テート美術館 - YBA&BEYOND 鑑賞

20260301 top
【毎度お馴染み! 美術館前の看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

2026年2月11日から国立新美術館で開催されている「テート美術館 - YBA&BEYOND 世界を変えた90s 英国アート」を鑑賞してきたよ!
今年、話題の展覧会第一弾だよね。
今まで何度も「早く行っておけば良かった」と後悔することが多かったので、今回は早い段階で訪問を計画したよ。
憧れのテート美術館だもの、善は急げ!(笑)
展覧会のタイトルになっている「YBA」とは、「Young British Artist」の略で、1980年代後半から2000年代初頭にかけて実験的な試みをしたアーティストを指す言葉だという。
90年代のイギリスから、新たなムーブメントが誕生したんだね。

国立新美術館では「東京五美術大学 連合卒業・修了制作展」が開催されていて、いつもより多くのお客さんがいたよ。
1階と2階の会場を広く使用して展示されていて、お目当ての「YBA&BEYOND」会場が分からないほどだった。
「YBA&BEYOND」もお客さんが多く、少し時間をズラして作品鑑賞するようなシーンが何度もあったよ。
それぞれの作品に説明が掲示されていたので、じっくり読んでから鑑賞する順番待ちになってたからね。
説明されないと理解しがたい作品が多かったということになるよ。
撮影は映像作品を除いてOKだったので、良かった!
気になった作品を紹介していこう。

会場入ってすぐにバーンと展示されていたのが、ベーコンさん!(笑)
いきなりフランシス・ベーコンで驚いてしまう。
1988年制作の「1944年のトリプティク(三幅対)の第2ヴァージョン」は、198cm×147.5cmという大きさの作品が3つ並んでいる。
83歳で亡くなったベーコンが79歳頃に制作しているので、晩年の作品なんだね。
引いて遠くから鑑賞しないと全体を確認することが難しいほどの大きさ。
最初にこんな大物が登場するなんて、この先どんな作品と出会えるのか期待しちゃうよ!(笑)

写真の撮り方が難しくて、なんだかよく分からない1枚になってるね。(笑)
これは1991年に発表されたダミアン・ハーストの「後天的な回避不能」だよ!
ガラスケースの中にテーブルと灰皿が置かれている作品なんだよね。
「煙草の吸殻と灰皿を置いたオフィス空間をガラスケースで密閉し、現代において避けられない死とは何かを問う」
ということらしいけど、観ただけでは分からないよ。(笑)
ダミアン・ハーストといえば、2008年6月に観た「ターナー賞の歩み展」でのホルマリン漬けを思い出す。
あの時のインパクトに比べると、かなり地味で観念的だなと感じたよ。

横幅6mを超える大型の作品はギルバート&ジョージが1994年に制作した「裸の目」。
シンメトリーの構図で、何枚ものパネルを組み合わせて1枚の作品として完成させている。
作品のモデルはギルバート&ジョージご本人達で、全裸を披露しているよ。
アップの顔と顔を覆った全裸との対比は、何かお話を考えたくなるね。(笑)
展覧会の入口に「性的な表現があります」みたいな注書きがあったのは、このためか!
第4章のセクションでスティーヴ・マックイーンの映像作品「熊」にも、同様の露出があったんだよね。
ミケランジェロのダビデ像にも、注意書きあるのかなあ?

天井から下がっていたのはクリス・オフィリの「ユニオン・ブラック」で2003年の作品。
ユニオン・ジャックがアフリカン・カラーで構成されているね。
クリス・オフィリは黒人のアイデンティティや歴史などをモチーフに作品制作をしているアーティスト。
2015年5月に「SNAKEPIPE MUSEUM #32 Chris Ofili」で紹介していて、極彩色の鮮やかさに目を奪われたんだよね。
約10年前に自分で書いた記事のことを忘れていたけれど、クリス・オフィリの名前は頭の片隅に残っていた。
そこまでボケてないことが分かりホッしたよ。(笑)

ヴォルフガング・ティルマンスの小型の作品が11点展示されていた。
画像一番左は展覧会フライヤーに採用されている「ザ・コック(キス)」で2002年の作品。
中央の作品は「みなとみらい21」だって。
横浜で撮影したのかもしれないね?
ここらへんまで観てきて、ヴォルフガング・ティルマンス、ギルバート&ジョージ、スティーヴ・マックイーン、マーク・レッキーと表参道のエスパスルイヴィトンで作品を鑑賞しているアーティストだと気付く。
エスパスルイヴィトンの展覧会情報もチェックしておかないと、と改めて思ったよ!

マーク・クインが1991年に自分の血液10パイント(5.5リットル!)を凍らせて作成した肖像作品について書かれた雑誌「フェイス」(画像左)を読んで、恐ろしくなる。
アート作品制作のために命がけじゃないの!(笑)
画像右は、今回展示されていた1996年の「逃げる方法が見当たらないIV」で、こちらもモデルはマーク・クイン本人なんだよね。
自分の裸体をポリウレタン・ラバーで型取り、真っ二つにして、裏側を宙吊りにしている。
「変容の究極の瞬間、暴力的な脱皮」とマーク・クインが説明しているようだけど、怖い作品だったよ。
2014年8月に鑑賞した「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展」で観たケイト・モスの彫刻作品「スフィンクス」とは印象が違ったね!

アニッシュ・カプーアが1998年に制作した「傷と不在のオブジェクト」は横幅56.5cmの9枚組写真作品。
展示されていた時は横並びだったけれど、9枚をまとめてみたよ!
色彩がとても美しい。
この作品はイギリスのテレビ局で1997年に放映された映像を切り取り、静止画として版画にしているという。
カプーアは子宮と洞窟をイメージして制作したみたい。
意味を考えなくても、抽象的なイメージと色使いだけで充分な気がするよ。
カプーアのアートを鑑賞していると空間や距離の知覚が曖昧になることがあり、その感覚が楽しいんだよね。
「傷と不在のオブジェクト」も、じっと観ていたらトリップしそうだよ!(笑)

グレイソン・ペリーの壺も「ターナー賞の歩み展」で観ていて、欲しくなった作品だよ。
なにやら残酷そうな絵柄で、宮川香山みたいに立体物が貼り付けてあるところも面白い。
ROCKHURRAHもとても気に入ったようで、「欲しい」と言っていたよ。(笑)
ミュージアム・ショップにグレイソン・ペリー「私の神々」をモチーフにした巾着があることに気付いたのは、ROCKHURRAHだった。
壷型になっていて、上部を紐で閉じられる造りになっている。
観た瞬間に興奮したSNAKEPIPEにプレゼントしてくれた!(笑)
2023年9月の「テート美術館展」でも、ウィリアム・ブレイクの「善の天使と悪の天使」をモチーフにした「キモカワ」系のポーチをプレゼントしてもらったっけ。
いつもありがとう、ROCKHURRAH!(笑)

2025年4月に「SNAKEPIPE MUSEUM #75 Mona Hatoum」で特集したモナ・ハトゥムの作品が展示されていた。
1999年制作「家」は、木製のテーブルの上に15個のスチール製キッチン用品と電球がセットされている。
どのタイミングになるのかハッキリ分からなかったけれど、たまに電球が明るく光るんだよね。
1個だけのこともあれば、3つ同時に点灯することもある。
じっくり待って、3つが光ったところを撮影してみたよ!(笑)
「骨の折れる家事労働の苦痛と性別役割分業が生む閉塞感を暗示」していると説明されていた。
文章読まないと意味が分からないかも。(笑)
SNAKEPIPE MUSEUMで紹介した時もインダストリアルな素材と光を組み合わせた作品が多かったな。
作品の解釈を調べずに感想を書いていたけれど、きっと難解な表現だったんだろうね。
ブログで紹介したアーティストの作品を実際に目にすることができたことが嬉しいよ!

最後はこちら。
コーネリア・パーカーの「コールド・ダーク・マター:爆発の分解イメージ」、1991年の作品だよ。
展示室を目一杯使ったインスタレーションで、部屋に入る時「作品に触れないようにご注意ください」と係の方からお声がけされた。
木材や金属、プラスチックといった破片が、天井からワイヤーで吊るされている。
イギリス陸軍によって爆破された物置小屋の破片を拾い集めた作品らしいよ。
「破壊と創造」「重力からの解放」などを意味しているんだとか。
一番上に載せた看板にも使用されている、今回の展覧会を象徴する大型作品だね。
コーネリア・パーカーの名前は初めて知ったので、今回作品を鑑賞できて良かったよ!

「テート美術館 - YBA&BEYOND 世界を変えた90s 英国アート」を鑑賞した感想をまとめてみたよ。
今回の展覧会は映像作品が多かったんだよね。
そしてそのほとんどが意味不明で、SNAKEPIPEには響かなかったのが残念。
ベーコンから始まったので期待が大きかったせいもあるけれど、そこまでグッと来る展覧会ではなかったのが正直なところ。
実際に観たから言える感想なので、行って良かった展覧会だよ!(笑)

SNAKEPIPE MUSEUM #80 Vania Zouravliov

20260215 10
【イギリスのシンガー・ソングライター、マット・エリオットのアルバム・ジャケット】

SNAKEPIPE WROTE:

「このアーティスト知ってる?」
ROCKHURRAHがスマホ画面を見せながらSNAKEPIPEに尋ねる。
画面には精緻でちょっと不気味な作品が映っている。
丸尾末広じゃないんだよね?(笑)
アーティストの名前は、Vania Zouravliov(バーニャ・ズーラヴィロフ)でロシア人だという。
調べてみると、2008年に銀座8丁目にあるヴァニラ画廊で日本初個展が開催されていたらしい。
今から約18年前のことなので、初見のROCKHURRAH RECORDSは遅れてるね。(笑)
温故知新はブログのテーマでもあるので、このまま進めるよ!
まずはバーニャ・ズーラヴィロフの経歴を調べてみよう。

1978? ロシアのウラジーミルで 生まれる
1980〜 幼少から母親の画材で絵を描き始める
1990〜 ロシアで「天才子ども画家」として注目を集め、13歳頃には 国際的に作品を展示
1997 イギリスへ移住し、エディンバラ美術大学で学ぶ
2000 初の出版作品が『Eros Comix』シリーズに掲載される
2000〜2010 イギリスを中心に挿絵・CDカバー・雑誌・画集など多数の仕事を手がける
2010 画集『VANIA』など作品集が出版される
2016 亡くなった との情報あり(死因は不明/非公開)

生まれた年も定かではないし、既にお亡くなりになっている記載もあるよ。
もし情報通りなら、38歳くらいの短い人生だったことになるね。
「天才画家」と呼ばれロシアのテレビ番組にも何度か出演した才能の持ち主なのに、残念だよ。
独特の雰囲気があるバーニャの作品を観ていこうか。

作品にはタイトルが付いていないようで、鑑賞したままの感想を書いていくつもりだよ!
黒いバックに目を見開き、怯えるような表情をした女性が描かれている。
これは米国テキサス州オースティンを本拠地として活動している「MONDO」で販売されていた映画「ドラキュラ」のポスターだって。
「ダゲレオタイプのよう」と評されることが多いというバーニャらしい作品だね。
ダゲレオタイプとは、1839年にフランスで発表された世界初の実用的写真撮影法のこと。
描くモチーフが、現実離れした昔の時代の人を思わせるからだろうね。
まるで写真のような精密描写も相まって、不思議な印象を持つことになる。
この作品の女性が映画に登場していたのかは不明だけど、映画の雰囲気は十分伝わるよね!

次の作品は、まさにダゲレオタイプで残された記録写真のようだよ。
ある種族の王族の血を引く王女を写した写真、みたいと思ったSNAKEPIPE。
バーニャは、1870年頃フランスやベルギーを中心に展開した「夢、死、神秘、内面的な感情」といった「目に見えないもの」を、神話や比喩などの「象徴」を用いて表現した「象徴主義」やエロティシズムを融合させて創作しているみたい。
ちなみに「象徴主義」の起源は、ボードレールの「悪の華」で、音楽はワーグナー、小説はユイスマンスの「さかしま」、絵画ではモローが代表的なアーティストだって。
シュルレアリスムより50年前に発生した、ちょっとダークなイメージの世界だね!
この時代も気になるなあ。

バーニャはロシアで生まれて、イギリスに移住している。
作品に東洋的なモチーフが多数あるのが謎だよ。
載せた作品は着物を着たキツネが、少女にまとわりついているところ。
日本の昔話にありそうな題材だけど、キツネの役割はなんだろうね?
バーニャの意図がよく分からない作品だけど、「何かありそう」な雰囲気は伝わるよ。
ある記事によるとバーニャの好きな言葉は、幕末から明治中期に活躍した無惨絵で有名な浮世絵師、月岡芳年辞世の句なんだとか。
「夜をこめて照まさりしか夏の月」は、月岡芳年自身も人生の最期に芸術家として真価を発揮したという意味なんだね。
バーニャの日本びいきがよく分かるエピソードだよ!

ナポレオン帽をかぶった冷酷そうな少年は、丸尾末広の漫画に出てきそうなタイプだね。
後ろに軍服を着てサーベルを持ったオオカミがいるよ。
先のキツネと顔や手の形が違うんだよね!
瀕死の重症を負わせたのが、手前の少年なのかもしれない。
かすかに微笑んで見えるので、自慢気に見えてくるよ。
オオカミが何かの比喩で、少年は力ずくで権利を手に入れたストーリーを考えたSNAKEPIPEだよ。

最後はこちら。
立ち襟から推測すると、恐らく中国人少女を描いた作品だろうね。
頭の飾りや目の周りの蝶みたいな化粧を見ると、何かの儀式のためのコスチュームなのかも。
髪の毛が口に入っているようだけど、パッと見には顔を切られているようで怖いよね!
まるで写真のように見える精密な描写力に驚くよ。
一度見たら忘れない作品だね!

今回はロシア人アーティスト、バーニャ・ズーラヴィロフを紹介したよ。
他の作品を観たいと思っても、画集は8万円以上もして手が出せないお値段になっている。
いつかまたヴァニラ画廊で展覧会やって欲しいと願うSNAKEPIPEだよ!

アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦 鑑賞

20260201 top
【東京国立近代美術館前の看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

たまたま見かけた広告に目が止まる。
アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」というタイトルの展覧会は、東京国立近代美術館で2025年12月から開催されているらしい。
「アンチ」や「アングラ」だったり「アヴァンギャルド」という文字には反応してしまうんだよね。(笑)
どんな展覧会なのか、調べてみると「1950年代から60年代の日本の女性美術家14名の作品およそ120点を紹介(展覧会告知より抜粋)」する企画だという。
これはとても面白そう。(笑)
ROCKHURRAHを誘って行ってみよう!

散歩日和なら東京駅から歩いても良かったけれど、風の冷たい寒い日は一番近い竹橋駅から行くのがモア・ベターよ!(小森のおばちゃま)
展覧会が始まって1ヶ月以上経過しているけれど、お客さんは多いと感じたよ。
(SNAKEPIPE命名の)国立系に加え、単身で鑑賞しているサラリーマン風の男性やインバウンドと思われる外国人も多数来館している。
1950年代から60年代の女性アーティストだけを特集する企画は珍しいと思うけれど、興味を持つ人が多いのは少し意外だったよ。
もう少し空いてるイメージを持ってたからね。(笑)

今回出品していたのは14人。
最も有名なのは草間彌生だけれど、作品の撮影は禁止。
フランス文学者で小説家である荻野アンナの母、江見絹子の作品はまるでゲルハルト・リヒターのようで素敵だったのに、こちらも撮影不可。
とても残念だったよ。
撮影が可能で印象に残った作品を紹介していこう!

1933年台湾生まれの田部光子は、1946年福岡に引揚げた後、岩田屋百貨店絵画部でデッサンを学んだという。
岩田屋の表記に福岡県出身のROCKHURRAHが反応する。
ROCKHURRAHの子供時代には、デパートといえば岩田屋だったらしい。
福岡では有名な百貨店なんだね。
上に載せた田部光子の作品には、石膏や竹が貼り付けてあり立体感があった。
黒い部分の毒々しさが気に入ったよ!

1927年乃木坂生まれの福島秀子は、20歳の1948年にはアーティストとしてデビューしていたらしい。
福島秀子がモデルとなり、1950年に写真家大辻清司によって撮影された写真を観ると、スタイリッシュで魅力的な女性だったみたいだね。
1955年頃には、既製品にインクをつけるスタンピングの技法を確立したという。
載せた作品の右上部分にも、丸い輪っかのようなスタンプがいくつも見えるよね。
かすれたり、何度も押し付けて太い輪郭にして変化を加えているのも面白い。
福島秀子は絵画だけではなく、舞台美術や衣装なども手掛けていたんだとか。
マルチ・アーティストの先駆けだったんだね。

宮脇愛子の作品は、「カスヤの森現代美術館」や「箱根彫刻の森美術館」でも鑑賞したことがあるよ。
ステンレスのワイヤーを使った作品「うつろい」は、自然に溶け込んで調和していたっけ。
載せた作品の素材は真鍮で、空洞の直方体を積み重ねたもの。
光の加減で輝かしいゴールド色になったり、影ができて黒ずんで見えたりする。
メタリックを使用した作品がとてもカッコ良いね!
建築家の磯崎新が旦那さまだったことは知らなかったよ。
彫刻家と建築家のご夫妻、素敵だね!

1925年生まれの山崎つる子は「具体美術協会」創設メンバーの一人なんだね。
「具体」は1954年に関西で結成された前衛美術家の団体で、新しい実験的なアート作品を制作したことで知られている。
載せたのは、1957年制作のブリキに光を当てた作品。
まるで丸めたアルミホイルみたいに見えるけど、硬度はどれほどなんだろうね?
金属板を光で染めた作品だという。
光を色彩として表現しているのは初めて聞いたかも。
怪しげな雰囲気が素敵で、作品をバックにROCKHURRAHと記念撮影したよ。(笑)
山崎つる子の他の作品も観てみたいと思った。

「具体美術協会」のスターといえば、白髪一雄
その奥様である白髪富士子の作品が展示されていた。
2020年2月に鑑賞した「白髪一雄展」について書いたブログに書いたのは以下の文章。
「制作する時は、元画家だった白髪一雄の奥さんがサポートしていたというから驚いてしまう。
富士子夫人は着物姿だったり、白髪一雄と同じように黒い全身タイツのような姿で、絵の具を渡したりする」
その富士子夫人の作品がこちら。
1955年制作の「白い板」は、傾斜のついた断絶した白い板が設置されたもの。
白い板部分と板の隙間から差し込んだ光との対比がポイントなのかなと感じたよ。

芥川(間所)紗織は、時期によって作風がガラリと変わっていった画家なんだね。
初期はミロのようで、中盤は怒りをあらわにした女や神話に基づいた絵画を描いていた。
載せたのは1961年〜1962年に制作された後期の抽象画で「裸婦」(左)「スーツを着た男B」(右)。
1960年に渡米してから作風が変わったらしい。
シンプルな色使いがオシャレで、モダンな雰囲気だよ。
1966年に41歳という若さで急逝してしまったとは残念。

多田美波は1962年に自身の名前を冠した「多田美波研究所」を設立し、代表に就任しているという。
皇居や帝国ホテルなどの室内装飾やレリーフを手掛けた彫刻家として知られているんだね。
今回の展覧会では絵画作品と彫刻作品が展示されていた。
鑑賞している時には同じアーティストの作品だと気付いていなかったよ。(笑)
左に載せた絵画作品は、半島を俯瞰で捉えた航空写真みたいに見えるね。
構図と紺色部分に垂らされた白色が面白くて、デザイン的だよ!
右はアルミニウムを素材に使用した「周波数」シリーズの大型作品で、天井から吊るされて浮いていた。
「周波数37303030MC」といったタイトルを付けているのもカッコ良いね!
多田美波の他の作品も観てみたいよ。

今回の展覧会でユニークだったのは、「別冊:アンチ・アクション」と題された小冊子が会場のあちらこちらに置かれていたこと。
全部で14タイトルあり、兵庫県立美術館学芸員の江上ゆかが「アンチ・アクション」について詳しく解説してくれている。
江上ゆかの熱量が伝わる、おまけとは思えないような充実した内容に感謝したい。
1から14までの小冊子を探して歩くのも楽しかったので、とても良い企画だと思ったよ。
日本語版しかなかったので、海外の方は少しご不満だったかもしれないね?

1940年代半ばから1950年代にかけて、フランスを中心に行われた「アンフォルメル(非定型の芸術)」という運動は、世界中に広まっていたらしい。
アメリカではジャクソン・ポロックやウィリアム・デ・クーニングといった、「アクション・ペインティング」のアーティストが活躍したのもこの時代だという。
日本では先に書いた「具体美術協会」が海外でも紹介されていて、同時代に活躍した女流アーティストに焦点を当てたのが今回の展覧会なんだね。
奇をてらったアクション・ペインティングに対して「アンチ」を唱えたアーティストもいたようだけど、14人とも「アンフォルメル」を意識していたことは間違いないはず。
「アンチ・アクション」か「アクション」かなど関係なく、今回の企画展を満喫したよ!
日本人女流アーティストの多彩な抽象作品をまとめて鑑賞することができて良かった。(笑)

映画の殿 第80号 韓国ドラマ編 part29

20260125 top
【3本のドラマ出演者をROCKHURRAHが集めてくれたよ!】

SNAKEPIPE WROTE:

2026年になってから初の「映画の殿」韓国ドラマ編を書いていこう。
ほぼ毎日何かしらのドラマを鑑賞しているので、定期的に更新しているカテゴリーだよ!
今回は有名俳優が主役を務めているドラマ3本を紹介していこう。
最初はこちら。

調査官ク・ギョンイ(原題:구경이 2021年)」の主演はイ・ヨンエ。
Wikipediaによれば「お嫁さんにしたい女優第1位」や「女優が憧れる女優第1位」として有名なんだね。
ROCKHURRAH RECORDSでは、パク・チャヌク監督の「親切なクムジャさん」を鑑賞していて印象的な役どころだったイ・ヨンエを記憶しているよ。
時代劇「宮廷女官チャングムの誓い」が出世作で、その時の清楚なイメージとして捉えられているらしい。
「調査官ク・ギョンイ」ではどんな役なんだろう?
あらすじを調べてみよう。

保険調査の仕事を通し、再び事件の世界に足を踏み入れたゲーム中毒の元警察官。
現場に残されたわずかな手がかりを頼りに、恐ろしい連続殺人犯を追い始める。
(Netflixより)

トレイラーはこちら。

清楚なはずのイ・ヨンエが、酒浸りのゲーマーとは!
掃除も怠けてゴミ屋敷に住んでいるなんて驚きだよね。
ネットワークを介して付き合っていたゲーム仲間を自宅に招き入れたところは面白かった。
あらすじには「恐ろしい連続殺人犯」と書かれているけれど、殺人を行う目的が不自然だし、立ち回りがうま過ぎて現実味に欠けていたよ。
犯人役の俳優自体の魅力も乏しく、途中からは惰性で観ていたよ。
イ・ヨンエはハツラツと演技していたのに、残念なドラマだったね。
特出していたのは音楽で、全体的に良かったよ!
TRPPの「Yeah」を載せておこう。

続いてはこちら。
「ソウルの家から大企業に通うキム部長の物語(原題:서울 자가에 대기업 다니는 김 부장 이야기 2025年)」の主演は、我らがリュ・スンリョン!
映画「サイコキネシス -念力-」やドラマ「ムービング」でお馴染みの俳優だよ。
ROCKHURRAH RECORDSではリュ・スンリョンが出演しているというだけで、鑑賞する目的になるほど大ファンなんだよね!
今回のドラマ「ソウルの家から〜」の原作は小説で漫画化もされた人気作だという。
一体どんな話なんだろうね?

大企業の部長として幸せだった中年男性に訪れた突然の転落劇。
やがて自分自身と向き合うこととなり、彼は真の喜びをもたらすものは何なのかを再発見していく。
(Filmarksより)

簡単なあらすじを読んだだけで、リュ・スンリョンにぴったりの役だと分かるね。
トレイラーを観てみよう。

リュ・スンリョン演じる部長は実社会でも多いんじゃないかな?
実は仕事がイマイチだけど年功序列制度のため役職に就いている上司、いるよね。(笑)
見栄っ張りで上から目線の「俺様」タイプは、社会的な肩書が外れた途端、崩れてしまう。
キム部長は「大企業の部長」という勲章にしがみつくのをやめたから、歩き続けられたんだね。
仲違いしていた人たちとも、最終的には和解していたのは見事だった。
家族のつながりを大事にして、人間的に大きくなったキム部長は感動的だったよ。
リュ・スンリョンの持ち味が存分に発揮されたドラマで、鑑賞できて良かった!

グッドボーイ(原題:굿보이 2025年)」の主役はパク・ポゴム。
ドラマ「恋のスケッチ〜応答せよ1988〜」や「おつかれさま」で観ている俳優だね!
まっすぐで純粋な役を演じていることが多いイメージだよ。
載せた画像ではボクシング選手の服装をしているね。
どんなストーリーなのか、あらすじを書いてみよう。

11年ぶりに復活した国家代表特別枠での警官採用。
国際大会のメダリスト、彼らは当時英雄だった。
しかし熱い聖火が消えた今、彼らが向き合うのは冷たくみすぼらしい現実。
年金の中断、生活苦、不慮の事故など、厳しい現実が彼らを襲う。
そんな事情を抱えた彼らが凶悪犯罪に立ち向かうべく特殊専門担当チームに結集する。
警察内での冷笑や差別にも屈さず、選手時代の意地と根性と各自の特技を生かし、不正に満ちた事件に挑む。
(Amazonプライムより)

オリンピックでメダルを獲得した選手を警察官として採用するというのは、本当にある話なのかな?
それぞれの特技を生かして敵を倒すというと、漫画の「ワンピース」みたいだよね。
トレイラーを載せてみよう。

パク・ポゴムが殴られて目が腫れてしまっているね。
記事によれば、このドラマのためにボクシングのトレーニングを半年行ったんだとか。
構えやステップなど動きが本物のボクサーに見えたよ!
いくら役とはいえ、殴られ過ぎだったけどね。(笑)
宣伝ポスター左にいるのは「イカゲーム」や「カジノ」などで悪役だったホ・ソンテ。
今回は元レスリングのメダリストで、お人好しの上司役で良い味出してたね!
「グッドボーイ」の見どころはホ・ソンテかな。(笑)
ドラマ中盤頃から、犯人はハッキリしているのに逮捕できない「中だるみ」が続きイマイチな展開だった。
パク・ポゴムのファンにだけオススメのドラマかも。

今回は3本のドラマを特集してみたよ。
ROCKHURRAH RECORDSの一番は「ソウルの家から〜」だね。
ますますリュ・スンリョンのファンになったよ!
「ムービング」の続きはいつ公開されるのか、待ち遠しいね。
ドラマ鑑賞は続くよ!(笑)