ライゾマティクス_マルティプレックス 鑑賞

20210606 01
【相変わらずの構図でスミマセン】

SNAKEPIPE WROTE:

2021年4月に東京都現代美術館で鑑賞した「マーク・マンダースの不在」の感想を書いたSNAKEPIPE。
「素晴らしい展覧会なので、ROCKHURRAHと一緒にもう一度鑑賞しよう!」という文章で締めくくったのだけれど、その直後に美術館は緊急事態宣言により閉館となってしまう。
例えば松濤美術館のフランシス・ベーコン展などは「臨時休館の再延長とフランシス・ベーコン展閉幕」となってしまった中、東京都現代美術館は6月1日から完全予約制で開館されることになった。
これは急いで行かなければ!
早速ROCKHURRAHが近い日付の予約をしてくれる。
せっかくなのでマンダース展と同時開催している「ライゾマティクス展」も行くことにする。
実は「ライゾマティクス」について全然知らないんだけどね。(笑)

どうやら「ライゾマティクス」は4月にNHKの「日曜美術館」で取り上げられたせいもあってか、人気の展覧会のため時間指定をする必要があるらしい。
早い時間を指定し、美術館に向かう。
前日は暴風雨が吹き荒れ、少し歩いただけでずぶ濡れになる悪天候だったけれど、日頃の行いが良いため展覧会鑑賞の日は良い天気に恵まれたROCKHURRAH RECORDS。
雨男のROCKHURRAHのパワー不足のせいかもね?(笑)
マンダース展の時間指定はないので、最初に「ライゾマティクス展」を鑑賞することにしよう。

まずは東京都現代美術館のサイト内にあった動画を載せておこうか。
「ライゾマティクス」とは一体何者?というのがわかるかも。
というより、この動画で展覧会の概要が分かるかもよ?(笑)

では会場に入ってみよう。
最初にお目見えしたのが、巨大なスクリーンに映し出される「ライゾマティクス」のオリジナルロゴと地下茎の映像だよ。
「ライゾマティクス」が、複数人でメディア・アートを構築する集団だと知る。
1976年東京生まれの真鍋大度が代表となり、2006年に「株式会社ライゾマティクス」を設立し、今年が15周年だという。
プログラマーや研究者などを含む団体の総称が「ライゾマティクス」と聞くと、今まで知っていたアートの形態と大きくかけ離れていることが分かる。
チームで作るプロジェクトなんだね。

今回の展覧会名にもなっている「マルティプレックス」という作品が素晴らしかった。
会場についた時には、画像左上のようなカウントダウン映像だけが流れていて、これから一体何が始まるのか全く不明。
カウントがゼロになるまで待っていると、イベントが始まった。
プロジェクション・マッピングのような 映像の投影と音響が入る。
そのうち5つの立方体が動き始める。
プログラミングされて動いていることは分かるのに、立方体自身が意思を持っているような錯覚に陥る。
鑑賞後ROCKHURRAHと話したのは、例えば「2001年宇宙の旅」のHALや「攻殻機動隊」のタチコマのように話すことができる機械とは違い、「マルティプレックス」の立方体は、純粋な無機物なのに感情移入しそうになるところが新しいということ。
今回の展示で一番面白かったよ!
本来はこうした作品の場合、動画でお伝えしたいところだけど、動画撮影禁止だったため、静止画で紹介することになったのが残念。
上に載せた会場の動画では、全く別のバージョンに見える「マルティプレックス」が紹介されているので、様々なパターンがあるのかもしれないね?

もう一つ「particles」という大掛かりな作品があった。
こちらも「マルティプレックス」同様、カウントダウンから始まるみたい。
またもやゼロになるまで待つことにする。
この会場には椅子が用意されていたので、ROCKHURRAHと座って待つ。
イベントが開始されるまでの時間が長く感じられ、せっかちなSNAKEPIPEは少しジリジリしてしまった。(笑)

ようやくイベントが開始される。
レールを動き回るボールに光が当たり、小宇宙のような空間になる。
ボールはまるで線香花火の火球(先の火種部分)のように見えて、儚い雰囲気だった。
「particles」のオリジナルは2011年で、今回は2021年版として発表された作品とのことだけど、10年前との違いはどこだったんだろう。
まばゆい光が美しかったよ!

最後に今回の展覧会で使用されているシステムやデータの展示があった。
会場内での人の動きをスキャンしたり、数値化している様子が分かる。
「ライゾマティクス」が行っているメディア・アートは、最近よく鑑賞する形態なんだよね。
例えば2019年12月の「未来と芸術展」で観たアウチの「データモノリス」や2021年3月の「2021年宇宙の旅 モノリス_ウイルスとしての記憶、そしてニュー・ダーク・エイジの彼方へ」展など、似た印象の展覧会だったと思う。
人間の動きや脳の活動を符号化し解読するプロジェクトなど、アートと研究が、それぞれの境界を超えて開発されているのは興味深いよね。
アニメやSF小説の世界が現実味を帯びているみたいだから。
今回は「ライゾマティクス」の初大規模個展とのことだけど、SNAKEPIPEには少し物足りなかったかも。
それでも日本でのメディア・アートの世界を知ることができたので、行って良かった展覧会だよ! 

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