好き好きアーツ!#53 世界アート(仮)探訪 3

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【アメリカ自然史博物館に行ったら、ベン・スティラーに会えるかも?】

SNAKEPIPE WROTE:

2018年7月以来、更新していなかった「世界アート(仮)探訪」をお届けしよう!
タイトルに「アート」とつけてしまったため、芸術関係の美術館や博物館に限定する予定だったけれど、そうとばかりも言っていられない。
今回は特にアートとは程遠い内容になりそうだよ。(笑)
早速いってみようか!

ネス湖の「ネッシー」やビッグフット(雪男)など、目撃情報はあるけれど、その存在が曖昧な生物のことをUMA(Unidentified Mysterious Animal:未確認生物)と呼んでいるらしい。
「ネッシー」にあやかって、芦ノ湖のアッシーや釧路湖のクッシー、洞爺湖のトッシー、長良川のハッシーなど、日本国内でも様々な「◯◯シー」と名付けられた生物がいるんだね。(笑)
そんな未確認生物について調査・研究を進め、展示を行っている博物館がある。
米国メイン州ポートランドにあるInternational Cryptozoology Museum(国際未確認動物学博物館)だよ!

画像には写っていないようだけど、「行きた化石」と言われる5.5フィート(約1m67cm)のシーラカンスが展示されているという。
そして1万点を超えるUMAの存在を証明する証拠が集められているというから、気になるよね!
「謎の生物」と聞くと、気になる人は多いはず。
ROCKHURRAHも興味があるというし、SNAKEPIPEも半分は嘘だろうと思いながらも、つい画面に見入ってしまうからね。
ちょっとインチキ臭さを感じながらも、近くに行ったら寄ってみたいよ。

ミュージアム・ショップにも注目だね。
UMAの代表格として、ビッグフット関連グッズがたくさん商品化されているんだけど。
画像にあるようにソックス($10)だったり、マグカップ($13)があったり、他にも「ビッグフット・バンドエイド」や「ビッグフット石鹸」も販売されているので要チェックだよ!
もちろんフィギュアやオーナメントもあるから、マニアにはたまらない。
自分用とお土産用と、両方買わないとね。(笑)

続いては、上に書いた「国際未確認動物学博物館」と同じにおいがする「INTERNATIONAL UFO MUSEUM AND RESEARCH CENTER(国際UFO博物館と研究センター)」を紹介してみよう。
このミュージアムがある場所、それがなんと1947年に米軍がUFOを回収したとして話題になったロズウェルだから、余計に気になるじゃないの!
この博物館の主旨は「ロズウェル事件やUFO研究に関連するその他の説明のつかない現象に関連する、書面、音声、視覚形式の資料と情報の収集と保存」だというから、本気なんだね。(笑)

と、書いたところでこの画像!
なんだか都築響一の「珍日本紀行」や「珍世界紀行」に載っているような雰囲気に感じてしまうんだけど?(笑)
ロズウェル事件については謎ばかりなので、証拠が陳列されていたら観てみたいと思うのが人情ってもんだよね。

ミュージアム・ショップも確認してみよう。
アニメ化されたエイリアン小僧が描かれたタンブラー($10.99)や「エイリアン」と大きく書かれたプレート($6)を発見!
このエイリアン小僧は、キーチェーンやマグネットにもなっているよ。
SNAKEPIPEだったら円盤型のマグネットにしようかな!(笑)

お次は「New Orleans Historic Voodoo Museum」にしてみよう。
その名の通りニューオリンズにあるブードゥー博物館なんだよね。
開館は1972年というから約50年の歴史があるという。
歴史的なブードゥー教の遺物、絵画、彫刻、その他の工芸品が展示されていて、ニューオリンズというユニークな都市を形作る豊かな文化について学ぶのに最適な場所とのこと。

内部の様子がこちら。
成り立ちが西アフリカだというので、確かにアフリカっぽい工芸品が並んでいるように見えるよ。
ブードゥーと聞くと、どうしても悪いイメージが頭をよぎってしまうけれど、実際のところはよく知らない信仰なんだよね。
この博物館行ったら、少しはブードゥーについて学べそうな感じ。
ミュージアム・ショップが見当たらなかったのが残念!

最後はこちら!
イタリアにある「Messner Mountain Museum」だよ。
「Messner Mountain Museum」には6つの博物館があり、それぞれ絶景に建てられているんだよね。
Corones」という名前の博物館を観て、まず驚くのはこの場所だよね。
クロンプラッツの山頂高原(2,275 m)にある、ザハ・ハディッドの設計による斬新な博物館!
山の歴史に関する展示がされているとのことだけど、この場所からの眺めが素晴らしいだろうね。

こちらはモンテライト(2,181 m)にある雲の博物館「dolomite」。
Enzo SivieroとPaolo Faccioという2人の建築家によって設計された、360度のパノラマを望むことができるガラス張りの建物なんだよね。
ロマン派から現代に至る絵画が展示されているようだけど、こちらもまた室内よりも外に目がいきそうだよ。

「dolomite」の注意事項として「良い天気の時」「ハイキングポールとリュックは禁止」「撮影は中庭のみ」などが記載されている。
登山で行くか、シャトルバスで博物館に行くかによっても荷物が変わってくるだろうね。
他の4箇所も素晴らしいので、HPで観てみてね!
それぞれ行き方が違うようなので、確認しないと。
すっかり行く気満々だけど、足腰大丈夫か?(笑)
 

一ヒゲ二鷹三茄子(意味不明)

【この映像を観て懐かしいと感じる人は同年代か?】
SNAKEPIPE WROTE:

2017年3月の「SNAKEPIPE SHOWROOM 物件12 ゴルファー達の物件編」や2019年11月の記事「ZOZO CHAMPIONSHIP 未観戦」 などでも書いたけれど、ROCKHURRAHとSNAKEPIPEはゴルフ観戦が大好き!
毎週放送されているPGAゴルフ中継を楽しみにしているんだよね。
観戦を始めた頃は選手の顔と名前が一致しなくて、特徴がある人から覚えていったっけ。
名前が変わっている、背が高い、お腹がでっぷり出ているとか。(笑)

そして特徴的なヒゲをはやしていたのがダスティン・ジョンソンだった。
当時はダスティン・ジョンソンとケヴィン・チャペル、もしくはスコット・ピアシーの区別がついていなかったけれど、ヒゲによって見分けられることに気付く。
「もみあげ」から「あごひげ」へと続く濃いヒゲは、まるで第16代アメリカ大統領リンカーンみたいなんだよね。
並べてみたけど、似て蝶でしょ?(笑)
2015年当時はそこまで多くなかったのに、ダスティン・ジョンソンの影響からなのか、現在ではヒゲのゴルファー率が非常に高いんだよ。
5年は観続けてるから、今ではヒゲによって人を見分けることはないんだけどね。
ゴルフ界では多いヒゲ人口だけど、アートの世界ではどうだろう?
今回はヒゲについて考察してみようか。

画家でヒゲといえば、一番最初に思いつくのはサルバトール・ダリかな。
スペインを代表するシュルレアリスムの画家だよね!
ぐんにゃり曲がった時計を描いた「記憶の固執」を始め、恐らくダリもが、あっ、誰もがダリの作品を一度は目にしたことがあるんじゃないかな。
SNAKEPIPEが衝撃を受けたのは、ダリとルイス・ブニュエルが製作した1928年の映画「アンダルシアの犬(原題:Un Chien Andalou)」だよ。
早稲田だったか高田馬場辺りの、こじんまりした劇場で観たんだよね。
なつかしい。(目に涙)
ダリのヒゲに話を戻そうか。
いつの頃からかダリのヒゲはコミカルになっているんだよね。
跳ね上がっていたり、リボンが結ばれていたり。(笑)
本来は美男子なのに、あえて変顔で写真に撮られることを好んだように見える。
ここまで顔が知られた画家というのも珍しいかもしれないね。

もう一人画家を紹介しよう。
ええ、女性です。(笑)
メキシコを代表する女流画家であるフリーダ・カーロは、インパクトのある眉毛と口ひげを描きこんだ自画像が有名なんだよね。
どちらかというと自慢げに描いているように見えるので、チャームポイントだったのかな?(笑)
以前フリーダ・カーロの伝記小説を読んだことがあるSNAKEPIPEは、フリーダの深い悲しみを知る。
個人的な出来事により噴出した感情をストレートに描き、強い印象を残すフリーダの作品が生まれる理由が分かった気がしたんだよね。
2002年には伝記映画「フリーダ(原題:Frida)」が公開され、サルマ・ハエックが見事にフリーダを演じているのを鑑賞した。
フリーダ・カーロの作品は数点、実物を鑑賞しているけれど、森美術館あたりで大規模な回顧展やってくれないかなあ。
是非とも鑑賞したいんだよね!

映画界でヒゲといえば、ジョン・ウォーターズ
説明する必要もないかもしれないけど、「ピンク・フラミンゴ(原題:Pink Flamingos 1972年)」で有名なカルト映画監督だよね。
B級を愛する「バッド・テイスト」を提唱したり、殺人者の描いた絵画を収集するなど本業以外にも注目を集めたり、毎年その年の映画ベスト10を発表し話題になっている。
ジョン・ウォーターズは、細いペンシルヒゲを生やしているんだよね。
Wikipediaによれば、どうやらそれは「付けヒゲ」とのこと!
なんともインチキ臭く見えて、ジョン・ウォーターズにピッタリのトレードマークなのに、付けヒゲとは。(笑)
そんなエピソードも含めて、やっぱりジョン・ウォーターズは良いね!

映画界という広い範囲では、我らがウィル・フェレルのヒゲにも注目したい。
俺たちニュースキャスター(原題:Anchorman: The Legend of Ron Burgundy 2004年)」 、2013年に公開された続編で演じたキャラクターであるロン・バーガンディには立派な口ひげがたくわえられていたね。
どうやら初回は付けヒゲで、続編では自身の本物のヒゲだったようだけど、 映像では違いがよく分からないよ。
ウィル・フェレルは、日本ではあまりウケないタイプのコメディアン / 俳優みたいで、なかなか新作映画が鑑賞できないのが残念でたまらない。
どうやら「フレンチアルプスで起きたこと(原題:Turist 2014年)」 をリメイクした「Downhill」で主演するらしいので、是非観たいよ!
映画配給会社の方、よろしくお願いします!

音楽の世界でのヒゲって誰を思い浮かべる?
ROCKHURRAHに質問すると「マーチ・ヴァイオレッツかな」と即答する。
それってどんなバンドなの?
80年代前半、ポジティブ・パンクが盛んだった時期にロンドン以外のシーンから登場したバンドだという。
最初の頃は、シスターズ・オブ・マーシーと同郷ということもあり、何かと比較されていたけど、ROCKHURRAHはシスターズにはない独自の魅力を見出して好きだったバンドだという。
彼らの特徴は、リズムマシーンによる硬質なビートに乗せた男性と女性のツイン・ヴォーカルのからみ。
ポジティブ・パンクという言葉を最も感じさせてくれるバンドだった、と語るROCKHURRAH。
で、ヒゲは?
デビュー当時から男性ヴォーカルであるサイモン・Dは、まるで漂流してきた宣教師のようなヒゲをたくわえていたという。
パンク系でヒゲってあんまりいないもんね?
載せた画像は、割と最近のものらしいので、当時とは少し違ってるようだよ。
あまりヒゲ男が出てこないけど、当時の映像を載せておこうね。

80年代のパンク・バンドで他にヒゲといえば、アンチ・ノーウェア・リーグだね。
ヴォーカルのアニマルは、1982年の画像でも野獣っぽいヒゲ姿を確認することができる。
それにしてもアニマルって名前にするところがワイルドさ全開!(笑) 
セックス・ピストルズの「Bodies」に「I’m not an animal!」って歌詞があるけど、それを逆手に取ったのかな?
ほとんどの画像でアニマルはサングラスにヒゲ。
ファッションセンスはヘルス・エンジェルスなどのバイク乗りっぽい感じだよね。
1981年にラルフ・マクテルの曲をカヴァーし、シングル・チャートの48位を記録したという。 

元がフォーク・ソングだったのに、バンド形式で、更にアニマルのだみ声になると、全く別の曲に変わっているところがすごい!
この映像も1982年のものらしいけど、アニマルの野獣具合がよく分かるよね。(笑)
 
ちなみにROCKHURRAHもアニマルと同じように、いつでもサングラスのヒゲ男。
ヒゲの種類でいうと「Ducktail」になるのかもしれない。
ヒゲを勧めたのはSNAKEPIPEなんだけど、よく似合っているんだよね!
今ではすっかりトレードマークになっているよ。(笑)

今回は「ヒゲ」をテーマにしてみたよ。
こうした括りでブログを書くのは2007年5月の「髪型・古今東西」や2008年11月の「帽子男世界一決定戦」 、そして2009年6月の「個性派女流アーティスト大集合!」以来、およそ10年ぶりということになるんだね!
たまにはこんな企画も面白いかもしれないな。

白髪一雄 a retrospective展 鑑賞

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【白髪一雄展の看板を撮影】

SNAKEPIPE WTOTE: 

2019年5月に書いた「百年の編み手たち〜ただいま/はじめまして 鑑賞」 の中で、2020年1月に開催予定の白髪一雄について触れた文章がある。
ついにその時が来たのだ!
とても楽しみにしていた展覧会の鑑賞をする、その時が!(急に倒置法?)

会場になっているのは東京オペラシティアートギャラリー。 
このギャラリーは2019年6月に「トム・サックス ティーセレモニー」で訪れて以来になるのかな。
ROCKHURRAHは初めての訪問だね!
東京オペラシティアートギャラリーでは、1月11日より白髪一雄展を開催している。

白髪の没後10年以上を経て開催する本展は、東京で初の本格的な個展として、初期から晩年までの絵画約90点をはじめ、実験的な立体作品や伝説的パフォーマンスの映像、ドローイングや資料も加え、総数約130点で作家の活動の全容に迫ります。

展覧会HPから抜粋した文章を載せてみたよ。
それにしても一文が長いね。(笑)
没後10年以上って書いてあるけど、白髪一雄はいつ亡くなったのかな。
年表を調べてみようか。 

1924年 兵庫県尼崎市に生まれる
1942年 京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)日本画科に入学
1948年 京都市立美術専門学校(1945年4月改称)を卒業し洋画に転向
1954年 初めて足で描く
1955年 吉原治良率いる「具体美術協会」(具体)の会員となる
1958年 批評家で「アンフォルメル芸術」の提唱者ミシェル・タピエと、絵画を欧州に送る契約を結ぶ
1971年 比叡山延暦寺で得度、天台宗の僧侶となる
1999年 文部大臣から地域文化功労者を表彰
2008年 敗血症のため尼崎市にて死去

この年表の中で、一番驚いたのは1971年の僧侶になる、の部分かな。
荒々しい絵画を描く人が僧侶になるというのが、SNAKEPIPEにはイメージし辛いんだよね。
そして洋画に転向して10年で、批評家の目に留まっている点にも注目だよ。
50年代に、どれだけの日本人アーティストが海外で評価されていたのかは分からないけれど、決して多くはないだろうね。
生前は全く評価されず、亡くなってから評価されるアーティストの話はよく聞くけれど、バイタリティ溢れ脂が乗っている活きが良い時に、ドンピシャのタイミングで評価を受けるのは、素晴らしいことだと思うよ。
そんな白髪一雄の個展、非常に楽しみだよね!(笑)

ROCKHURRAHとSNAKEPIPEが会場に向かったのは、展覧会開催からおよそ3週間後のこと。
白髪一雄の展覧会が注目されている、という情報をROCKHURRAHが仕入れていたので、混雑を避けるために少し間を置いていたんだよね。
その甲斐あってか(?)選んだ日にちが良かったのか、会場は驚くほど空いていて、全くストレスなく作品を鑑賞することができた。
ストレスを感じたことは、撮影できる作品が制限されていたこと。
何を基準に許可がされたり、されなかったりするのか不明だけど、もう少し緩めてくれても良いのになあと思ってしまった。
今回は自分で撮影できた作品に加え、気になった作品についても画像と共に紹介していくよ!

展覧会は8つの章で構成されていたようだけど、章のキャプションや説明文が一切展示されていない。
HPに簡単な説明はあるけれど、こんなにあっさりした展覧会は観たことないかも。
SNAKEPIPEは不親切に感じたけれど、このギャラリーの方針なのかな?
最初の章は初期の作品が展示されていて、キュビズムの影響を受けたものや、モチーフを決めて描かれた油絵などを鑑賞することができる。
初期作品の中で気になったのは「文B」(1954年)かな。
まるでゲルハルト・リヒターの絵画を部分的に切り取ったように見えるんだよね。
夜の水辺を連想させる静謐さに加え、風や波のような動きも表現されているのかもしれない。

初期作品のエリアを抜けると、現れるのは「天異星赤髪鬼」(1959年)。
来た来た〜!(笑)
このどす黒い赤色が厚みを持って盛り上がったり、血飛沫のようにうねっている様は迫力満点!
日本人離れした大胆さが素晴らしいんだよね。
これは確かにフランス人批評家ミシェル・タピエが気に入るのも納得しちゃうよ。

「地暴星喪門神」(1961年)も上の作品同様、「水滸伝豪傑シリーズ」とされている。
どうやらタピエの依頼で制作されたらしいんだけど、108点の作品を区別するために「水滸伝」の登場人物の名前を作品名にしたという。
だから長い漢字が連なるタイトルになっているんだね。(笑)
「地暴星喪門神」は赤、黒、緑、紫という4色が使用されている。
間の取り方が日本画的だし、SNAKEPIPEには絵画というよりは書道的な構成美を感じるよ。
驚くほどの躍動感、観ていると心がウキウキしちゃうよね!

白髪一雄が足で描く「フット・ペインティング」という技法を編み出しているためか、床に直置きする展示方法も採られていた。
「貫流」(1973年)は、まるで大きな滝が流れ落ちているかのような動きを感じる作品。
白から黒へのグラデーションは、スキージという長いヘラを使って描いていたらしい。
アクション・ペインティングの様々な可能性を探っていたことが分かるね。
それにしても床置の展示方法については、意図は理解するけれど、鑑賞には不向きじゃないかな?

白髪一雄が密教に傾倒し、天台宗の僧侶になったのは1971年。
「密呪」はそれから4年後、1975年の作品である。
実は白髪一雄の経歴については何の知識も持たずに参上した展覧会だったけれど、この作品を観た時に「曼荼羅っぽいね」とROCKHURRAHと語り合っていたんだよね。
この作品を鑑賞したエリアでは、呼応する作品がシンメトリーになって展示されていた。
「密呪」と対になっていたのは「あびらうんけん」だったかな?
胎蔵界と金剛界という2つを表現した作品のようだったよ。
2枚は別の美術館に所蔵されているようなので、同時に鑑賞できたのはラッキーだったね!(笑)

2008年11月東京都現代美術館で鑑賞した、森山大道とミゲル・リオ=ブランコの写真展について「大道・ブランコ・コーヒー」というブログ記事を書いた。
「ダイドー・ブレンド・コーヒー」をもじった、失笑もののタイトルは良しとして。(笑)
そのブログの中に白髪一雄についての記述があるんだよね。 
常設展を観た後の感想を以下のように述べている。 

SNAKEPIPEが非常に気になったのは「白髪一雄」という画家。
前にも観ていたのかもしれないけれど、今回観た中では一番迫力を感じた好みの画家だ。
日本でのアクションペインティング創始者とは!
猪の毛皮の上に赤黒い絵の具を塗りたくった絵が素敵だった。
もっとたくさんの作品を観てみたいな!

昔から好みが変わっていないと自覚していたけれど、12年前に書いた記事に自分でびっくり!
はい、12年経ってその願いは叶ったよ。(笑)
そしてやっぱり今回の展覧会でも「ピカイチ!」と思ったのは、猪の毛皮の上に赤黒い絵の具を塗りたくった「猪狩壱」だった。
目にした瞬間に「うわっ!」と驚く作品だからね。
かなり猟奇的なので、好き嫌いが分かれるかもしれないけど。
この作品は東京都現代美術館に所蔵されているのを知って安心したよ。
海外に出ていたら、なかなかお目にかかれないもんね。
ありがとう!東京都現代美術館!(笑)

白髪一雄が実際、どのように作品を制作していたのかを紹介するビデオ上映もあったんだよね。
同じものではないけれど、似たタイプの動画がYouTubeにあったので載せておこうか。
これはフランスで制作された「具体美術協会」を紹介するビデオのようなので、白髪一雄以外のメンバーも映っているのかな?

まるで曲芸師のように、ロープにつかまり、キャンバス上をつるつる滑る白髪一雄!
会場でビデオを観ながら、思わず笑ってしまったSNAKEPIPE。(笑)
制作する時は、元画家だった白髪一雄の奥さんがサポートしていたというから驚いてしまう。
富士子夫人は着物姿だったり、白髪一雄と同じように黒い全身タイツのような姿で、絵の具を渡したりする。
作品は夫婦の共同作業によって生まれていたことを知り、50年代の日本も進んでいたなあと感心してしまったよ。

姓が白髪なので、SNAKEPIPEは勝手に「よかいち」の莫山先生みたいな風貌だと思っていたんだよね。(笑) 
わざわざ画像載せなくても良いんだけど。
他の連想としては、江戸川乱歩の「白髪鬼」 かな。
恐らく珍名さんになるんじゃないかと思ったけど、調べてみると岡山県や兵庫県など全国で約900人はいるらしいね。

白髪一雄ご本人は、まるで自衛官を演じた「野性の証明」の時の高倉健かといった雰囲気で、アーティストには見えないよ。
猟友会にも入っていたようで、銃の手入れをしている写真もあったし。
恐らく「猪狩壱」の猪も、ご本人が仕留めたんじゃないかと予想する。
調べてみると、どうやら猪を仕留めることができず、買ってきた皮を使用した作品だという。
猪の皮、買えたんだ?
真相が分かってスッキリ!(笑)

白髪一雄の作品は海外でも大人気のようで、2014年の記事によればサザビーズのオークションで5億4,590万円で落札されたという。
これが5億円超えの「激動する赤」(部分 1969年)。
赤、白、黒、黄色という4色を大胆に使用したインパクトのある作品だよね。
展示されたのは大阪万博のみだというので、ずっと大事に保存されていたのかな。
一体誰が購入したんだろう。
気になるところだよね。(笑)

今回の白髪一雄展はボリュームがあり、大満足の展覧会だった。
人が少なかったのも、ゆっくり鑑賞できて良かったよ。
残念だったのは、展覧会の図録が後日発送になってしまったこと。
3月初旬になるというので、予約してきたんだよね。
図録の到着を楽しみにしていよう。

いつか白髪一雄のオマージュ作品にチャレンジしたいと思ってしまうのは、SNAKEPIPEだけではないだろう。
足を絵の具まみれにして制作するのってどんなだろう?
ぎっくり腰に注意が必要だけどね!(笑)
 

ふたりのイエスタデイ chapter17 /Sigue Sigue Sputnik&RUN DMC

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【一世を風靡したレコード】

SNAKEPIPE WROTE:

ROCKHURRAH RECORDSでは、何かしらの作業をする時にラジオを聴くことが多い。
何かしらの作業とは、皿洗いや掃除などの家事や、趣味のミシンを踏んだりする時のことだ。
見た目とは違って、意外とマメに色々やってるんだよね。(笑)
そんな時、重宝しているのがインターネットラジオである。
iTunesのインターネット・ラジオでお気に入りだった、80’sニューウェーブやパンク専門チャンネルが次々とサービスを停止してしまったのは、非常に残念。
インターネット・ラジオの仕組みがよく分からないんだけど、個人が独自にサービスとして提供しているものなのかな。
コマーシャルが途中で入る番組の場合は、広告収入を得ていることが分かるけど、曲だけをかけているチャンネルもあるからね。
今回サービスを停止したのは、広告収入を得ていないだろうと思われる種類のチャンネルだったから、仕方ないのかもしれない。
少しでも好みの曲がかかるチャンネルを探して聴いている今日このごろである。

先日もまたインターネットラジオを聴いていると、非常に懐かしい曲が流れてきた。
ジグ・ジグ・スパトニックの「Love Missile F1-11」である。

このビデオが1986年のものらしいけど、当時の近未来像がよく分かるよね。
ブレードランナー(原題:Blade Runner 1982年)」の世界観と「マッドマックス(原題:Mad Max 1979年)」のイメージを合体させたみたいだもんね。(笑)
改めて鑑賞すると、ジグ・ジグ・スパトニックのメンバーは、まるでフィギュア人形みたいな出で立ち。
「Love Missile F1-11」はループするリズムに、ほんの何フレーズかのセリフが入るシンプルな曲だけれど、耳に残る。
メンバーのど派手なルックスもあり、かなり話題になったものだ。

ジグ・ジグ・スパトニックのデビューは華々しかったんだよね。
記者会見の模様をテレビで見た記憶があるよ。
「デビューにあたって」なのか「シングル曲をリリース」だったのか、会見の主旨については覚えていない。
ただメンバーの誰かが、タバコのマルボロの煙を全く吐かずに吸っていたことが強く印象に残っている。 
イギリス人がマルボロを吸ってるということと、吸った煙の行方が気になったんだよね。(笑)
そして「何か新しいことが始まりそう!」と思ってワクワクしたっけ。

ジグ・ジグ・スパトニックは元ジェネーレーションXのトニー・ジェイムスが中心となって結成された。
ジェネレーションXといえば、ビリー・アイドルがヴォーカルだったパンク・バンド!
ポップな曲調とバラード曲が多いのが特徴だったバンドだった。
バンド解散後、ビリー・アイドルはソロとして、トニー・ジェイムスはジグ・ジグ・スパトニックとして活動を続けたってことだね。
一発屋だと思われているジグ・ジグ・スパトニックだけど、当時もう1曲流行った曲があるんだよ。

基本的なラインは変わらないんだけど。(笑)
「ブレードランナー」を意識しまくってるおかげで、カタカナの文字が踊ってるね。
この2曲ですっかりファンになってしまったSNAKEPIPE。
LPも12インチのレコードも購入し、聴き込んだものよ。(遠い目)

そして日本公演が発表され、すかさずSNAKEPIPEは長年来の友人Mとチケットをゲット!
会場がどこだったのか忘れてしまったけれど、1階の前から2列目だったか3列目という絶好のポジションだったんだよね!(笑)
聴くというよりは、メンバーを観たいと思っていたので、来日公演を楽しみにしていたのに…。
公演は中止になり、チケットは払い戻しになってしまった。
中止の理由について説明されたのかも覚えていないけれど、今調べてみると「観客の暴動に加え、メンバーが客席に瓶を投げたため、暴力的なバンドと見なされた」や「チケットの売れ行きが悪かった」などと書かれている。
実際の理由が何にせよ、公演が中止になり、SNAKEPIPEと友人Mは非常にガッカリしたよ。
どうやら2002年に来日しているようだけど、やっぱり80年代のキラキラした時代に観たかったよね!

喜び勇んでチケットを手にしたのにもかかわらず、来日が中止になった別の公演を思い出した。
それはRUN DMC
RUN DMCとは1980年代に一世を風靡したヒップ・ホップ・グループ。
1986年にリリースした「Walk This Way」が大ヒット!

ビデオにも登場しているエアロスミスの曲をサンプリングした、ロックとラップを融合させた曲なんだよね。
RUN DMCは音楽だけではなく、そのファッションも注目されていた。
スポーツウェアのadidasとゴールドのチェーンとカンゴールのハットを組み合わせたスタイルは、当時の日本でも大流行したっけ。
藤原ヒロシや高木完がヒップ・ホップ・グループ、TINY PUNXを結成したのもこの頃だったね。
最先端でオシャレな人はラップ系に傾倒していった。
当然のように若かりし頃のSNAKEPIPEも流行に乗っていたよ。(笑)
TINY PUNXの「建設的」も12インチ・シングルも持ってたなあ。
その当時のことを2008年4月に「ファッション雑誌なんかいらない!」という記事に書いているね。

実はRUN DMCは何度か来日公演を行っている。
ネットでの情報によれば、1986年のNHKホールが初来日みたいだね。
それ、行ったわ。(笑)
次に観に行ったのは、横浜の菊名の辺りだったように記憶しているけれど、わざわざ泊りがけにしたんだよね。
踊り過ぎてSNAKEPIPEが転倒する、なんてこともあったっけ。(笑)
SNAKEPIPEがノリノリになっていた曲は、確かこれ。

そして恐らく3回目の来日公演が中止になったような?
場所がどこだったのかまでは覚えていない。
そして中止の理由がなんだったのかも、はっきりしなかったような気がする。
今でもRUN DMCのCDは何枚か所持しているし、今聴いてもやっぱり好き!
ロック要素が強いし、ラップの声が良いんだよね。
ノリノリになり過ぎて、転ばないようにしないと。(笑)

RUN DMCは3人組のグループだけれど、2002年にスクラッチDJだったジャム・マスター・ジェイが射殺されるというショッキングな事件により、活動休止になったという。
そんなRUN DMC、つい数日前にテレビで観てびっくりしたよ。
2020年1月26日に行われたグラミー賞授賞式でのパフォーマンスとのこと。
エアロスミスと共演した、というニュースだったんだよね。
真ん中のスティーヴン・タイラーと左のDMCは、観てすぐに分かったけれど。
右の人は誰?(笑)
なんとRUNだったとは驚いちゃうね。
かなり体重が増して、全くの別人になっているもんね。
ちなみに上に載せた画像では、一番左がRUNだから、違いがよく分かると思うよ。
それにしても元気な姿を久しぶりに見て嬉しかったな!

今回の「ふたりのイエスタデイ」は、1986年にSNAKEPIPEが好きだった2つのグループを紹介してみたよ!
1986年って今から何年前よ?
34年前?
ひーーーー!(笑)