【軽井沢現代美術館の正面を撮影】
SNAKEPIPE WROTE:
7月5日はROCKHURRAHの誕生日。
毎年プレゼントに悩んでしまうSNAKEPIPEだけれど、今年はROCKHURRAHから提案があった。
「軽井沢に行ってみたい」
ROCKHURRAHもSNAKEPIPEも、行ったことがない場所なんだよね。
旅行をプレゼントに決め、ホテルや新幹線の予約などを済ませ、いざ軽井沢へ!(笑)
梅雨はまだ明けていないので、一泊二日の日程がずっと雨降りでも仕方ないねと話していたけれど、出発当日は35℃を超え、ギラギラした太陽が照りつける日だった。
避暑地として有名な軽井沢だから、寒さ対策として軽く羽織るジャケットがあったほうが良いかも、という心配は一切無用となったよ。(笑)
天気に恵まれたのは良かったね!
指定席を予約していたので、何の問題もなく東京から軽井沢まで約1時間ほどで到着。
軽井沢ってこんなに近いところなんだ!
新幹線に乗るのは2022年6月に金沢に行った時以来かな。
出張が多い方や旅行が趣味の方々からすると、驚かれるほど少ない旅行の回数かもしれないね。
旅行慣れしている方には「そんなことも知らないのか」と呆れられてしまうはず。
ほとんどどこにも行ったことがないSNAKEPIPEにとっては、初めてのことばかりだからね。(笑)
ホテルのチェックイン前に計画していたのが、軽井沢現代美術館に行くこと。
マイカー族ではないROCKHURRAH RECORDSは、公共交通機関を使うことになる。
軽井沢といえば、お金持ちが別荘持ってて、高級車でバカンスに繰り出すというイメージがあるSNAKEPIPE。
この発想自体が昭和なのかな?(笑)
どちらにしても目的地までバスや電車を乗り継いで行く、というよりはマイカーで好きな時にお気に入りの場所に出かける観光客が多いはず。
バスで目的地に行きたい時には、時間に気を付けて行動しないとね!
軽井沢駅から循環バスに乗り「図書館前」というバス停で下車。
強い日差しを浴びながらROCKHURRAHとテクテク歩く。
「Y字路を右って書いてあるよ」
どこから見たY字路なのか分からないまま、ひたすら歩くこと15分。
小さな看板が見えてきた!
これは非常に分かりづらい。(笑)
マイカー族なら見逃してしまうかもしれないよ。
ゆるやかな坂を上がっていくと、ようやく正門が見てきた。
この時には2人共汗だく!
空調が効いている館内に入ってホッとしたよ。
平日だったせいか、お客さんはわずかしかいなかったので、ゆっくり鑑賞できるね!
松谷武判の「Circle」は、キャンバスにボンドを使用した作品だった。
黒い部分が垂れて盛り上がってるんだよね。
シンプルだけど、実験的で力強く、カッコ良い!
1937年生まれなので、今年87歳になるアーティスト。
今年の10月から東京オペラシティアートギャラリーで個展が開催されるようなので、是非足を運びたいね。
1936年大阪生まれの前川強は「具体美術協会(通称:具体)」出身なんだね。
赤と緑の作品は強烈なインパクトがあるのに、近くでじっくり鑑賞すると細く縫った跡が見えるよ。
大胆さと繊細さというアンビバレントが魅力的な作品だね!
「具体」は1954年に大阪の芦屋で結成された前衛美術グループ。
かなりラディカルな作品で、SNAKEPIPEもROCKHURRAHも大好きなんだよね。
「具体出身」というフレーズだけで、鼻息が荒くなるよ。(笑)
「具体」のトップ・アーティストといえば白髪一雄。
2020年2月の「白髪一雄 a retrospective展」で、念願の白髪一雄展を鑑賞したSNAKEPIPE。
赤黒い色彩が多い印象なので、今回展示されていた明るめの色調は珍しく感じてしまう。
「桃園」というタイトルで1988年の作品。
勢いのあるペインティングに惚れ惚れするね!
靉嘔(Ay-O)の作品は、以前どこかで観たことがあるはず。
瑛九が創立した「デモクラート美術家協会」に所属していたという。
1960年代には「フルクサス」という前衛技術運動にも参加した経歴を持つ。
名前からでは何人か不明だけど、茨城出身の日本人だって。
載せたのは「レインボー」というアクリルで描かれた作品。
実際に虹色の光が、この配色になっているのかは不明だけど、目を引く作品だったよ。
リヒターのストライプと同様、細かい線の連なりで描かれているけれど、印象はかなり違う。
抽象絵画の奥行きを感じるなあ!
長野県松本市出身の草間彌生、地元の大有名人だよね。
トリプティク(三幅対)の「PUMPKIN」や、南瓜の彫刻、スカートの布地に模様が描かれた作品などが展示されていた。
世界的に有名なので、海外からのお客さん達は彌生作品と一緒に記念撮影してたよ。
きっとミュージアム・ショップにも彌生グッズが並んでいるに違いない、と予想する。
菅井汲の「ムッシュ」と「朝のオートルート」は縦が130cmほどの大型作品で、大胆な色使いも含めて存在感がある作品だった。
1952年に渡仏して、高い評価を受けていたアーティストなんだね。
どこかの美術館で作品を目にしたことがあるはずだよ。
フランク・ステラを彷彿させるミニマル・アート、とても好き!
菅井汲の作品をもっと観たいと思った。
そしてフランク・ステラ作品を多く所蔵している川村記念美術館のサイトで、フランク・ステラが2024年5月4日に亡くなっていたことを知ったよ。
横尾忠則と同年生まれなので、まだ活躍して欲しいアーティストなのに、残念でならない。
2022年3月に東京オペラシティアートギャラリーで「ミケル・バルセロ展」を鑑賞した際、4Fコリドールに展示されていたのが水戸部七絵の作品群だった。
ゴツゴツとした盛り上がりのある油絵の具。
ちょっと過剰気味に見えるモチーフに見覚えがあったんだよね。
例えばリンチのアート作品に文字が入るのは効果的で、文字も作品の一部だと感じる。
オペラシティで鑑賞した時、「文字がなければ良いのに」と口にしたSNAKEPIPEにROCKHURRAHも同意する。
作品の説明になっているみたいで、余計な気がするんだよね。
モチーフの選び方や方向が理解できるから、邪魔に感じてしまうのかも。
ただ、一度観ただけなのに「あの作品だ」と思い出すことができるのは、水戸部七絵の作品に個性があるからなのかもしれないね。
草間彌生に並び、世界的に人気のあるアーティスト、村上隆の作品も展示されていたよ。
壁にある丸いオフセット印刷の作品は、販売されていたんだよね。
限定300部で、お値段43万円だって!
村上隆の作品がそんな値段で購入できることに驚いてしまう。
海外からの需要も見込んでなのか、和風テイストな仕上げなんだよね。
手前は村上隆の作品に登場するキャラクターのフィギュアが並んでいた。
特に好きではないけれど、これだけの数が展示されていると見応えあったよ。(笑)
一通り鑑賞が終わり、チケット受付の方に声をかけると、飲み物を運んできてくれた。
軽井沢現代美術館、チケット代金に飲み物まで含まれているとは!
外が暑かったので、冷たいりんごジュースとぶどうゼリーをいただく。
作品数もボリュームがあり、楽しく鑑賞し、作品を遠くに眺めながらジュース飲めるなんて素晴らしい美術館だよ!
どうやら2025年秋で閉館が決まっているというので、寂しい気分になってしまう。
一度だけでもROCKHURRAHと行かれて良かったよ!
美術館をあとにして、また強い日差しが照りつける中を歩き、ホテルを目指す。
ここからの続きは次週にしよう。
どうぞお楽しみに!