ROCKHURRAH紋章学 アラビア・ロゴ編

20221030 top
【エジプトの首都カイロ。ピラミッドとビルが共存する不思議な風景だね】

SNAKEPIPE WROTE: 

今回は「ROCKHURRAH紋章学」としてアラビアのロゴを特集してみよう。
好きだったケミカル・ブラザーズもアラビア文字のようなフォントをロゴにしてたっけ。
ネット上でケミカル・ブラザーズ風フォントができるようなので、実験してみたよ。
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ROCKHURRAH RECORDSがそれっぽくなってるね!(笑)

流れるような美しいアラビア文字を使用したロゴを検索してみよう。
早速紹介していこう!

Emirates Palace Abu DHABIは、アブダビやドバイの中でもひときわ豪華で観光名所にもなっている宮殿ホテルとのこと。
あらま、いきなりすごいところからスタートしてしまったね!(笑)
その外観を表現した、手書き風のロゴがこちら。
宮殿の中に書かれている文字が、何を意味するのかは不明だけど、優美な雰囲気を感じ取ることはできるよね。
ちなみに1泊の料金は約14万円程なので、絶対に無理!という金額ではないかも?
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEが宿泊することはないと思うので、ホテルのオフィシャル・ビデオを載せておこうか。
ゴージャスさが分かるよね!(笑)

続いてはこちら。

Mobadra Technologiesはカイロにある会計の完全デジタル化を進める開発会社で、イギリスの高級車であるジャガーの認定パートナー契約を結んでいるという。

この会社がある場所からトップ画像を選んだんだけど、ピラミッドとビル群の対比がシュールだよね。(笑)

紀元前3000年のエジプト文明から現代までの5000年という悠久の時まで見えてくるし。

まるで平安時代の貴族が書いた平仮名のような、赤と青の流れるフォルムが印象的なロゴ。

会社名の上にあるアラビア文字の意味が知りたいよ。

「いつもあなたのそばに」みたいなキャッチコピーかもね?

SNAKEPIPEが考えると陳腐になってしまうよ。(笑)



ALANAQAHは、アラビア伝統の服をベースにしたラグジュアリーなファッション・ブランドだという。

丈が長いドレスだったり、違う素材を組み合わせたキモノ・ガウンのようなデザインが特徴的だよ。

見た瞬間からアラビアのブランドだと分かるし、エレガントな女性らしさも表現されている。

ロゴの色がゴールドというのも、アラビア女性を惹き付けるかもしれない。

アラビアといえばゴールド、というイメージがあるのはSNAKEPIPEだけかしら?

最後はこちら!

Arack MusarはChateau Musar(シャトー・ミュザール)という1930年にレバノンで設立された酒造メーカーから発売されているブランデーとのこと。

最高級のぶどうから作ったブランデーを3回蒸留した後、粘土の瓶の中で5年間熟成させるという。

口当たりがよく香りが芳醇なので、肉料理との相性が抜群なんだとか。

透明色のブランデーはどんな味なのか試してみたくなるよね。(笑)

まるで夜空に浮かぶ月をイメージしたようなシンプルなデザインもおしゃれ!

お値段は€32.50、日本円で約4,800円だって。

いつか手に入れて、瓶を飾っておきたいね!(笑)



今回はアラビア文字を使った秀逸なロゴを特集してみたよ!

素敵なロゴがたくさんあって楽しい企画だった。

他にも気になるデザインがあったので、また紹介する予定だよ。

次回もお楽しみに!

SNAKEPIPE MUSEUM #63 Rania Ghosn

20221023 top
【バウハウス博物館に展示されたトリプティクのシリーズ、Climate Inheritance 】

SNAKEPIPE WROTE: 

毎週のように鑑賞した展覧会についての記事を書いてきたけれど、次に予定している企画までは少し間が空きそうなんだよね。
今回は久しぶりにSNAKEPIPE MUSEUMにしてみよう!
前回書いたのが2021年12月だったので、およそ10ヶ月ぶり。
こんなに更新していなかったとはびっくりだよ。

面白そうな作品はないかな、と探していると目に飛び込んできたのがモノクロームの絵。
アーティストは誰だろう、と調べてみる。
するとMIT、マサチューセッツ工科大学の建築と都市計画の准教授であるRania Ghosn、と書いてあるよ。
読み方はラニア・ゴーンで良いのかな。
SNAKEPIPE憧れのMITで教える立場の方が、アートにも着手してるなんて!
先日鑑賞した中野信子の脳波アートのように、専門職の方がアート作品を制作するのって面白いよね。

まずはラニア・ゴーンの略歴から書いてみよう。

1977 レバノン、クファルハタ生まれ
2000 ベイルート アメリカン大学で建築学の学士号
2003 ユニバーシティ カレッジ ロンドンで地理学の修士号
2010 ハーバード大学デザイン スクールでデザインの博士号
2014 ACSA ファカルティ デザイン アワード
2016 若手建築家 + デザイナーの建築家リーグ賞
2017 ACSA ファカルティ デザイン アワード
2022 米国アーティスト フェローシップ

なんだかすごい経歴だよね。
大学を3つも通って学んでいたようで。
環境デザインという分野になるんだね。
2021年3月に鑑賞した「2021年宇宙の旅」に、イスラエル出身の高学歴な女性アーティストがいたことを思い出したよ!
ネリ・オックスマンも複数の大学で学び、医学と建築とアートを結びつける作品だったよね。
ラニア・ゴーンも建築と地理学とデザインで作品制作している。
どちらも女性なので、タイプが似ているように感じてしまう。

ラニア・ゴーンの「アフターオイル」という9枚組の作品を観てみよう。
モノクロームの不思議な世界。
エルンストのエッチングのような細い線に、文字や数字が書き加えられているところも魅力的だよ。
遠くにはビル群が立ち並んでいるけれど、廃墟のように見えてしまう。
手前のゴツゴツとした岩(?)には、望遠鏡で監視しているような人物がいるよ。
タイトルは「ダス島 ダス原油」だって。
海に施設が建造されているので、原油を運ぶルートを表しているのかもしれないね?

次は「ホルムズ海峡大チェス盤」というタイトルね。
海中にいるという設定なのか、クラゲや亀のシルエットが見える。
人もダイビングしているように見えるけど、下の船が謎だよね。
シュルレアリスムの作品だと思えば不思議じゃないけど。(笑)
地球の環境問題、例えばエネルギーやゴミについてなどを考慮しながら都市計画を進めるなら、という提案ということになるのかな。
それぞれキチンとしたデータに基づいた、根拠のある提案なんだろうね。
魚と共存する海中生活もあり、ってことか?
ちゃんとした説明を読んでないので、想像だけどね。(笑)

9枚組の作品なので、3枚でワンセットとしてタイトルが付けられている。
こちらは「ブビアン: かつて島があった」という作品。
上空からの衛星写真のように見えるよ。
photoshopで画像選択した時みたいな細い点線は、何を意味しているだろうね。
どこからが土地で、どこが海なのかも不明だけど、地理と都市計画とアートの融合は興味深いね。
「アフターオイル」の作品群は、ニューヨーク近代美術館(MOMA)に永久保存されているという。
MOMAに行ったらいつでも観られるね!(笑)

「Elephant in the Room」は2021年の作品だという。
象がニューヨークを行進する話だけれど、そこには様々な問題提起があるんだとか。
SNAKEPIPEは、この作品を観た時にフリッツ・カーンの「工業宮殿の男」を思い出して楽しくなったんだけど。(笑)
モノクロームだけじゃなくてカラー作品も制作してるんだね。
象の中に動物のシルエットが見えるのは、アメリカ自然史博物館などへの批判を意味しているらしい。
動物の剥製や人種差別的な展示方法についての抗議とのことだけど、この作品を観ただけでは理解できないよ。
アニメーションがあったので載せてみようか。
観ると意味が分かるかも。

ラニア・ゴーンは「デザイン・アース」というプロジェクトの一環として作品制作を行っている。
絵画などの2次元にとどまらず、インスタレーション作品も発表しているらしい。
どんな地球をデザインしているのか気になるよね。(笑)

2019年12月に鑑賞した「未来と芸術展」でも、建築や科学、バイオ技術などがアート作品として展示されていたっけ。
様々な分野の知識人がアートに乗り出すのは、世界的な潮流なのかもしれないね。

たまたま目にしたラニア・ゴーンの作品を理解するために、調べていく作業が楽しかった。
観たことがない作品検索、続けていこう!

マン・レイのオブジェ 日々是好物|いとしきものたち 鑑賞

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【DIC川村記念美術館行きのバス停を撮影】

SNAKEPIPE WROTE: 

ROCKHURRAH RECORDS結成記念日がある10月には、毎年何かしらのイベントを考えている。
今年はROCKHURRAHから「川村記念美術館のマン・レイ展に行こう」と提案があった。
川村記念美術館、随分と久しぶり!
しかもマン・レイは大好きなアーティスト!(笑)
二つ返事で佐倉に行くことに決めたのである。

曇りや雨の日が続く10月の連休中にROCKHURRAHと佐倉に向かう。
今まではJRの佐倉駅だったけれど、今回は初めて京成佐倉で降りる。
美術館行きのバス乗り場は写真屋の前にポツンと立っていて、JR佐倉にある屋根付きのバス停とは違う趣きだよ。
京成のほうがマイナーなんだろうね。(笑)
実際このバス停で待っていたのはROCKHURRAHとSNAKEPIPEの2人、バスが来たら1人女性が乗り込んできただけだったから。
バスを待っている間、スズメバチか、と見紛うほどの大きさの昆虫が近くを飛び回り、ROCKHURRAHとSNAKEPIPEを恐怖に陥れる。
ハンバーガー屋辺りを何度も徘徊していたので、餌になるような物があったのかもしれないね。
昆虫から逃げながらバスを待つこと約20分、ようやくバスがやってくる。
京成佐倉をスタートし、次に向かうのはJR佐倉駅。
2つの駅はバスで10分もあるほど離れているとは知らなかった。
そこから更に20分程ガタガタした道を走り、ようやく川村記念美術館に到着!
2014年11月の「五木田智央 THE GREAT CIRCUS」以来の来館なので、約8年ぶりだったとは。
ロスコ・ルームが恋しくなるはずだよ。(笑)

今回の川村記念美術館は「マン・レイのオブジェ 日々是好物|いとしきものたち」という企画展を開催している。
2010年8月に鑑賞した「マン・レイ展~知られざる創作の秘密」では、マン・レイの全貌を紹介していたっけ。
川村記念美術館ではマン・レイのオブジェに焦点を当てているところが珍しいよ。
「マン・レイって誰?」についても、2010年の記事で書いているので、今回は割愛!
詳しく知りたい方は過去記事を御覧くださいまし。

バスを降りてから美術館入り口まで庭園を歩く。
季節が良い時には、庭園の散策も楽しそうだよね!
入館すると1階のコレクションから展示がスタートする。
常設展から始まって、企画展に向かう順番なんだよね。
係の方に確認すると、展示品は全て撮影禁止だって。
以前は撮影していたこともあるので、アーティストによって対応が違うのかもしれないね。

川村記念美術館のコレクションは何度観てもワクワクする素晴らしさ!
ジョセフ・コーネルの新たな作品が加わっていて、「コーネル・ルーム」を鑑賞できて嬉しい。
念願の「ロスコ・ルーム」は、いつ訪れても全身が震えるほどの歓喜に包まれる場所だよ。
神社に似た静寂と荘厳さの入り混じったような、特別な空気なんだよね。
SNAKEPIPEにとって、まさに聖地と言えるのかもしれない。
世界に3つしかない「ロスコ・ルーム」だけど、他の2つにはどんな作品が収蔵されているんだろう?
調べてみるとロンドンのテートはピンク・赤・グレーが中心の作品で、ワシントンのフィリップス・コレクションではオレンジが主体となった上下2分割の作品が多いようで。
SNAKEPIPEの好みは川村記念美術館のロスコ・ルーム!
色彩も展示方法も、鑑賞できるベンチの配置も全てperfect!
日本に「ロスコ・ルーム」を作ってくれて、本当にありがとう!(涙)

興奮冷めやらぬまま2階へ。
大きな窓のある気持ちの良い展示室に、一枚だけ大型の作品が展示されている。
今まで観たことがない作品だよ。
どうやらこれは、前回の企画展「カラーフィールド 色の海を泳ぐ」の時に展示されていたジュールズ・オリツキーの作品「高み」とのこと。
マーヴィッシュ夫妻の所蔵らしいので、まだ返還されていなかったために鑑賞できたとはラッキー!(笑)
靄のような、なんとも言えない淡い色彩と、下方にあるラスタ・カラーのようなはっきりした色調とのコントラストが面白い。
とても気に入った作品だよ!

いよいよマン・レイの企画展へ。
撮影は禁止で、更に作品リストもない展覧会は珍しいかも。
川村記念美術館のサイトや、おぼろげな記憶をたよりに感想を書いていこう。(笑)
そのためブログに載せた画像は、SNAKEPIPEの撮影ではないんだよね。
今回の企画を思いついたのは、画像の「ニューヨーク」という作品を川村記念美術館が所蔵したことに拠るのかな、と推測する。
万力に鉄を挟み込み、林立するビルを表しているように見えるよね。
マン・レイのオブジェは、割と簡単な材料で制作されていることが多いので、親近感がわくよ。

写真でしか観たことがなかった「贈り物」。
アイロンに鋲が貼り付けられている、これも単純な仕掛けなのに、存在感は抜群!
鉄の塊のようなアイロンの形状も素敵だけど、パンク魂を感じる逸品だよね。
皮肉とカッコ良さやユーモアもある作品は、1921年の制作だというから、まさにシュルレアリスム真っ盛りの時期だよね。
およそ100年前に、この作品を発表したマン・レイは他のシュルレアリスト達から喝采を浴びたことは間違いないね。

「破壊されざるオブジェ」も有名な作品だけど、5作品並んで展示されていたことに驚く。
複数あるとは知らなかった。(笑)
メトロノームはそれぞれ違っていて、更に貼り付けられている目の写真も違っていたよ。
光の反射によって目が閉じたり開いたりする仕掛けのタイプもある。
調べて知ったけど、これはレンチキュラーシールというらしいね?
子供の頃はキラキラシールで見たような気がするよ。
今回のポスターに使用されていたのは八王子にある東京富士美術館収蔵作品だという。
日本にも「破壊されざるオブジェ」があるとは知らなかった。
これも嬉しい発見だね!

「ブルー・ブレッド」は、その名の通り青く塗られたフランスパンが秤に乗っている作品なんだよね。
またもや2つの組み合わせで制作のオブジェだけど、インパクトは強烈。
青いパンはまずそうで、とても食べられないよね。
でも秤にはバランス良く乗っている。
何かの比喩だったり洒落や皮肉が効いた作品なんだろうね。
あまり意味は考えなくても良いのかもしれないけど?(笑)

ウッド・ベースのヘッド部分に馬の毛を付けた「エマク・バキア」。
ほとんどのオブジェは、いわゆるレディ・メイド、既製品にプラスアルファした作品だったよ。
シュルレアリスムというよりはダダイズムになるのかも。
写真などをコラージュした2次元の作品が有名だけど、マン・レイの場合は3次元の立体だった、ということだからね。
「エマク・バキア」というタイトルはマン・レイが制作した実験映像にも使われていたよ。
バスク語で「一人にしておいて」、意訳すると「ほっといて」ということらしい。
意図は不明だけど、「エマク・バキア」という響きは良いね。

マン・レイの映像作品も会場で観ることができたよ。
YouTubeにあったので載せておこう。
「The Return To Reason(1923年)」は日本語訳にすると「理性への回帰」だって。
光と影の実験映像、とてもカッコ良い!

この映像を観て思い出したのが、2016年9月に鑑賞した「トーマス・ルフ展」。
トーマス・ルフは写真を使用した現代アーティストなんだよね。
マン・レイからヒントを得たフォトグラム・シリーズもある。
画像は、以前のブログにも載せたSNAKEPIPE撮影のもの。
マン・レイの影響を受けながらも、更に発展させているのが分かるよね。
この作品も、とても好きだよ!(笑)

オブジェ以外にも写真や絵画なども展示されていた。
2010年の国立新美術館では、有名な写真がほとんど展示されていなかったので、少し不満が残ったんだよね。
川村記念美術館では「涙」や「アングルのヴァイオリン」などの展示もあり、マン・レイの全体像を知ることができた。
本や雑誌で知っていても、やっぱり展示品として観たいからね。
川村記念美術館のセレクション、とても良かったよ!

ミュージアム・ショップでROCKHURRAHがフランク・ステラのTシャツをプレゼントしてくれる。
他では見たことがないオシャレなタイプで嬉しいよ。
ありがとう、ROCKHURRAH!(笑)
ROCKHURRAHもサイズ違いで購入したので、ペアルック。
一緒に着ることはないと思うけど、記念になったね。

バスを待つ間、少しだけ庭園を歩いてみる。
画像を観ても分かる通り、この日はとても寒かったんだよね。
素敵なお散歩というよりは、我慢大会のようになってしまった。(笑)
また季節の良い時に、ロスコ・ルームに行きたいな。
次回はお弁当持参で、庭園でくつろぎたいね!

装いの力 ー 異性装の日本史 鑑賞

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【松濤美術館入り口の看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE: 

面白そうだから行ってみない?とROCKHURRAHから誘われたのは、渋谷区立松濤美術館で開催されている「装いの力 ー 異性装の日本史」という展覧会だった。
何年か前、松濤美術館のフランシス・ベーコン・デッサン展を見逃していたことを思い出す。
松濤美術館は、今回が初めての訪問になるね。

早速WEB予約を済ませ、晴れて暑いくらいの日、ROCKHURRAHと渋谷に向かう。
Bunkamuraを過ぎてから、更に奥へと歩みを進めると「こじんまり」した建物が見えてきた。
想像よりは小さめの館かもしれない。
受付でチケットを購入すると、地下の会場から進むように指示される。
会場前にあった張り紙には「撮影禁止」の文字が!
載せた画像は、展覧会で唯一撮影が許可されたもの。
フラッシュで撮影すると顔が変化するドラァグ・クイーン達なんだよね。(笑)
撮影がこれだけとは、とても残念だけど仕方ないね。

会場にはすでにたくさんのお客さんが列をなして鑑賞している。
古い時代からスタートしているので、全体的に作品が小さめなんだよね。
加えて説明書きが目線よりも下のほうにあり、文字が小さい。(笑)
お客さん達は、その説明を一つ一つ丁寧に読みながら鑑賞しているため、牛歩の行列ができているんだね。
観られるところは先に観て、また牛歩に戻って、などを繰り返しながら進む。

展示は8つの章に分かれていたので、気になった作品の感想を書いていこう。
先にも書いたように撮影は禁止だったため、購入した図録から載せているので4649!(笑)

第1章 日本のいにしえの異性装

「いにしえ」と書かれている通り、「古事記」や「日本書紀」の中に登場する異性装について展示されている。
ヤマトタケルノミコトが女装していた記述が「古事記」にあるということに驚く。
天皇の命を受け、討伐のためとはいえ、どうやら女装が似合っていて、可愛かったらしいんだよね。(笑)
載せたのは三重県の加佐登神社にある絵馬で、熊襲に襲いかかっているところが描かれている。
説明を聞かなかったら女性にしか見えないよね。
更に驚くのは、ヤマトタケル女装の話をROCKHURRAHが知っていたこと。
SNAKEPIPEは、その博識ぶりに尊敬の眼差しを送ったけれど、一般的に有名な話なのかなあ?

第2章 戦う女性-女武者

描かれたのは神功皇后で、日本の第14代天皇・仲哀天皇の皇后だった女性なんだよね。
ちなみに仲哀天皇は、ヤマトタケルの子供だって。
神功皇后は、西暦にすると169年から269年頃の人物らしい。
夫である仲哀天皇が亡くなった後、九州熊襲征伐に成功したという。
そんな時代に、皇后が自ら戦いに挑むとは驚き!
勇ましい姿を描いたのは歌川国貞。
江戸の時代にも、浮世絵のモデルになっていることにもびっくりだね。

日本の異性装として最初に思いつくのは歌舞伎だけど、展覧会でも展示品の約半数は歌舞伎に関する浮世絵だったよ。
予想通りだね。(笑)
第3章から第5章は飛ばして次にいってみよう!

第6章 近代化社会における異性装

ROCKHURRAHとSNAKEPIPEが反応したのは高畠華宵の作品!
大正から昭和初期に活躍していた画家とのことだけど、絵だけ観たらまるで丸尾末広か花輪和一だよね。
Wikipediaにも丸尾末広が影響を受けていることが書かれていて納得。
漫画や本などに詳しいROCKHURRAHも知らなかったという。
弥生美術館に作品が残されているというので、一度訪れてみたいよ。
今回の展覧会では1番の収穫だったかも。(笑)

第7章 現代の異性装

2階の会場では映像が流れていた。
何かと思ったら、松本俊夫監督作品「薔薇の葬列」を編集した物だった。
「薔薇の葬列」については、当ブログで何度か文章にしているけれど、特集したことがなかったんだね。
トレイラーがあったので載せておこう。

ピーターのデビュー作!
やっぱり好きだわ、この映画!

1994年のアマチュア女装交際誌「QUEEN くいーん」やアマチュア女装者情報誌「ひまわり」に目を奪われる。
どちらもまるで70年代かと思ってしまうような化粧や髪型なんだよね!
「アマチュア」という括りも気になるところ。
「交際誌」と「情報誌」の違いはあるけれど、写真投稿や交際希望欄、発展場情報などが載っていたのかもしれないね。
表紙を飾った方は、今はどうしていらっしゃるのかしら?

第8章 現代から未来へと続く異性装

やっぱりこの方に登場いただかないと!
現代美術家の森村泰昌!(笑)
マリリン・モンローやブリジッド・バルドーに扮した作品が展示されていた。
モデルを森村泰昌、撮影は篠山紀信という大型の作品もあったね。
森村泰昌といえば、2021年11月にアーティゾン美術館で「M式「海の幸」ー森村泰昌 ワタシガタリの神話」を鑑賞したっけ。
先日は浄瑠璃の人形になるドキュメント番組を観たばかり。
異性装を追求するアーティストなので、今回の展覧会にぴったりだね!

女装や男装という観点からの企画とは、とても面白い。
日本の歴史を通して、ということなので広く浅くといった、SNAKEPIPEには少々物足りない展示だったけどね。
ピーターは展示されたのに、どうして丸山明宏はいないんだろう、みたいな感じ。(笑)
漫画の展示では「リボンの騎士」「ベルサイユのばら」、そして「ストップ!! ひばりくん!」を久しぶりに観て、懐かしかったよ。
そしてROCKHURRAHは気付いていなかったようだけど、お客さんの中に女装者がいたことも付け加えておこうかな。(笑)
観に行って良かった展覧会だったよ。
また面白い企画誘ってね、ROCKHURRAH!