SNAKEPIPE MUSEUM #34 Kim Cogan

【寂れた雰囲気と色使いが最高だね!「The Alexandria Theater」は2013年の作品】

SNAKEPIPE WROTE:

エンリケ・マルティの作品かな?」
ROCKHURRAHが指をさすのは、ダイニングテーブルを囲んだファミリーの肖像画。
母親と思われる人物の顔がブレて、頭部が存在しないように見える油絵だった。
ちょっとオカルトっぽい作風は大好きなエンリケ・マルティに似ているけれど、あの毒気が感じられない。
どれどれ、とディスプレイを覗き込み、他の作品を見ると全く別のアーティストだと判った。
写真そのものに見えるスーパーリアリズムよりは絵画寄りの手法を用いて、ガランとした風景を描いているところに共感を覚える。

このアーティストはKim Coganという1977年生まれの韓国人。
1999年にサンフランシスコの美大を卒業し、その後はコンスタントに個展やグループ展で作品を発表している。
2013年には「アメリカの新進気鋭アーティスト25人」に選ばれているというので、かなり注目されているみたいだね!

 

廃墟好き、インダストリアル好きにはたまらない1枚だよね。(笑)
SNAKEPIPEが好んで撮影していたのも、こんな感じのコンクリートや鉄筋だったなあ。(遠い目)
レインボーブリッジ建設途中で撮った写真に似ているのがあるよ。
Kim Coganは写真を元に絵を描いているようなので、何枚もある写真の中からこの1枚を選ぶ気持ちが良く解るんだよね。
上の作品「Entering a city」は2014年の作品。
タイトルから推測すると幹線道路を横から描いた作品で、ブレているけど車の影も見えるんだよね。
Kim Coganは風景の中に人物を描き込んでいることもあるんだけど、主役は風景なんじゃないかと思ってしまう。
遠い記憶を再現しているような、存在感の薄い人物が多いからね。

SNAKEPIPE MUSEUM #5 Stephen Shore」の中でNo Man’s Landについて説明をしているSNAKEPIPE。
人がいない、空っぽの荒涼とした景色に惹かれてしまうことを力説したものだった。
今まさにそんな風景に出会ったよ!
見よ!この素晴らしい空虚さを!(誰だ、一体)
鉄の錆び具合、構図、色使い!
「Bronx River Crossing」(2013年)というタイトルの作品である。
ブロンクスと聞くと、黒人、ヒップホップ、麻薬、犯罪、ギャングといった危ない地域と思ってしまう。
今は随分変わってきたのかもしれないけど、SNAKEPIPEがラップ、ヒップホップを聴いてた頃はそんな感じだったからね。(遠い目again)
実際のところはどんな場所なのかはっきり確認しないまま書いてるけど、なんとも哀愁漂う、寂寥感いっぱいの風景に魅了されるよね。
撮影しながら歩いた西新小岩と平井を結ぶ平井大橋の下とは全然違う風情だよ。(笑)

最近よく映画の題材になる感染モノで、ほとんどの人が死滅してしまって、残っているのは本当に僅か。
果たして人類は生き残れるのか?!
なんてコピーが入るワンシーンのような1枚だよね。(笑)
白っぽい建物が並ぶと余計に空虚の度合いが増す感じ。
「Stockton Tunnel」は2006年の作品だから、今まで紹介してきた中でも古いほうになるんだね。
奥のトンネルはもちろん気になるんだけど、その前を横切る斜めの光を描きこんだところが写真的!
SNAKEPIPEだったら、もう少し近寄って斜めの光を大きくした横位置で撮影するかも。
きっとKim Coganは、車線の黄色を入れたかったんだろうね。

「Stockton Tunnel」を観ていると、Kim Coganの作風はフランスの写真家アッジェに近い感じがしてくるね。
芸術家の資料として売るための写真は、人がいないほうが都合が良かったために朝撮られていたらしい。
ほとんど人が写っていない風景写真なのは、そのせいだったんだね。
その無人でガランとした雰囲気が似ているのかな。
恐らくKim Coganも写真が好きで、もしかしたら自分で撮影してるのかもしれないね。
Kim Coganに関する情報が少なくて詳細は不明だけど、そんな気がするよ。

アッジェに似ているということは、画家のユトリロにも似てることになるよね。
ユトリロはアッジェの絵葉書を元に絵を描いていたというので、当たり前だけど!
Kim Coganが描いているのはニューヨークで、アッジェやユトリロはパリという違いはあるけれど、求めているテイストは近いんじゃないかな?
華やかな印象の都市だからこそ、音のない静寂が、より効果的に響いてくるんだろうな。

Kim Coganの作品を観ていたら、SNAKEPIPEも自分で撮影した写真を元に絵を描いてみたくなった。
チャレンジしてみようかな。(笑)

がっちりBUYましょう!vol.12 MAGFORCE編

【今回のスリングバッグの魅力を熱く語る外人の長編レビュー】

ROCKHURRAH WROTE:

9月前半は東京地方でも雨が降り続き、ジメジメの湿度で毎日イヤな日が続いたよ。梅雨時にそこまで大したまとまった雨もなかったように感じるから、ここまで降り続いたのも久々の体験。
個人的に台風直撃の被害を受けるようなところに住んでなかったから、自然の猛威については人並み以下の体験しかないけど、この雨と湿気には参ってしまったよ。

長らく愛用していた5.11のRUSH MOAB10というスリングバッグ(いわゆるワンショルダーのリュック)が連日の雨ですっかり濡れてしまい、帰宅後のメンテナンスを怠ったためにカビ臭いような、ぞうきん臭いようないやな臭いに成り果ててしまった。週末に洗って干して、臭いが取れたと思ってたのにまた雨に濡れるとぞうきん臭い。
自分で臭うくらいだから電車やバスで周りにいた人間にはもっと臭かっただろうと容易に想像はつく。

こりゃいかんと思って、代替でアークテリクスのQuiverというスリングバッグに荷物を入れてしのいでた。
5.11よりは雨には強いけど、大雑把にしか荷物が入らないので、色んなものを色んなポケットに入れたがるROCKHURRAHにとってはちょっと使い勝手が良くないバッグになる。とても軽いし見た目は大好きなんだけどね。
リュックは区別がつかないくらいに多くの種類を出しているアークテリクスだが、この手のスリングバッグはクイバーの一種類しか出してないようなので、それが残念。せめて大きさのヴァリエーションが欲しかったよ。

ちなみにこれらのバッグについてはこのシリーズ記事「がっちりBUYましょう!」のvol.4vol.6で書いてるから参照してみてね。
その記事でも書いたけどどうせリンクを辿ってまで読んでくれてる人はいないだろうからもう一度軽くおさらいしてみよう。

5.11は警察やFBI、特殊部隊などに広く親しまれてるアメリカのタクティカル・アパレル&装備品メーカーだ。開発している商品は多岐にわたっていて、上から下までひと通りこのメーカーで揃える事も可能なくらい。
リュックやバッグ類も定評あり、SNAKEPIPEも女性としてはかなり珍しい部類だが、ここのバッグを数種類愛用しているほど機能性が高い。

ROCKHURRAHは両肩からかけるリュックはどうしても馴染めず、ワンショルダー型のスリングバッグばかりを愛用してきた。これのいいところはすぐに後ろから前に回して中のものが素早く取り出せるという点に尽きる。
RUSH MOABはそういう意味では好みにピッタリのバッグだった。シンプルな見た目とは裏腹に「これでもか」と言わんばかりにどこのポケット開けても中にビッチリと小分けのポケットがついており、どんな小物でも適所に収納出来てしまう作りは感動してしまう。欠点は非常に少ない傑作バッグだと思うが、見た目の割にはメインの収納スペースがやや小さく、そこまで多量の荷物は入らないのが難点。
通常の男のバッグとしては充分な収納力なんだろうけど、片側だけかけるバッグとしてはこの大きさが限度なのかもね。
それと今回の記事の冒頭にも関係してくるが、防水的な機能はほとんどなく、底に空気穴みたいなのが開いていて、もしも濡れたらそこから排水せよ、というくらいの男気溢れる造りになっている。ぞうきん臭くなるのも当たり前。ん?そんなことない?単に干し方が悪かっただけか。
意外な事にタクティカル、ミリタリー系のバッグで防水性を謳ったものは少ないので、これは仕方ない。

軽くおさらい、と言った割には延々と書いてしまったが、 要するに5.11のRUSH MOABの代わりに別のバッグを買ったのが今回の主題。相変わらず長い前フリで自分でも呆れてしまうよ。

スリングバッグは本格的なリュックに比べると需要が少ないのか、そこまで出しているメーカーが多くないのが現状だ。出来ればミリタリーかアウトドア系で探したいと思って今回選んだのがマグフォースというメーカーの出しているこれ、Archerというもの(写真左)。

右がRUSH MOABだけど、並べるとほとんど一緒くらいの大きさに見える。特に興味ない人には同じものの色違いに見えてしまうだろうね。
あえて違う色にしてみたが、ダークな色の服装が多いROCKHURRAHでもそこまで違和感はない感じだった。
元々Max Peditionというメーカーでバッグやポーチなどの装備品を出していたらしいが、日本やアジアではなぜかマグフォースという別名になっているようだ。ミリタリーのオタクではないから詳しくは知らないが、とにかく質実剛健の強度を誇る値段が安めの装備品として、ミリタリーショップでも比較的容易に手に入る。
スリングバッグもMonsoon、HumbergとこのArcherという形の違う三種類があるので、よそのメーカーよりも選択肢は多い。
ROCKHURRAHは観たことないがドラマ「24」や映画「トランスフォーマー」などでMax Peditionのバッグが使われていたそうで、そういう方面のファンが買い求めたりするのかな?
とにかく最新のバッグというわけじゃなくて、むしろ「何をいまさら」というくらいの古い型なので今どき記事にするのもあれなんだが、ちょうど手頃な大きさのバッグがなかったのでこれに決めたよ。

実は数年前、5.11のRUSH MOABを買った時もマグフォースは選択肢にあって、どっちにしようか悩んだ末に「人とかぶる可能性が低い」5.11に決めたという経緯がある。今はファントム(横田や渋谷、秋葉原あたりに展開する老舗ミリタリー・ショップ)で普通に売ってるRUSH MOABだが、買った頃はなかなか売ってる店がなく、米国から取り寄せて二ヶ月近く入荷待ちしていたという苦労があったなあ。

マグフォースは比較的どこでも取り扱っていたが、ファントムで去年くらいに実際にかけてみたら思ったより使いやすそうで、ずっと気になっていたのだ。ネットショップの画像で見た限りは「固そう、重そう」という分厚いバッグにしか見えなかったけど、こういうのはやっぱり実店舗で試着するに限るね。このどちらも1000デニールを超える分厚いナイロンで出来ていて、空の状態でも1kgを超えるというシロモノ。とにかく頑強さが売りなわけだけど、例えば軽くて薄くて強い新素材が開発されて、ミリタリーの世界でも進んだらこの手のヘビーデューティなバッグは過去の遺物となってしまうかもね。
使い始めての感想は同じくらいの形の5.11よりは重さを感じない造りになっていて、個人的にはこちらの方が優秀だと感じた。たぶんストラップ部分が広いから肩への負担が軽減されているのと安定性の違いだろうね。

 RUSH MOABとの大きな違いはないけど、くるりと回すとこのように真横になる。内容物は横から取り出すことを前提としているのでポケット類も全て横向きについているのが5.11と違うところ。何か前面にコード類やストラップなどがごちゃごちゃしていて、案外使いづらい印象があるけど、日常の用途ではそもそもあまり使う予定のない機能なのでこの辺は街中ではただの飾りみたいなものだ。本気で戦場やアウトドアで使う人には至れり尽くせりだと思うよ。開閉のしやすさ、中身を素早く取り出すという点については5.11の方がROCKHURRAHの好みだった。あの隠しポケットは優秀だったからね。
代わりにこちらは横にボトルポーチのようなものが付いていて、ここにナルゲンボトルや水筒、ペットボトルなどが収納出来る。アウトドアのリュックでは定番の機能だけどこれは便利。ROCKHURRAHはここに折りたたみ傘を入れている。

中はこのようにしつこいくらいのポケットで区切られていて、それでもメインのコンパートメントは結構マチがあって荷物が入れやすい。同じくらいの大きさだけど5.11よりは荷物入れた時でもパンパンに膨れない。これが良かった点だ。しかしフタが閉められる小さなポケットは5.11の方が多くて、小分け整理マニアの人だったらこちらより5.11の方がオススメと言える。バッグをかけるポジションが違うと荷物が90度傾くわけだから、ものによってはポケットから出てきてしまう。
ミリタリー用途ではなく普段使いだから、細かいものはやっぱりフタ付きの方がいいかな。

Molleと呼ばれる軍用ではおなじみのシステム。前面などを見て貰えればわかるだろうが等間隔で縫い付けてあるベルトに取り付ける、あらゆる用途のポーチ類が存在していて、使う人が好みのセッティングでバッグの横などにデコレーション(?)してゆく。PALSなどと略される場合もあるが(Pouch Attachment Ladder System)お好みでこれらを取り付けろ、という事でこのベルトも至る所にあしらわれてる。
ROCKHURRAHはあまりジャラジャラつけるのが好きじゃないけど、この辺のカスタマイズしやすさはさすが軍用系の合理的なもので、ただのファッション・ブランドが作ったバッグとはここが大きく違う点だ。
最近はメンズ物とかでもミリタリーの影響で実用性と機能美を備えたアイテムが数多く出てきてるし、そこまでの違いもなくなっては来ているが、本格的で本物なのに格好いいというものにやっぱりROCKHURRAHは惹かれるよ。

実にどうでもいいけどかわいらしいギミックとして、このアーチャーのバックル部分に一箇所だけ、緊急時に吹くホイッスルが隠しアイテムとして搭載されていて、なかなかファニーな魅力。この武骨なバッグをかけて似合う女性はめったにいないだろうけど、暴漢に襲われた時などに役立つに違いないよ。

結局、5.11のRUSH MOABとマグフォースのアーチャーは細かい違いはあるものの大差ないという当たり前の感想になってしまったが、価格面でも大体同じこの二つのバッグ、永遠のライバルでしのぎを削り合って欲しいものだ。
よくもまあこんなに前回と大差ない記事を書けるよな、と自分で読み返してみてもトホホだが、こんなんでいいのか?
使い込んで柔らかさが出ればいい味出そうだし、5.11と併用して愛用してゆこう。

ROCKHURRAH紋章学 酒造メーカー・ロゴ編

【訳すと酔いどれ子守唄!(笑)飲み過ぎには注意だね!】

SNAKEPIPE WROTE:

幼少の頃から慣れ親しんできた、なんて書き方をすると小原庄助さんみたいな呑兵衛と勘違いされてしまうかな。(例えが古い!)
確かにSNAKEPIPEとアルコールの付き合いはとても長いんだけどね。
恐らく小学校の低学年の頃には毎週末毎に少しずつ飲んでいた。
当然だけれど、両親から勧められて飲んでいたのである。
あれ?確かこの話は前にもブログに書いたことがあるはずだなあ。
どの記事に書いたのかを忘れているので、ま、いいか。(笑)
子供の頃は甘いワインやチェリー酒などで、年齢を重ねていくうちに色んな種類のアルコールが飲めるようになった。
酒がないと生きていけないというほどの酒豪でもないし、銘柄にこだわりを持つようなタイプでもない。
仕事が終わってビールでぷはーっ!
美味しい料理に口当たりの良いワインで美味しさがアップする、という程度である。

今回の「ROCKHURRAH紋章学」は海外のアルコール醸造メーカーのロゴ!
当然だけれど、そのお酒を飲んだことはなくて、ロゴを見てお洒落とかカッコ良いと思ったものをSNAKEPIPEの独断で紹介していく、いつものパターンね。(笑)
では早速いってみよう!


えっ?まさかあのYAZOO
80年代に「Don’t Go」や「Situation」などのヒットを飛ばした男女のペア!
当ブログでは「ビザール・ポストカード選手権!7回戦」の中でYAZOOのアリソン・モエットについて書いていたり、良く聴いているインターネット・ラジオでもYAZOOがかかるので、あんまり昔っぽい雰囲気はないんだけどね。
えっ、このロゴとは全く関係ない?(笑)
それでもやっぱり80年代ニューウェーブを経験した人にとっては、目に留まること間違いないよ!
YAZOOのフォント、赤と白というシンプルな色使い。
そして旭日旗のような横尾忠則っぽいロゴ!
そのせいなのかちょっと和風にも見えてしまうよね。
このセンスはなかなか良いよ!(笑)

Yazoo Brewing Companyはテネシー州ナッシュビルにあるビール醸造メーカー。
2003年創業というから、まだ12年ほどの若い会社になるんだね。
設立者の顔写真が載ってるけど、中年にもなっていないように見えるよ。
そんな若い感性だからなのか、パッケージにもこだわってるみたいだね。
Yazoo Brewing Companyは季節毎に味の違うビールを販売しているみたいなんだけど、油絵で描かれたようなお洒落なパッケージも目を引くんだよね!
例えば左の黒いワンちゃんが走っているのは春のビール。
夏はボートに乗っている恋人同士、などのイメージがラベルとビールの箱に描かれているんだよね。
ビールの味もさることながら、こうしたイメージ戦略も必要だからね。
オンラインショップではロゴをデザインしたツナギやグラス類などのオリジナル・グッズの販売もしていて、ファンは大喜びしちゃうよね。(笑)


続いてはライオンVSシロクマの戦いをロゴにしているFirestone Walker Brewing Companyを紹介してみよう。
この会社名はどうやらfirestoneさんとwalkerさんという2人組が始めたから付けられたみたいだね。
1996年にカリフォルニア州でスタート、と書いてあったから約20年。
こちらも若い会社だけど、世界ビール・カップ(というのか?)のミドル級(で良いのか?)で4回優勝しているらしいので、味のほうも文句なしみたいだよ!(いい加減な文章だ)

firestoneさんがクマでwalkerさんがライオン、というイメージで作られたロゴのようだから最初に戦いと書いたけれど、本当はじゃれ合っている様子なのかな?(笑)
日本だとキリンビールが麒麟をモチーフにしているけれど、似たイメージで「力強さ」をアピールしたいのかな?
ん?麒麟は力強くない?(笑)

このロゴデザイン、非常に秀逸!
名前がキャッスル(城)のアルコール醸造メーカーだから、真ん中にボトルを浮かび上がらせて。
色合いが表現主義的で、シンプルなのに印象的!
これはCastle Brands Inc. というラムやウォッカを製造・販売しているアメリカの会社のよう。
何年創業などの詳しいことはHPでは確認できなかった。
そして販売しているボトルに上のロゴは使用されていないみたいで、少し残念ね。

ガーゴイルをロゴデザインにしているのはStone Brewing Co.というカリフォルニア州にあるビール醸造メーカー。
一番最初に紹介したYAZOO同様、最近はロゴやラベルにこだわりを持っているメーカーが多いんだよね。

Stone Brewing Co.だったら、今回のロゴデザインだけじゃなくて、ボトルパッケージ特集のほうで紹介しても良かったのかもしれない。
「Double Bastard Ale」という名前の左の商品は「Bastard」シリーズの1商品で、他にも3種類「Lucky Bastard」などがあるんだよね。
日本では何年か前に「波乗りジョニー」 なんてネーミングの豆腐が販売されて注目されたよね。
その感覚に近い雰囲気のビールだな、と感じた。
これも当然飲んでないから味に関しては何も言えないんだけど、こんなボトルが置いてあったらお洒落な飲み屋さんと思われること間違いなし!
もしかしたらもう既に置いている店もあるかもしれないね。
お洒落な飲み屋に行かないから分からないよね。(笑)
ラベルは基本的にアメコミ風のガーゴイルだけど、色んな種類を揃えてみたら楽しそうだよね!

最後はこちら!
Coney Island Brewing Companyのロゴは色合いがとっても50’Sだよね!
この淡いベージュとペパーミントグリーンを見ると、ピンクドラゴンを思い出してしまう。(笑)
今のピンクドラゴンは昔と違ってしまったようなので、80年代のピンクドラゴンということで4649!

Coney Island Brewing Companyもイメージ戦略が上手ね。
ラベルが上のようなイラストを使用していてとてもお洒落!
HPの作り方もなかなか、だよ。
このビールも飲み屋さんにお勧めしたくなるよね。
そしてSNAKEPIPEはこちらも欲しい。(笑)
こんなTシャツとかパッチがあったら嬉しいな、と思うデザイン。
日本のメーカーにはできない芸当だなあ。(笑)

何故か今回はビールが多くなっちゃったね。
またロゴデザインは検索していきたいと思う。

映画の殿 第16号 タルコフスキーのストーカー

【印象的な黒い犬とゾーンの建物を合成してみたよ】

SNAKEPIPE WROTE:

かつては写真を撮ることや観ることに意欲的だったSNAKEPIPEは、写真集を片っ端から見たり、芸術関連の本を読んで勉強していた。
勉強していたつもりだった、というのが正確な表現かもしれない。(笑)
映画に関係する本を読むことも好きで、評論文だけを読んで興味を持った作品も数多い。
気になった映画を実際に観ることもあれば、縁がないまま鑑賞せず、それでも頭の片隅にタイトルや監督の名前が残っている場合もある。
アンドレイ・タルコフスキーの名前はその「縁がないまま」鑑賞しなかったけれど、名前を記憶しているほうに分類されていた。
スチール写真と共に載っていた「タルコフスキーの映像美」という文章はよく覚えている。
余程の映画通以外、そもそもロシア映画自体あまり観る機会ないよね。
観たことがあるのはエイゼンシュタインの「戦艦ポチョムキン」と「ストライキ」、セルゲイ・パラジャーノフの何か(覚えていない)を観たくらいだもんね。

レンタルDVDショップであるTSUTAYAには「発掘良品」という、今では手に入らなくなってしまったような過去の作品をDVD化する企画がある。
そのコーナーは懐かしさや、観たかったのに機会を逃してしまった作品が数多く並んでいることが多いので、なるべくチェックすることにしている。
そしてそこでタルコフスキーの作品が面出しされていることに気付いたのである。
ストーカー」(原題:Сталкер 1979年)ノスタルジア」(原題:Nostalghia 1983年)「サクリファイス」(原題:Offret 1986年)は、前述した映画の評論文の中ではお馴染みの、観たことがないのに知っているタイトルである。
この手のアート系の映画は、大抵の場合眠くなりそうな作品が多いというのも予想できたので、まずは1本だけ借りてみることにした。
今回選んだのは「ストーカー」。
気力と体力が充実している健康な日に鑑賞することにした。
寝不足気味で鑑賞すると眠ってしまうかもしれないからね! (笑)

簡単に「ストーカー」のあらすじを書いてみようか。

「ゾーン」と呼ばれる立ち入り禁止空間。
その奥にはすべての望みを叶える部屋があるという。
「作家」と「物理学者」は、「ゾーン」の案内人
「ストーカー」に導かれ、「ゾーン」に侵入する

ほんの数行しか書いていない、本当に簡単なあらすじだね。(笑)
実はこの映画はSF映画ということになってるんだけど、SF的な要素はほとんどない。
そして原作を読んでいないことにも加えて、SNAKEPIPEからするとストーリーはどうでも良い感じなんだよね。
「ストーカー」の魅力は違う部分にあると思うから。

写真家シンディ・シャーマンのことを書いた「SNAKEPIPE MUSEUM #4 Cindy Sherman」の記事の中で、ジム・ジャームッシュの「ストレンジャー・ザン・パラダイス」について言及している部分がある。

「ストレンジャー・ザン・パラダイス」は、全てのシーンが一枚写真として完成している、言うなれば連続スチール写真映画だったんだ!

「ストーカー」も「ストレンジャー・ザン・パラダイス」と同じで、写真集を観る感覚の映画だと感じたSNAKEPIPE。
しかもそれは廃墟写真集なんだよね!(笑)
おおっ、これが「タルコフスキーの映像美」であり「美学」なのか?
映画の評論のほうはその道のプロの方にお任せして!
SNAKEPIPEは「ストーカー」を写真的に観て素敵だと思ったシーンについてまとめたいと思う。

「ストーカー」はモノクローム(セピア調)のパートとカラーのパートがあり、「ゾーン」の中と外みたいな区別になっているのかもしれないけど、解釈はどうでも良いか。(笑)
モノクロからカラーに変化した時に出てくる、上のシーン。
1970年代のソビエト連邦って、こんなに荒涼とした風景だったのかな。
もしかしたら場所によっては今でも変わらないのかもしれないよね?
寂しい感じがする色味が最高!

昔はそこに人がいた、という根拠を示す人工物が朽ち果てている状態が写っているのが廃墟写真だと思う。
こんなにゴロゴロそこらに物が散乱しているのは素晴らしい風景だよ!
SNAKEPIPEからみると宝の山ね。(笑)

グッとくるよね、これも!
この鉄の箱みたいなのは一体なんだろうか?
錆び具合と草の伸び方がたまらない!
あー、気になる、気になる!

こんなブツに遭遇したら、フィルム1本くらい撮影してたな、絶対!
雑草の色といい、鉄の曲がり方といい。
待ち受け画像にしたいくらい惚れ惚れするわあ!(笑)


うっひょー!(笑)
上から垂れてるのはSNAKEPIPEのヨダレじゃないからね!
いや、本当にヨダレ垂らしながら観てたシーンがここ!
「なにここ!なにここ!」
とかなり興奮して叫びながら観ていたSNAKEPIPE。
素晴らしい廃墟写真だよね!
ここ行ってみたいよー!

「タルコフスキーは水を使った表現をする」というのも評論文の中によく出てきてたんだよね。
今回鑑賞してその意味がよく解った。
上の写真は井戸なのかタライなのか分からないけど、そこに入っている水が流動している様を写した映像を4枚並べたもの。
この説明を読まないで写真だけでみると、まるで月か地球の衛星写真か、と思ってしまうよね?
こんな映像が何の脈略もなく、ポンと挿入されるんだよね。
かなり実験的な映像で、目が釘付け!
タルコフスキー、やるなあ!(笑)

これも水の映像なんだよね。
鯉みたいな魚が泳いでいるんだけど、血みたいな赤色の液体から重油みたいなドス黒い液体が魚を覆い尽くしてしまうシーン。
何を表しているとか、そんなことどうでも良くなっちゃうよね。
タルコフスキー独自の美的センスがよく解ったよ!

人それぞれ好みがあるし、映画の鑑賞法も、映画に求めるものも違いがあるのは当然だよね。
「ストーカー」は誰にでもお勧めの映画とは言えないけれど、廃墟写真が好きな人は絶対好きだと断言できるね!(笑)
タルコフスキーの他の作品も鑑賞してみよう。
体力と気力のある健康な時に、ね!