高木由利子 カオスコスモス 弐 —桜— 鑑賞

20240428 top
【ジャイルギャラリーの入口を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

表参道のジャイルギャラリーで高木由利子の写真展「カオスコスモス 弐 —桜—」が開催されている。
これは2022年11月の「カオスコスモス 壱 氷結過程」に続くシリーズ企画なんだね。
モノクロームのカッコ良い写真展だったことを思い出す。
カオスコスモス・シリーズ第2弾も是非鑑賞しよう!
ゴールデン・ウィークの初日、ROCKHURRAHと一緒に表参道に向かったのである。

家を出た時には少し雨がパラついていたけれど、表参道に着いた時にはやんでいた。
最近では、ROCKHURRAHは雨男という噂が消えつつあるよ。(笑)
以前は出かける度に雨だったからね。

今回はROCKHURRAHがApple Storeに用事があったので、先に立ち寄る。
店内に入ったのは初めてかも?
早い時間からお客さんがいっぱい。
店員の数もかなり多くて、受付から完了するまでに4人の店員が入れ替わりながら対応してくれた。
プロセス毎に担当が決まってるみたい。
この方式のほうが効率が良いのか疑問だけど、ひとまずROCKHURRAHの心配事が解決して良かったよ!

原宿方面に向かい、少し歩いてみる。
気温と湿度が高めだったけれど、日差しがないので歩きやすい。
散歩していると、以前あったはずの店が閉店していたり、全く別の店がオープンしていたりして変化を感じるね。
気に入っていたお店がなくなっているのは寂しいけれど、原宿近辺は弱肉強食の世界だもんね。
ランチに良い店を探しておかないと。(笑)

ジャイルギャラリーに向かうと、受付の女性以外にもう一人、白髪が混ざった長い三つ編みを垂らした女性がいる。
なんと高木由利子ご本人がいらっしゃるとは!
アーティストご本人が会場にいる、というのは2020年3月の「生命のインテリジェンス展」での河口洋一郎以来かも。
河口洋一郎にも記念撮影のお願いをしなかったように、高木由利子にも話しかけることはできなかったよ。
ROCKHURRAHもSNAKEPIPEも、意外とシャイなんだよね。(笑)

作品を観ていこう。
展覧会のポスターにもなっている大型作品は、会場入ってすぐの目立つ場所に展示されていた。
桜と聞かなければ、遥か彼方にある惑星を撮影したように見えてしまう。
もしくは海に浮かぶ無人島を俯瞰したような。
桜をモノクロームで見せることも新鮮だよね。

4枚の組写真は、展示方法が斬新だった。
床に直接作品を置く展示方法は、2020年2月に東京オペラシティアートギャラリーの「白髪一雄展」にもあったっけ。
白髪一雄の作品は非常に見辛かったけれど、今回の高木由利子展では効果的だと思ったよ。
組写真のためなのか、連続性と作品の広がりを感じたSNAKEPIPE。
横断歩道に舞い落ちた桜の花をモチーフにして、角度を変えて切り取ったのかなと想像する。
構図と見せ方がとても好きな作品だよ!

桜の木がダイナミックに表現されている作品。
よく見ると、表面がボコボコしているんだよね。
横125cm縦200cmという大型の作品が5枚並んでいる様は圧巻!
表面のボコボコが気になって、キャプションを確認すると「UVプリント、布:KONBU」と書かれていた。
調べてみると、どうやら小松マテーレが開発した「KONBU®」というナイロン素材を使用していたみたい。
印画紙にプリントしたら印象が違うんだろうね。
立体感が面白かったよ。

モノクロームに「ほんのり」ピンク色が足された作品。
これも惑星、もしくは台風や雲の様子を衛星から見ているよう。
ボコボコした表面から分かるように、こちらも「KONBU®」にプリントしているんだね。
桜の開花を待ち望む日本の文化とは違い、高木由利子は散る時に興味があるという。
そして樹齢150年の山桜と共に生活しているというエピソードが紹介されていた。
山と桜に一目惚れして移住を即決するなんて、パワフル!
そのフットワークの軽さが作品創りにもつながっているんだろうね。

まるで葛飾北斎の「富嶽三十六景」のように見える作品。
シルバーの台座の右寄り、もしくは左寄りに配置されているためなのか、浮世絵っぽいんだよね。
竹を使った和紙にピエゾグラフ・プリントをしているという。
ピエゾグラフはエプソンの商標名で、一般的にはジークレー・プリントというデジタル版画のことだとか。
リトグラフやシルクスクリーンは、ジークレーに移行しているんだって。
新しい素材や技法について調べて、勉強になったよ。(笑)

高木由利子の「カオスコスモス」シリーズ第2弾の桜、とても良かった!
今まで見たことがない桜の作品は、ROCKHURRAHとSNAKEPIPEの知覚を広げてくれたと思う。
きっと来年の花見で、影響を受けた写真を撮るはずだからね。(笑)
「カオスコスモス」第3弾の開催を楽しみに待っていよう!

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