ROCKHURRAH RECORDS暑中見舞い2017

2017_postcard.jpg【ROCKHURRAH版「赤い部屋」を作ってみた】

ROCKHURRAH WROTE:

今年になってSNAKEPIPEと柄にもなく始めた新習慣が、口に出すのも恥ずかしいけどウォーキングみたいなものだ。「みたいなもの」で早朝によく見かける中年以上の夫婦でのウォーキングとか、ああいうのとは一線を画してると自分では思ってるんだけど、傍から見たら一緒なのかどうか?

ROCKHURRAHは元々パンクやサイコビリーのような、健康的な見た目とは対極にあるようなスタイルでずっと生きてきた人間だから、いわゆるスポーツな服が全く似合わない顔立ちなんだよね。
これじゃいくら何でも朝の公園で不審に見えると思って、急遽それらしい服装にしてみたものの、やっぱり全然違った目的の人みたいだな。
SNAKEPIPEも元々はパンクで派手な服装を得意とするタイプ。
しかしROCKHURRAHよりもスポーツの嗜みがないにも関わらず、なぜかスポーツ物がよく似合ってしまい、パッと見には若手アスリートの名のある選手みたいになってしまうのが悔しい。いや、若手じゃないんですけど(笑)。
ランニングでもジョギングでもないのでシューズさえそれなりならば、どんな格好でもいいんだろうけど、やっぱりこういう事くらいでも見た目から入ってしまう二人なのだった。
スニーカーなども何年ぶり?というくらい履かないアイテムだったんだけど、ちゃんとしたクッションのにしてみたよ。そしたら「この軽さは何?」というくらいの感動レベルだったので目から鱗が落ちた(大げさ)。最近のはインソール部分とかが随分進歩してるんだね。これならいくら歩いても疲れまい。

調子に乗って誕生日にはリーボックの特注スニーカーまでプレゼントして貰ったよ。
何年か前にナイキでSNAKEPIPEが特注したアサルトブーツを買った(この記事参照)ので、そういうシステムがスニーカー業界でもあるのは知ってたけど、リーボックのはかなり事細かにカスタマイズ出来るので、この手の中では一番理想に近いものが手に入った。
オリジナルと大して変わらんではないか?と言われそうだけど、この画像で見えないところにROCKHURRAHっぽさを出してみたんじゃよ。いつもありがとう、SNAKEPIPE。 

さて、今年の暑中見舞いポストカードも何だか意味不明のものが出来てしまった。
知ってる人にはすぐにわかる通り「ツイン・ピークス」をモチーフにしたつもり。
25年前にリアルタイムで「ツイン・ピークス」に熱狂していたSNAKEPIPE、デヴィッド・リンチを語らせたら夜が明けるほどのマニアだ。
ROCKHURRAHは10年くらい前にSNAKEPIPEと数週間かけて観たのが最初で、その頃は意味不明の部分も多かった。今回の新作に合わせてもう一度全部観直したら最初に観た時よりは多く理解出来るようになった。完全に理解する事は無理だと思えるので、復習もこれで完了。
だから二人のこの夏一番の話題と言えば「ツイン・ピークス The Return」の放送開始なのは間違いない。
先行放送の4話までは変な字幕で観たけど(「ドアを開ける音」とか会話じゃない部分も字幕に出てくる)続きがとても気になるね。
今週からいよいよ本当の字幕版がスタートしたので、年末までのお楽しみだよ。

普段はTVにつないだHDDで気になる番組を録画してるだけ、観たら大体すぐ消すのでTV番組を残しておこうなどという考えはないROCKHURRAH家なんだが、この番組だけは後世に残したい。
というわけでこれまた急遽、ブルーレイのレコーダーまで用意して、やる気充分。少ししたらレンタルでも出るんだろうけどね。

そういった我が家の流行りを取り込みつつ、不思議なポストカードを作ってみた。
柄が微妙にズレてるのは画像加工テクニックがヘタなわけじゃなくて、歪んだ感じを出すためだよ。
2017年の年賀状の延長線だけど、あれも今回のも違法建築間違いなしのゆがみ具合だな。部屋が遠近法を無視してるよ。え?部屋に見えなかった?

毎年のように書いてるけどROCKHURRAHもSNAKEPIPEも真夏の暑さと湿度が大嫌いな二人だ。
半袖Tシャツや短パン、サンダル、ノースリーブなど夏っぽいと思われるアイテムとは一切無縁のスタイルを貫いてるので、他の人より暑さに弱いのは当たり前とも言えるけどね。 
多くの人が考える「夏らしい」とは全く違うだろうけど、ウチなりのライフスタイル(大げさ)でイヤな夏を乗り切ってゆこう。

それではまた、アプンノ オカ ヤン(アイヌ語で「さようなら」)。 

好き好きアーツ!#45 鳥飼否宇 part19−紅城奇譚−


【「紅城奇譚」のイメージ画像をROCKHURRAHが作成。よくできてるなあ】

SNAKEPIPE WROTE:

よく夢を見て、それを記憶しているSNAKEPIPE。
先日の夢は疑似体験ができるゲームに参加している、というもの。
体験しているのは恐竜ティラノサウルス(実物大と思われる)から逃げる、というバーチャル・ゲームだった。
背後に気配を感じたので、目を合わせないように壁にへばりつき、じっと耐える。
荒い鼻息が聞こえてくる。
震えを抑えながらティラノサウルスが行き過ぎるのを待つ。
この時間の長いこと!
ゲームだと分かっていても、本当に怖かったよ。(笑)
なんでこんな夢を見たのか?と考えて、思い当たった。
大ファンの作家、鳥飼先生の新作をまとめさせて頂くことを考えていたため、前回の感想文を読み返したのが原因ではないかと思われる。
鳥飼否宇先生の作品を紹介していくシリーズである「トリカイズム宣言」で前回書いたのが「T-REX失踪」だったからではないだろうか。
夢は不思議なことが多いけど、チラッと思考を横切っただけの事柄がSNAKEPIPEの脳内で、おかしな物語を制作してしまったみたいだね。(笑)

前フリが長くなってしまった!
そう、鳥飼先生の新作なんだよ!(笑)
タイトルは「紅城奇譚」。
「紅城」と聞くとROCKHURRAHが大好きな国枝史郎の「神州纐纈城」 を連想してしまう。
纐纈城に出てくる纐纈布が真紅だからね。
もしくは「クリムゾン・キングの宮殿」からの連想かな?
「奇譚」と聞けば「パノラマ島」と、つい答えてしまうね。(笑)
こんな条件反射をしてしまうのはROCKHURRAH RECORDSだけかな?
鳥飼先生の新作「紅城奇譚」は、タイトルだけでも「おどろおどろしい」「凶々しい」イメージを感じてしまうね。
新作の紹介ページからあらすじを引用させて頂こう。

織田信長が天下統一をもくろみ、各地の戦国大名を次々と征伐していた16世紀中頃。
九州は大友、龍造寺、島津の三氏鼎立状態となっていた。
そんななか、三氏も手を出せない国ー勇猛果敢で「鬼」と恐れられた鷹生氏一族の支配地域があった。
その居城、血のように燃える色をした紅城で、次々と起こる摩訶不思議な事件。
消えた正室の首、忽然と現れた毒盃、殺戮を繰り返す悪魔の矢、そして天守の密室……。
眉目秀麗な、鷹生氏の腹心・弓削月之丞が真相解明に挑む!

なんと!鳥飼先生が今回舞台設定されたのは戦国時代とは!
戦国時代のミステリーなんて読んだことないよ。
SNAKEPIPEは時代小説ですら、吉川英治の「宮本武蔵」と「新書太閤記」、「三国志」や「水滸伝」くらいしか読んだことないんだよね。
ROCKHURRAHからの勧めで読んだ、前述の「神州纐纈城」は伝奇小説になるらしい。
どちらにしても古い時代を舞台にした小説だけど、ミステリーものは初めてだよ。
これは期待しちゃうね!(笑)

発売日当日、ROCKHURRAHが鳥飼先生の新作を入手してくれていた!
本屋に面出しされていた最後の1冊だったという。
手に入って良かった!(笑)
感想を担当するのはSNAKEPIPEなので、最初に読んで欲しいと言われる。
あらま、済みませんね、いつも。(笑)
読み進めようとするけれど、「序」でつまずく。

戦国時代の力関係は、相関図などで武将の名前、地理や地位などの位置を把握しないと、なかなか理解できないんだよね。
何度か読み返して、ある程度理解する。
最近好きで観ている番組がNHK BSプレミアムの「英雄たちの選択」 。
学校の歴史の授業では習っていない、今まで知らなかった歴史上の出来事を知り、驚いたり感心している。
その番組でも戦国時代の武将やら「○○の戦い」を深く掘り下げて考察するのを観たことがある。
そのおかげで、以前よりは多少歴史に対しての興味や想像力は持っているはずなんだけどね。(笑)
SNAKEPIPEみたいな「つまずく」人には、「紅城奇譚」の家系図あったら良いなあ。
そう話すと、ROCKHURRAHが作成してくれた。
さすが、ROCKHURRAH!やるなあ!(笑)
クリックで大きくなるので、見てみてね。

鳥飼先生の小説といえば、登場人物の名前に、何かしらの符号があることが多いよね?
今回はどうだろう。
龍政の側室である「雪」「月」「花」は、会田誠の「犬」シリーズに登場する美少女達の名前と同じかも!(笑)
かなり物議を醸した会田誠の作品だけど、この記事に画像を載せている。
鳥飼先生からのコメントも頂戴しているね。(笑)
他には何かないだろうか?
ROCKHURRAHが「利賀野」と「弓削」は「リガーノ」と「ユーゲン」と読めそうで、怪しいと言う。
そう聞けば「椎葉」も「シーヴァ」とか?
あっ、ヒンズー教のシヴァはどうだ!
などと勝手に想像しまくる始末。(笑)
急にヒンズー教が入ってくるわけないよねえ。
「鶴」「鳰」「鷹」「龍」「熊」「牛」と並べると生きものの名前だね。(「龍」は伝説上での生きものだけど)
何も符号や「もじり」が見いだせない!
こうして悶々としながら考えるのも、鳥飼先生の小説の楽しみ方なんだよね。(笑)

「紅城奇譚」はSNAKEPIPEがつまずいた「序」から始まり、4編から成る「破」、そして最後に「急」という章で構成されている。
「破」の章にある4編について、それぞれの感想を書いてみよう。
※ネタバレしないように書いているつもりですが、未読の方はご注意ください!

破の壱 妻妾の策略
紅城主である鷹生龍政の正室、鶴と三人の側室の間での確執が題材になっている。
鶴の首なし死体が発見された直後に、龍政の子を宿す側室である雪が櫓から落下して命を落としているところを発見されるのである。
正室、側室という呼び方では分かり辛いので、本妻と妾に置き換えたほうが良いかもね?
「大奥」と呼ばれる女だらけの場所が江戸城にあったことは、歴史に詳しくない人でも知っているよね。
戦国時代にも側室がいて、家系を絶やさないようにしていたんだね。
ハーレム状態で跡取りを作ることが目的と聞くと、まるで女性は子供を作るためのマシーンみたいだけど、当時の女性にとっては「選ばれし者」という感じでエリート意識があったのかもしれないね?

「紅城奇譚」の城主である龍政にも3人の妾がいて、そのうちの1人、雪が妊娠しているのである。
すでに龍政には、本妻・鶴との間に熊千代という息子がいるけれど、雪から生まれる子供に期待をよせている。
何故ならば熊千代は武芸よりも虫や花に興味を示す、優しい心の持ち主だったため、世継にしては頼りないと考えたからである。
ここでSNAKEPIPEは思い出す。
BSプレミアム「英雄たちの選択」で観た春日局の回のことを。
徳川家光の幼名は竹千代、幼い頃は病弱で内気だったため、世継候補からは外れていたという話を思い出したのである。
この設定はそのまま「紅城奇譚」の熊千代にもあてはまりそうじゃない?(笑)

本妻と妾1人がほとんど同時に死亡する不思議な事件は、「紅城奇譚」での探偵役となる龍政の家臣・弓削月之丞と龍政の妾である花を助手として解明されるのである。
弓削月之丞は椎葉氏の兵だったけれど、その美貌に惹かれた龍政が側近にすることを決めたという。
容姿端麗なだけではなく、月之丞は武芸にも秀で知恵者でもあったため、龍政から信頼されるようになった人物である。

この事件、タイトルは書けないけど、横溝正史の小説を思い出したよ! (笑)

破の弐 暴君の毒死
龍政には弟・龍貞がいる。
冷酷無比と恐れられている龍政が呆れてしまうほどの残忍さと、女と見ればすぐに手を出す獣のような男。
戦で負傷したせいで右半分は醜い傷跡があり、右目は潰れているというから、女は悲鳴を上げるに違いない。
そんな龍貞が宴会の席で酒を飲んだ途端、急死してしまうのである。

その宴で龍貞は、龍政の家臣である牛山武兵衛の妹にちょっかいを出し、龍政の娘・鳰(にお)を舌なめずりしながら見つめる。
鳰はまだ幼女だよ!
龍貞の好色ぶりには、読んでいるSNAKEPIPEまで腹が立ってしまった。
誰もが「こんなヤツいなくなれば良いのに」と思ってしまう龍貞の毒殺!
一体誰が起こした犯行だったのか?

いつの間にか探偵役になってしまった月之丞と、これまた側室でありながら助手の役割を果たしている花はここでも事件を解決する。
のだけれど…。
仰天の展開に「えっ、ちょっちょっと待って」 と誰に言うでもなく声を上げ、付いていかれないSNAKEPIPE。
もう少し整理しないと。
再び数ページ戻り、もう一度読み返す。
読みながら自分の体の「ある部分」をしっかり押さえていることに気付く。
うっ、痛い、、、。
戦国時代だからねえ。
どうなんだろう、「あり」だったのかなあ?

この話でギリシャ映画「籠の中の乙女」を思い出したSNAKEPIPE。
ある一部、似たところがあるんだよね。
あの映画、とても不思議だったなあ。
結局分からず仕舞だったっけ。(笑)

破の参 一族の非業
毎年紅城では「弓比べ」という行事があるという。
その「弓比べ」で自分の息子・熊千代が紅城の跡取りに相応しいことを見せつけたいと考える龍政。
ところが、そんな父親の期待に応えられそうにない熊千代。
熊千代は体育会系ではなく、勉学を得意とする文化系の子供だったからね。
それでも紅城主であり封建的な父親には逆らえないので、やるっきゃない!(笑)
ライバルとして龍政の家臣・利賀野玄水の息子・彦太夫があてがわれる。
熊千代と同い年の彦太夫は弓の腕前に優れていて、昨年は堂々と優勝しているほどである。
彦太夫に負けるな、という龍政の叱咤にも関わらず、散々な結果しか残せない熊千代。
龍政は自分の父親・龍久に弓術を伝授してもらうよう熊千代に命じる。
今ではすっかり隠居してしまった龍久だけれど、鷹生家を一代で築き上げたのはこの龍久。
武芸に秀でた息子の龍政ですら、弓術に関してだけは龍久には及ばなかったという。
その弓の達人に教えを乞うため、熊千代が龍久の元を訪れるのである。

熊千代の境遇には同情してしまうSNAKEPIPE。
それでもこの時代は、世継として生まれたなら学業よりも武芸だったんだろうね。
まあ、今でも世襲制を採っている職業や家筋はあるだろうけど。
そして「ふふん」とばかりに弓の腕前を披露するライバル・彦太夫が、少し憎らしく感じてしまったのも事実。
SNAKEPIPEが文化系だから余計かもしれないね。(笑)

この章では、龍久と熊千代が弓で射られて死亡する事件が発生してしまう。
「破の壱」に続いてのダブル殺人事件!
おお、これはタイトル通り一族の非業だよ。
だってもう鷹生家は…。

「破の参」の中で印象的だったのは、銀杏の葉が風に舞い、幻想的な光景を見せるシーン。
SNAKEPIPEは京極夏彦の「絡新婦の理」にある桜吹雪の場面を思い出したよ。
どちらも映像化されたら美しいだろうなあ!
ROCKHURRAHが「紅城奇譚」のイメージ画像を作成してくれるというので、銀杏の葉をリクエストした。
トップにあるのがその画像なんだけど、とてもキレイに仕上がっているよね!

破の肆 天守の密室
猛将と恐れられていた龍政が、その姿を想像できない程げっそりやつれている。
これまでの事件に加えて、龍政自身も寝込みを襲われたのである。
命の危険を感じた龍政は天守閣に立てこもる。
籠城戦に適していると言われる紅城の中で、最も安全な場所だからである。
ところが事件は起きてしまうのである。
密室殺人事件なんだよね!

なんともスケールが大きく、驚愕してしまった。
SNAKEPIPEの脳内には、完全に映像が映し出されている。
思いもよらない展開にはびっくり仰天!
まさか、そんな!ねえ?(笑)

それにしても一番驚いたのは、命の危険にさらされてげっそりしているのにも関わらず、妾の花に挑むいつもと変わらない龍政の精力旺盛なところ!
「甘い物は別腹」のような感覚だろうか。
そっちに気が回るなら、もっと別のこと考えれば良いのに。(笑)

この新作は、今まで読んでいた鳥飼先生のどの作品とも違っていた。
動植物に関する記述もなく、音楽的な要素もなく、プッと吹いてしまう笑いの要素もない。
鳥飼先生らしさが表れていたとすると、花のセリフかな。
ネコ(観察者シリーズ)にも宮藤希美(妄想女刑事)にも通じるタイプなんだよね。(笑)
側室だけあって、したたかさを秘めていながらも、少しボケが入るキャラクター。
あまりお色気ムンムンな雰囲気は感じなかったけれど、龍政からの寵愛を受けているんだよね。
花が妊娠することはなかったのかなあ?
そうしたら世継ができたかもしれないのにね。(笑)

鳥飼先生の新たな一面を見せてもらったように思う。
この小説、映像化して欲しい。
実写では難しいシーンがあると思うので、アニメでいかがでしょう!
もちろんリアルな絵柄で、大人っぽいアニメでね。

将来的に、また別の鳥飼先生の新しい引き出しが見られるんじゃないか、という期待と共に、今まで読み進めてきたいつも通りの「鳥飼節」も楽しみに待っていよう!
鳥飼先生、いつも応援しています!

 

 

 

ROCKHURRAH紋章学 ビール・ラベル編2


【カイル・マクラクラン来日記念!ブルーベルベットでのワンシーン】

SNAKEPIPE WROTE:

WOWOWでの先行放映分第4章までの「ツインピークス The Return」を観終えてしまった。
先日のブログで書いたように、先行放映されているのは吹き替え版なので、通常の字幕とは違うバージョンでの鑑賞。
少々物足りなさを感じてしまうけれど、今は仕方ないね。
第4章まで観た感想は
「こんなにリンチ全開で大丈夫?」
というもの。(笑)
全く意味不明な映像がたくさん出てきて、リンチ崇拝者としては嬉しくてたまらないけどね!
まだまだお話はこれから続いて行くので、どんな展開になるのか楽しみだ。
WOWOWでの放映のため、カイル・マクラクランが来日したという。
その記念として(?)トップ画像をビール飲んでるカイルにしてみたよ!
なんでビールなのかって?
それは次の文章を待て!(誰だ?)

今年は7月のうちから猛暑日が連続するなんて、これから先が思いやられるよ。
熱帯夜も続いて非常に蒸し暑い。
この暑さにはやっぱりビールだね。(笑)
好みがうるさいわけではないので、近所のスーパーで買える物から購入している。
ところが世界には味にもパッケージにも「こだわり」を持ってるビールがたくさんあるんだよね!

2012年8月に「ROCKHURRAH紋章学 ビール・ラベル編」を書いたことがある。
今から約5年前になるんだね。
世界にある様々な工夫をこらしたパッケージ・デザインに心惹かれたSNAKEPIPE。
購買意欲をそそる第一は視覚だと思う。
目に留めてもらわないと知ってもらえない。
知らなければ当然買わない(売れない)からね。
そしてもちろん味。
見た目良し、味も良しだったらお気に入りになって、ずっと買い続ける。
それが商売だと思うんだけど、どうだろう。
ネット上での検索では味については分からないけれど、まずは第一関門としての「見た目」でビールを選んでみたよ!
題して「ROCKHURRAH紋章学 ビール・ラベル編2」!
「2」を足しただけ、だったね。(笑)

これは!マジンガーZ?
よく見ると違うけど、似てるように感じてしまうね。
隣は怪物?
この2本の画像だけではなんとも言えないけど、左の怪物を倒すために、正義の味方であるロボットが出動している図を想像してしまう。
こんなパッケージを見かけたら、つい手に取ってしまうなあ。(笑)
これはオレゴン州ポートランドにあるGIGANTIC BREWING COMPANY LLCが製造販売している商品なんだよね。
パッケージ・デザインに力を入れているようで、パッケージ・デザインのポスターまで販売しているとは驚き!
そしてなんと東京でも飲める、との情報があったよ!
いつか飲んでみたいよね!
せっかくならボトルはお土産でもらって帰りたいね。(笑)

続いてはこちら!
今回は「思わず手に取る」商品というのがキーワードになっているので、派手目のデザインが多いかもしれないね?
右の画像は小さくてわかりにくいかな。
クリックすると少しは大きくなるので、試してみてください。
もう少しアップにした画像も入れておこうか。
「Fearless Youth」と書いてあるね。
直訳すると「恐れのない若者」か?
ボトルにそれぞれタイトルがついているんだけど「農家の娘」とか「雪のしずく」なんていうのがあるよ。
日本酒でもよく「○○娘」とか「雪の〜」のようなネーミングって見かけるから、同じセンスなんだろうね。(笑)
これはコロラド州にあるGrimm Brothers Brewhouseの商品なんだよね。
グリム兄弟の名前を付けているだけあって、ちょっとお伽話っぽい雰囲気のHPも面白いよ。
GABFで賞を受賞なんて書いてあるんだけど、GABFって何だろう?
Great American Beer Festivalの略だって!(笑)
パッケージだけじゃなくて、味も自慢とは素晴らしいよね。

これもいいなあ。
もしかしたら瓶ビールのサイズとパッケージのバランスが良いのかもしれないね。
日本でいうところの中瓶よりも、やや小ぶりな感じ。
見ているだけで楽しくなってくるね。
こちらもそれぞれタイトルがあって「燃えさかる河」や「灯台守」なんていうのもあるんだよね。
その中で目をひいたのは「ノスフェラトゥ」だね。
1922年に制作された「吸血鬼ノスフェラトゥ」をモチーフにしてるんだろうね。
ホラー映画が好きなROCKHURRAHもドイツ表現主義の傑作だと言う。
実はSNAKEPIPEはこの作品は未鑑賞。
いつか観てみよう。
吸血鬼というだけあって、このビールはルビーレッドの色なんだって。
「夜にこのビールを飲むことを恐れないで!」
なんてわざわざ書いて、笑いを取ることも忘れてないね。
こんな洒落たことをやっているのはオハイオ州にあるGreat Lakes Brewing Company
ビールに関するグッズ販売もしているし、パッケージ・デザインはポストカードにして売られている。
日本のメーカーで、自社製品としてグラスやポスター販売しているところってあるのかな?
何かのおまけでプレゼントはあるかもしれないけど、販売は見たことないかも?
パッケージ・デザインを使用した商品を販売できるということは、そこまで力を入れてるってことだろうね。
いくらパッケージ・デザインが素敵だからといっても、アルコール度数8%なので飲み過ぎに注意だね!(笑)

これもまた面白い!
デザインということに対しての情熱が違うみたいだね。
あまりテレビを観ないROCKHURRAH RECORDSだけど、たまにCMを目にすると商品名を連呼するか笑いを取ろうとするだけの「くだらない」ものばかり。
昔はもっとアートなCMあったよね?
観るのを楽しみするCM、例えば80年代のサントリー・ローヤル、ランボー編とか。
今改めて観ると、まるでホドロフスキーだね!(笑)
もしかしたらSNAKEPIPEが知らないだけで、日本でもパッケージ・デザインを含めた広告の世界は進歩してるのかなあ。
多数決のような統計学を使用して決定されたデザインは、8割の人にはウケても残りの2割は反応しない。
きっとSNAKEPIPEはその2割に入っているんだろうね。(笑)

コロラド州にあるLeft Hand BrewingはHPも凝っているので、観ているだけでも面白い。
しかけがあるせいか、少しだけ重いけどね。(笑)
パッケージ・デザインも個性的で、これも飾りたくなるタイプ!
ここでもやっぱりポストカードとして販売してる。
「ウチのデザイン、抜群でしょ!」
なんて自信満々なんだよね。(笑)

ビールの味も変わっているようで、コーヒー味、スパイシーアロマなんて単語が書いてある。
左の「Warrior IPA」はシトラスとパインの香りがするみたいなんだけど、フレーバービールって飲んだことないなあ。
一体どんな味なんだろうね?
そしてアルコール度数は7.3%、結構高め!(笑)
残念ながらアメリカでしか手に入らないみたいだけど、見ていてワクワクできちゃうね!
「Left Hand」のマークもシンプルだけどインパクトがあって、このグラスも欲しくなっちゃった。
1個5ドルだって。
ビールとグラス、日本に送ってくれないかな。(笑)

今回も見た目にこだわりを持ったビールを集めてみたよ!
SNAKEPIPEの好みのせいか、似たタイプになってしまったね。
アメリカのビールだったせいか、アメコミみたいな絵が多くなってしまった。
さて、書き終わったからビール飲もうっと。(笑)

俺たちヴィークル派

【ROCKHURRAH制作の乗り物大全ビデオ。ありがちだなあ】
ROCKHURRAH WROTE:

タイトルの中に同じ単語が使われたものを挙げてゆき、そこにいいかげんなコメントをしてゆくだけというROCKHURRAHお得意の安易企画がこの「俺たち○○シリーズ」だ。
カヴァー曲特集と同じで、あまり下調べもなく考えずに書けるかな?と思って始めたけど、こういうの書いてる時は逆に(ブログ書くヒマがなくて)余裕がない時だと思っててね。
今週も結構ギリギリになりそうな予感。

さて、今回は同じ単語ばかりじゃ飽きてしまうので、広い意味での「乗り物」に焦点を当ててみた。
しかしタイトルにはつけたものの、外人とも話さないし日常的には「ヴィークル(vehicle)」なんて英語使った事ないよ。ベヒクルじゃないのか?みんな普通に使ってる言葉なのか?

今日は割と多めに紹介するつもりなので前置きも短い。では乗り物嫌いなROCKHURRAHと一緒に色んな乗り物を体験してみようか。

まず最初のヴィークル派は一番身近なこれから。
首都圏に住んでると電車=満員電車という事になって、これに好感を抱いてるのは痴漢くらいのものだが、この時代になってもまだ満員を解消する手段もなくて通勤では当たり前の試練だとされてるのは異常だと思うよ。21世紀がこんな現代になるなんて子供の時には想像も出来なかったよ。
これから先もずっと改善されっこない日本の満員電車、ITばかりいくら発達しても、こういう方面はまるで発展しない社会なんだな。

いきなり怒りモードになってしまったが、電車は嫌いでも「列車」と聞けば長距離とか旅を連想して多少はマシな気分になる。乗ったら乗ったで迷惑な家族や周りのうるささに辟易するんだろうけどな。

ROCKHURRAHが特別に旅をしてない人間なのかはわからないけど、いわゆる夜行列車、寝台車というものに乗った事がない。夜行バスや夜行フェリーには乗った事があるのにね。まあそういう列車で向かう場所に縁がないというだけだろうが。

ヴィサージは80年代前半のニュー・ウェイブ界で大流行したニュー・ロマンティックというムーブメントの中心となったバンドだ。70年代のグラム・ロックと同じく男が化粧したり着飾ったりしてナイトクラブで華々しく遊ぶというようなリッチな感じが、それまで不況にあえいでたイギリスの若者社会でなぜ受けたのかは不明だね。「心はボロボロでも見た目は錦」という憧れの心情かねえ?

ビリーズ、ブリッツなどの名高いナイトクラブでイベント仕掛け人みたいな事をやってたスティーブ・ストレンジとラスティ・イーガン(元リッチ・キッズ、スキッズ)が、様々な人脈をもとに作った暫定的なバンドがヴィサージだった。
奇抜とも言える派手な衣装を着てモードの世界でも大注目。ウルトラヴォックスやマガジンの主要メンバーが参加していたので音楽界でも大きな話題となって、デビューした時からビッグなスター扱いだったもんね。暫定的と書いたのはメンバーみんな他のメインの仕事持ってるからという意味。
ニュー・ロマンティックはイギリスから世界に広がる流行となって、ヴィサージの他にもデュラン・デュランやスパンダー・バレエ、カルチャー・クラブなど有名バンドが続々登場した時代だった。

「ナイト・トレイン」は1982年に出たヴィサージの2ndアルバムに収録の曲でシングルでもそこそこヒットした。日本ではTDKのビデオテープCM曲としてスティーブ・ストレンジ本人が登場し、当時の女性ファンを狂喜させたはず。この時の音が歌ってないサビの部分だけで、こういう曲調なんだと思ってたらシングル買って全然違うダンサブルなものだったので驚いたもんだ。

スティーブ・ストレンジはすでに死亡しているしヴィサージもニュー・ロマンティックも輝いてたのはほんの短い期間だけなので、あの時の盛り上がりを今、伝えられないのが残念。

トレインと共に最も身近なのは車だね。次のヴィークル派は1979年発表、ゲイリー・ニューマンのそのものズバリ「Cars」にしてみよう。

ROCKHURRAHは今まで一度も車の免許を取った事がなくて若い頃の愛車は原付きのみ。その免許も面倒で更新しなかったから、それ以降は自転車か徒歩という中学生並みの機動力しかない。
SNAKEPIPEは免許だけ持ってるけどたぶん全く乗れなくて、だからROCKHURRAH家の移動手段にクルマの選択肢はないのだ。そこまで不便を感じた事はなかったからこれで良し、だね。ん?別にそんな話はどうでもいい?

ゲイリー・ニューマンがチューブウェイ・アーミーというバンドでデビューしたのは1970年代後半、まさにパンクがニュー・ウェイブという、より広範囲の音楽になっていった頃の話だ。
白い顔にクッキリのアイライン、真っ黒の衣装を着た無表情の姿はまるで心を持たないアンドロイドのような印象で、ややタラコくちびるが玉に瑕。こういうインパクトの強い風貌で話題になったのはデビュー作ではなく、1979年に出た2ndアルバム「Replicas(幻想アンドロイド)」の時だった。
ここに収録されたシングル「Are “Friends” Electric?」が全英1位の大ヒット、ようやく日本でも注目されたのだ。1stもちゃんと日本盤でリリースされてたはずなのにね。
この曲もまた「ナイト・トレイン」と同じくサビの部分が歌ではなく演奏のみというパターンだったね。そういうのが流行ってたわけじゃないけど、それでも堂々の1位。

テクノポップ、エレクトロニクス・ポップ、シンセ・ポップ・・・呼び方は人によって違うが、彼らもその手の音楽の先駆者のひとつだったな。
クラフトワークやYMOが電子楽器中心なのに対して、チューブウェイ・アーミーやウルトラヴォックス、ビル・ネルソンズ・レッド・ノイズ、シンプル・マインズ、リッキー&ザ・ラスト・デイズ・オブ・アース(長いバンド名)など同時代に活動したパイオニア達は、あくまでロック・バンドの編成にシンセサイザーを付け足しただけのような使い方をしてて、ちょっとニュアンスは違ってたけどね。

で、チューブウェイ・アーミーのバンド形式の方が個人的には良かったのに、自分の多大な才能を過大評価し過ぎて、ゲイリー・ニューマンはバンドのキャリアもそこまでないのに、早々とソロになってしまう。
師と仰ぐジョン・フォックスがウルトラヴォックスを脱退したから同じ道を行きたかったのか、そもそもどっちのソロ転身の方が早かったのか、その辺の詳しい事は知らないけど。

「Cars」はその頃のシングルでこれまた全英1位の大ヒット。
チューブウェイ・アーミーの2ndはそれなりに評価してるROCKHURRAHだが、ソロの一作目にして早くも行き詰まった感じがして、急速に興味がなくなってしまったよ。
ソロとは言っても一人でやってるわけでもないしバンド・メンバーも登場する。名前が変わっただけで大差ないとは思うが、デザイナーがブランドから独立して、自分の名前のブランドやりたがるのと同じようなもんかな?
ビデオの方に車要素はまるでないが、ところどころで決め顔のストップモーションになるのが自分ではイケてると思ってたに違いない。うーん、やっぱり自己過大評価し過ぎてるなあ。

ROCKHURRAHにとって電車よりも車よりも身近なのが自転車だった。
まだ実家にいる時はもっぱらスクーターだったが、昔のスクーターは荷物入れるところがなくて、買い物を持って帰るのが大変だった。それで手軽な自転車の方がメインとなって、どこに引っ越した時も大体乗ってたな。何度も盗まれてイヤになったりもしたけど。
近年はママチャリではなくもう少しマシなのにSNAKEPIPEと二人で乗ってたが、最近はあまり乗らなくなってしまった。興味なくなったわけじゃなくてウチの駐輪場事情によるもの。屋根付きではあるけど雨風がすぐに吹き込むし、カバーをかけたら外すのも面倒で、次第に乗らなくなったのだ。自転車をそのまま置いておけるような環境になったら毎日でも乗るんだけどね。

というわけで次のヴィークル派は話の流れでわかる通り、ピンク・フロイド1967年の名曲「バイク」。
ここで言うバイクとはモーターサイクルではなく自転車だ。自転車と聞けば誰でもすぐに思い浮かべるクイーンの「バイシクル・レース」などはウチのスタイルではないので、決してここでは取り上げないのだ。

70〜80年代のパンクやニュー・ウェイブ専門などとほざいてるROCKHURRAHだが、古いロックでも好きな例外(別格)があって、そのひとつがシド・バレット在籍時の初期ピンク・フロイドだ。
サイケだけどポップで独特のメロディ、何でこの展開になるの?と思ってしまうような意外性のある曲調、この頃のシド・バレットのカッコ良さには影響を受けたもんだ。影響を受けたからと言って何も音楽的活動はしてないけど心の中では息づいているよ(ウソ)。後のニュー・ウェイブ、特にオルタナティブやネオ・サイケと呼ばれたような音楽にも大いに影響を与えた音楽だったね。

ピンク・フロイドの初期は1960年代という時代には珍しく、プロモーション・フィルムのようなものが残ってるんだけど、今回取り上げた「バイク」はシングルでないので、後の人が作った映像みたいなのしかなかった。これはベルギーのTVが作った静止画プロモ。初期の代表曲「アーノルド・レーン」とかは今見ても全然古臭くないプロモがあるのに残念。

ありきたりなのばっかりで「もっとパンチの効いた(死語)乗り物ないの?」と不満の人もいるだろう。
では、個人所有が許されるかどうか不明だが、これはどうだ。ワンランク上のヴィークル派男子だったら憧れの的に違いない。

戦車に乗った経験のある自衛隊員以外の人はかなり少ないだろうが、ROCKHURRAHは子供の時に米軍基地のある街に住んでて、家も米軍ハウス、隣は米軍関係者の外人家族という、ちょっとカッコイイ暮らしをしていた。今でも横田基地でやってるような(最近は知らないが)友好祭みたいなイベントがあって、そこで戦車に乗ったような記憶がある。何十年前?という大昔の記憶だからアテにはならないけど写真が残ってるんだよね。だから「狭くて暑かった」などというウソみたいな記憶もないんだけど。しかもこんなの乗ったうちに入らないか?
ナイキ・アジャックスなどというスニーカーみたいな名前のミサイルと写った写真も残ってるけど、もしかしたら米軍基地ではなくて近場にあった自衛隊の方だったかな?

今回の記事は割とメジャーなのばかりで書いてる本人は意外と書きにくい、と言うかROCKHURRAHならではの味が出せなくて苦労してるが、これまた有名。ストラングラーズ屈指の名曲、1978年の3rdアルバムに収録「Tank」だ。シングルのB面にもなってるな。

ストラングラーズは初期ではドアーズっぽいキーボードが目立ってパンクという範疇だけでは語れないんだろうけど、これだけベース・ラインがアクティブで攻撃的なバンドは他に滅多にないわけで、この部分だけでも充分にパンク好きの血がたぎるバンドだったと言えるだろう。
トレンチコート着たまま歌うヒュー・コーンウェルが変質者っぽいとか、ジャン=ジャック・バーネルが暴力的で怖いとか、ドラムとキーボードがおっさんっぽいとか、実は全員インテリだとか、どちらかと言うと女性受けしなさそうなバンドだったが、 この野太い歌声とソリッドなベースは充分に個性的だった。

確か、働きまくって金を貯めて戦車買って、大砲ぶっぱなしたいというようなストレートな願望を歌ったもので、公の場で口には出せないが「あるある」と共鳴した人も多かったことだろう。

関係ない話。ウチでは夕食後の洗い物の時のBGMでiTunesのラジオをかけるんだが、気に入って聴いてたパンクの番組(今はないみたい)では、ストラングラーズの「Nice ‘n’ Sleazy」が必ずのようにかかる。それはいいんだが、いつも45回転を33回転にしたような、異常にゆっくりしたヴァージョンのがかかって尋常じゃない。「またまたストラングラーズ」などとSNAKEPIPEと話題にしている毎日だった。

ヴィークル派も佳境に入ったが、お次はこれ。

ROCKHURRAHには全く縁がない乗り物だけど、よほどの大物か金持ちになったら自家用ヘリくらいは所有してるかも知れないね。しかしプライベート・ジェット機とかプライベート・ヘリコプターとか、個人的にはまるで羨ましく思わないよ。

縁がないとは書いたけど、前に一度だけUH60ブラックホーク(軍用ヘリ)と同型のコックピットに座った事だけはあったな。当時は軍人並みの顔つきだったので違和感がまるでなかったくらいにその場所が似合ってたけど、もちろん飛行したわけじゃなくただ座っただけ。

乗ってないわけだから何とも言えないが、うるさい、落ちそう、プロペラに触れて首が飛びそう、などと勝手な想像が膨らみ、ROCKHURRAHが最も忌み嫌う乗り物がヘリなのだ。最後の首が飛びそうは映画の観すぎだろうけど・・・。

そんなイヤなヘリコプターについて歌ったのがXTCの1979年、3rdアルバムに収録の「Helicopter」だ。この曲はXTC得意のおどけた感じの曲でシングルのB面にも入ってたな。
何か今回、そのものズバリのタイトルばかり特集しててヒネリも何もないありきたりな記事で情けない。

XTCはパンク直後くらいにデビューしたバンドだが、パンクで語られる事はなくてパワーポップ、テクノポップあたりで当時はよく話題になっていた。
オルガンという手動楽器しか入ってない初期XTCなんだがテクノとはこれいかに?曲の作りの奇妙さがテクノに通じるとは思ったが、エレクトロニクスとはチト違う。この見解について当時の友人と論争した覚えがあるけど、ヒマだったんだね。
2ndくらいまでのXTCはやってる事の全てが斬新で、何だかよくわからない「初期ニュー・ウェイブ」という音楽を最も端的に表すようなバンドだった。
3rdからはその奇妙なキーボードが脱退して、よりポップな音作りになったのが逆につまらなくなって、だからROCKHURRAHは4thアルバム「Black Sea」あたりまでのXTCしか評価しない事にしている。

初期はライブを得意技にしてたXTCだが、どんな時でも余裕のパフォーマンスを見せるアンディ・パートリッジに対して、他のメンバーは割といっぱいいっぱいに見えるのが危うい。一番右側のデイヴ・グレゴリー(この当時の新メンバー)の髪型が巨人ゴーレムみたいですごいな。何でこんなのメンバーにしたんだろう。

ヴィークル派最後の大物と言えばこれに尽きる。
最も身近でない乗り物、ロケット。さすがにどんな金持ちでも職業以外でこれに乗った事ある人はいないだろう。自家用ロケット持ってるなんてSFの登場人物か国際救助隊のトレイシー一家くらいのものか?

ROCKHURRAHの実家がある北九州にはスペースワールドというテーマパークがあったんだけど、これが開園したのはすでにROCKHURRAHが地元を離れたずっと後の話。たまに帰省しても一人で行くはずもなし、結局は電車の窓から眺めた事しかないまま、今年限りで終わるらしい。さすがにロケットや宇宙について個人的思い出などあるはずもないから苦しいしエピソードになってないな。

「Silver Rocket」は1988年にソニック・ユースが出した二枚組大作アルバム「Daydream Nation」に収録の曲。1980年代前半から活躍していた大御所で大人気のバンドだが、どこを弾いてるのかよくわからないノイジーなギターと歪んで不安感に満ち溢れた曲調(陳腐な表現で情けない)、後に登場したグランジの元祖的な存在でもあり、アメリカのオルタナティブな音楽を世界的に知らしめた功績は大きいね。

ロック界有数の巨人(身長2メートル近い)サーストン・ムーアと鋭い目つきのキム・ゴードン。ロックな夫婦の理想形みたいに憧れの存在だったが2011年に離婚して活動休止、解散?その後はどうなったんだろう?
個人的にはソニック・ユースを聴いたのは80〜90年代にかけての短い期間のみだったのでそれ以降の事はよく知らない。
これだけに限らず、ROCKHURRAHやSNAKEPIPEが愛した80年代はもう戻ってこない。同じような喪失感を持った仲間も今はいないので、二人だけで80年代に浸って生きてゆこう。え?大げさ過ぎ?

今回はいつもより多めにビデオを選んだから、コメントも駆け足気味。ギリギリになってしまったから疲れたよ。次回はもっと余裕を持ってブログを書き始めないとね。

それではまた、タン ビエッ(ベトナム語で「さようなら」)。