好き好きアーツ!#14 貴志祐介 part2

【ROCKHURRAHが80年代PVっぽく制作してくれたよ!いいね!(笑)音が出るので注意!】

SNAKEPIPE WROTE:

先週予告していた通り、「好き好きアーツ!貴志祐介」の第二弾を書いていこうか。

では「青の炎」(1999年10月 角川書店 / 2002年10月 角川文庫)からいってみよう!
主人公はロードレーサーで学校に通う17歳の高校生である。
幼い頃に父親を亡くし、母と妹との3人暮らしをしている。
そこへ10年前に離婚した養父が現れ、まるで我が家のように傍若無人なふるまいをする。
つつましやかだけれど、幸せだった3人の生活を取り戻すために主人公が考えたのは養父殺害の完全犯罪だった。

「青の炎」は2003年に蜷川幸雄監督作品として映画化されている。
この映画はかなり原作に忠実に作られていて、良い出来映え!
キャスティングが良かったんじゃないかな。
主人公を演じたのはジャニーズ事務所所属「嵐」の二宮和也。
ウチのブログの中でジャニーズ系の名前が出てくるのは初めてじゃないかな?(笑)
二宮和也は、原作通りの印象で主役を演じきっていた。
これを観た時にはちょっとびっくりしたSNAKEPIPE。
ジャニーズ=アイドルしか知らない世代だから許してね。(笑)
最近のアイドルは芸達者なのね!
「鉄コン筋クリート」の声優としての技量もなかなかだったしね!
この主人公が自宅のガレージを改造して、自室にしているところが羨ましかった。
自慢のロードレーサーもそのまま部屋に入れて、まるでアジト!
あの環境はみんな憧れちゃうよね。(笑)

酒飲みで暴力をふるう養父役として出演していたのが山本寛斎
何故世界的に有名なファッションデザイナーであるKANSAIが出ることになったのかは不明だけど、その演技力には目を見張るものがあった。
「蛇の道は蛇」じゃないけど、やっぱり「芸事」に通じている人というのは、何をやっても上手なんだね。
他にも俳優として活躍しているのかと思いきや、映画出演はこの一作だけみたい。
悶絶死の様子はものすごい迫力だったね!

もう一人気になる俳優は中村梅雀かな。
昔大竹しのぶと共演していたドラマを観たことがあり、強く印象に残っていた人物だった。
大竹しのぶ!
先週記事にした「黒い家」での主演女優の名前がここでも出てきたね。
あの時のドラマ、なんだっただろうと調べてみたら「存在の深き眠り」という1996年に全6回シリーズでNHKで放映されたドラマだったよ。
ぎゃっ、16年前っ!(笑)
そのドラマの中で大竹しのぶと中村梅雀が夫婦役を演じ、なんと大竹しのぶは多重人格の役どころだったんだよね。
大竹しのぶ、多重人格、ってそんまんま貴志祐介につながるよね。(笑)
多重人格は病気だから治療しよう、と暖かく見守る優しい夫役が良く似合っていた中村梅雀。
あのドラマ、もう一回観たいな。
中村梅雀は「青の炎」で刑事役で出演していた。
完全犯罪を目論む主人公の気持ちが解るので、ちょっと主人公に肩入れして「できればこのまま完全犯罪として成立して欲しい」と思ってしまった人が大多数じゃないかな。
「太陽がいっぱい」の時にも同じような感想を持ったSNAKEPIPEだけれど、それを許さなかったのがこの刑事。
とても良い味出してたね。

これで貴志祐介の「黒」「クリムゾン」「青」の色シリーズ(勝手に命名)は終わるのかな?
また違う色で書いて欲しいよね!(笑)

続いては「新世界より」(2008年1月 講談社【上・下】 / 2009年8月 講談社ノベルス / 2011年1月 講談社文庫【上・中・下】)。
SNAKEPIPEが読んだのは文庫版だったので、上中下巻という3冊だったよ!
いやあ、長編好きのSNAKEPIPEでも「な、長いっ」と思ってしまう程の長編SF。
と、簡単にSFと書いてしまったけれど、「1000年後の世界」を舞台にしているからSFとされているだけじゃないかな。
SNAKEPIPEだったら「空想未来小説」とジャンルにしたいけどね。(笑)
でもこれ、2008年の日本SF大賞受賞だって。
やっぱりSFで良いのか?

1000年後の日本、神栖66という利根川近くのコミュニティが舞台になっている。
その時代には、全員が「呪力」と呼ばれる、いわゆる超能力を使うことができ、例えば重たい物を持ち上げる時には呪力を使用するのが当たり前。
呪力に関する部分だけが未来的で、それ以外は通信手段がなかったり、奴隷制度が復活していたり、全ての情報が手に入らなかったりする、今よりも不便を感じるところも多い世界なのだ。
そして遺伝子操作を行なうことで現代には存在していないような生物や、自然に進化(もしくは退化?)した聞いたこともない動物が登場する。
見聞きしたことのない生物や動物についての記述は詳しくされていて、ある程度の想像はできるんだけど、やっぱり荒唐無稽な感じはしちゃうよね。(笑)
そして絶対服従を誓っていたはずの奴隷的存在が、クーデターを計画し戦争が勃発。
小さなコミュニティは存続の危機に陥いるのである。

・全ての情報を管理する世界になっていて、少しでも管理に不都合な情報は人の目にふれさせないように封印。
・人間のことを子供時代から徹底的に監視し、社会的に不適合だと判断した場合には排除。
・人が人を攻撃すると最終的には死に至るように遺伝子組み換え操作を行い、殺人を防ぐ。
人に管理番号付けて、生まれた時から死ぬまでその番号で管理しようとするような話は聞いたことがあるし、映画「未来世紀ブラジル」を思い出す。
絶対的に服従する立場だったはずなのに、いつの間にか知能が高くなっている動物が登場する部分は「猿の惑星」を思わせる。
そしてもう一つ特徴的だったのは「同性愛が奨励」されていた点かな。
管理されている社会だから、勝手に子供を作るのもタブーなんだよね。(笑)

1000年後の世界なので、ありそうな部分と「?」の部分の両方がありSNAKEPIPEは混乱することも多かった。
そして前述したように現代と比べて進化と退化の両方が描かれていて、その点もちょっと解り辛かった。
長かった割には…イマイチ…だったな、SNAKEPIPEにはね!(笑)
やっぱり貴志祐介は次に紹介するような「本当にありそうな話」のほうが好きみたい。

悪の教典(2010年7月 文藝春秋【上・下】 / 2011年11月 文藝春秋ノベルス)は、そのブックデザインを見た瞬間に上下巻共すぐに買ってしまった。
カラスと目が合ったもんで。(笑)
あ、カラスとだけ書くと観察者・鳶さん(鳥飼否宇先生著作の登場人物)に叱られてしまうけど、種類が判らないから許して!

「生徒に絶大な人気を誇り、
PTAや職員の間でも抜群に評判のいい教師が
反社会性人格障害(サイコパス)だったとき、
惨劇へのカウントダウンが始まった。

英語科教諭・蓮実聖司、32歳。
暴力生徒や問題父兄、淫行教師など、現代の学校が抱える病理に
骨まで蝕まれた私立高校で、彼は何を行ったのか。

高いIQをもつ殺人鬼は、“モリタート”の旋律とともに
犯行を重ねていく。 」

と特設サイトにあらすじが載ってるよ。
「サイコパス」は「黒い家」の菰田幸子、「高いIQを持つ」主役は「青の炎」の櫛森秀一を思わせるキャラクターなんだよね。
そうね、櫛森秀一が完全犯罪を計画通りに進めて、そのまま大人になったとしたら蓮実聖司みたいになったかも?
「外面が良い人」っていうのはどうも昔から信用できない、と考えるSNAKEPIPEにとっては「やっぱりね」って感じなんだけどね。
「表面的にはニコニコしている人」が「裏では何やってるか知れたもんじゃない」ということが多いような気がするのはSNAKEPIPEだけじゃないんじゃないかな?
だから「悪の教典」は「ありそうな話」だと思うし、後半が支離滅裂になる部分も逆にリアルな感じがしたね。
「もうこうなったら全員殺っちゃえ」みたいな心理ね。
この小説に関して批判的な意見を書いている人も多かったみたいだけど、SNAKEPIPEは夢中になって読んだ。
「マック・ザ・ナイフ」も効果的な使い方されててナイス!

特設サイトには「映画化決定」って書いてあったんだけど、大丈夫なのかな。
何故ならこの小説ってスプラッター映画になっちゃうだろうからね。
やっぱり監督は三池崇史かなあ?(笑)
主役を誰が演じるのか、などの詳細はまだ発表されていない模様。
そしてどうやら「悪の教典」の続きもあるみたいね。
いいね!いろいろ楽しみ!(笑)

そして貴志祐介にはまだもう一冊読んでない本があることを知ったよ。
「ダークゾーン」があるんだね。
これも入手して読んでみよう!

好き好きアーツ!#14 貴志祐介 part1

【貴志祐介の作品「黒い家」にちなんで作ってみたよ。黒過ぎ?(笑)】

SNAKEPIPE WROTE:

特に選んでいたわけではないのに、作品一覧を見て初めてその作家のほとんどの作品を読破していることに気付く。
えっ、こんなに読んでたの?と自分で驚いてしまったSNAKEPIPE。
それはきっと好みの作家、ということになるんだろうね?
今回の好き好きアーツはそんな作家、貴志祐介について書いてみたい。

初めて手にしたのは、貴志祐介の処女作「十三番目の人格 ISOLA」(1996年4月 角川ホラー文庫 / 1999年12月 角川書店)である。
ダニエル・キイスの著作「24人のビリー・ミリガン」などでお馴染みの(?)多重人格を扱っているというのはタイトルからも一目瞭然!
そして気になる「ISOLA」という単語。
Wikipediaにも謎解きに関する記述があるので、今更ネタバレにはならないと思うから書いてしまうけれど、上田秋成作「雨月物語」に登場する怨霊・磯良と幽体離脱実験で使用する「ISOLATION TANK」の最初の5文字の両方にかけた単語なのである。
江戸時代の怪異小説である「雨月物語」そして「幽体離脱」更に「多重人格」とくれば、面白そうだと思うよね?(笑)
当時は鈴木光司の「らせん」や「リング」が人気で、ちょっとしたオカルト・ホラー系小説ブームのような現象が起きていたように記憶している。
SNAKEPIPEも鈴木光司の小説は良く読んでたなあ。(笑)
そのため、この頃は貴志祐介と鈴木光司の区別がはっきりしていなかったと思う。
二人共作品が映画化されているあたりも似てるんだよね。
映画「ISOLA 多重人格少女」は、実はつい最近鑑賞した。
小説を読んだのがかなり前のことだったので、詳細についてはすっかり忘れていたSNAKEPIPE。

確かこんな話だったよな、と思いながら鑑賞。
以前「好き好きアーツ!#10 Fernando Meirelles」の「BLINDNESS」の時にも「それにしてももう少し演技力のある俳優はいなかったのか、と日本人俳優のキャスティングに少し不満を感じた」と書いたけれど、どうも木村佳乃の演技がイマイチなんだよね。
もう少し違うキャスティングがされていたら、映画の印象も変わったかもしれないね?

次に読んだのは「黒い家」(1997年6月 角川書店 / 1998年12月 角川ホラー文庫 / 1999年11月 【映画版】角川ホラー文庫)である。
生命保険会社の営業マンがお客さんの家に呼ばれて行くと、その家の子供の首吊り死体を発見してしまうところから物語は始まる。
その子供には多額の保険金が掛けられており、自殺とも他殺とも言い切れない不自然な状態から、その自殺した子供の両親である夫婦についての調査が始まる。
保険金殺人の疑惑アリとされたその夫婦の正体とは…?
読んでいながら映像が目に浮かんでくる、とても現実的にありそうな話だから余計に怖いんだよね!
この小説で第4回日本ホラー小説大賞受賞っていうのは大いに納得!
映画化もされて、またこの映画が全く小説の印象を損ねることがない秀逸な作品だった。

夫婦役の大竹しのぶと西村雅彦が見事!
特に西村雅彦が少し知的に障害を持ち、同じ言葉を何度も繰り返し、相手が弱ってしまう粘着質な役を本当に嫌らしく演じきっている。
ROCKHURRAHは観ながら「西村雅彦、こわい」と何度も繰り返し呟いていたよ。(笑)
あとから調べて分かったけれど、貴志祐介は実際に生命保険会社に勤務していた経験があるんだね。
きっと小説と同じような「ちょっと怪しい」出来事が日常茶飯事だったんじゃないかと推測。

そして西村雅彦みたいな粘着質タイプのお客さんも実際にいたんじゃないのかな?
あ、西村雅彦本人が粘着質みたいに書いてしまった!(笑)
映画の中の人物って意味ね!
そういう人間の裏側というか、いやらしい部分を存分に体験したからこそ出来上がったリアリティにあふれた小説のような気がするよね。

天使の囀り」(1998年6月 角川書店 / 2000年12月 角川ホラー文庫)は、アマゾン探検隊に参加したあと人格が変貌、ついには自殺してしまった恋人の死の真相を探るべく調査を開始した精神科医が主人公の小説である。
アマゾン探検隊の話、「地球の子供たち」という自己啓発セミナーのHPとセミナーに集う人達の話、精神科医が勤める病院の話など様々な場所が舞台になっている。
最終的にそれぞれの話は繋がるんだけど、舞台ごとの話だけで捉えてもなかなか興味深い。
アマゾンではカミナワ族の民話に関する部分が興味深かった。
まるで「ドグラマグラ」のチャカポコの部分みたいに、実際に人が喋ってるように記述されてるんだよね。
素朴な語り口なのに、内容を読む進めていくと、とても恐ろしい話になっていく。
その民話が謎を解く鍵になっていて、民話を挿入したのは効果的だね!
「地球の子供たち」というセミナーには、不安やストレスを抱えたどこにでもいるタイプの人達が参加していて、この部分が一番リアリティがあったかな。
HPから入って、チャットに参加、そしてオフ会に行くなんていうのは2000年以前にインターネットやってた人にとっては「よくある話」だと思うし?
実際SNAKEPIPEも写真関連の「オフ会」とか「オフミーティング」には行ったしね。
「地球」に「ガイア」をルビを振るあたりも、「いかにも」で良い感じ。(笑)
どうしてもパソコン関連の記述があると、年代を感じてしまうことが多いのは仕方ないのかな。
例えばハードディスクの容量や記録媒体とかね。(笑)
小説に明確な時代設定をしないのであれば、もしかしたら作家の方は記述方法考えたほうが良いかもね?(余計なお世話か)
結局、恋人自殺の真相について解決はするんだけど…。
いろんな人が感想やレビューに「気持ち悪い」って書いているように、この手のバイオホラー系は想像するだけでもゾッとすることが多いよね。
一般的には良く知られていない研究を「まことしやか」に語られるから余計に怖いんだよね。

クリムゾンの迷宮」(1999年4月 角川ホラー文庫 / 2003年2月 角川書店)は前作の「天使の囀り」に出てきたゲームオタクの部分を拡張させたような小説で、バーチャルではなく現実的に主人公がゲーム世界の中に登場させられているのである。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた、というところからスタートする。
「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された。無事に迷宮を出て賞金を勝ち取れ」
というゲーム機に映し出されたメッセージにより、強制的にプレイヤーにさせられる主人公。
小型のゲーム機を手に、生きるか死ぬかの極限状態で同じようにプレイヤーにさせられた他8名とのゼロサム・ゲームが始まるのだ。
全く状況が把握できないまま、デスゲームに強制参加させられてしまうところも怖いけれど、一番怖かったのは人間の変貌ぶり。
極限状態における心理の変化や生きることへの執着で、今までには考えられなかったような人間であることを放棄するような行動に走る人々。
SNAKEPIPEは、ゲームの主催者や関係者の非情さよりも、その点が一番怖かったな。
この小説を読んでいる時にはよく悪夢にうなされたものよ。(笑)
「バトル・ロワイヤルに似ている」
「映画SAWに似ている」
と、多くの人が感想に書いているよね。
確かにそうなんだけど、「クリムゾンの迷宮」のほうが、戦時下に近いようなリアリティを感じるんだよね。
ラスト部分はオチとして必要だったのかもしれないけれど、もしかしたら最終章はなくても良かったのかもしれないね。
でもなかったら「オチがないのが不満」って言うんだろうけど。(笑)

4冊分の簡単な感想と考えて書き連ねていたら結構な長さになっちゃったね。
次回に「貴志祐介part2」を書くことにしようかな。
それでは皆様来週をお楽しみに!(笑)

ビザール・トイレ選手権!4回戦

【テキサスにあるトイレット・シート・アート・ミュージアム。行ってみたいね!】

SNAKEPIPE WROTE:

ビザールシリーズを展開してからというもの、世界の変わった商品を探すのが趣味になってしまったSNAKEPIPE。
今回特集するのはトイレ!
実はSNAKEPIPE、いろんな場所のオシャレなトイレを発見するのが好きなのである。
「あの美術館には素敵なトイレがある」
のように記憶し、トイレに行くのを楽しみにするほど。(笑)
清潔なのはもちろんのこと、そのデザインや機能性、広さや明るさなど細部にこだわって観察するのが好きなのである。
ただし、このブログではビザールな逸品を紹介するのが趣旨なので、SNAKEPIPEが実用性を重視して普段から観察しているタイプとは違うものになるんだけどね!
以前、とあるニューハーフの方が経営するその手のバーにあったトイレカバーは印象的だったなあ。
「ベガスから取り寄せた」とママから説明を受けたそれは、なんとカバーと便座に金貨が埋まっていてキラキラしてたんだよね。
さすが、ベガス産!金貨ときたか。(笑)
では金貨に負けないタイプから紹介してみようか!

こちらのゴージャスでブリリアント&ラグジュアリーな逸品ならベガスに対抗できそうじゃない?(笑)
このキラキラ光る豪華なトイレはJemal Wright’s bedazzled throne というバス・トイレ用品のデザイン会社の商品のよう。
写真から推測するしかないんだけど、恐らくダイヤの粒が一面に貼り付けられているように見えるよね。
ガラス製だとは思うけど(当たり前か)これだけの数をびっしりと貼り付けるには、一体何粒のガラスが必要なんだろうね?
タンクからトイレ、水を出すためのコックまでキラキラとは驚きだよね!
一体どんな豪邸に住むお金持ちが手に入れるのやら?
ちなみにお値段は75,000ドル。
現在のレートで約580万円也!
キラキラ好きの女性って多いから、意外と注文多いかもしれないね?
SNAKPEIPだったらこれから紹介する逸品のほうが好みだけどね。

どお、このトイレカバーは!
便座とフタのセットなんだけど、カミソリと有刺鉄線が透明樹脂から透けて見えてるタイプ。
なんてパンクな逸品!素晴らしいよね。(笑)
どうやらイギリス製のようで、平均的なイギリスサイズにはマッチします、と書いてあるよ!
vivo mountsというところで取り扱ってるみたい。
一年間の保証が付いて、税込お値段25.51ポンド!
これを円に換算してみると、なんと3100円!
うそー!こんなにカッコ良いカバーなのに、こんなお値段とは!
SNAKEPIPEは本気で欲しくなったよ。
と思ったら品切れだって!ぐっすん、遅かったか。(笑)

じゃあこっちのカバーはどうだ?
おおっ!前に書いた「ビザール・チェア選手権!2回戦」に登場した悪魔椅子に通じるタイプね!
このガーゴイル・トイレカバーについては調べてみたけど、詳細がよく分からなくて残念。
どこの国のものなのか、素材は何なのか、とかね。
お値段についても不明。
もしかしたら販売されてる商品じゃなくて、作品かもしれないね?
この手のモチーフはファンが多いと思うので、調査は継続していきたいと思う。(大げさ)
本当はSNAKEPIPE自身が興味あるだけだったりして?(笑)
代わりにと言ってはヘンだけど、違うガーゴイルアイテムを発見したよ!

ガーゴイルシリーズ第2弾!
ガーゴイル・トイレット・ホルダーだっ!(笑)
この商品、amazonで購入可能なんだよね。
Cool Gargoyle Toilet Paper Roll Holder Gothic Tissueで検索すると出てくるよ。
お値段なんと18.99ドル!
日本円に換算して、えっ1500円!!
これはガーゴイル好きにはたまらないね!
amazonのカスタマーレビューに
「期待以上に素晴らしい!」
って感想が載ってるんだよね。(笑)
レビュー書いた人、上のトイレカバーとセットで持ってるかもしれないよね?
SNAKEPIPEもできれば揃いで欲しいと思うな!(笑)

ここで思い出したのがバブル時代、有明にあったMZA有明
その昔あったライブハウス・ディスコである。
ディスコだよっ、ディスコ!(笑)
この建物の上から下を覗き込んでいたのが、ガーゴイルちゃんだったんだよね。
MZA有明で行ったのはラモーンズだったか。
調べてみたらなんと1988年だって。
ぎゃっ、今から24年前とは…。
ちなみにROCKHURRAHは1988年ラモーンズ来日の時は中野サンプラザに行ったそうだ。
結局二人共観てるのね。(笑)

なんだかガーゴイルづくしの記事になっちゃったね。
ビザールシリーズはまだまだ続くよ!(笑)

大人社会科見学—明治大学博物館・爆音劇場—

【鉄の処女と爆音劇場原画展DM】

SNAKEPIPE WROTE:

本来であれば歌川国芳展後半戦を鑑賞するつもりでいたROCKHURRAHと友人Mを加えた3人組。
先日の「人と人の隙間から『覗き』みたいな感じで鑑賞する」のにはこりごりだったため、急遽予定を変更!
前々より行ってみたい場所だった明治大学に足を運ぶことにした。
何故明治大学なのか?と疑問に思われる方も多いだろうね。
なぜなら明治大学には博物館があり、その中に「刑事関係資料」の展示を扱うコーナーがあることを聞き知っていたからなのである。

「江戸の捕者具、日本や諸外国の拷問・処刑具など人権抑圧の歴史を語り伝える実物資料をご覧ください。とくにギロチン、ニュルンベルクの鉄の処女は、我が国唯一の展示資料です。」

と説明されているように、明治大学博物館の目玉(?)はギロチンと鉄の処女!
是非とも鑑賞してみたい!と思うのはSNAKEPIPEだけではないでしょ?(笑)
江戸時代の補者道具や刑罰についての資料も同時に展示されているとのこと。
これは興味津々!

御茶ノ水駅から歩いてほんの数分の所に明治大学はあった。
この年齢になって初めて大学キャンパス内を歩くSNAKEPIPE。
聞いてみるとROCKHURRAHは友人がいた九州大学に、友人Mは学園祭などで早稲田大学に遊びに行ったことがあると言う。
一度も経験がないのはSNAKEPIPEだけみたいだけど、結局3人共大学生活を送ったことがないという点では一致してるんだよね。(笑)

明治大学の博物館はアカデミーコモンの地下にある。
いつでも誰でも鑑賞することができるという、なんとも太っ腹な対応にびっくり。
しかも業務用ではない個人的な撮影はオッケーと書いてあり、より一層好感を持つ。
商品部門、刑事部門、考古部門とそれぞれセクションで区切られ、係員も警備員もいない状態で展示がされている。
鑑賞に訪れている人が意外と多くてびっくり。
やっぱり人気は「ギロチン」の刑事部門だった。

よく時代劇などでみかける「刺又(さすまた)」やお役人が持っている「十手」の展示から始まる刑事部門。
「刺又」や「突棒」などの補者道具は、時代劇ではハッキリ判らなかったけれど、じっくり詳細を眺めると細工の細かさや棒の長さや重量などを推測することができてとても興味深い。
あの長い棒を振り回せるのは、かなりの体力自慢じゃないと無理だろうね。
江戸時代の男性の体格について調べたことはないけれど、恐らく現代人よりは小柄で体重も軽かったんじゃないかしら?
棒を持つコツがあったのかもしれないね?(笑)

自白を強要するための措置として設けられたのが「笞打(むちうち)」「石抱(いしだき)」「海老責(えびぜめ)」「釣責(つるしぜめ)」で、列記した順番にどんどん辛い責めになるという。
その装置の展示と、「こんな感じだよ」という絵の展示がされていた。
SNAKEPIPEには「釣責」よりも「海老責」のほうが辛そうに見えたんだけど、実際に責めを受けたことがないから判断できないよね。(笑)
「恐れ入りました」と言うまで拷問が続いた、と書いてあったよ。

一番衝撃的だったのは、1869年(明治2年)に外国人によって撮影された処刑写真の展示である。
店の小僧が強盗に手引きをしてその店を襲わせ金を奪った、という事件内容だったと思う。
手引きをした小僧は磔刑、強盗は斬首という裁きを受けたらしく、その様子が写真として残っていたとは驚き。
教科書などで習う「明治時代」というのは「散切り頭を叩いてみれば、文明開化の音がする」のように明治時代=西洋文化だと思っていたSNAKEPIPEだったけれど、写真の明治2年では頭を結った着物姿。
年号が変わっても庶民の生活や文化はまだそれほど変化してなかったことが判る。
これはちょっとした発見だったね!
そして当時の裁きの厳しさにもビックリしちゃうよね。
密通でも死罪と書いてあったよ?
現代よりも道徳に厳しかったみたいだね。

この写真展示がかなり衝撃的だったため、国内唯一の展示品である「ギロチン」と「鉄の処女」にはそんなに感動しなかった。
どちらもレプリカで、恐らく縮尺も変えてあるだろうから余計かもしれないね。
そして「鉄の処女」の造りをジッと観て、3人共に同じ感想を持つ。
「扉を閉めるの、大変だったろうね?」
「鉄の処女」は中が空洞になった立った棺のような内部に、様々な長さの釘が打ち付けられていて、中に人が入り扉を閉めることで釘が全身に刺さる仕組みになっている拷問具なのである。
扉を閉めた瞬間には、釘が全身を貫いていることになる寸法だから、余程の力自慢じゃないとできない作業だと思われる。
調べてみると「空想上の拷問具の再現ではないか」という説が多いとのこと。
やっぱり!無理があるなと思ったからね!

明治大学にはミュージアムショップもあり、そこには「鉄の処女」をモチーフにしたTシャツや便箋などが販売されていた。
SNAKEPIPEが興味を持ったのが「土偶のコースター」。
博物館には考古部門もあり、「土偶」と遭遇!(韻を踏んでる)
あのカタチは不思議でならないよね。
古代宇宙飛行士説なども確かに考えられるかも、などと思いを馳せるSNAKEPIPE。
土偶コースター、とっても素敵!買うっ!
と勢いづいているSNAKEPIPEを横目で見る友人M。
いいよね?とROCKHURRAHに同意を求めても、すぐには反応なし!
えー?なんでー?
ものすごく気に入ったので購入したSNAKEPIPE。
今見てもやっぱりとってもかわいい!土偶ちゃん、最高!(笑)

この日の大人社会科見学はまだ続き、なんと御茶ノ水から原宿に移動!
眠くなったから帰る、と友人Mはこの時点で脱落。(笑)
原宿に行くのなんて何年ぶりだろう?
恐らく5、6年は行っていないはず。
以前の用事が何だったのかも忘れてるよー。とほほ。
今回の原宿行きは友人である漫画家丹波鉄心氏の原画展の鑑賞が目的である。
「え~!A STORE ROBOTが会場だってよ~!」
と叫んでしまったSNAKEPIPE。
ROBOT…なんて懐かしい響き!
遠い昔、そうSNAKEPIPEがまだまだ子供だった時には、ほぼ毎週のように通っていた憧れのお店だったROBOT…。
JUMPIN’, KICKIN’, TWISTIN’ SHOES」や「ファッション雑誌なんかいらない!」でも書いたことがあったね。
「お小遣いに対してROBOTのラバーソールは目ん玉飛び出るほど高くて、それでも欲しくて欲しくて買った一番の宝物だった」
うっ、懐かしい過去の自分にタイムスリップして涙が出そうなくらい!
俺も良く通ったもんだよ、とROCKHURRAHも遠い目をする。
何年どころじゃない、何十年ぶりか判らない程の長い年月を経て、ROCKHURRAHと二人でROBOTに向かったのである。

それにしても…かつてはあんなに足繁く通っていた道のりだったはずなのに、二人共すっかり忘れているとはね。
街並みが変化したせいもあるけれど、人の記憶の曖昧さを再認識させられますなあ。(笑)
店舗に到着してやっと「こんな建物だったな」とうっすら思い出す始末。
ああ、情けない!

ROBOTに足を踏み入れると、赤×黒のモヘアボーダーセーターを着た丹波鉄心氏の姿が目に入る。
手土産のビールを渡すと、とても嬉しそうにしてくれた。
そしてすぐさま栓を抜く鉄心氏。
な、なんと!MY栓抜き持参とは!さすが鉄心氏、やるねえ!(笑)

と、ここで丹波鉄心氏の簡単なプロフィール紹介をしようか。
丹波鉄心氏は少年マガジンで漫画家デビューを果たし、音楽雑誌「DOLL」で4コマ漫画を連載していたパンク漫画家である。
きっとそう聞けば「ああ、あの漫画!」と思い当たる方も多いと思う。
熱烈なファン、いっぱいいただろうからね!
漫画家というと部屋にこもりきりのイメージがあるけれど、鉄心氏はパンク系のライブといえば必ず顔を出すアクティブ&アグレッシブな方!
SNAKEPIPEは恐らく10年程前にライブにご一緒したのが縁で、不定期にライブ参戦や飲み会などでお付き合いをさせて頂いている仲である。
鉄心氏は音楽についてはもちろんのこと、映画や小説などあらゆる分野における知識をお持ちなので、一緒に飲んでて楽しいんだよね!
新しい情報も積極的に取り入れる柔軟な方だなあ、といつも感心してしまう。
キチンと健康管理もされているようで、お会いする度にどんどん体脂肪が減っているように見受けられる。
やっぱりパンクはスリムじゃないとね!(笑)

今回はその「DOLL」で連載をされていた4コマ漫画の原画を展示、そして1999年から始まった10年分の連載をオリジナル単行本「丹波鉄心の爆音劇場 総集編」として販売しているのである。
なんとこの単行本、限定100部でサイン入り!
これは絶対に買わなければ!(笑)
ちなみに購入した単行本のナンバーは68/100!
残念、せっかくだったら69が良かったのになあ!
いや、ROCKHURRAHだから68でいいか。(笑)
それにしても、鉄心氏の漫画はとても面白い。
普段は無口なROCKHURRAHが声を出して笑ってたくらいだよ!(笑)

この原画展は2月19日まで開催しているので、是非ROBOTまで足を運んでね。
どうしても期間中原宿に行かれない方には、ROBOTの通販で購入する手もあるよ!
鉄心氏のオリジナルグッズとして「オヤジクッション」や「マカロンブローチSET」などもあり、鉄心氏から
「バッジ、買わない?」
と強くお薦めをされたSNAKEPIPEだけれど、ごめんなさい勇気がなくて。(笑)
目立つこと間違いなし!のブローチなので、是非みなさん購入しましょうね!

今回の大人社会科見学は「鉄の処女」と「丹波鉄心」で、「鉄つながり」の一日だったなあ!(笑)
おあとがよろしいようで!