【こんな風に壁を塗りたくってみたいよ】
ROCKHURRAH WROTE:
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEが今現在、最も熱意を持って取り組んでいるのは、築40年を超える古い空き家に移り住むための準備、主に改装に関わることなのだった。
元々賃貸暮らしだったこともあり、改装だとか壁を塗り替えるとかが不可能なのが当たり前。
自分好みの内装の部屋に住むなんて考えたこともなかった2人だが、古い家の片付けが進むにつれて改装が現実的に必要となってきたというわけ。
今までやったこともなかったリフォーム業者の見積もりや工事の具体的な打ち合わせなど、金額がかさばりそうな相談がとても苦手な2人だけど、何とかその辺も乗り越えて工事待ちの日々だよ。
普通のご家庭ではそんなに苦労もしない部分だろうが、ウチの場合は特殊な事情があって、人の何倍もの労力が必要だった。
工事する部分は業者に任せるとして、部屋の壁や天井や床は出来るだけ自分たちでやってゆこうと2人で決意して(大げさ)、いわゆるDIY精神で拙い内装を全力でやっている現状なのだ。
ネックとなったのは今住んでる家じゃないわけだから、DIYに必要な荷物を注文して受け取る時には毎回現地に行かなければならないということ。
住んでるところから比較的遠いし、最近のネット注文は(特に大型商品だからか)到着日や時間の指定が細かくできない場合もあって、届きそうな日にそこで待ち構えていないと受け取れないのが困るよ。
配送業者としても重いものを2回も運ぶの大変だろうから、間違いなく在宅の時に運んで欲しいものなのにね。
そんな前置きでわかる通り、今回はウチが最も興味を持ってるリノベーション、またはリフォームに関係した曲を集めてみたよ。
などと言ってもROCKHURRAHの知ってる70〜80年代のパンクやニュー・ウェイブで、部屋を改装した内容の歌なんかとてもなさそうなので、改装するそれぞれの場所がタイトルに含まれた曲を探してきただけ。
相変わらずインスタントな内容の記事になること間違いなしだな。
ウチがやりたいのは改修工事でも改築でもなくて、単に部屋の模様替えみたいなもの。
大げさにリノベーションなどとタイトルにつけたのが恥ずかしくなるくらいのことしかできないDIY初心者だし、色んなことで思ったより出費が多くてね。
内装ごときにかけるお金がないそうだ、などとつまらんダジャレしか出てこないよ。
で、SNAKEPIPEと家族会議(2回目の大げさ)を行った結果、ウチの内装の方針はインダストリアルな雰囲気を基調としながらも、なぜかちょっとだけモロッカン・スタイルを取り入れようという滅多にない、しかもあまり相性の良くなさそうな組み合わせに決まったよ。
色とか柄とかあまり具体的には書かないが、インダストリアルな内装は元々からの2人の好みだったので満場一致(大げさ、3回目)で決定。
そこにプラスしたモロッコや中東趣味というのは、単にTVの旅番組とかで知って気に入っただけという安易さ。
このアンバランスな組み合わせで、デザインとかインテリアやってる人からは悪趣味と言われそうだけど、要は住んでる人の自己満足の世界だからね。
天井は思い切って賃貸では出来ないペンキで塗りたくってみた。
昔、倉庫の床にペンキでラインを引くというような作業はあったけど、その時は一斗缶に入った塗料と希釈用のシンナーだか何だかを混ぜて液体を作ったな。
やったことないから人がやってるのを見よう見まねで混ぜてみたが、何だか粘り気がなくなりすぎて、塗った後でいつまでも乾かなかったのを覚えてる。
その教訓を活かして今回はお手軽な水性ペンキにしたよ。
壁や床なら何とかなるが、脚立に乗って天井となると姿勢がきつい。
しかも周りは養生したものの、下にボタ漏れペンキが落ちてきて、DIY初心者どころか三流以下の汚しっぷり。
もみあげがペンキで色変わってるのに気づかずに電車で帰ってきた日もあったな。
とりあえず天井は思った通りにペイント出来て満足だよ。
そんな天井への熱意を込めてこの曲をBGMとしよう。
ブラマンジェが1982年に発表した名曲「Living On The Ceiling」だ。
Ceilingはいわゆるシーリングのことね、え?説明しなくてもわかる?
シーリングライトって言葉はあるけど天井のことはあまり英語で言わないな。
ブラマンジェは1979年に結成して80年代前半に活躍したイギリスの2人組ユニット。
この時代はなぜか男2人組という怪しい関係っぽいバンドが数多く存在してて、ソフト・セルにDAF、アソシエイツ、スーサイドにペット・ショップ・ボーイズなどなど、バンドとしては厳密に2人組じゃないのかも知れないけど、ジャケットに主要メンバー2人だけというのが流行っててしのぎを削っていたな。
ブラマンジェもその一端と言える2人組だった。
ライブやレコーディングでは人の力も借りるけど、ちょっとした電子楽器とヴォーカルさえいれば、この時代のニュー・ウェイブ・バンドとして成り立つというのが(当時の)テクノロジーの進歩だったね。
「天井に住む」とはこれいかに?と思えるタイトルだが無機質な演奏と中東やアラブな雰囲気が「インダストリアル×モロッコ風」というウチのコンセプトとピッタリ一致してるね。
実際にはモロッコじゃなくてカイロなんだろうけど細かいことは気にしない。
タイトルや歌詞とビデオの関連性がイマイチわからないが、単にエジプトに行きたかっただけじゃないの?
前にSNAKEPIPEが「ふたりのイエスタデイ chapter09 / Blancmange」でも書いた通り、この曲はシンプル・マインズの「I Travel」をちょっと思わせるしヴォーカルも似た感じ。
シンプル・マインズが大ヒット曲を出して国民的バンドになったのに対し、ニュー・ウェイブという狭い範囲のみで終わったブラマンジェの方が個人的には潔いと思えるよ。
上にいくつか書いた2人組バンドに比べると見た目が微妙でカリスマ性に乏しいけど、そういう「ほどほどなB級感覚」がまたウチらしいな。
実はこの曲じゃなくて彼らがゴミを壊したりペンキをぶちまけるようなビデオの曲があって、話の流れとしてはそっちの方が良かったんだろうけど、今回はタイトルにこだわったからこっちにしたよ。
え?そっちも見たい?
うん、まさにこれに近いことをROCKHURRAHとSNAKEPIPEはやってたわけよ。
ペンキ塗ったりする前はウチが使いそうもない古い家具やモロモロのものを何回にも分けて粗大ごみに出したり。
一度に出せるのが9点までなのでそれ以降はまた予約して別の日にゴミ出しに来たり、そりゃもう結構な苦労だったよ。
前日の夜には出せなくて当日の朝に集積所まで出しに行かないといけないし、住んでるわけじゃないから朝4時に起きてゴミのために現地に行ったりね。
粗大ごみにするかどうか微妙な大きさのものはノコギリで切ったり解体したり、リフォーム以前の段階でクタクタになってしまったというのが最近の2人の日常なのだ。
ビデオの方はペンキがかかったり破片が飛んできたり、結構危険だと思うけど体を張った演技が見事だゴロ(ユン坊)。
天井ふた部屋でペンキも減ってきたし、壁の方はおとなしく壁紙でも貼ろうかということで、これまた初心者である壁紙貼りに挑戦した。
SNAKEPIPEの友人がとっても簡単と言ってたから決めたんだが、結果として言うならこれはあまりROCKHURRAHには向かない苦手な作業となってしまった。
無地だと面白みがないと思って柄物糊付き壁紙というのにしたんだが「破れに強い」などと書いてあるくせに端を持つと壁紙の重みであっという間にビリっと破れてしまう。
ミミなしタイプならまっすぐに合わせればいいんだが、ミミ付きと言われるものが多くて、これだと壁紙の端をちょっと重ねて、柄の合った付近をカッターで切り落とすというワザが必要になってくる。
糊が乾く前なら貼り直しも出来るそうだけど、途中まで1人でやってたもんだから柄は合わないわ、貼り直しで剥がしたらすぐにまた破れるわで、結構苦労したもんだ。
糊が乾く前にやったのがいけなかったのかカッターで切ろうとするとすぐにズルっとなって切りづらい。
だからと言って乾いたら貼り直しできないし、貼ってる途中で電話かかってきて、話してる間に床に落ちてしまうし、一体どうせよと言うのだ?
そしてまた貼ろうとしてる壁面が無駄に複雑な形をしてて、柄合わせのために随分考えたり上下逆さまで失敗したり、貼ってる時間よりも何とか目立たないように修復してる時間の方がかかったという三流なありさま。
糊だらけになりながら悪戦苦闘したが、かさかさに乾いた糊を腕につけたまま(日焼けで破れた皮みたいになって汚い)電車で帰った日もあったな。
どちらかというと器用な方だと思ってただけにこのグダグダさが腑に落ちないな。
そんな壁紙への恨みを込めてこの曲を選んでみた。
1980年に出たエコー&ザ・バニーメンの1stアルバムに収録されていた「The Pictures On My Wall」だ。
1979年にシングルとしてリリースされたデビュー曲なんだが、シングルの時はまだドラムがいなくてリズムマシンと弾き語りみたいなスタイルだったな。
このアルバム・ヴァージョンの方よりも個人的には最初の簡素な方が好きって人も多かろう。
英国リヴァプールでジュリアン・コープ(後のティアドロップ・エクスプローズ)、ピート・ワイリー(後のWah!)と共に音楽活動をスタートさせたイアン・マカラック(日本で色々読み方あるけど80年代はみんなマカラックって言ってたよ)だが、デビュー当初は残りの変幻自在な2人に比べると地味で一本調子な感じがしてたね。
だが結果として、ブレない音楽性でネオ・サイケと呼ばれる音楽の王道に君臨して、日本でも高い知名度があったのがこのエコー&ザ・バニーメンだ。
エコーという会社だか製品名だかのリズムマシンを使ってたからこのバンド名になったと言われていて、ROCKHURRAHもそう信じていたが、実はコルグのMini Popsという機種を使ってたようで、この辺の人の言うことは全く信用出来ないなと思いました。
そう言えば関係ないがオランダにミニー・ポップスというポップス性のかけらもないようなバンドがいたな。
今度はオランダ特集でもやるかな。
さて、このバンドはジョイ・ディヴィジョンの成功に続く大型新人という扱いだったが、この曲の頃はたぶんプロモーション・ビデオがなかったような気がしていたよ。
たぶんオフィシャルな映像じゃないと思うんだけど曲の雰囲気に合ってるようなのでこれでいいか。
波止場でギターという小林旭みたいな映像にファンならば痺れること間違いなし。
この家の床は元々からのカーペットが敷き詰められてて、家具の重みでくっきりと凹んでしまってるし、ウチはカーペットが嫌いなので全部取り替える予定だ。
順序としてこれが正しいのかは不明だが、ROCKHURRAHたちは天井→壁→床という計画にしている。
ペンキが落ちてきたり壁紙の糊がついたりを想定したので、捨てるカーペットは汚し放題で養生もしなかったから、この点は気兼ねなく出来て良かったよ。
過去に住んできた家は大体フローリングだったがパソコンの椅子が置いてある下はダメージがひどく、賃貸なので明け渡す時にいつも嫌な顔をされていた。
多少は学習したので今はタイヤ付き椅子の下だけラグマットを敷いたりしてフローリングを保護しているよ。
リノリウムみたいな床というのも子供の頃からの憧れだったが、滑りやすいということで断念。
フロアタイルみたいなのも探してはみたが、カーペットがどうやらフェルトグリッパー工法というので貼られているようで、釘が出た木の枠が周辺に貼られてて、カーペットの下側にはフェルトが敷き詰められている。
剥がすのはそんなに大変じゃないが、フロアタイルだとカーペットがあった位置よりも床が少し低くなってしまうのが微妙なところ。
もう少し簡単なヤツでウッドカーペットとかクッションフロアとかもあるけど、早いとこ考えて敷かないといけないな。
この辺はまだ実際にやる前の段階なので、天井や壁の時みたいに苦労話も書けない状態だよ。
どうせまた予想と違って苦労するんだろうな。
そんな苦難の予感を込めてこの歌を聴こう。
1980年にマガジンが出した3rdアルバムに収録、シングルにもなった「A Song From Under The Floorboards」だよ。
「床下からの歌」と聞くとホラーな感じがするが、決してそういう歌ではないようだ。
バズコックスの初代ヴォーカリストだったハワード・ディヴォート(シングル1枚のみで脱退)が作った5人組のバンドがマガジン、などと同じようなことを何度書いただろうか?
いつもいつも同じ趣味と嗜好で何十年もパンクやニュー・ウェイブと向き合ってきたROCKHURRAHだから、同じバンドのことばかりブログで語るのも仕方ない。
誰でもそうだろうけどこのジャンルなら何でも好きってわけじゃなくて、やっぱり今現在でも好きな80年代バンドなんてひと握りしかないもんね。
上のエコー&ザ・バニーメンがリヴァプールなのに対して、マンチェスターのパンクやニュー・ウェイブを語る時に絶対に外せないのがバズコックスにマガジン、そしてジョイ・ディヴィジョンなどの伝説級バンドだろう。
どんな歌い方してても滅多に聴き間違えないくらいにとっても印象的な、纏わりつくような歌声と、陰影のある曲調に不気味とも言えるヴィジュアル、要するに妖しさの魅力に溢れたバンドとして君臨してたのがマガジンだった。
ジョン・レッキーにコリン・サーストンなど、ニュー・ウェイブを語る上で欠かせない名プロデューサーによる1st、2ndも傑作アルバムだったが、この3rdアルバムはジョイ・ディヴィジョンを手掛けたマーティン・ハネットによるプロデュースの力もあってたぶん売れたんじゃなかろうか。
などといいかげんに書いたのが不安になって調べてみたら1stアルバムよりも順位がひとつ上がっててUKチャートで28位になってた。さすがマーティン・ハネットの手腕だというべきか?
前の2作よりは明るい曲調が多くなっててハワード・ディヴォートの粘着質な歌声ファンには物足りなかったかな。
今まで実家以外で庭付きの家に住んだことはなかったが、今度は小さい庭がある。
元々は華道をやってたような人の家だったが庭もちょっと和風な感じだったよ。
でもガーデニングの趣味がなく盆栽も嗜まないROCKHURRAHであるし、何年も手入れしてなかったから荒れ放題になってて、枝が伸びて困ってるなどと隣人に言われるので、手入れというよりは徐々に庭をすっきりさせようかと思ってる。センテンス長いな
雑草で荒れ果てた庭は蚊や蟻、毛虫などがいて、特に蚊に刺されるとアレルギーのようになってしまうROCKHURRAHにとっては悩みの種なのだ。
思い切ってチェーンソーなど買って雑草を刈り取ってみたが、しばらくするとまたまた生えてくる。
頭にきて雑草を執拗にチェーンソーで刈ってたら「悪魔のいけにえ」みたいになって怪しさ満点
発想を変えて文字通り根絶やしにする強力な薬品を撒いてみたが、これは確かに効果あった。
がしかし、ひと月もすると草ぼうぼうになってしまってる。
ものすごい生命力だよな。
近未来SFの映画などで瓦礫と化した街とか出てくるけど、実際はそんなになっても雑草だらけになるんじゃなかろうか?と思ってしまうよ。
雑草も生き延びないようなところに人間だけが生き残るはずがない、あのヴィジュアルはウソだね。
庭がなくてもやる気ありゃ出来るんだろうが、そのうちちょっとしたハーブとかでも育てられればいいかもね。
スーパーでいつもいつもは売ってなかったりするのでモヒート用のペパーミントとか、ちょっと買うにはもったいないくらいの食用ハーブがあれば料理の幅も広がって助かるね。
そんな悩み多き庭について歌ったとは思えないが、キュアーの1982年の4thアルバム「Pornography」よりシングルになった曲「Hanging Garden」で締めくくろう。
日本でも「首吊りの庭」というタイトルで83年にリリースされたな。
この時期のキュアーの演奏はいわゆるネオサイケやポジパンと言われるもので、ROCKHURRAHとしては好みなんだが、もう少しはマニアックに音楽を買い集めてゆきたいという見栄で実はあまりレコードを所持してなかったバンドだった。
つまり漫画でロバ夫などと描かれたり、どちらかと言えば暗めの女子ウケするバンドという印象だったから、あまり食指が動かなかったわけだ。
この日本盤シングルはその辺のレコード屋で手に入ったから珍しく持ってる1枚だったな。
聴いた時は演奏も歌もか細いし、あまり好みのバンドとは言えなかった。
だが、ROCKHURRAHも年齢を重ねて変な見栄もなくなったからか、いつどこで聴いてもちゃんとロバート・スミスだとわかるという点では個性のあるヴォーカリストだったんだなと、ちゃんと評価出来るようになってる。
太っても歳とっても時代が変わっても基本的なスタイルが変わらない生き方もいいね
以上、予想通りではあったけどリノベーションとはあまり関係ない内容の歌ばかりになってしまったな。
まだまだこれから塗ったり切ったり貼ったりの予定だらけで、家の大半をイメージチェンジするのだけでも本当に大変だと心から思うよ。まだ住んでないから通うのだけでも大変だからね。
それでも、よりよい環境を目指して何とか頑張ろう。
本業でもこれだけ頑張れれば良かったのだろうがその気は、ない。
ではまた、ビッサラーマ(ベルベル語:モロッコ公用語で「さようなら」)