大人社会科見学—明治大学博物館・爆音劇場—

【鉄の処女と爆音劇場原画展DM】

SNAKEPIPE WROTE:

本来であれば歌川国芳展後半戦を鑑賞するつもりでいたROCKHURRAHと友人Mを加えた3人組。
先日の「人と人の隙間から『覗き』みたいな感じで鑑賞する」のにはこりごりだったため、急遽予定を変更!
前々より行ってみたい場所だった明治大学に足を運ぶことにした。
何故明治大学なのか?と疑問に思われる方も多いだろうね。
なぜなら明治大学には博物館があり、その中に「刑事関係資料」の展示を扱うコーナーがあることを聞き知っていたからなのである。

「江戸の捕者具、日本や諸外国の拷問・処刑具など人権抑圧の歴史を語り伝える実物資料をご覧ください。とくにギロチン、ニュルンベルクの鉄の処女は、我が国唯一の展示資料です。」

と説明されているように、明治大学博物館の目玉(?)はギロチンと鉄の処女!
是非とも鑑賞してみたい!と思うのはSNAKEPIPEだけではないでしょ?(笑)
江戸時代の補者道具や刑罰についての資料も同時に展示されているとのこと。
これは興味津々!

御茶ノ水駅から歩いてほんの数分の所に明治大学はあった。
この年齢になって初めて大学キャンパス内を歩くSNAKEPIPE。
聞いてみるとROCKHURRAHは友人がいた九州大学に、友人Mは学園祭などで早稲田大学に遊びに行ったことがあると言う。
一度も経験がないのはSNAKEPIPEだけみたいだけど、結局3人共大学生活を送ったことがないという点では一致してるんだよね。(笑)

明治大学の博物館はアカデミーコモンの地下にある。
いつでも誰でも鑑賞することができるという、なんとも太っ腹な対応にびっくり。
しかも業務用ではない個人的な撮影はオッケーと書いてあり、より一層好感を持つ。
商品部門、刑事部門、考古部門とそれぞれセクションで区切られ、係員も警備員もいない状態で展示がされている。
鑑賞に訪れている人が意外と多くてびっくり。
やっぱり人気は「ギロチン」の刑事部門だった。

よく時代劇などでみかける「刺又(さすまた)」やお役人が持っている「十手」の展示から始まる刑事部門。
「刺又」や「突棒」などの補者道具は、時代劇ではハッキリ判らなかったけれど、じっくり詳細を眺めると細工の細かさや棒の長さや重量などを推測することができてとても興味深い。
あの長い棒を振り回せるのは、かなりの体力自慢じゃないと無理だろうね。
江戸時代の男性の体格について調べたことはないけれど、恐らく現代人よりは小柄で体重も軽かったんじゃないかしら?
棒を持つコツがあったのかもしれないね?(笑)

自白を強要するための措置として設けられたのが「笞打(むちうち)」「石抱(いしだき)」「海老責(えびぜめ)」「釣責(つるしぜめ)」で、列記した順番にどんどん辛い責めになるという。
その装置の展示と、「こんな感じだよ」という絵の展示がされていた。
SNAKEPIPEには「釣責」よりも「海老責」のほうが辛そうに見えたんだけど、実際に責めを受けたことがないから判断できないよね。(笑)
「恐れ入りました」と言うまで拷問が続いた、と書いてあったよ。

一番衝撃的だったのは、1869年(明治2年)に外国人によって撮影された処刑写真の展示である。
店の小僧が強盗に手引きをしてその店を襲わせ金を奪った、という事件内容だったと思う。
手引きをした小僧は磔刑、強盗は斬首という裁きを受けたらしく、その様子が写真として残っていたとは驚き。
教科書などで習う「明治時代」というのは「散切り頭を叩いてみれば、文明開化の音がする」のように明治時代=西洋文化だと思っていたSNAKEPIPEだったけれど、写真の明治2年では頭を結った着物姿。
年号が変わっても庶民の生活や文化はまだそれほど変化してなかったことが判る。
これはちょっとした発見だったね!
そして当時の裁きの厳しさにもビックリしちゃうよね。
密通でも死罪と書いてあったよ?
現代よりも道徳に厳しかったみたいだね。

この写真展示がかなり衝撃的だったため、国内唯一の展示品である「ギロチン」と「鉄の処女」にはそんなに感動しなかった。
どちらもレプリカで、恐らく縮尺も変えてあるだろうから余計かもしれないね。
そして「鉄の処女」の造りをジッと観て、3人共に同じ感想を持つ。
「扉を閉めるの、大変だったろうね?」
「鉄の処女」は中が空洞になった立った棺のような内部に、様々な長さの釘が打ち付けられていて、中に人が入り扉を閉めることで釘が全身に刺さる仕組みになっている拷問具なのである。
扉を閉めた瞬間には、釘が全身を貫いていることになる寸法だから、余程の力自慢じゃないとできない作業だと思われる。
調べてみると「空想上の拷問具の再現ではないか」という説が多いとのこと。
やっぱり!無理があるなと思ったからね!

明治大学にはミュージアムショップもあり、そこには「鉄の処女」をモチーフにしたTシャツや便箋などが販売されていた。
SNAKEPIPEが興味を持ったのが「土偶のコースター」。
博物館には考古部門もあり、「土偶」と遭遇!(韻を踏んでる)
あのカタチは不思議でならないよね。
古代宇宙飛行士説なども確かに考えられるかも、などと思いを馳せるSNAKEPIPE。
土偶コースター、とっても素敵!買うっ!
と勢いづいているSNAKEPIPEを横目で見る友人M。
いいよね?とROCKHURRAHに同意を求めても、すぐには反応なし!
えー?なんでー?
ものすごく気に入ったので購入したSNAKEPIPE。
今見てもやっぱりとってもかわいい!土偶ちゃん、最高!(笑)

この日の大人社会科見学はまだ続き、なんと御茶ノ水から原宿に移動!
眠くなったから帰る、と友人Mはこの時点で脱落。(笑)
原宿に行くのなんて何年ぶりだろう?
恐らく5、6年は行っていないはず。
以前の用事が何だったのかも忘れてるよー。とほほ。
今回の原宿行きは友人である漫画家丹波鉄心氏の原画展の鑑賞が目的である。
「え~!A STORE ROBOTが会場だってよ~!」
と叫んでしまったSNAKEPIPE。
ROBOT…なんて懐かしい響き!
遠い昔、そうSNAKEPIPEがまだまだ子供だった時には、ほぼ毎週のように通っていた憧れのお店だったROBOT…。
JUMPIN’, KICKIN’, TWISTIN’ SHOES」や「ファッション雑誌なんかいらない!」でも書いたことがあったね。
「お小遣いに対してROBOTのラバーソールは目ん玉飛び出るほど高くて、それでも欲しくて欲しくて買った一番の宝物だった」
うっ、懐かしい過去の自分にタイムスリップして涙が出そうなくらい!
俺も良く通ったもんだよ、とROCKHURRAHも遠い目をする。
何年どころじゃない、何十年ぶりか判らない程の長い年月を経て、ROCKHURRAHと二人でROBOTに向かったのである。

それにしても…かつてはあんなに足繁く通っていた道のりだったはずなのに、二人共すっかり忘れているとはね。
街並みが変化したせいもあるけれど、人の記憶の曖昧さを再認識させられますなあ。(笑)
店舗に到着してやっと「こんな建物だったな」とうっすら思い出す始末。
ああ、情けない!

ROBOTに足を踏み入れると、赤×黒のモヘアボーダーセーターを着た丹波鉄心氏の姿が目に入る。
手土産のビールを渡すと、とても嬉しそうにしてくれた。
そしてすぐさま栓を抜く鉄心氏。
な、なんと!MY栓抜き持参とは!さすが鉄心氏、やるねえ!(笑)

と、ここで丹波鉄心氏の簡単なプロフィール紹介をしようか。
丹波鉄心氏は少年マガジンで漫画家デビューを果たし、音楽雑誌「DOLL」で4コマ漫画を連載していたパンク漫画家である。
きっとそう聞けば「ああ、あの漫画!」と思い当たる方も多いと思う。
熱烈なファン、いっぱいいただろうからね!
漫画家というと部屋にこもりきりのイメージがあるけれど、鉄心氏はパンク系のライブといえば必ず顔を出すアクティブ&アグレッシブな方!
SNAKEPIPEは恐らく10年程前にライブにご一緒したのが縁で、不定期にライブ参戦や飲み会などでお付き合いをさせて頂いている仲である。
鉄心氏は音楽についてはもちろんのこと、映画や小説などあらゆる分野における知識をお持ちなので、一緒に飲んでて楽しいんだよね!
新しい情報も積極的に取り入れる柔軟な方だなあ、といつも感心してしまう。
キチンと健康管理もされているようで、お会いする度にどんどん体脂肪が減っているように見受けられる。
やっぱりパンクはスリムじゃないとね!(笑)

今回はその「DOLL」で連載をされていた4コマ漫画の原画を展示、そして1999年から始まった10年分の連載をオリジナル単行本「丹波鉄心の爆音劇場 総集編」として販売しているのである。
なんとこの単行本、限定100部でサイン入り!
これは絶対に買わなければ!(笑)
ちなみに購入した単行本のナンバーは68/100!
残念、せっかくだったら69が良かったのになあ!
いや、ROCKHURRAHだから68でいいか。(笑)
それにしても、鉄心氏の漫画はとても面白い。
普段は無口なROCKHURRAHが声を出して笑ってたくらいだよ!(笑)

この原画展は2月19日まで開催しているので、是非ROBOTまで足を運んでね。
どうしても期間中原宿に行かれない方には、ROBOTの通販で購入する手もあるよ!
鉄心氏のオリジナルグッズとして「オヤジクッション」や「マカロンブローチSET」などもあり、鉄心氏から
「バッジ、買わない?」
と強くお薦めをされたSNAKEPIPEだけれど、ごめんなさい勇気がなくて。(笑)
目立つこと間違いなし!のブローチなので、是非みなさん購入しましょうね!

今回の大人社会科見学は「鉄の処女」と「丹波鉄心」で、「鉄つながり」の一日だったなあ!(笑)
おあとがよろしいようで!

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