オラファー・エリアソン ときに川は橋となる 鑑賞

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【東京都現代美術館の看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

先週、草間彌生美術館鑑賞についての記事を書いたよね。
実は草間彌生の後、長年来の友人Mと美術館のハシゴをしようと計画していたSNAKEPIPE。
ところが先週の記事にも書いたけれど、その日の湿度が非常に高く、少し歩いただけでも不快になってしまう天気だった。
そのため予定を変更して、美術館に行くのをとりやめたのである。

計画していたのは、東京都現代美術館で開催されているオラファー・エリアソン「ときに川は橋となる」と「おさなごころを、きみに」だった。
友人Mとは断念してしまった鑑賞計画だったけれど、せっかくなので行ってみたいと思ったSNAKEPIPE。
ROCKHURRAHと出かけることにしたのである。

東京都現代美術館を訪れたのは2019年5月のこと。
百年の編み手たち〜ただいま/はじめまして」は、3年のリニューアル後に鑑賞した展覧会だったね。
「リニューアルの意味がなく非常にガッカリした」と感想を書いているSNAKEPIPE。
あの時からすっかり足が遠のいてしまった東京都現代美術館。
今年に入ってからは自粛期間があったから余計だよね。
本来は2020年3月から6月だった開催期間が、6月から9月に変更された展覧会。
秋晴れの少し気温が高い平日に出かけたのである。

展覧会を鑑賞する時は、大抵の場合午前中に鑑賞を終えて、ランチを食べながら感想を述べ合うことが多い。
今回は午前中に外せない用事があったため、午後からの鑑賞になった。
久しぶりに行く東京都現代美術館は、コロナ対策のため正面入口以外は封鎖されていた。
入り口から見える風景に驚く。
広い通路に人が溢れかえっているじゃないの!
「チケット購入まで20分待ち」「入場まで20分待ち」などの看板が立てられている。
2019年に訪れた時には、どちらかというと空いていたように記憶しているけど?
なんでこんなに人気になっているのか不思議に思いながら、チケット売り場に並ぶ。

コロナ対策のため、間隔を空けて並ぶ必要があるのも原因だろうけど、並んでいる顔ぶれをさり気なく観察すると理由がなんとなく分かってきた。
高校生くらいから20代くらいの世代が多いので、SNSに写真をアップしたいがために来館しているのかもしれない。 
普段見かけるような「アート好き」やSNAKEPIPE命名の「国立系」 (年配の鑑賞者グループ)は、ほとんど見当たらない。
この様子で思い出すのは、2018年3月に森美術館で鑑賞した「レアンドロ・エルリッヒ展」 かな。
大雪の中出かけたのにもかかわらず、チケットを購入するまでに30分以上並ぶほどの大混雑、大人気ぶりだったからね。
あの時に近い印象があるよ。
ということは、今回も「参加型」っぽい作品があるのかも?

待ち時間を利用して、オラファー・エリアソンについて調べてみようか。

1967年 コペンハーゲン(デンマーク)生まれ
1989年~95年 デンマーク王立美術アカデミーで学ぶ
1995年 ベルリンに渡り、スタジオ・オラファー・エリアソンを設立
2003年 テート・モダン(ロンドン)にて《ウェザー・プロジェクト》を発表
2008年 滝のインスタレーション「ニューヨークシティ・ウォーターフォール」を発表
2009年〜14年 ベルリン芸術大学の教授を務める
2014年 建築家のセバスチャン・ベーマンと共同でスタジオ・アザー・スペーシズを設立
ウルフ賞芸術部門を受賞

科学とアートを融合させた作品により、世界的に有名なアーティストなんだね。
日本でも東京の原美術館で展覧会が開催されていたり、金沢21世紀美術館に作品が所蔵されているとのこと。
今回初めて名前を知ったSNAKEPIPEなんだけど。(笑)

ようやくチケット購入後、今度は入場するために並ぶ。
うーん、並ぶのが苦手なROCKHURRAH RECORDSにとっては、我慢の時間だよ。
どうしても観たかったわけじゃないから余計かな。(笑)
やっと入場できるようになったけれど、会場も人でごった返していた。
ほとんどの作品は撮影可能だったので、誰もがスマホを片手にしていたね。
当然SNAKEPIPEも撮ったよ!(笑)

円形に、なにやら黒い線が描かれている。
説明を読まないと意味が分からないよね?
「クリティカルゾーンの記憶」は、ドイツ→ポーランド→ロシア→中国→日本へと鉄道と船を使って作品を運んだ時の揺れや動きを記録した線描だという。
空輸しなかった理由は「CO2排出削減のため」とのこと。
エリアソンは、エコロジー関連にも注目しているアーティストなんだよね。
旅の記録をこうした形で表現するとは、なかなか難解ですな!(笑)

続いて「太陽の中心への探査」というインスタレーションを鑑賞する。
広い空間の真ん中にキラキラ光る物体が浮かんでいるよ。
少し鑑賞していると、その物体がゆっくり回転していることが分かる。
せっかくなので動画にしてみようか。

「キレイ!」というだけの作品ではなくて、エリアソンの意図があるんだよね。
動きはソーラーエネルギーによるもの、そして行きていくために不可欠な太陽とこの世界を成り立たせている構造や法則を表しているらしい。
これまた難解じゃのう。(笑)

「あなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること」は、何もない空間に光が投射されている作品なんだよね。
黄色、緑色、青色のハロゲンランプにより、部屋に入った人の影が壁に映る。
その影の「うつろい」を楽しむ作品ということなんだよね。
こうした「参加型」の作品が人気の秘密のようで、夢中でシャッターを切る人続出!
この装置が仕掛けなんだけど、見た瞬間「え?これだけ?」と思ってしまうのはSNAKEPIPEだけかな。
エリアソンの言葉によると「あなたが動いているときだけ物事が見える」とのこと。
これは「蝶の効果」みたいな感じなのかな。
ホドロフスキーがあやつるタロットカードでも、カードを引くという行為自体が運命を変える意味があると読んだ記憶が。
恐らくそういうことを言いたいんだろうな、と解釈してみたけどどうだろう?(笑)

続いては「人間を超えたレゾネーター」という作品ね。
これまた観ただけではさっぱり意味不明なんだけど、まあいいか。(笑)
どうやら灯台の光の仕組みを取り入れた作品だという。
観た瞬間にカルト映画「リキッド・スカイ」や「ホーリー・マウンテン」を思い出したSNAKEPIPE。
なんとなくサイケデリックな印象だったもので。(笑)

次の作品も光を使っているんだよね。
「おそれてる?」は赤、黄、緑のエフェクターガラスに光を当てている。
モーターによって照射位置が変化しているのか、様々な色が出現するんだよね。
これってまるで「光の三原色」の立体版だよ!
3色が重なると「何かが壁に現れる」と説明されていたけど、この画像が正解なのかどうかは不明だね。(笑)

展覧会のタイトルである「ときに川は橋となる」は、シャーレに張られた水に反射した様々な光の形を見せる作品だったよ。
これもまた動画にしてみようか。

「世界との新しい向き合い方を提示する」のが目的なんだって?

アイスランド系デンマーク人のエリアソンにとって、アイスランドは生まれ故郷になるんだね。
子供の頃の夏はアイスランドで過ごしていたらしいので、慣れ親しんだ土地ということか。
アイスランドといえば、氷河。
地球温暖化に伴い、氷河が溶けているニュースは聞いている。
溶けていく様子を1999年から撮影しているシリーズが「溶ける氷河のシリーズ」。
子供の頃に見た風景が変化していくのを目の当たりにするのは、辛いだろうね。
こうした経験がエコロジーとアートを融合させた作品制作に反映されるんだろうな。
アイスランドと聞いて真っ先に思い出したのは、ウィル・フェレルの「ユーロヴィジョン歌合戦」だけど、やっぱりあの映画でもアイスランド愛にあふれていたもんね。(笑)

環境問題をアートによって提起する、という作品といえば2015年8月に鑑賞した「ここはだれの場所?」のヨーガン・レールや2019年11月に記事にした「陸の海ごみ」を思い出す。
作品として鑑賞することで、問題を知り、自分ができることは何かを考えることが必要だと思っている。
テーマについては理解できるけれど、説明文を読まないと分からないアートというのは少々苦手!
エリアソンの代表作と言われる「ウェザー・プロジェクト」を観たかったな。
きっと文章や言葉がなくても、圧倒的なイメージだったと思うからね。
こうした感想も観たから言えるので、行って良かった展覧会だよ。

草間彌生 我々の見たこともない幻想の幻とはこの素晴らしさである 鑑賞

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【画像左:ノーマル /画像右:草間彌生美術館の外壁に色を着けてみたよ】

SNAKEPIPE WROTE:

何年も前から友人Mに誘われていた2つの計画があった。
一つは有名中華料理店での食事。
そして草間彌生美術館に行くことである。

草間彌生美術館は新宿区弁天町にあり、東京メトロ東西線早稲田駅、都営地下鉄大江戸線牛込柳町駅から徒歩で行くことになる。
早稲田駅は大昔にミニシアターに通ったことがあったくらいで、ほとんど利用したことがないSNAKEPIPE。
映画行ってたのは10代の頃だもんね。(笑)
牛込柳町駅は一度も降りたことがない駅だよ。
草間彌生美術館には当日券がなく、チケットはネット予約するシステムを採用している。
日時指定して人数制限を行っているため、混雑することはないんだよね。
SNAKEPIPEがチケット予約をしたのは1ヶ月以上前のこと。
せっかくなので、以前からお勧めされている中華料理店で食事をしようということになった。
その中華も予約をしておかないと席の確保が危うい、とのこと。
友人Mも1ヶ月以上前に中華を予約。
単なるランチなのに、大げさだけどね。(笑)

当日はお腹を空かせて来るように、と友人Mから指示を受ける。
どうやらその店は、いわゆるランチ・メニューがなくて、全て一品料理を出すとのこと。
2人で行った時には、通常4品から5品注文し、お腹いっぱいに食べるという。
今回も結局2人で4品選び、ペロリと完食!
中華なのにこってりしていなくて、胃もたれもしない。
SNAKEPIPEが一番気に入ったのは前菜の蒸し鶏だった。
山椒が効いたソースは、いわゆる中華料理という枠を超えていたよ。
以前から話に聞いていた料理を堪能できて、大満足だった!(笑)

腹ごなしに散歩をしながら草間彌生美術館方面へ。
この日はピカピカの日差しはなくて雲が多かったけれど、湿度がマックス。
少し歩いただけでも汗だくになる不快な天気だった。
もっと涼しかったら、散歩も楽しかっただろうに。
大江戸線に乗り、牛込柳町駅を目指す。
何度もブログに書いていることだけど、SNAKEPIPEは大の方向音痴!
それに引き換え地図を完璧に読むことができる友人Mは、初めて降りた駅からでも難なく目的地を目指すことができるツワモノ。(笑)
今回も友人MがGoogle Mapを活用しながら、道案内をしてくれる。
いつもありがとう!(笑)

「多分向こうに見える建物だと思うけど」
友人Mが指差す方角に歩いていくと、見えてきた草間彌生美術館!
建物の周囲にはぐるりと、お馴染みの水玉模様が描かれている。
トップに載せた画像は、左が撮影したもの、右が水玉に色を着けたもの。
草間彌生だったらモノトーンより、カラーかなと思ったからね。(笑)
こういうこと勝手にやっちゃいけないのかな。
ダメだったらごめんなさい!

入り口で購入したチケットを表すQRコードを提示すると、係員がコードを読み取る。
前述したように日時指定されているチケットなので、この方法だと間違いがないよね。
確認が取れた段階で「y」と書かれたシールを見える場所に貼るように指示される。
これで入館できるってことなんだね。
入り口がある1階は草間彌生グッズの販売スペースとなっていて、展示は2階からだった。
ここは階段を使って上のフロアに上がるシステムなので、足腰に自信がない人は注意しないとね。(笑)
草間彌生美術館では明確に撮影可能と不可が明示されていたので、以下に載せる画像では1枚を除き、撮影することができたのは良かったよ!

2階に上がると、拙い感じの歌が聴こえてくる。
そして鏡に写って彌生、やよい、ヤヨイ、、、、と連なる草間彌生のお姿がっ!
歌っていたのは、草間彌生作詞作曲の「マンハッタン自殺未遂常習犯の歌」。
詩を紹介してみよう。 

抗鬱剤のんで去ってしまう
錯覚の扉撃ち破る
花の煩悶(もだえ)のなかいまは果てなく
天国への階段 優雅(やさし)さに胸果ててしまう
呼んでいるきっと狐空(そら)の碧さ透けて
幻覚(まぼろし)の影 抱擁(いだ)きわきあがる雲の色
芙蓉いろ食べてみて散るなみだの音
わたしは石になってしまう
時 永遠(とこしえ)でなく 自殺(は)てる 現在(いま)は

共感することは難しいけれど、統合失調症を患った草間彌生らしい詩なのかもしれない。
なんとも不思議な空間だったけれど、草間彌生に慣れている人は驚かないよね。(笑)

3階に上がると2009年から続いている「わが永遠の魂」シリーズがあった。
展示されていたのは、2018年以降に描かれた最新作だという。
(この1枚だけSNAKEPIPE撮影ではない画像)
2017年3月に新国立美術館で鑑賞した「草間彌生 わが永遠の魂」で、初めて鑑賞したシリーズだったね。

まるで南米の古代文明みたいな原始的な雰囲気もあるし、幻覚剤を使用したサイケデリック・アートのようにも見えるし。
もしくは邪心のない子供の落書きのようにも見えてしまう原色の世界に、思わず笑いがこぼれてしまう。

などとSNAKEPIPEが感想を書いているよ。
今回の展示は、2017年の時よりも少しサイズが小さかったのかな。
スカーフやハンカチになっていたらほしいよね、と友人Mと話す。
どうやら2017年にも同じ会話をしていたような?(笑)
「わが永遠の魂」シリーズは、タイトルにも注目なんだよね。
 SNAKEPIPEが「ハンカチにして欲しい」と思った一番下の列、右から2番めの作品のタイトルは「我々の知るすべての造形色がもたらしたわが心の無限の讃美」。
友人Mが気に入ったのは、その2つ上の「宇宙に降っている崇高なる魂たち」という具合なんだよね。
2017年に鑑賞した時にもファブリックになったら良いのに、と切望しているんだけどグッズとしてショップに置いているのは好みの作品じゃないのが残念!

3階にはもう一点作品の展示がされていた。
コロナ対策として1組4名までと制限をされ、扉を開けて鏡張りの部屋に入り鑑賞する。
同様の作品を一番最初に鑑賞したのは、2004年に森美術館で開催された「クサマトリックス」だったんじゃないかな。
調べてみると作品名は「水上の蛍」だったようで。
あの時に受けた新鮮な驚きと感動に比べてしまうと、 「無限の鏡の間」はイマイチな印象になってしまった。
「水上の蛍」を一緒に体験した友人Mも同様だったようで、少しだけ撮影するとお互いに感想を述べ合うこともなく次に向かった。

4階にも階段で上る。
友人Mはスタスタ上っていくけれど、だんだん足が重たくなってきたSNAKEPIPE。
遅い、と叱られてしまった!(笑)
4階では最近多い「体験型」の作品が展示されていた。
「フラワー・オブセッション」は、入り口で造花もしくは花のシールを手渡され、展示室の好きな場所に花を貼っていくというもの。
ちなみに花の持ち帰りはしないで、とのこと。
シールを壁に貼って、撮影する。
この手のアートって、ちょっと安直な感じがするんだよね。
今回の場合は花が部屋を覆い尽くすことで 「オブセッション(強迫観念)」としているのは解るけど。
特に感慨もなく、次に進む。

最後は屋上に置かれたブロンズの花。
このタイプの花も2017年の新国立美術館で鑑賞したっけ。
今回展示されていたのは2018年の作品で「天空にささげたわたしの心のすべてをかたる花たち」だって。
タイトルに「〜たち」と複数形を付けるのが、今の草間彌生のスタイルなのかも。
屋上にはベンチがあって、しばし休憩することができる。
3階辺りで遭遇した女性2名がどっかりとベンチ真ん中を陣取り、迷惑なことこの上ない。
この2名は4階でも係員から追い出されるまで写真を取りまくり、友人MとSNAKEPIPEは待たされていたんだよね。
こういう女性客がいると、1名で来館している男性客がかなり遠慮しながら鑑賞することになり気の毒だった。
SNSに画像をアップするために、他のお客さんの迷惑になることはやめてもらいたいものだよ。

この日はSNAKEPIPEにとって「初めてのことが2つ」ある日になった。
中華料理店と草間彌生美術館ね!
まだまだこれからも初体験を楽しんでいきたいと思うよ。(笑)

収集狂時代 第17巻 Chanel編 part2

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【ウォーホルの作品 No.5 CHANEL】

SNAKEPIPE WROTE:

2020年8月の「ビザール・コンテナ選手権!39回戦」で、米国Amazonで購入できるコンテナ・グッズを特集した。
その時はAmazon限定で検索していたため、この逸品に気付いていなかった。
なんと、あの「おシャネル」がコンテナ型のバッグを販売してたんだよね!
Clutch Paris-hamburg Lucite Shipping Container Shoulder Bagだって。
クラッチバッグだから割と小さめなんだけど、存在感は抜群!
さすがシャネル、遊び心があるわあ。(笑)
このバッグは2018年の春夏コレクションで発表されたみたい。
そのため現在出ているのは、中古もしくは新中古品の価格ということだね。
調べてみると$20,010.50、日本円で約210万円!
発売された当時はもっと高かったんだろうね。
シャネル・コレクターじゃないSNAKEPIPEも欲しくなっちゃったよ。

コンテナ・バッグに魅了され、2017年6月に書いた「収集狂時代 第7巻 Chanel編」 のパート2としてシャネルを特集することに決定!
早速検索を始めよう。

なんでしょう、このゴージャスなボトルは? 
調べてみるとこのボトルは2019/2020のコレクションで発表され、実際に販売されているという水筒なんだよね。
ボトルをラムスキン・レザーのケースに入れて、肩からかけて持ち運ぶ。
世界的にプラスチック削減の動きがある今だからこそ水筒なのかな。
セレブが自分で水を運ぶ、というのは現実的ではないような気もするけどね?(笑)
お値段は$7,990、日本円で約85万円!
大人気商品のようで、すでに売り切れているらしい。
ちなみに、クリスチャン・ディオールがイタリア製のガラスでできたストロー6本セットを$120で販売しているそうなので、併せて使用するのも良いかな?

ゴージャス水筒肩から下げて、ワンちゃんのお散歩しようか。
散歩の時使用する首輪やリードは、もちろんシャネルだよね!
この商品は中古品なんだけど、なんと米国Amazonで販売されているんだよ。
Amazonでシャネルが買えるとは知らなんだ。(笑)
CHANEL White Patent Leather Camellia Dog Lead (Pre-Owned)  は$1,650、日本円で約17万5,000円!
かわいいワンちゃんに似合いそうだよね。

体にも気を付けないとセレブとは言えないよね?
ぷよぷよした体型じゃハイ・ブランドのファッションが似合わなくなっちゃう。
引き締めるためにバスケットボールも良いかしら?
当然シャネルで揃えないとね!
持ち運ぶためのチェーンがあるから、ファッション感覚でスポーツも楽しめそう。
お値段は$2,800、日本円で約30万円だって。
ドリブルし過ぎてシャネルのロゴを消さないようにしないと!(笑)

シャネルは他にもスポーツ・アイテムを出していて、これはその一例ね。
そうです、卓球です!(笑)
持ち物はほとんどシャネル、というセレブじゃない人がこのラケットだけ持っていても「自分で描いたの?」と苦笑されて終わりそう。
卓球はダイエットにも効果あり、とされる年齢に関係なく続けられるスポーツなんだって?
このラケット使って優雅にピンポン楽しんでみても良いかも。
ちなみにお値段は$2,831、 日本円で約300万円!
ラケットとして使えなくなったら、鏡を貼りつけたら手鏡にもなるかな。
そんなことを発想すること自体、セレブとは程遠いね。(笑) 

最近は男女問わず若い層にも広がっているゴルフだけど、かつてはお金持ちのおっさん用としか考えられていなかったスポーツだよね。
ゴルフ会員権が金持ちの象徴だった時代もあったし。
当然のようにセレブの方なら、ゴルフくらいはたしなまないと。(笑)
もちろん持っていくのはシャネルのゴルフ・バッグだよね!
中古品のお値段日本円で約30万円だって。
もちろんゴルフボールも揃えよう。
こちらはギフト仕様になっているのか、1個ずつ箱入りみたい。
$160.20、日本円で約1万7,000円だよ!
こんなボールでプレイしたら、絶対にOBには打てないよね。
ロストボールなんて無理!
セレブだったらこれくらいの値段じゃビクビクしないか。(笑)
ちなみにボールは白いタイプもあって、$80.99だって。

セレブなら優雅なフィッシングも楽しまないと! 
これはシャネルのフライ・フィッシングのセットだよ。
特徴的なシャネルのキルティングのケースだけを見る限り、中にカーボンロッドやリールがセットされているなんて思わないよね。
釣りはゲームの中でしかやったことがないSNAKEPIPEなので(笑)、フライ・フィッシングが疑似餌を使う釣りというくらいしか知識がない。
調べてみるとイギリス貴族が始めた、現在でも格調高いスポーツとのこと。(Wikipediaより)
魚は釣ったら戻す、キャッチ・アンド・リリースなので、食するために釣るわけじゃないんだね。
フライ・フィッシング・セットは$18,500、日本円で約196万円!
上流階級の方向けのスポーツ用品なので、妥当な金額だよね。(ほんとか?)

今回はスポーツを中心に紹介してみたよ!
調べていくと、ありとあらゆるシャネル・グッズが販売されていることに驚いてしまう。
ファッションの枠にとらわれず、ライフ・スタイル全体をプロデュースしている感じなんだね。
検索していてとても楽しかったよ!(笑)
 

80年代世界一周 伯刺西爾編

【頑張れ伯刺西爾、負けるな伯刺西爾】

ROCKHURRAH WROTE:

暦の上ではやっと秋になったけど、まだまだイヤな暑さが続くね。
毎年暑さが激烈になってきてる気がするのはROCKHURRAHだけなのかな?
今まで暑くても食欲が落ちたりする事がなかったけど、今年はとにかくまず水分、ほとんど夏バテと言える状態が続いた。

ちなみに年齢と共に頭髪が柔らかく細くなったROCKHURRAHだがヒゲは相変わらず硬く、しかもあらゆる方向に伸びてるので整えてもあまりきれいにならないという厄介な顔つき。このためマスクをしてると繊維を突き破って少し出てきたりでみっともないし、汗をかくと口の周りが人一倍湿気に覆われて、大いに不快となる。
好んでマスクをつけてるとしか思えないような人もいるだろうが、こんなものつけたまま夏の屋外に出るとは苦痛極まりない。

どうでもいい前置きは短く切り上げて本題に入ろう。
今週は久々に書くシリーズ「80年代世界一周」にしてみよう。

洋楽と言えばイギリスやアメリカの音楽が真っ先に入ってくる日本だけど、それ以外のあまり紹介されないような国に焦点を当ててみようというのが趣旨の企画ね。
そしてROCKHURRAH RECORDSの最大の特徴と言えば1970年代~80年代のパンクやニュー・ウェイブばかりを執拗に語るという時代錯誤も甚だしい音楽ネタばかり。
現代の世界中の音楽はどこにいても配信出来るし知る事は出来る。
しかし、ネットもコンピューターも未発達の80年代バンドについては情報も少なくて探すのも大変だけど、少しでもその国の音楽事情がわかればという興味があって始めた企画だ。
そこまではナイスなアイデアだったんだけど・・・・。
20代の頃に世界を放浪してたような実績もまるでないROCKHURRAHが書いてるわけで、信憑性も全くないし、ウソをまことのように伝える筆力もないしで、何だかとても中途半端な記事になるのがやる前からわかってるというシロモノ。

さて、今週はどこの国に焦点を当てようか迷ったんだが、意外な事に比較的動画が多かったここに決めたよ。

タイトルにもある通り、今週は伯刺西爾編にしてみよう。
個人的に今はじめて使った漢字を含む四文字だが、これでブラジルと読むらしい。
誰もが知ってるかどうか不明だが、日本とは昔からとっても仲良しの国であり、南米の中では最も馴染みの深い国だと思う。
サンバにボサノヴァなど有名な南米音楽のメッカでもあるけど、ROCKHURRAHが言うようなパンクやニュー・ウェイブに結びつくようなものが果たして見つかるのか?

ではそろそろ始めるか。

ブラジルはおろか海外渡航歴がほとんどないROCKHURRAHだから、思い入れも思い出も全くない状態でこれから書き進めなきゃいけない。
知りもしない国についてのそんな特集をハナからやらなければいいと思う人もいるだろうが、そういう事を気にしてたらウチのブログは一歩も前に進まないに違いないよ。
だからこれからは無知と偏見に満ち溢れた内容になるだろう(断言)。

ブラジルと聞いて人がイメージするものは色々だろうが、ROCKHURRAHの場合は小学生くらいの時にはじめてこの国を認識した。

本を読んでるような印象が全く無かった父親だったが、なぜか本棚に極真空手の始祖、大山倍達の自伝やアントニオ猪木の自伝などがあって、父親が不在の時に読んだものだった。
とても厳しくて怖い存在の父親であまり親子交流の思い出もないけれど、プロレスが大好きで全日本、新日本、国際プロレスなどの試合はTVでよく観てたのを思い出す。アントニオ猪木の本はそれで持ってたんだろうな。
ROCKHURRAHが子供の頃はプロレスや空手、柔道、ボクシングなどの格闘技漫画が大流行していて、いわゆるスポ根漫画全盛期。個人的にもその時代の大半の作品は読んでるはず。
だから実在のレスラーの嘘か誠かわからないような逸話も漫画で知ったようなものだった。
大型バスを歯で引っ張ったとかそういう類いの話ね。
梶原一騎原作のものはかなり話に尾ひれをつける大げさなものが多かったから、いくら子供でもあまり信憑性があるとは思わなかったけどね。
個人的にはジャイアント馬場の「こんなので本当にKO出来るのかよ」とツッコみたくなるウソっぽい必殺技が好きで、全日本プロレス派だったROCKHURRAH。北九州に興行に来た時には会場にも行き、ブッチャーにタッチしようとして出来なくて、レフェリーのジョー樋口をわずかに触る事が出来ただけ。そう言えば黒い魔神ボボ・ブラジルなんてのもいたなあ。ブラジル人じゃなかったけど。
猪木や新日本プロレスにはそこまでシンパシーを感じてなかったんだが、自伝を読むとさすが、一代であそこまで登りつめるだけの事はあると感心したものだ。

ブラジルと言えばコーヒー、その広大なコーヒー園の労働力としてアフリカの奴隷が使われていたわけだが、それが奴隷制度廃止により、労働力を各国からの移民に求めるようになる。これが19世紀の終わり頃の話ね。
日本からも大量の移民がブラジルに移り住んで日系人が誕生するわけだが、猪木もその(第何次だかわからない)移民のうちの一家族だったという話。アントニオなどとついてるが日系人ではない、なんてのはみんな知ってるよね。
その猪木は少年時代から重いコーヒー豆の袋を担がされる労働に従事して、あの体格と筋肉を形成したわけだ。
強くなったのは偶然ではなくちゃんとした理由があるんだね。

などというどうでもいい回想は言うまでもなくこれから書く事には全くの無関係で伏線も何もない。省略したら大して書く事がなくなる場合にROCKHURRAHがよく使う手法だね。

さて、最初に登場するのはブラジルの本格的パンク・バンド、Os Replicantesだ。
南米で唯一、ポルトガル語を公用語とするブラジルではO(男性)やA(女性)などの定冠詞をつける場合があり、Osというのはその複数形だね。男性形だからオス、ではなくてオーエスと読むらしい。Replicantesは読んでの通り「ブレードランナー」に出てきたレプリカントの事ね。

軍事政権が長く続いたブラジルでは1970年代の一番大事な時代に、ロック的な土壌があまり大っぴらに発達する事が出来なかったという歴史がある。「80年代世界一周」で前に書いたポーランドとかと同じようなもんだね。
別にロックが禁止されてたわけじゃないみたいだが、反体制的なものが弾圧されるのはどこの国でも一緒。
ロックではどうしてもそういう表現が多くなるのは当たり前だから、こういう不遇の時代を乗り越えてみんなやってきたわけだ。
だからと言って検閲されそうにないような、花や緑や何のほころびもない青春などをテーマに歌っても若者の共感を得られるはずはないからなあ。
「おお牧場はみどり」などはコード進行も初期パンクと同じようなテイストだから、そういうカヴァーを考えた輩がいてもおかしくはないが、その歌詞じゃやっぱり人を感動させられないってものだ、ホイ。

そういう背景があって、軍事政権が終わった1985年くらいからやっと本格的にロック、あるいはパンクで自由に表現する事が可能になったというわけだ。他の自由な国に比べるとだいぶ遅れて感じるのはこの辺がポイントだね。

Os Replicantesは1983年に結成してから今でも活動してるらしい古株。
ブラジルでも南部の港町ポルト・アレグレの出身で、この町がどんなもんかは知らないが、訳せば「陽気な港町」の通り、おそらく活気のある威勢のいい若者が多く育ったに違いない。
パンクやロックの発達は遅れたが元からサンバやボサノヴァ、ショーロなどの複雑で独自な音楽はあったブラジルは、当然ながら達者な演奏者が多く、いわゆるストレートなパンクは意外と少ないと個人的には思ったよ。このバンドのような典型的なパンクは逆に新鮮だ。
ビデオもいかにも悪ふざけしたような若気の至りで頭悪そうだが、見た目も音楽も元気なこういうノリはいくつになっても好きだよ。

リオ・デ・ジャネイロやサンパウロといった南米の大都市に比べて忘れがちなのが首都、ブラジリアだろう。
前にSNAKEPIPEが書いた「オスカー・ニーマイヤー展とここはだれの場所?鑑賞」で登場したブラジルを代表する建築家、オスカー・ニーマイヤーとルシオ・コスタがやりたい放題に作った人工的未来都市、こんな企画がまかり通って本当に出来てしまったウソのような首都だと言う。何もなかった土地に翼を広げた鳥のようなかたちの町並みが広がり、未来的なデザインの建物が配置されている世界遺産だ。
やっぱりブラジルというのは国のお偉方だろうが何だろうが、何かを実現する行動力というか熱い情熱に漲ってる民族性なんだろうね。
実際には内陸部で交通が不便だとか他の都市に遠い(リオやサンパウロから車で16時間くらい)とか、生活するには色々不評だとは思うけど、SFっぽい未来的な都市に住みたければブラジリアが一番だね。
ウチの場合は未来都市への憧れがあっても、やっぱり近くにスーパー三軒くらいあって欲しいし、そのうち一軒は角上魚類であって欲しいし、薬屋もサンドラッグかトモズが近くにあって欲しい・・・などなど実生活での変なこだわりがあるからなあ。

そんなブラジリア出身で80年代ブラジルを代表するバンドだったのがLegião Urbanaだ。ポルトガル語を直訳すれば「都市軍団」となって意味不明だが、我がROCKHURRAH RECORDSのBinary Army(現在絶版中、ROCKHURRAH RECORDSのブランド)も二進法軍団だから仲間みたいなもんか。
相変わらずROCKHURRAHには「読めん!」というバンド名だから検索してみたら、レジァオン・ウルバーナと読むらしい。
ブラジルのパンクやニュー・ウェイブについての知識もないから見てきたようには書けないが、この国の最も有名で影響力のあるニュー・ウェイブ・バンドだったようだ。
ヴォーカルが電車男(TV版)、もしくは河野防衛大臣みたいなメガネ男で大人気バンドのフロントマンとは思えないが、これで国民の心をガッチリ掴んだというのが驚き。何とこのヴォーカリスト、ヘナート・フッソの伝記映画まであるという。

これがそのトレイラーだがドキュメンタリーではなく演じてるのは別人の俳優。当たり前か。
90年代に30代半ばで死亡したヘナート・フッソ、ジミヘンやジム・モリソン、イアン・カーティスなどと同じように神格化されているのかな?
トレイラーの中でスティッフ・リトル・フィンガーズの曲に合わせて歌っているシーンがあるが、本当にその通りパンクのなかったブラジルでパンクの啓蒙活動をして人気となったようだ。
その時のバンドがAborto Elétrico(アボルト・エレトリコ=電気妊娠中絶)というパンク・バンドだったが紆余曲折を経て1984年くらいにLegião Urbanaとして再出発する。この当時のブラジルではまだ珍しかったジョイ・ディヴィジョンやU2、スミスなどの影響を受けた音楽だと言われているが、確かに陽気そうなブラジルの中でそういう音楽性というのは滅多になさそうだね。

上の(トレイラーではない方)ビデオ「Que país é esse?」は1987年のヒット曲でジョイ・ディヴィジョンもスミスも感じなかったけど確かにU2には似てる壮大な曲。U2ならこの曲を5分以上の大作にするところを3分以内にまとめたのがさすが。
え?評価する視点がおかしい?

ブラジルに限らずスペイン、ポルトガルや南米のラテン民族は強い女性が多いという印象があるね。
Netflixで大人気のスペイン・ドラマ「ペーパーハウス」でもトーキョー、ナイロビ、ラケル警部、とにかく爽快に強い女性が出てくるし、言葉の語感だけでも大声でハキハキした受け答えが強い意志を持った人に見えてしまう。

サンパウロで1982年に結成されたAs Mercenáriasもまた、強い女性を感じさせるバンドだ。
またまたROCKHURRAHには「読めん!」だが、アス・メルセナリアスと呼ぶそうだ。 
Os Replicantesの時に書いた通り、Aが女性の定冠詞でその複数形だからアスというわけか。Assではないんだな。直訳すれば「傭兵」というバンド名だが、上の都市軍団と同じく、ここでも何かと戦ってるらしいな。

ニュー・ウェイブ世代の女性バンドと言えばスリッツ、レインコーツ、モデッツ、マニアD、マラリア、クリネックスなどが即座に思い出されるが、初期ニュー・ウェイブ時代はどれもやっぱりトンガッた(今どきたぶん言わない表現だな)女という印象が強い。
普通の女の子やかわいい、優しげな女性ヴォーカルがニュー・ウェイブの中で独り立ち出来るのはネオアコやギターポップなど、もう少し後の時代になってからだからね。
アス・メルセナリアスもそういう初期ニュー・ウェイブの女性バンドを踏襲するスタイルだが、「ブラジルのスリッツ」と言われるのがよくわかる音楽性。ただスリッツのほどに広がりはなく、割と単調なビートに引っ掻くようなギターや力強い歌声が絡む、力技でグイグイ押してゆくバンドという印象だ。さすが傭兵。
フリーキーな部分はあってもパンク的な要素の方が強いからROCKHURRAHとしてはスリッツよりむしろ好みだよ。

しかしこれまで出てきたどのバンドも「長く続いた軍事政権」の終焉間近である80年代前半に出てきたもの。
デビューはしたもののレコードをリリース出来ないから、ようやく出せたのが80年代後半になってから、もしくはずっと後になって発掘音源みたいな感じで再評価されたり、バンドの勢いを保ったままというのは難しいだろうにね。
映像で見るのはそういう規制がなくなって、堰を切ったように自由に表現出来る場を得た時期なのだろうか。実際に見てきたわけじゃないから、この辺の事情がはっきりわからないのがもどかしいな。

元々ロック的な土壌があまりなかったブラジルでパンクやニュー・ウェイブが意外なほど浸透してたのも驚きだけど、こういう電子楽器を使ったエレポップまであったのにビックリ・・・というのもお国柄に対する偏見なんだろうね。
サッカーでもカーニバルでもパッと思いつくのは陽気でお祭り好きなイメージだから、チマチマとシーケンサー打ち込んでるようなブラジル人をあまり想像出来ない。
ただ、先にも書いたように近未来的な人工都市を現実に作ってしまうような国でもあり、現在ではIT大国になっているという話もあり、侮るなかれ(自分に向けた言葉)。

そんなブラジルで上に書いたようなパンク/ニュー・ウェイブのバンドより先に人気となっていたのがこのAzul 29というバンドらしい。パンクに限らず反体制的なロックバンドに規制がかかってた80年代前半のブラジルで、あまり反体制っぽく見えない単なるポップスやエレクトロニクスを使ったこういうグループなら問題なく音楽活動が出来たというわけなのかな?
その辺は不明だけど、80年代前半にこのバンドはヒットして人気があったという。
「読めん!」バンド名が多いブラジルだけどこれは簡単に読めたよ、アズールはポルトガルやスペインで青のことだね。フランス語ではアジュールと言うらしい。
彼らの1984年のヒット曲が「Video Game」というから、おそらく当たり障りのない歌詞に違いない。

ものすごいマニアではないからあまり大っぴらには言わなかったが、子供の頃からゲームが大好きで、TVゲーム黎明期の頃からのキャリアを持つROCKHURRAHだった。その趣味(?)が高じてゲーム屋の取締役にまでなった経歴を持つ。
結構好みと適性があって、あの時代誰もがやってたインベーダーは相当練習してもイマイチ、代わりに得意だったのが風船割りとブロック崩しだったな。大ヒットしたパックマンも苦手で代わりにディグダグが得意。時代は大幅に飛ぶが「ストリートファイターII」よりも「鉄拳」といったように微妙な好みが激しくて、どのゲームも得意とは言い切れない。まあ万能な人はいないからみんなこんなもんか。
「ゼルダの伝説」や「モンスターハンター」なども根性で最後まで勝ち進んだ経験があり、その分析能力と機動力を生かしてより一層のスキルアップをを目指したいと考えております(履歴書)。

さて、そんなデジタル世代を84年に高らかに歌い上げたAzul 29のヒット曲が「Video Game」。
「スター・トレック」か「宇宙家族ロビンソン」のような服装は明らかに「ブラジルのクラフトワーク」を狙ったものと考えるが、なぜか音楽やってる人には到底見えないようなおっさんメンバーもチラホラ。細かい事を気にしないおおらかな国民性だから、これでもいいのだ。

書き始める前からわかってた事だがブラジルについて個人的な思い出などまるでないという事。これが敗因となって今回のブログも意味もないところで苦戦してしまったよ。
何とかごましてここまで書いてきたが、もういいかブラジル、さらばブラジル(無責任)。

最後は1982年にサンパウロで結成された大所帯バンド、Titãsだ。
レジァオン・ウルバーナと同じくブラジルを代表するバンドのひとつらしいが、これでチタンスと読むそうだ。
ギリシャ神話の巨人タイタンがポルトガル語ではチタンスになるようだが、この綴りを見ても「ン」は一体どこから?と思ってしまうのはROCKHURRAHだけか?そう言えばサンパウロもSão Pauloで「ン」の部分が見えないが、これがポルトガル語ってヤツなのか。

メンバーが8人くらいいるそうでヴォーカルも3人くらい、とても賑やかそうなのが取り柄のこのバンド。
長く続いてるバンドなので音楽性も時代によってもさまざま。
この辺の雑多さで思い浮かぶのはフランスのマノ・ネグラだけど、彼らほどの強力なバイタリティは感じない。ただラテン系ニュー・ウェイブの個性をうまく世の中に伝えた功績は大きいと思うよ。

1986年に出た3rdアルバム「Cabeça Dinossauro 」は不気味な坊主の鉛筆画みたいなジャケットで、とてもこんな曲が入ってるとは思えないけど、シングルにもなった「Aa Uu」はそこに収録。
最初はアッアとかウウッとかしか言わないのでちょっとバカっぽいけど、ちゃんと歌詞はあるようで良かった。
服の色がどんどん変わってゆくだけのシンプルなビデオだけど、いかにも80年代ミュージック・ビデオといった雰囲気でなかなか効果的に仕上がっているね。

以上、80年代ブラジルのパンクやニュー・ウェイブはこれくらいしかないわけじゃなく、意外とたくさんのバンドがいるし、音楽性もこちらが想像したよりもずっと高い表現力を持っていたりする。
そしてビデオを色々見る限りでは、軍事政権による表現の規制うんぬん、なんてまるでなかったかのように感じてしまうよ。

本当はブラジルに限定せずに南米全部でひとつに纏めようと思ったんだが、他の南米もまだまだいそうだから、それはまた別の機会に書いてみよう。

それではまた、ジャジョエシャペヴェ(南米先住民言語グアラニー語で「さようなら」)