだよ!
「マイ・スイート・ハニー」も「DOG DAYS 君といつまでも」のどちらの映画も、ヘジンさんが主役を務めた「LUCK-KEY ラッキー(原題:럭키 2016年)」のように、最初は無愛想で無骨だったのに、最後には人間味に溢れた良心的な人物になるキャラクター設定なんだよね。
そしてこれがヘジンさんの人柄にマッチしているので、演技に見えないほど自然なんだろうな。
これからもヘジンさんの応援、続けていくよ!(笑)