SNAKEPIPE MUSEUM #21 Melvin Edwards

【メルヴィン・エドワーズの作品。重厚でカッコ良いね!】

SNAKEPIPE WROTE:

今年の3月にフランシス・ベーコン展を鑑賞して以来、またとんと美術館にはご無沙汰のSNAKEPIPE。
今月が終われば今年も半分終わってるってことだよね。
なんとも月日の経つのは速いねえ。
そのうちに美術館は夏休み用の企画を立てるに違いないから、また子供向けのあまり好みじゃない展覧会のオンパレードになるんだろうなあ。
そんなことならいっそのこと、またいつものように自分が好きなタイプのアートを個人的に楽しむ時間を持ったほうが良さそうだね。

ROCKHURRAH RECOREDSのプロフィールにも書いているように、シルバー色でピカピカ光るインダストリアル系はSNAKEPIPEの大好物!(笑)
上の作品を目にした瞬間、
「ひーーー!カッコ良い!」
と叫んでしまったのである。
なんとも重厚で、意味不明の物体。
一体これは何?

調べてみると、これはメルヴィン・エドワーズというアメリカの彫刻家の作品だということが判明。
日本には「アモーレの鐘」で有名な美ヶ原高原美術館に作品が展示されているようだけど、アーティスト本人に関する詳しい情報はほとんど見当たらない。
そこでまたもやSNAKEPIPEが翻訳して、紹介してみようと思う。
毎度のことながら誤訳があったらごめんなさい。(笑)

メルヴィン・エドワーズは1937年アメリカのテキサス州生まれの今年76歳。
ニューヨークに住み、一年のうち数ヶ月はセネガルで過ごし、そこで彫刻家として活動しているらしい。
メルヴィン・エドワーズはアフリカ系アメリカ人なので、インスピレーションを祖先が住んでいたアフリカに求めているんだって。
南カリフォルニア大学を卒業した後、更にLos Angeles City Collegeとthe Los Angeles County Art Instituteでも勉学に励む。
1964年にはSan Bernardino Valley Collegeで、その後the Chouinard Art Instituteやthe Orange County Community College in New York、the University of Connecticutで教鞭を執っていたとのこと。
専門が何だったのかは書かれていないけれど、大学教授だったとはすごいね!
1965年、カリフォルニアのサンタバーバラ博物館で初めての個展を開催。
1972年から2002年まで、Rutgers Universityにおいて、彫刻や第三世界の芸術家についての授業を行う。
1975年にグッゲンハイム助成金を与えられる。
これはジョン・サイモン・グッゲンハイム・メモリアル財団が毎年主催する助成金制度で、アメリカ国民と永住者、ラテンアメリカとカリビアン諸島の人が申し込むことができるとのこと。
助成期間は1年間で2008年には約4万3000ドルの奨学金の支援をしてくれた、と書いてあったよ。
現在のレートで約420万円の資金援助は、かなり助かるだろうね!(笑)

それ以降も数々の個展の開催や、メトロポリタン美術館やニューヨーク近代美術館など多くの美術館に永久保存作品としてコレクションされているとのこと。
メル・エドワーズはアメリカの主要な同時代の彫刻家のうちの1人です、と書かれている通りにかなり有名な、しかもインテリジェンスなアーティストなんだね!

メルヴィン・エドワーズは立像型の彫刻と壁掛け型彫刻やリトグラフ、アクリル絵の具などを使った絵画も手がけている。
その中でSNAKPEIPEが一番興味を持ったのは壁掛け型の彫刻で、「Lynch Fragments」というシリーズである。


上の写真は、2012年の11月から12月にかけてニューヨークのAlexander Gray Associatesというギャラリーでの個展の模様である。
手前に有刺鉄線が下がっていて、左にはチェーンみたいなのも見えるよね。
更に奥の壁には、「Lynch Fragments」が展示されている。
いいねー!
この雰囲気、「SNAKEPIPE MUSEUM #19 Kendell Geers」で特集した、南アフリカのアーティスト、ケンデル・ギアーズに近いよね?
結局SNAKEPIPEの好みが、アブナイ側寄りってことなんだろうな。(笑)
それにしても「Lynch Fragments」シリーズは、どういう意図で制作されているんだろうね?
スペルが同じだから、デヴィッド・リンチに捧げる作品とか?(んなバカな)

「Lynch Fragments」は公民権運動からインスパイアされてできた作品で、1963年から現在まですでに200を超える作品が制作されているらしい。
公民権運動ってことは人種差別を撤廃せよ、とアフリカ系アメリカ人が立ち上がった運動のことだよね。
やはりメルヴィン・エドワーズも社会的な思想の元、制作をしていたんだね。
作品は金槌やハサミ、岩やチェーンなどの様々な素材を使用し、視覚的にも構造上にもバッチリな構成の元に接合されている。
恐らくそれぞれの素材にも公民権運動や、アフリカからアメリカに連れられた歴史などに関する意味があるんだろうな。
チェーンは完全に理解できるよね。


鋼の見事なシェイプにうっとりしちゃうね!
破壊的で、サイバーパンクっぽい雰囲気。
フランク・ステラの彫刻にも似た感じだね。
ううっ、たまらない!
200個の内の5個くらいをチョイスして、是非自宅に飾ってみたいよね!
もしくはこのモチーフでブローチがあったらとても素敵だと思うんだけど?
重過ぎて洋服には使えないのかしら?(笑)

メルヴィン・エドワーズの個展、やらないかなあ。
レプリカで良いから「Lynch Fragments」を手に入れたいな!

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