缶タベリー物語

【手作りバッジの数々】

ROCKHURRAH WROTE:

このブログに毎回登場しているROCKHURRAHとSNAKEPIPEは数多くの趣味や嗜好が一致しているわけだが、そんな二人の最も共通している点は出来るものなら何でも自作してしまうというところに尽きる。
どうしても出来ない苦手な部分まである程度共通しているから、二人揃って出来ない事に出くわすと行き詰まってしまうのが弱点なんだけど。

そんな二人だから「自分だけのオリジナル○○が出来ます」というようなアイテムには非常に弱くて、飽きるのはわかっていてもついつい手に入れたくなってしまう。今回書こうとしているものもそういう類いのもの。

大上段な前フリの割には大した代物ではない(しかもROCKHURRAHが紹介するまでもなく一世を風靡した有名なもの)んだが、それはパンク好きならたぶん誰でも好きな缶バッジを自作出来てしまうマシーンだ。名前を聞いて驚くなよ「New!CanバッチGood Super!(ニュー缶バッチグー・スーパー)」なるすごいヤツ。天下のバンダイが発明した革命的家内制手工業グッズだ。大変にファンシーな箱と外観で21世紀に出来た商品とは思えない80年代的ネーミングもすごいが、これがなかなか本格的に缶バッジを作れてしまう優れもの。ROCKHURRAH的にはこういうのも業務用を手に入れました、とかだったらもっと良かったんだろうけど、実は缶バッジを作るマシーンはかなり高額で手が出ない。仕方なく安価な上記のもので我慢しているわけだ。

知ってる人はとっくの昔に知ってるだろうが、初代「缶バッチグー」からちょっとずつ進化してこれが3代目くらいになるのか?現在はあまりにも子供っぽい名前とデザインを自粛して同社から大人向けの「カンバッチメーカー」なるものも登場している。なぜかバッジじゃなくてバッチという名称でずっと通してるな。
それぞれ特徴と得手不得手があるようでなかなか奥が深い世界なんだが、我々がいい歳こいて所持している「New!CanバッチGood Super!」が最も出来る事が多い機種なのだ。NewもSuperも2つのビックリマークもダテじゃないって事だな。

一番新しいカンバッチメーカーが直径3センチの缶バッジしか作れないのに対してこちらはアダプターをつける事によって4センチ、さらに2.5センチ(別売り)というサイズの缶バッジを作る事が出来る。つまり大中小のバッジが作れるというわけだ。
パンクの人々がライダース・ジャケットのエリなどに付けてる缶バッジのサイズは1インチ、つまり2.5センチのサイズが多いからROCKHURRAHの選択肢は当然とも言える。

さて、このセット自体はおもちゃ屋とかで比較的簡単に手に入るんだが、最初に入ってるパーツだけじゃ失敗が多い人には心もとないので、別売りでバッジの素材を買う必要がある。これがなかなか売ってなかったりするので要注意。特に2.5センチは置いてないところも多いようだ。

セットを手に入れて最初にする事はサイズに合わせた下絵なり印刷なり、缶バッジの図柄がない事には始まらない。パソコンのイラストレーターとかフォトショップとか持ってない人は色々と知恵やとんち、フリーのソフトを使ってそれぞれのサイズに収まる図柄、余白など作らないといけない。手描きの人は円形切り抜き用の定規のようなものが付いてるから大丈夫。

ここまで出来ればもう出来たも同然、本体に正しくセットして正しい工程で回して回して、あっという間に缶バッジは出来てしまう。
缶バッジの元となる金属パーツ、作った図柄の切り抜き、コーティング用の透明シートを重ねてネジのように回して圧着させるという作業だ。
最初の力加減が結構難しいが「壊れたかな?」と思うくらいの「ベキッ!」という音が正しいらしい(笑)。非常に壊れやすいプラスティックのパーツで出来てるからかなり怖いけど、ROCKHURRAHは最初の一回だけ控え目にやりすぎて失敗した。これは俗に言う「ためらい傷」みたいなもんか?違う?その後は全部成功した。
上の写真見てもわかるように完成したバッジは市販品と比べても遜色ない出来だと思える。実は裏側がいわゆる市販の缶バッジみたいに「の」の字型じゃなくて普通の安全ピンというところだけが少し気に入らないんだけど、工夫すれば何とかなりそうかな。

例えばプリントゴッコとかTシャツくんとかシルクスクリーン物でTシャツ作ったら、たった一枚のTシャツ作るのでも製版するのに結構なコストがかかってしまう。元を取るために一人で同じデザインのTシャツ10枚作っても面白くないだろう。ところがこのキットで作る缶バッジは一個ずつ全部違うデザインが作れるから無駄がなくて気に入っている。

現在活動中のバンドとかはライブ会場でバッジくらいは手に入るかも知れないがすでに存在しないバンドとか大変に稀有でマイナーなバンド、そういうものを追い求めてるような人は個人で楽しむ範疇なら自作もアリだと思う。
ちょちょいとデザインするのが面倒だったからROCKHURRAHは取り合えずこんなの作ってみたが、そういう用途だけじゃなくて自分でデザインしたものを身につけたい人や何か強烈に伝えたいメッセージのある人は世界にひとつしかないオリジナル・バッジを作るというのが本質だろう。よそにないようなものを作りたい人は是非チャレンジしてみて欲しい。

そういう大威張り出来る精神と大義名分を持っていても、これを大人が実際の店舗で買って家に持って帰るのは結構恥ずかしいかも知れないな。通販でこういう商品が売れるのもわかる気がする。
ROCKHURRAH RECORDSも外で買うのが恥ずかしいようなレコードをもっと扱えば躍進するかも知れないね。今年の目標にします。

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